平成1082日目
1991/12/25
この日のできごと(何の日)
【ソ連・ゴルバチョフ大統領】辞任表明
ゴルバチョフ・ソ連大統領は25日午後7時、国営テレビを通じて自らの辞任声明を発表した。大統領はまず「事態の展開をかんがみ、私はソ連大統領としての自分の活動を停止する」と宣言。国家の分裂は大きな危機をはらんでおり、同意できないと指摘。連邦を維持すべきとの立場は独立国家共同体が結成されたアルマアタ首脳会議の後も変わっていないと強調した。しかし「共同体が社会の真の合意をもたらし危機からの脱出と改革を容易にするよう全力を尽くす」と述べた。
これで、1985年3月の共産党書記長就任以来ペレストロイカ(改革)によって国内、東欧諸国の民主化や、冷戦の終結をもたらすともに、8月のクーデター事件をきっかけに共産党を解体させたゴルバチョフ大統領は、6年9ヵ月の政権の幕を閉じることになった。
11共和国が連邦大統領など中央機関を持たない独立国家共同体を結成したため退陣に追い込まれたもので、ソ連も31日に69年の歴史を終え消滅する。《共同通信》
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ロナルド・レーガン前米大統領は25日、ゴルバチョフ・ソ連大統領の辞任に関連して、「ゴルバチョフ氏は、歴史の中で永遠に生き続けるだろう。彼は勇気ある指導者だった。ソ連国民、そして自由を愛する世界のすべての人々は、ゴルバチョフ氏に大いに感謝せねばならない」との声明を発表した。《読売新聞》
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メージャー英首相は25日、ゴルバチョフ・ソ連大統領の辞任演説後、メッセージを発表、「大統領は世界をより良い方向へ転換させた史上まれな存在の一人であり、その業績は現代の歴史が書かれる際に、特異な位置を占めることになろう」と強調した。 また、ゴルバチョフ大統領の強力な支持者のサッチャー前首相は「私とゴルバチョフ大統領、それにレーガン大統領の3人で、世界の平和および民主主義のために、多くのことが達成できたものと考えている」とのコメントを発表した。 ウェルナー北大西洋条約機構(NATO)事務総長も「大統領はドイツ統一をはじめとする欧州の革命的変化に寄与した。こうした変化なくして、現在のようなNATOの基本的政策転換は考えられなかった」などと、その業績をたたえた。《読売新聞》
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【大相撲初場所】番付発表
日本相撲協会は25日朝、大相撲初場所(来年1月12日初日・両国国技館)の新番付を発表し、実力者の琴錦が3場所ぶりに関脇返り咲きを果たし、大関昇進を懸けることになった。
秋場所で平幕優勝した琴錦は、小結だった九州場所でも12勝3敗と小錦に次ぐ成績を挙げ、今場所は東関脇についた。
横綱、大関陣はそれぞれ先場所と東、西が入れ替わった。九州場所途中休場の北勝海は東横綱、全休の旭富士は西横綱へ。先場所2度目の優勝を飾った小錦は東大関で、外国人力士初の横綱を狙う。西大関は霧島。《共同通信》
【男女昇格差別訴訟】和解
政府関係特殊法人「社会保険診療報酬支払基金」(正木馨理事長)の女性職員たちが「女性を除外して男性職員だけ勤続年数に応じて昇格・昇給させたのは差別だ」として、同基金を相手取り、男性との賃金差額の支払いと、男性並みに昇格したことの確認などを求めた「男女昇格差別訴訟」は25日、東京高裁民事14部(桐ヶ谷敬三裁判官)で和解が成立した。一審は、昇格などの男女差別は違法として約9600万円の損害賠償を認めたが、この日の和解は、これを上回る約1億5000万円の解決金と、原告ら以外の女性職員についても男性並みの昇給を認めるもので、原告側は「将来にわたる男女の昇格・昇給差別をなくした原判決以上の画期的内容で、全国の職場に与える影響は大きい」と高く評価している。
