平成1104日目

平成4年1月16日(木)

1992/01/16

【宮沢喜一首相】韓国・盧泰愚大統領と会談

宮沢首相は16日午前11時35分、全日空特別機で韓国のソウル空港に到着した。首相就任後初の外遊で、羽田孜蔵相、日韓議員連盟幹事長の加藤六月前自民党政調会長らが同行。空港では、鄭元植首相らが出迎え、歓迎行事が行われた。

首相はこの後、ソウル市内の国立墓地で献花。午後に盧泰愚大統領を青瓦台(大統領府)に訪ね、第一回首脳会談を行い、国際情勢をテーマに、日韓両首脳が情勢分析、意見交換する。《読売新聞》

韓国を訪問中の宮沢首相と盧泰愚大統領との第一回首脳会談が、16日午後3時10分(日本時間同)すぎから約2時間にわたり、ソウル市内の青瓦台(大統領府)で行われた。大統領は、「(日韓間の)不幸な歴史に正しい認識を持つことが、この地域の平和と安定につながる」と、韓国国内で対日批判が高まっている朝鮮人従軍慰安婦問題を念頭に、植民地時代の「過去」に言及した。

また、わが国の国連平和維持活動(PKO)協力法案に関し、自衛隊の海外派遣に懸念を表明するとともに、対日赤字が増加している貿易不均衡の是正を求めた。これに対し、首相は①歴史認識の点は十分にわかる②貿易不均衡是正はともに努力していきたい―などと述べ、日韓間の関係強化に努めていく考えを明らかにした。

日韓間の過去の歴史についての大統領の発言は、「長い歴史の中で、ほんの一瞬の短い出来事だったが、その不幸な過去について正しい認識を是非持ってほしい」というもので、従軍慰安婦問題への具体的言及は避けた。しかし、この問題を踏まえてのものであることは明らかで、日韓の密接な協力関係は運命づけられていると、日韓間の関係強化の必要性を指摘しながら、この問題での対応を迫った。

これについて、首相は、かつて鈴木内閣当時の官房長官として「教科書問題」に取り組んだ経緯に触れ、「自分も大統領と同じ考えだ。この点は、私自身肝に銘じてよく分かっている」と述べた。《読売新聞》



【渡辺美智雄外相】「コメ開放」重ねて積極論

渡辺美智雄外相は16日、テレビ朝日の番組録画撮りの中で、新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)に関連したコメ問題について「自由貿易体制の中で日本が最大の資源消費国になっているのに、コメを1トンも入れないという理屈は通らない。総合的に食料が確保できれば、それは食料安保になる」と述べ、コメの市場開放に前向きの考えを強調した。

市場開放に伴う農家対策として「農家の所得を減らさないため、総合所得政策で所得を確保し、安心してもらう」と述べ、所得保障措置を検討する考えを表明した。《読売新聞》

【自民党・梶山静六氏】国対委員長就任を示唆

自民党の金丸副総裁は16日午後、国会近くの事務所で梶山静六・元国会対策委員長(元通産相)と会談し、重ねて空席になっている国対委員長への就任を要講した。これに対し、梶山氏は、「万が一、仮に受けるにしても期待しないでほしい」と述べ、就任要請に応じる用意のあることを示唆した。梶山氏は17日に最終回答するとしている。

金丸氏が梶山氏に就任要請するのは、8、10両日に次いで三回目。金丸氏は、①24日召集の通常国会は、阿部文男・元北海道沖縄開発庁長官の「共和」巨額資金提供疑惑、宮沢首相のリクルート問題など難闘が待ち構えている②国会運営を竹下派が任された以上、国対委員長には即戦力のベテランの起用が求められる―などの認識から、あくまで梶山氏一本に絞って就任を求めた。

これに対し、梶山氏は、①昨年秋の臨時国会で政治改革関連法案を廃案にした責任を取り、一年間役職に就く気はない②盟友の故小此木彦三郎・元衆院政治改革特別委員長の喪に服したいなどと強調した。

また梶山氏は先の臨時国会で国連平和維持活動(PKO)協力法案が継続審議になったことに言及、「責任は増岡氏だけにあるか。国会対策は、幹事長、官房長官と三位一体で進めるものだ」と述べ、前臨時国会の態勢を批判したという。《読売新聞》

