平成1064日目

平成3年12月7日(土)

1991/12/07

【米・ブッシュ大統領】真珠湾攻撃50周年記念式典で演説

日米開戦の端緒となった真珠湾(パールハーバー)攻撃50周年式典が7日午前6時半(日本時間8日午前1時半)過ぎから、ホノルルの国立太平洋墓地を皮切りに3会場で開かれ、ブッシュ大統領は計3回記念演説を行った。

一連の演説を通じて、同大統領は、「第二次世界大戦は終わった」「私の気持ちには、もはや日本やドイツに対する憎しみは全くない」などと述べ、日米の恒久的な和解と永続的な平和を呼びかけた。大統領の発言は、日本軍の奇襲攻撃に今なおわだかまりを持つ米国民に対して、この50周年を機に、改めて日本を許すよう求めたものである。大統領は同時に「私は孤立主義と保護主義に反対だ」とも述べ、政治的な和解とは別に、経済面での日本の一層の市場開放を求めた。

大統領は、第二次大戦中に日系アメリカ人が強制収容キャンプに入れられたことに触れ「これは大きな違法行為だった」として謝罪の意を表明した。

太平洋戦争に海軍航空隊のパイロットとして出撃した経験を持つブッシュ大統領は、それぞれの演説の中のかなりの部分を割いて自らの戦争体験を語り、「自由の擁護と民主主義のために戦って死んだ英雄たちの犠牲があったからこそ、我々は自由で平和な世界に生きられるのだ」と、戦没者を慰めた。そして大統領は、「戦死した友人たちの顔が今でも浮かぶ」としながらも、「第二次大戦は終わったのだ。大戦は歴史のかなたのできごとになっている。もはや恨みごとを言う時ではない」と述べ、国民に過去へのこだわりを捨て、将来に目を転ずるよう訴えた。

また、大統領は宮沢首相が先に、第二次大戦への日本の関与に謝罪する形で「米国やアジア各国に耐えがたい打撃と悲しみを与えたことに責任を感じる」と言明したことについて、「思慮に富んだ発言で、米国民の多くが高く評価している」との見解を示した

今回の50周年式典に関して、米政府は、真珠湾攻撃は米国が伝統的な孤立主義から脱するきっかけを作った歴史的転換点であり、式典は米国の国内行事との認識を示し続けてきた。この観点に立って、大統領も、一連の演説で孤立主義からの脱却の意義を繰り返し強調した。その上で、大統領は「今日、我々は(再び)孤立主義の悲劇のふちに立っている。(政治的)孤立主義と経済的保護主義を避けなければならない」と述べ、脱冷戦時代の到来と共に米国内で高まっている「米国への回帰」の動きに警鐘を鳴らした。

大統領は、経済的保護主義を許しかねない事態に縣念を示し、「この際、日本の指導者に『自由な市場と活力のある未来を建設するための決意が必要だ』と言いたい」とし、市場開放を強く促した。《読売新聞》



【ボクシング・辰吉丈一郎選手】防衛戦が中止に

ボクシングの大阪帝拳の吉井清会長は7日、大阪・守口市内のホテルで記者会見し、世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級チャンピオン辰吉丈一郎選手(21)が、来年2月6日に韓国の李勇勲を迎えて行う予定だった初防衛戦を中止すると発表した。

同選手は4日夕、左目に異常を訴え、5日に守口市の関西医大付属病院で診察を受けた。その結果、左目の網膜に2ミリ程度の裂孔があり、網膜剥離と診断され同病院に入院した。11日に手術を受ける予定で、1、2週間の入院加療が必要という。

会見に同席した藤立啓一コミッションドクターによると、来年9月以降には試合を行える見通しで、同会長は「次の試合は指名試合となるかもしれないが、いずれにしてもタイトルの返上は考えていない」と話した。《共同通信》

【高知県・橋本大二郎知事】初登庁

南国・土佐の新しい顔となる元NHK記者の橋本大二郎新知事(44)は7日、初登庁した。知事室のいすに深々と腰をおろした橋本新知事は、「座り心地はいいですが、なんとなくピッタリこない」と苦笑い。

午前9時30分、高知県庁正面玄関に車で到着。約100人の県職員や県民らが迎え、大きな拍手。少し緊張した面持ちの橋本新知事は手をあげてこたえ、女性職員と飛び入りの主婦から花束が贈られると、「ありがとう」と両手で花束を掲げ知事室へ。《読売新聞》

