平成852日目
1991/05/09
この日のできごと(何の日)
【海部俊樹首相】政治改革「不退転の決意」
自民党は9日午前、海部首相の出席を求め党本部で政治改革本部(伊東正義本部長)と選挙制度調査会(羽田孜会長)の合同総会を開いた。首相は政治改革に臨む「不退転」の決意を表明したが、臨時国会の召集時期については明言を避けた。
185人の衆参両院議員が出席、約1時間半続けられた合同総会の質疑では、賛否両論でほぼ二分された形になった。昨年11月に大綱を党議決定したものの、具体的な法案化をめぐる今後の党内調整は難航必至とみられ、首相も厳しい対応を迫られそうだ。
合同総会への首相出席は、政治改革熱の冷え込みに危機感を抱く伊東、羽田両氏ら政治改革担当責任者の強い要請にこたえたもの。首相の決意表明の場をつくると同時に、政治改革推進を改めて党内に徹底させる狙いから、通常国会終了直後の合同総会開催になった。
冒頭、伊東氏は「国民は首相のリーダーシップと決断に期待している」と述べ、首相が積極的に政治改革推進に取り組むよう強い期待を表明した。これを受けて、首相は党内に根強くある小選挙区導入反対論を念頭に置いて「難しい状況、事情があるのは分かっている。しかし、それを乗り越えていかなければならないというのが時代の要請だ」と政治改革の必要性を力説。
8日の党四役と政治改革本部の協議で、今月下旬に政治改革関連法案の骨子をまとめる方針を確認したこ「とを踏まえて、「(改革を)やろうという気持ちを率直に申し上げたい」と強調した。
質疑では、小選挙区制度導入に対する批判として、「有権者からみて候補者個人の顔が見えなくなる」「党内意見を十分反映していない」「現行中選挙区制の改善を先にやるべきだ」などの反対論が相次いだ。
これに対し、首相は「納得できるものがあれば懸念は消えていく。とにかく、一歩進めることが大事だ」と理解を求めた。《読売新聞》
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【原口元気さん】誕生日
【海上自衛隊・掃海部隊】シンガポールに入港
機雷の除去を目的にペルシャ湾に向かう海上自衛隊の掃海部隊は、予定を早め、9日午前11時15分(日本時間午後0時15分)、シンガポール港内の指定海域に投びょうした。
外国地への寄港は、この4日のフィリピン・スビック米海軍基地に次ぐ二回目で、シンガポールでは接岸せずに一昼夜にわたり停泊し、乗員の休息を兼ねて補給を行う。
掃海部隊の構成は、母艦の「はやせ」を中心とする6隻で、先月29日に奄美大島沖で編成を終え、これまで南下を続けてきた。乗員は部隊指揮官の落合畯一佐以下、計511人。シンガポール政府は乗員の上陸を認めており、9日午後には、乗員は時間を区切って交代しながら上陸を始める。《読売新聞》
【韓国】反政府20万人デモ
韓国の与党・民自党結党一周年に当たる9日、在野・学生団体は労組勢力と連携し、全国各地で盧泰愚政権下最大の反政府集会・デモを強行し、機動隊と激しく衝突した。全国で約20万人が参加したと見られ、デモ学生死亡事件を機に火がついた反政府運動は、光州事件11周年に当たる18日に向け拡大の様相を見せている。
この日、在野・学生団体でつくる「汎国民対策会議」はソウル、釜山、光州など全国87か所で「汎国民決議大会」を実施。警察側は4万5000人を動員した。
ソウルでは41の大学で学生約7万人が集会を開き、市庁前広場に向け「解体民自党!打倒盧泰愚!市民は参加を!」と叫びながらデモ行進した。
警察側は午後6時半ごろほぼ一斉に催涙弾を発射。デモ隊は火炎びんと投石で抵抗、市中心部は一時、交通が完全にマヒした。
また、韓進重工業労組委員長が入院中に不審な自殺をした事件の真相究明を求める労組勢力も9日、全国で約20万人が時限ストや残業拒否闘争を行った。
ソウルでのデモは同日深夜、小康状態となったが地方主要都市では10日未明まで衝突が続いた。《読売新聞》
【ユーゴスラビア】民族代表で対話を
深刻な民族対立で連邦解体の危機に直面するユーゴスラビアの連邦幹部会は9日、3日間にわたる緊急討議の末、政治解決のための声明を全会一致で採択した。
声明は、暴力行使の即時停止と話し合いによる早期の秩序回復を原則に①市民の武装解除②民族問題討議のためのグループ設置③治安維持のための連邦人民軍の役割強化ーなどを提案している。
