平成851日目

平成3年5月8日(水)

1991/05/08

【明治大学】替え玉は3人

明治大学(木村礎学長)の二部商学部で発覚した替え玉入試問題で、入学を取り消されたタレントなべおさみさん(52)と都内に住む一建築業者の長男名義の受験願書が、それぞれ同大学政治経済学部一部にも出され、ともに本人とは別人が受験したうえ、なべさんの長男名義の受験者のみが合格していたことが8日、明らかになった。

しかし、なぜか入学手続きは取られず、2人の受験番号も郵送による出願受け付けの最終部の不自然な続き番号だった。また、なべさんの長男の受験票には、なべさん宅と違う東京都豊島区内の住所が書かれていたことも判明、替え玉の人物の特定につながる可能性もあるとして、大学側も注目している。

明治大学によると、先月1日、二部商学部で替え玉受験が判明したあと、同中旬、政経学部で一部と二部の受験者をチェックしたところ、同学部経済学科一部でなべさんの長男名義の合格者が確認された。ところが、入学手続きは取られず、学部職員が志願票原簿と入学書類との写真照合をするまでには至らなかった。

他方、同じく二部商学部で入学を取り消された建築業者の長男名義の願書も、政経学部経済学科一部に出され、不合格になっていたことがわかった。

受験番号は、なべさんの長男が「18414」、建築業者の長男が「18415」で続き番号。同学科の最終番号は「18473」だった。大学側の説明では、志願者票はすべて郵送で、持参は一つもなかったといい、「郵送数の少ない締め切り間際に志願者票が送られてくる場合、番号が連続する確率は高い」としながらも、首をかしげている。

大学によると、なべさんの長男の場合、志願者原簿の写真は、二部商学部と政経一部とで異なっていたが、建築業者の方は一致しており、“替え玉”は計3人いたことになる。《読売新聞》

【明治大学替え玉受験】職員が関与

明治大学(木村礎学長)の二部商学部、政経学部一部で発覚した替え玉受験問題で、事件に深く関与したとされる現職の同大職員が、8日午後、「一身上の都合」を理由に大学側に退「職願を提出していたことがわかった。この職員は、東京都内の二つの有名私立大学の現役学生に、替え玉で受験することを持ちかけ、承諾させた一方、別の同大職員に対し、写真の張り替えなどの協力を要請したといわれ、事件の中心人物とみられる。

不可解な部分の多かった今回の替え玉事件は、学内の職員の関与という新たな事実が発覚、大学側の姿勢が問われかねない事態へ発展した。

関係者によると、退職願を出したのは同大に勤務している50歳前後の男性職員。退職願は8日、本人から所属の上司に提出されたという。退職願は、理事会の決裁を経ないと効力を発しないが、この職員は連休の谷間の日に出勤したのを最後に、勤務を休んでいる。

この職員は今回の替え玉事件の中心人物といわれ、ある人物を通じて、東京都内の建築業者の長男(19)の替え玉受験を引き受けることになった。そこで、親しい関係にあったとされる有名私立大現役学生に“替え玉”役を持ちかけ、もう二人の同様の学生にも依頼させたうえで入試に臨ませた。

さらに、別の職員に、合格後に照合作業が行われる志願票原簿の写真を張り替えることができないか、と持ちかけたが、結局断られ、事後工作に失敗したという。

大学側は8日、学内に調査委員会を設置、独自の調査を行う姿勢を固めたが、その矢先の不祥事発覚は、これまで外部者の犯行との観点から告訴・告発に踏み切った同大にとって、強い衝撃となっている。《読売新聞》

【第120通常国会】閉会

第120通常国会は最終日の8日、衆参両院の本会議で重要法案の消費税緊急是正のための消費税法改正、育児休業法などを可決、成立させるとともに、請願、閉会中審査などの会期末手続きを行い150日間の日程を終え閉幕した。通常国会が会期延長なしで幕を閉じるのは昭和63年以来3年ぶり。

湾岸戦争のぼっ発を受け「湾岸国会」となった今国会は、焦点となった多国籍軍追加支援のための平成2年度第2次補正予算、財源関連法が成立したものの、最大テーマの国連平和維持活動(PKO)協力問題は与野党協議の進展が見られず、海部内閣の懸案である政治改革とともに次期国会以降に決着が先送りされた。《共同通信》

【中曽根康弘元首相】2年ぶりの自民党席

先月26日に自民党に復党した中曽根元首相が8日、復党後、初めて衆院本会議に出席、約2年ぶりに自民党席に着いた。竹下元首相の隣で、離党前と同じ最後列の席に着いた中曽根氏は、渡辺美智雄元政調会長とガッチリ握手。竹下氏をはじめ近くの金丸信、宮沢喜一の両元副総理ら党内実力者と軽く会釈を交わしたり、竹下氏とヒソヒソ話をするなど終始、上機嫌で「復権ぶり」をアピール。わざわざ小渕幹事長ら党執行部の陣取る席まで出向く「気配り」も見せた。

