平成921日目

平成3年7月17日(水)

1991/07/17

【第17回先進国首脳会議】ロンドンサミット閉幕

湾岸戦争後の新しい世界秩序の構築を目指した第17回先進国首脳会議(ロンドン・サミット)は、17日午前(日本時間同日午後)、各国首脳と外相、蔵相による三回目の全体会議を開いて「経済宣言」を採択、議長国イギリスのメージャー首相が発表して三日間の日程を終えた。

宣言は、ソ連の政治・経済改革の支持と経済の国際化の支援、新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)を年内に成功のうちに終わらせることなどを盛り込んでいる。さらに、実質金利の低下を目指す財政・金融政策の実施などもうたった。

ただ、ソ連の国際通貨基金(IMF)への準加盟などは合意したものの、発表は、同日午後のサミット参加国首脳とゴルバチョフ・ソ連大統領の会談後に先送りされた。

経済宣言は、前文で自由と民主主義の共通の価値観に基づく「世界的パートナーシップの構築」と国際秩序の強化を追求することを打ち出したあと、①経済政策②国際貿易③エネルギー④中・東欧⑤ソ連⑥中東⑦開発途上国と債務⑧環境⑨麻薬⑩移民—の10項目に分け、サミットの果たすべき役割を示している。

焦点のソ連は、ゴ大統領」が進めている改革に強い支持を表明、市場経済への転換がソ連の天然資源、人的資源の活用に不可欠と指摘したうえで、①連邦と共和国の権限の枠組みについての合意②新思考外交のグローバルな適用③資源の軍需から民需への振り向け—が成功の基礎になると強調し、サミットとしてこれらの進展状況を注視する姿勢を明らかにしている。《読売新聞》

【ソ連】IMFに準加盟

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ゴルバチョフ・ソ連大統領と先進国首脳会議(ロンドン・サミット)参加7か国首脳との初の会議が17日午後(日本時間同日夜)、ロンドンのランカスター・ハウスで約4時間行われた。

8首脳は対ソ支援の具体的枠組みとして、ソ連の国際通貨基金(IMF)・世界銀行への準加盟(特別提携関係樹立)、サミット議長国首脳のモスクワ訪問による対話の継続など6項目で合意、これを受け年内にメージャー英首相が訪ソし、フォローアップ(継続協議)のため意見交換することを決定した。

合意には、本格的な金融支援は盛り込まれていないが、サミット参加7か国が一致してソ連との関係強化を決めたことで、金融支援を含む今後の対ソ支援の在り方にも大きな影響を与えよう。《読売新聞》

【米ソ首脳会談】「START」最終決着

ブッシュ米大統領とゴルバチョフ・ソ連大統領は17日、最後の詰めで難航していた米ソ戦略兵器削減交渉(START)が最終決着し、今月末、モスクワで条約調印のための首脳会談を開くと発表した。

この合意は、同日、ロンドンの米大使公邸で約1時間半にわたり行われた両首脳の会談の後、二人の合同記者会見で発表された。START調印は82年6月の交渉開始以来約9年目。

条約締結により両国の戦略核(弾頭総数)は全体で30%近く削減され、87年12月調印の米ソ中距離核(INF)全廃条約に続き、核兵器実質削減の流れがさらに進むことになる。

米政府当局者はこれに関連し、モスクワ首脳会談は「暫定的に7月30、31の両日に設定されている」と語った。また首脳会談準備のため今月下旬、米ソ両外相が会談する。

会談後ブッシュ大統領との記者会見にのぞんだゴルバチョフ大統領は、「我々はまた、核戦争の脅威からさらに一歩遠のいた。これはわれわれ共通の勝利である。モスクワ・サミットが全人類の利益となることを希望する」と、首脳会談で難航したSTART最終決着が達成されたことを自ら高く評価した。《読売新聞》

【海部俊樹首相】ソ連・ゴルバチョフ大統領と会談

海部首相は17日午前11時(日本時間同日午後7時)すぎから、ロンドン市内のソ連大使公邸で、ゴルバチョフ大統領と約40分間、会談した。両首脳の会談はさる4月の東京以来3か月ぶり。

大統領は、ソ連の経済改革の遅れを認めたうえで、「急進的、抜本的改革に向かって動こうとしており、(ソ連も)自助努力が必要だと思っている」と述べ、西側諸国からの支援を受ける前提として、自助努力が必要との認識を示した。これは海部首相が、ソ連の市場経済移行への動きを評価し、「改革への熱意、志には強い印象を受けており、サミットでも対ソ支援問題を真剣に話し合った。思い切った改革が必要だ」との指摘に答えたもの。

