平成966日目

平成3年8月31日(土)

1991/08/31

【雲仙・普賢岳】千本木地区に避難勧告

長崎県雲仙・普賢点は31日午後も火砕流が頻発、北東側斜面は流路の幅が一段と拡大した。東側斜面でも再び火砕流が発生し始めたため、気象庁雲仙岳測候所は午後3時15分、「規模の大きな火砕流が発生した場合、水無川流域や島原市の千本木方面に達する恐れがある」として7日連続、この日2回目の臨時火山情報を出して厳重な警戒を呼びかけた。

また、島原市災害対策本部は同6時、千本木地区(南千本木町、北千本木町)の153世帯、585人に対し、避難勧告を出した。これで市内の警戒区域、避難勧告地域は、2024世帯、7130人となり、市民の約6人に1人は避難生活を強いられることになった。

福岡管区気象台が同日午前、上空から観測した結果、火砕流の流路となっている「おしが谷」はたい積物で埋まり、垂木台地までの残る高さは約30メートル。また、西側溶岩ドームが出現した8月中旬以降、火砕流は北東側斜面—おしが谷に集中していたが、午後2時33分に80秒間の震動波形を記録した火砕流は、東側斜面から水無川上流に向かったのを陸上自衛隊島原災害派遣隊が確認した。

また、1日午前0時21分に70秒間、同40分に90秒間のそれぞれ火砕流とみられる電動波形を観測するとともに熱映像カメラで噴煙を確認。同四45分ごろ、南千本木町で警戒中の島原署員が、火山灰が降るのを確認した。

同日午後、上空を飛んだ九州大理学部の中田節也助手によると、東側の水無川方向、北東側のおしが谷方向に火砕流を分けていた稲生山北側に溶岩塊などが急速にたい積。稲生山を乗り成え、山すそを回しておしが谷に流下する可能性も出てきた。《読売新聞》

【ウズベク共和国、キルギス共和国】独立を宣言

ソ連のウズベク共和国最高会議は31日、「国家的独立」を宣言した。これは、原則として、同共和国の連邦内での主権強化を意味するものだが、演説に立ったカリモフ共和国大統領は、ウズベクの新連邦条約参加の条件として、同条約に「国家連合」としての国家形態が明確にうたわれることを求めた。

一方、カリモフ大統領は、クーデター粉砕後、重要国家ポストの人事がエリツィン政権主導で進んでいることを強く批判、対クーデター勝利でロシアが果たした役割を認めながらも「他共和国を
を配下に置き、連邦での指導権を要求する根拠とはならない」と、ロシアの強大化に反発を表明した。

また、ウズベクに隣接するキルギス共和国最高会議も31日、同様の「独立宣言」を採択した。ソ連の独立系情報紙「インターファックス」によると、同最高会議は、さらに、10月10日に初の大統領直接選挙を行うことも決定、アカエフ共和国大統領がただちに立候補の意思を表明した。《読売新聞》

【ポーランド】内閣総辞職を撤回

ポーランドのビエレツキ首相から内閣総辞職の提起を受けた同国会下院は31日、賛成114、反対211、棄権28で内閣総辞職案を否決した。同首相も「議決に従う」と続投を表明しており、10月の総選挙を前にした政治的空白という最悪の事態は避けられることになった。

今回の総辞職表明については、議会筋の間から、内閣の基盤を強めることを狙ったとの見方もあった。《読売新聞》

【平成4年度予算】概算要求76兆1780億円

大蔵省は31日、平成4年度予算の概算要求を締め切った。一般会計の要求総額は3年度予算を8.3%上回る76兆1780億円。政策的経費である一般歳出は、対米公約の公共投資基本計画を達成するため、生活関連重点化枠2000億円の継続に加えて、新たに公共投資臨時特別措置(枠)2000億円を設けたことにより、5.2%増の38兆9560億円と、昭和57年度のゼロシーリング(投資的経費の据え置き)導入以来、最大の伸びを示した。しかし、収の落ち込みなど財源確保の見通しは厳しく、歳出圧力が強まる中での厳しい予算編成になりそうだ。

国債残高の増加に伴い、その償還や利払いにあてる国債費は9.4%増の17兆5463億円に達した。さらに国税収入の一定割合が自動的に地方に配分される地方交付税は18兆3757億円にも達し、国債費と並んで財政の大きな圧迫要因になった。大蔵省は、地方財政が4年連続で大幅な財源余剰を生む見通しなので、交付金の大幅圧縮を図りたい考え。年末の予算編成に向け大きな争点になりそうだ。《読売新聞》

【大蔵省】野村證券は東急株を操作

国会は31日、衆院証券金融問題特別委員会を開き、29日の田淵節也野村証券前会長、岩崎琢弥日興証券前社長に対する証人喚問と、30日の巽外夫住友銀行頭取ら大手銀行3頭取に対する参考人聴取で明らかになった事実を基に、橋本蔵相らに不祥事解明へ向けた今後の政府方針をただした。

質疑の中で大蔵省は野村証券が広域暴力団稲川会の前会長の利益を図るため東急電鉄株をめぐって株価操作した疑いが強いとして、同証券に対し特別検査を進めていることを明らかにした。《共同通信》

【自民党・奥田敬和前自治相】「海部続投」支持にじます

自民党竹下派事務総長の奥田敬和・前自治相は31日、静岡県函南町内のホテルで開かれた同派の青年研修会で講演し、 10月末に控えた同党総裁選に臨んで竹下派が政局の主導権を握る意欲を示すとともに、高い内閣支持率を維持している海部首相の続投を支持する意向を強くにじませた。

奥田氏は、「大平ー鈴木一中曽根の各政権であれ、宇野、海部政権であれ、竹下派はみこしをかつぎ、汗を流して今日に至った。力を抜いて、おみこしを途中でほうり出すような派閥ではない」と強調。

さらに「海部首相が命運を賭けて政治改革の灯を受け継いだ以上、勇気と決断で指導力を発揮してほしい」と述べ、政治改革を推進させようとする首相を支持する考えを示した。

また、奥田氏は内閣支持率に言及、「竹下内閣はリクルート事件で支持率が3%にまで低下し、みじめだった。海部内閣の支持率は、50%台を毎月記録更新している。これだけの国民の期待が集まっている以上、与えられた首相の座で燃焼し尽くしてもらわないと困る」と語った。

10月の総裁選への対応については「他派が総裁候補を立てて戦うなら、われわれも堂々と戦う。最強の軍団として実力を発揮したい」と力説した。

一方、先のソ連クーデター劇への日本政府の対応が欧米諸国に比べ後手に回ったとして、党内に海部首相に対する批判があることについて、奥田氏は、「首相は指導力がないとか、情報不足でモタモタしていると言われたが、今日まで政府がとってきた対ソ外交は間違っていない」と指摘した。《読売新聞》



8月31日のできごと