終了後、感想を聞かれた中曽根氏は、「別に、どうってことないよ」。それでも記者団から「家に帰ってきた気分か」と問われると、ニコリとして「そう言えば、そうだなあ」。復党後、「一兵卒の再出発」を強調、とくに国内政局については「当分、昼寝を決めこむ」と、“ダンマリ宣言”をしているとおり、この日の竹下氏との会談の内容についても、「中国訪問の話をしました」と、ただひと言。《読売新聞》

【海部俊樹首相】PKO協議急ぐ

海部俊樹
https://www.kantei.go.jp/

海部首相は8日昼の政府、自民党連絡会議で国連平和維持活動(PKO)協力問題について「政府は原案を一応つくったが、今後これを党とすり合わせしながら進めていきたい」と述べ、政府が3月、予備自衛官を含む構想として党4役に示したPKOについての「基本見解」を基に党側との協議を急ぐ考えを示した。《共同通信》

【日弁連】立川談志さんに警告

落語家で元参院議員の立川談志さん(55)がテレビ朝日の深夜番組の中で、再審無罪を言い渡された「免田事件」の免田栄さん(65)について「やってないわけない」などの暴言を吐いた問題で、日本弁護士連合会(日弁連、中坊公平会長)は8日「名誉毀損に当たる言動で人権侵害だ」として立川さんに「警告書」、テレビ朝日に「勧告ならびに要望書」を出した。

テレビの生番組中の発言について、日弁連が人権侵害の警告を出したのは初めて。

日弁連の調査報告書によると、立川さんは平成元年6月1日に放送された若者向け情報番組「プレステージ」にゲストとして出演し「免田事件の免田つうのはね…(略)…昔の法務大臣に聞きましたよ。『やってねえわけねえんだ』と言っていたな」などの内容の発言をした。

免田さんは、昭和24年強盗殺人などの容疑で逮捕され、27年死刑判決が確定。しかしその後、無罪を主張して再審請求し、58年熊本地裁八代支部で「アリバイが成立する」として無罪となった。番組をきっかけに電話、郵便による脅迫、嫌がらせが増えたため、免田さんは「重大な人権侵害」として日弁連に申し立てていた。《共同通信》

【太陽神戸三井銀行】「さくら銀行」に改名へ

都市銀行で資金量2位の太陽神戸三銀行(本店・東京、末松謙一頭取)は、来年4月1日をめどに「さくら銀行」に名称変更する。金融筋が8日明らかにした。大蔵省の認可を得て正式決定する。

平成2年4月に三井銀行と太陽神戸銀行が合併した同行は、新しいシンボルマークに桜の花を採用したが、行名は旧行名を足し合わせただけで漢字六文字と長く、顧客から書く手間がかかる、などの不満が出ていた。こ

の結果、来春には都銀の中から“名門・三井”の名前が消えるうえ、関西圏ではなじみの深かった名門行「神戸」の名称もなくなる。新行名は、シンボルマークの桜が内外の顧客に浸透したと判断、合併前の行名すべてを変えることで、行内融和とイメージアップを図る。《読売新聞》

【ソ連・べススメルトヌイフ外相】中東歴訪

ベススメルトヌイフ・ソ連外相は8日シリア入りし、外相就任以来初の中東諸国歴訪を開始した。中東紛争解決の可能性を探るのが主目的とされ、10日、ソ連首脳として初めてイスラエルを訪れるほか、エジプトでベーカー米国務長官と中東紛争解決を協議する予定。湾岸危機・戦争を通じ「米国への追随」が目立ったソ連が中東での威信回復のため、今訪問を機に独自外交の展開に踏み出すかどうかが、当地では注目の的だ。

シリアからの報道によると、8日昼ダマスカス空港に着いた外相は到着声明で「ソ連はアラブの大義、パレスチナ人の諸権利の強い支持者であったし、今後ともそうだ」と強調した。この後、アサド大統領と会談する予定で中東和平問題に加えソ連の対シリア兵器供給が議題になるもようだ。

外相のイスラエル訪問では、さる67年、第三次中東戦争の際ソ連が断絶したイスラエルとの外交関係の全面回復を発表するかどうかが焦点。ソ連はこれまでアラブ諸国、パレスチナ解放機構(PLO)が主張する国連主催の中東和平国際会議を支持、イスラエルが同会議開催に同意することを外交関係全面回復の条件としてきた。

一方、米国とイスラエルは国連主催の国際和平会議に代わる地域和平会議の開催を推進している。それだけに、現時点でソ連が国際和平会議開催へのイスラエルの同意を取り付けないまま外交関係全面回復に応じるなら、改めて米国追随外交の印象を与えることになる。《読売新聞》



5月8日のできごと