和解内容は、①同基金は、職員の性別や所属労組を問わず平等に処遇する②在職中の原告らについて給料を男性並みに上げる③原告らと所属組合に総額1億5260万円の解決金を支払う―などとするもので、原告側主張が全面的に取り入れられた。さらに覚書では、原告ら以外に男女差別を受けた約120人の女性職員についても、来月1日から一斉に男性並みの昇給が約束された。
争っていたのは、同基金兵庫支部の辻曄子さんら12都府県支部の女性職員18人(5人は退職)と高裁の和解段階で新たに加わった6人(1人は退職)。
この訴訟は、同基金が昭和53年、男性職員だけ勤続年数を唯一の基準に一律昇格させ、女性職員については据え置いたことから、女性たちが男女差別を禁じた憲法や労働基準法などに違反するとして提訴した。
一審の東京地裁は昨年7月、「男女を差別した取り扱いは不法行為」として、原告18人へ約9600万円の損害賠償の支払いを命じた。東京高裁は今年7月、職権により和解を勧告、和解協議が続けられてきた。《読売新聞》
【宮澤喜一首相】絵画入れ替えで気分一新?
宮澤首相は25日、首相官邸に飾られる美術品の総入れ替えに立ち会った。
首相官邸では、日展会員の洋画、日本画、彫刻、書など計35点を借り、首相執務室や玄関に飾っている。作品は年一回、総入れ替えされ、時の首相が自分の執務室に飾る絵を選ぶのが慣例。
この日、官邸大ホールには15号—120号までの大きさの絵画などが勢ぞろい。首相は、井手宣通日展理事長らの解説を受けながら、約30分間、会員の力作を吟味した。
「美術館で絵を見るのが好き」という首相は、作家の名前を見て「ああ、あの方の息子さんですか」、「この方は動物をよく描くんですよ」と造詣の深さを披露。地元・広島県の尾道を描いた洋画「尾道風景」には、「これが浄土寺。この後ろが海なんですよ」と懐かしそうに解説してみせた。
結局、執務室に飾る絵は、この「尾道風景」と「アルプスの夜明」「シシリーの農家」の明るい色調の洋画3点に決定。執務室の「風景」も変えて気分一新、新年から「宮澤カラー」も発揮される?《読売新聞》
【中部電力】「電気カー」初の新車登録
中部電力は25日、開発中の超小型電気自動車「ドリームミニ」の実用化を目指し、新車登録(ナンバープレート)を取得したと発表した。電気自動車で市場販売を前提とした車両の新車登録は国内で初めて。来年から一般道路で走行試験に入る。
二人乗りで、高さは軽四輪車とほぼ同じだが、長さは2.46メートルとひと回り小さい。ニッケルカドミウム電池を搭載し、最高時速80キロで走る。家庭用の200ボルトコンセントで充電でき、一充電当たり120キロ走れる。開発費用は9550万円。《読売新聞》
【日本カーオブザイヤー】ホンダ・シビック
日本カーオブザイヤー実行委員会(清水猛彦委員長)が選ぶ91–92年日本カーオブザイヤーが25日、本田技研工業の「シビック」に決定した。「シビック」は「同一車種の受賞はない」というジンクスを破って83—84年に次いで二度目の受賞、本田技研としては三度目の受賞。
今年、12回目を迎えた「カーオブザイヤーは、選考方法に反発した一部のメンバーが、「ニュー・カーオブザイヤー」を今年6
月に旗揚げし、既にマツダの「RX-7」を、今月3日に選定している。このため今回の「シビック」受賞について、「分裂騒ぎが尾を引い」た結果」(大手自動車メーカー)という声も多い。カーオブザイヤー実行委は賞の名称使用の差し止めを、ニュー・カーオブザイヤー側に求めており、「マナーとして名称使用を遠慮すべきだ」(清水委員長)と批判している。《読売新聞》