声明はまず、「暴力の不行使で即時に秩序が回復されねばならない」と述べたうえ、警察力だけが合法で、それ以外の市民の武装組織とクロアチア共和国が新たに動員した約7万人の警察の予備役は、即時に解除されなくてはならない、としている。
話し合い促進グループの設置については、分離、独立を含めた自己決定権、領土保全を最大限尊重したものとし、クロアチア人、セルビア人同数で構成されるとしている。また、3月末以来、大量動員で治安維持にあたっている連邦軍については、「監視力」としての権限強化を指摘した。
同共和国の民族対立では、セルビア共和国のミロシェビッチ、クロアチア共和国のトゥジュマン両大統領が話し合い解決で合意しているものの、民族衝突はやまない。《読売新聞》
【近鉄・野茂英雄投手】6試合連続2ケタ奪三振
日本ハム5−2近鉄◇9日◇静岡
近鉄の野茂英雄投手(22)は9日、対日本ハム3回戦(静岡)で10三振を奪い、6試合連続二ケタ奪三振のプロ野球新記録を達成した。これまでの記録は、野茂自身が昨年7月から8月にかけて作った5試合連続。
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日本ハムが野茂を攻略して逆転勝ち。三回に大島が同点の3号2ラン、七回には大島の勝ち越し二塁打とベイスの5号2ランで3点。すべてフォークを完ペきにとらえた。松浦が粘り強い投球と味方の好守にも助けられ、完投で3勝目。近鉄は今季初の4連敗で勝率5割を切った。 野茂は6試合連続の二ケタ奪三振という日本記録は作ったものの、この間2勝4敗。チームに貢献しているとはいえない。
近鉄・仰木監督「野茂は記録を作ったが、記録のためにやっているわけではない」
日本ハム・近藤監督「仰木君は野茂の記録と勝負の板ばさみになって、困っているんじゃないかな」《読売新聞》
【春の園遊会】
天皇、皇后両陛下主催の春の園遊会が、9日午後、東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれた。小雨がぱらつくあいにくの空模様だったが、海部首相ら政府関係者や各界の功績者など約2000人が出席、飲み物を手に御苑の新緑を楽しんだ。
天皇陛下は午後2時過ぎ、皇后さまと会場に到着。皇太子さまら皇族方とともに約1時間にわたって、招待客と歓談された。
グアム島のジャングルで28年間潜伏を続け、昭和47年に帰還した元日本兵の横井庄一さん(76)は、車イスから立って陛下を迎え、「お元気ですか」の問いに、「ぼつぼつやってきました」と感激した面持ち。以前、横井さんと新幹線で乗り合わせたことのある陛下は「前にお会いしたのは、何年前になりますか」などと声をかけられた。
また、昨年、文化功労者に選ばれた将棋の大山康晴十五世名人(68)には、「おめでとうございます。国民のために将棋の発展に努めてください」。
元広島県立広島病院総看護婦長の中村早苗さん(65)には、「いろいろご苦労も多かったでしょう」と語りかけ、「40年やって、まだ勤めております」と答える中村さんを、「高齢化に向かってお仕事が増えてくるでしょう。お体を大事に」と激励された。《読売新聞》
【米・ブッシュ大統領】バセドー病と発表
不整脈を起こしたブッシュ米大統領の主治医ら医師団は9日、「不整脈を起こした甲状腺機能凡進症は、バセドー病である」と発表し、大統領は同日、ワシントン郊外のベセスダ海軍病院で、放射性ヨードを内服する治療を受けた。
医師団によれば、この療法を続けることで甲状腺機能が抑えられてホルモンの分泌過剰が抑えられ、2、3か月すると、不整脈を起こしやすいといった症状が消えていくという。大統領はこの日、グラス一杯分の量を内服。医師団ではすでに、服用量を約2週間分用意している。
医師団は大統領の負担をしばらく軽減するように進言し、大統領は来週から公務日程を絞り、従来より一つないし二つ行事を減らすことにした。症状は軽いようで、公務に支障をきたすことはないと見られているが、外遊など今後の政治運営に微妙な影響を与えそうだ。
バセドー病はグレーブス病とも呼ばれ、甲状腺がはれて頻脈や眼球突出などの症状が現れることが多い。免疫異常が原因ではないかと推測されている。大統領のバーバラ夫人も1989年にバセドー病と診断されて放射性ヨード療法を受けている。《読売新聞》