【パリ・ケープタウンラリー】篠塚健次郎選手が3位入賞

前回までのパリ・ダカールラリー(パリ・ダカ)のゴールをケープタウンに変更して行われた自動車のパリーケープタウン・ラリーは16日、最終日を迎え、四輪部門は三菱パジェロのユベール・オリオル(フランス)が総合優勝を飾った。

総合2位はアーウィン・ウェーバー(ドイツ)。パリ・ダカで総合3位(87年)、同2位(88年)の実績を持ち、今回は初の総合優勝が期待された篠塚建次郎は3位にとどまった。ウェーバー、篠塚もともに三菱パジェロで、上位3台を三菱チームが占める結果になった。《共同通信》

【グルジア】前大統領が帰国

グルジアのガムサフルジア前大統領は16日、グルジア西部の都市ズグジジに到着。その後、開かれた支持者の集会で演説し、さる6日のガムサフルジア政権転覆で実権を握ったシグア暫定政府に対す内戦の開始と、首都トビリシへの進撃を呼びかけた。

また、タス通信は、ガムサフルジア派とロシア領内チェチェノ・イングーシ共和国の代表らが同日、ズグジジに近いアブハジア共和国の中心都市スフミで、「メグレリア・アブハジア共和国」創設を協議した、と報じた。

ガムサフルジア支持勢力はズグジジなど同国西部に限られている。しかし、「軍事評議会」を基盤とするシグア政権も、ガムサフルジア一派の最高会議欠席で新政権の承認が得られないなど不手際が目立つだけでなく、国民の信頼も十分とは言えず、「内戦」呼びかけにより、グルジア情勢の安定化が遅れるのは必至だ。

ガムサフルジア氏は、今月6日にトビリシを脱出して以来、アルメニアに身を潜めていたが、15日、いったん飛行機でチェチェノ・イングーシ共和国の首都グローズヌイに向かったと伝えられた。しかし、その後、スフミに到着。16日未明、ズグジジに入った。

ズグジジは住民の圧倒的多数が、ガムサフルジア氏と同じメグレリア人、という土地柄。昨年5月のグルジア大統領選でも、スフミ、ズグジジを中心とする一帯がガムサフルジア氏勝利の原動力になった、と言われる。

アブハジア共和国議会のアルジンバ議長は、16日、同共和国が、「メグレリア・アブハジア共和国」創設の協議に、「参加したことはないし、今後、参加することもない」と断言した。

タス通信によると、16日、トビリシ市内の鉄道駅周辺に約1000人が集まり、「ガムサフルジアを権力の座に戻せ」と、気勢を上げた。《読売新聞》

【大相撲初場所5日目】小錦、綱取り「黄信号」

大相撲初場所5日目(16日・両国国技館)小錦は貴花田を追い詰めながら、逆転され、2連敗。横綱昇進に黄信号がともった。

平幕の鬼雷砲、貴ノ後も敗れ、霧島ら7力士が1敗で並ぶ混戦となった。5日目で幕内に全勝がいなくなったのは昭和61年春場所以来、35場所ぶり。琴錦はようやく初日を出した。《読売新聞》

【米・ブッシュ大統領】イラク制裁を継続

湾岸戦争開始から米時間で1周年を迎えた16日、ブッシュ米大統領は声明を発表し、勝利の成果を改めて誇るとともに、フセイン・イラク大統領打倒をイラク国民に呼びかけた。

声明でプッシュ大統領は「サダム(フセイン大統領)の政権の力は弱まった」としながらも、フセイン政権を孤立させ続けるため、「国連による国際制裁は継続する」と断言した。また、「イラク国内外でフセイン政権に抵抗している多くのイラク人に敬意を表する」と語り、国連決議を順守し、国際社会と協調しようという新政権が生まれれば、米政府は協力する準備があると、イラク国民及びイラク軍に約束した。

大統領声明を読み上げたフィッツウォーター大統領報道官は、イラクが停戦協定を破った場合、米政府としては軍事行動を含む「あらゆる選択肢を排除しない」ことを確認した。しかし、現時点では軍事行動、制裁の追加は計画していない、と述べた。

報道官は、フセイン政権打倒は「イラク国民が解決する問題」として、米国が反政府勢力支援のため、介入することはなく、この問題で単独行動は取らないと断言した。《読売新聞》



1月16日のできごと