【社会党】議員が残留孤児慰問

「風は海から吹いてくる…情けあるなら教えておくれ」。戦時中、母から聞かされた映画の主題歌「風は海から」を手がかりに、肉親捜しのため訪日している中国残留孤児がきっかけになって、7日午前、社会党の土井たか子前委員長ら同党国会議員13人が、調査会場の東京・代々木の国立青少年センターを訪れ、この歌を孤児と一緒に歌って激励した。同党として孤児を訪問するのは初めてで、今後これを機会に、定期的な文通や帰国実現への協力など交流を図っていくという。

“母の歌”としておぼえていたのは、吉林市の運転手、彭双徳さん(53)。この歌は、昭和18年に封切られた映画「阿片戦争」の主題歌で、当時の流行歌となった。彭さんは「正確ではないかもしれませんが、この曲は忘れられません」と、戦後46年間、中国で、楽しい時やつらい時にいつも口ずさんできた。

彭さんのことが載った本紙4日付朝刊の記事を読んだ同党の沢藤礼次郎衆院議員が「当時14、5歳でよく知っていた曲。同じ年代の議員で孤児を激励しよう」と思いつき、今回の訪問となった。《読売新聞》

【社会党・田辺誠委員長】宮沢政権を批判

社会党の田辺委員長は7日、鹿児島市内のホテルで開かれた同党鹿児島県本部主催の参院選勝利総決起集会で、来年夏の参院選地方遊説の第一声を上げた。

この中で、田辺氏は、「リクルートに汚れ、自衛隊の海外派兵をする政治は、民衆の声を忘れたものだ」と述べ、宮沢政権を厳しく批判。その上で、「首相になるまでの自民党の派閥間の取引で、宮沢氏が持っていたと称する、憲法を守り、生活大国を目指す彼の政治理念は無残にも崩れた」とし、「国連平和維持活動(PK)協力法案をしゃにむに押し通そうとする宮沢政権の前に大手を広げ、(法案成立を)阻止しなければならない」と、PKO法案成立阻止の決意を改めて表明した。《読売新聞》

【タイ】新憲法承認

タイ国民議会は7日、さる2月の軍事クーデターで廃棄された憲法に代わる新憲法草案を投票の結果、賛成262、反対7の圧倒的多数の支持で承認した。この新憲法に基づき、来年3月下旬には民政に移管するための総選挙が実施される。だが新憲法は軍の政府への影響力維持を色濃く残しているため、学生、知識人、政党などが非民主的だとして強く反発、今後改めて憲法改正要求の政治運動に発展する雲行きだ。

新憲法によると、選挙で選ばれる下院議員の総数は360、クーデターで誕生した軍の最高権力機関、国家平和維持評議会が実質的に任命する上院議員が270人となっている。上院には首相任命権、重要法案審議権はないが、拒否権を保持しており、上下両院合同のタイ国会ではこの270人を基盤に下院議員を集めれば容易に過半数を獲得して首相人事などを動かすことができる。

このため学生を中心とした民主化要求組織は、草案の廃棄を求めて運動を続けてきたが、タイの政治に超越した影響力を持つプミポン国王が、さる5日の国王誕生日に国民のあいだの妥協、統一を呼び掛けたため反憲法運動はたちまち静かになり、大きな騒ぎもなく承認された。また国民議会メンバーは全員、軍に指名されており、投票結果は予想された通りだった。

だが、依然として新憲法に対する反発はマスコミ含めて根強い。ある民主化運動組織が30万人以上を対象に行った調査によると、99%以上が新憲法に反対だったという。政党も来年の総選挙の最大の争点に憲法改正を掲げる構えを示しており、政治への発言力に固執する軍とそれに反発する勢力とのせめぎあいは当分、タイ政治の底流になるだろう。《読売新聞》

【福岡国際女子柔道】日本、3階級制す

柔道の第9回福岡国際女子選手権第一日は7日、福岡市の福岡国際センターで4階級が行われ、日本が3階級を制した。

61キロ級は、準々決勝で世界選手権優勝のアイコフ(ドイツ)に背負い投げで一本勝ちした新鋭の北爪弘子(埼玉大)が、決勝でも前回世界チャンピオンのフローリ(フランス)に背負い投げを鮮やかに決めて初優勝。66キロ級は藤本涼子(金沢女大教)が、世界1、2位を判定で下して初の栄冠を手にした。72キロ級の田辺子(ミキハウス)は、安定した力を発揮して4年連続5度目の優勝。

世界選手権無差別級決勝と同じ顔合わせになった72キロ超級は、世界1位の荘暁岩(中国)が初制覇した。《読売新聞》



12月7日のできごと