首相はまた、ソ連の改革に関し、「新思考外交がアジア・太平洋地域へ及んでいくことを期待している。日ソ関係はグローバル(地球規模)な良い関係を作っていかなければならない」と述べ、北方領土問題解決に向けた大統領の決断を求めた。

特に、首相は、さる4月の大統領来日の際の日ソ共同声明に沿い、「領土問題を解決するための平和条約締結作業を加速させることが重要と考える」と強調した。これに対し、大統領は、「ソ連は日本側が期待する方向までいくつもりだ」と述べた。《読売新聞》

【北海道上砂川町】世界最大級の無重力実験施設完成

北海道空知郡上砂川町の旧三井砂川炭鉱跡に建設が進められていた世界最大規模の無重力実験施設が完成、17日、開所披露式が行われた。

この施設は炭鉱の立て坑を利用した塔内でカプセルを落下させて無重力状態をつくり出し、新材料の開発やバイオ研究に役立てようというもので、第三セクター「地下無重力実験センター」が運営。

国内外の研究機関や民間企業を対象に9月中旬から本格的営業を開始する。《共同通信》

【大相撲名古屋場所11日目】琴富士関、全勝守る

大相撲名古屋場所11日目(17日・愛知県体育館)琴富士が旭富士を破る金星を挙げて全勝を守り、平幕優勝に大きく前進した。

2敗の小錦は1敗の逆鉾を落ち着いてさばき、賜杯争いは琴富士を2敗差で小錦と逆鉾が追う展開になった。新関脇の貴闘力はタイミングがいい引き技で両国を下して、勝ち越し。新十両の武蔵丸も給金を直した。《読売新聞》

【仏・クレッソン首相】「日本人はアリの生活」

クレッソン仏首相は18日に米ABCテレビで放映予定のインタビューで「日本人はアリの生活」発言を繰り返す一方、アングロサクソン系男性の同性愛傾向や、故ケネディ米大統領を例に引き、「有能な国家元首でありさえすれば婚外交渉があってもかまわない」などと発言、仏政界からも「首相の発言は目にあまる」と批判の声が出始めた。

社会党のミシェル・ボーゼル仏国会外交委員長は17日、「政治発言には一定の誇りが必要。国民は品のない発言を望んでいない」と首相を批判。中道派のジャン・ルカニエ上院議員となると、「チャーチル首相を始め仏が恩義を受けた英に対し、おぞましいはずかしめである。日本人をアリ扱いするのも、敗戦から第一級の工業国に復興した日本国民への侮辱」と厳しく批判し、政治問題化する様相をみせている。

発言は、要旨をABCテレビがパリで公表したもので、首相府は17日、声明を発表し、会見の趣旨は「欧州統一や防衛、工業政策」と打ち消しに努めている。《読売新聞》

【米比基地交渉】「スビック」10年存続

在比米軍基地の存廃をめぐる第七回米比交渉は、二日目の17日合意に達し、①クラーク米空軍基地を92年9月までに比側に完全返還②スビック米海軍基地は、今年9月の現行基地協定期限切れ後も10年間存続。比側から再存続の希望がない場合、最後の1年間を撤退期間とする③基地使用の見返り補償(現金)は92年度が年額5億5000万ドルが、93年度以後が年額2億300万ドルとする―などを内容とする共同声明を発表した。

ただし、92年度分は基地援助とは無関連の対比多国間援助構想(MAI)の米国分なども含まれており、見返り分は3億6000万ドルになる。

さらに声明では、米国が余剰武器の供与や、フィリピン産品の優先的購入などの非現金援助を従来通り継続するとしている。また、米国はピナツボ火山噴火の被災地への援助に最善の努力を払うと共に、被災地救済のための国際的復興基金創設に向け、比政府を支持するとしている。

しかし、現行の見返り援助年額4億8000万ドルや今回の比側要求額8億2500万ドルを考えると、今回の合意は、予想外の自然災害のため米側の譲歩が望めないことから、比側がやむなく譲歩した形となった。

次の焦点は、上院での批准。フィリピン現行憲法では、外国軍隊の駐留は上院の三分の二の賛成を要する条約の形で批准されなければならない、とされている。

上院では、「基地存続は条件次第」とする議員が大勢を占めるといわれ、今回の比側大幅譲歩で上院が反発するのは必至で、政府は説得に乗り出すとみられる。《読売新聞》



7月17日のできごと