平成1063日目

平成3年12月6日(金)

1991/12/06

【東京地裁】韓国人元慰安婦ら提訴

太平洋戦争中、日本軍の従軍慰安婦や軍人、軍属に強制徴用された韓国人とその遺族が、国を相手取り、植民地支配と戦争で受けた犠牲の補償として総額7億円を求める訴えを6日、東京地裁に起こした。

原告は、「韓国・太平洋戦争犠牲者遺族会」(ソウル、会員約1万5000人)の金鍾大会長(54)ら35人。一人一律2000万円の補償を請求した。プライバシー問題などからこれまで登場することのなかった元従軍慰安婦3人が、初めて原告に加わった。

訴状によると、このうち、提訴のためソウルから来日した女性(67)は、16歳で出稼ぎに誘われ、慰安婦とは知らずに軍用列車で中国北部へ運ばれ、「アイ子」の名前で無理やり日本軍将兵の相手をさせられた。

上海に行った女性(69)は、拒否すると殴るけるの暴行を受け、子供を産めない体になった。ラバウルの女性(69)は、将兵以外の民間人とは一切接触がなく「慰安婦は民間業者が連れ歩いたとする国会答弁はうそ」と訴えている。

また、元軍人、軍属の中には、爆撃で腕を切断されたり、失明するなどの重傷を負い、終戦後も生活に困った人が多い。

原告団は提訴後、東京・霞が関の司法記者クラブで、日韓の報道陣を前に記者会見した。女性の原告は純白の民族衣装姿で、胸には亡くなった家族の遺影も。

元従軍慰安婦の女性は「年配者はみんな従軍慰安婦のことを知っているのに、どうして日本政府は『関与はない』とうそをつくのか。許せない。できることなら青春を返して欲しい」と、涙に声を詰まらせながら訴えた。また軍属だった父をパラオで亡くした金会長は「日本は文化・経済大国なのに、なぜ戦後処理を放置するのか」と怒る。

弁護団長の高木健一弁護士は「政府は過去の問題について謝罪しながら、なおかつ何も償いをしない。過去の不正義を認めるのなら、裁判でも争うべきではない」と述べた。《読売新聞》



【のぞみ】JR東海、スーパーひかりの列車名決定

JR東海は、来年3月に運行を始める東京―新大阪間を2時間半で結ぶ新型新幹線(仮称・スーパーひかり)の愛称を「のぞみ」と決定、全車両指定席とし、通常の新幹線料金より高い特急料金を、6日、運輸省に認可申請した。JR各社は時間短縮効果などを加味したコストに見合うこうした料金方式を検討しており、その第一号として影響を与えそうだ。

新しい特急料金は通常期で東京―新大阪・京都間が6090円(通常の新幹線より950円高)、東京京線が期―名古屋5160円(同750円高)、東京―新横浜2450円(同300円高)など。

料金を割高にしたことについて、JR東海では、大輻に所要時間が短縮されることや、車両開発など設備変更に約1000億円を投資したことなどをあげている。

「のぞみ」は来年3月のダイヤ改正から朝と夜の一日2往復運転され、朝の下りに限り、名古屋、京都に止まらず新大阪までノンストップで運行される。《読売新聞》

【宮沢喜一首相】“PKO”慎重審議を強調

宮沢首相は6日午前の参院国際平和協力特別委員会で、国連平和維持活動(PKO)協力法案に関連し、「PKOに対し国内で十分理解されていないうらみもある。問題点も指摘されている」と述べた。

これは、先の衆院での法案採決が社会党などの激しい抵抗で混乱するなど、なお、野党内に根強い反対論があることを念頭に、首相が、同法案の今国会での成立にはなお慎重審議を重ねる必要があるとの認識を示したものとみられる。

また、首相は同法案に対するアジア各国の反響について、「国内でも十分な理解を得ていないだけに、外国の認識が十分でないのも無理からぬところ。国会審議などを通して理解を求めたい」と述べ、今後なお同法案の真意を各国に十分説明し理解を得る必要があるとの見解を明らかにした。

また、渡辺美智雄外相も、「自衛隊の(専守防衛という)性格について、(アジアの人々の中には)まだわからない方もいるし、今回の法案の内容を日本国民でさえわからないということで、議論しているのだから、議論を深めることで、なるほどとわかっていただければいい」と述べた。田英夫氏(社会党・護憲共同)の質問に答えたもの。

これに関連して、外相は、「仮に特定の国がぜひ来て下さいと言っても、アジアの場合は、その周辺の国の政府が絶対反対だという状態の時は、当然そういうことも参考にして政府は慎重に取り扱うのだから、心配はいらない」と述べ、カンボジアなどアジア諸国のPKOに自衛隊を派遣する場合、近隣諸国の意向を考慮するとの考えを示した。《読売新聞》

【宮沢内閣】資産公開で「金満」ぶりが浮き彫りに

宮沢首相はじめt21閣僚と24政務次官を対象とした宮沢内閣発足後初の閣僚資産が6日、公開された。閣僚本人の資産は共同通信社調べによる時価換算の「実勢価格」で中村環境庁長官がトップとなり、続く鳩山文相、塩川自治相の両氏を入れた3閣僚が抜きん出た資産家ぶりを見せつけた。

中村長官は東京・JR四ツ谷駅前の土地などの実勢価格で約96億円。鳩山文相はブリヂストンなど超優良株に東京都文京区の土地・建物などの実勢価格で約78億円、塩川自治相は約57億円。

土地の固定資産税課税標準額などに基づく「公開価格」では鳩山文相の約21億円が第1位となった。閣僚全体の資産合計で見ると、前回の第2次海部改造内閣より120億円も上回る資産家内閣といえる。《共同通信》



12月6日のできごと