平成824日目

平成3年4月11日(木)

1991/04/11

【湾岸戦争】名実ともに終結

国連安全保障理事会は11日午後(日本時間12日午前)、安保理決議687(恒久停戦)のイラク政府による無条件受諾を確認、ノートルダム安保理議長が午後6時(同午前7時)、アルアンバリ・イラク国連大使を呼び、正式停戦発効を宣言する書簡を手渡した。同時刻をもって停戦が発効、湾岸戦争はことし1月16日(米東部時間)の開戦から86日目で実体的にも、法的にも終結し、イラクの大量破壊兵器の廃棄をはじめとする「国連管理」下の戦後処理へと移る。

安保理が全会一致で承認した議長書簡は、ホダイル・イラク外相が署名した6日付の安保理あて書簡が「最終的かつ無条件の決議687受諾」であることを確認し、「同決議に基づく正式停戦がここに発効した」と宣言した。

議長書簡を受け取ったアルアンバリ大使は「(停戦発効は)私の喜びとするところだ。議長の努力に感謝する」と述べた。大使はまた、「イラクが過ちを犯したのでは」との記者団の問いに対し「過去を振り返る時間はない。私は未来について考えたい」と語った。

この日の停戦発効で、クルド避難民救援の緊急課題をはじめ、イラクを取り巻く政治的、社会的な戦後処理に焦点は移る。安保理は既にイラク・クウェート監視団(UNIKOM)派遣を決議しており、12日に先発隊が現地入りするなど平和維持活動が本格化。UNIKOM(1440人)の展開を待って、イラク南部に駐留中の米軍は撤退する。《共同通信》

【クウェート】原油流出続く

米海洋大気局(NOAA)のロビンソン有害物質管理計画部長は11日、米上院環境公共事業委員会・湾岸汚染特別委員会の公聴会で証言し、湾岸戦争が終結してから1カ月半たった現在もなお、クウェートの海上石油基地などから一日1500ー6000バレルもの原油流出が続いていることを初めて明らかにした。

炎上する原油から出る微粒子(ちり)が1万4000キロ以上離れたハワイで検出され、インドのカシミール地方では黒い雪が降るほど汚染は広がっているが、同部長は地球規模の気候変動や農産物被害には直ちにつながらないとの見解を示した。

ロビンソン部長によると、原油流出が続いている地域は主にクウェート沖合の原油積み出し施設シーアイランドで、1月末にイラク軍が多国籍軍への妨害行動の一環として原油を放出したとされたところ。米軍は放出確認後、爆撃機でシーアイランドに原油を送る油圧調整施設を破壊し、流出防止に成功したとしていたが、実際は流出が続いていたことになる。

部長によると、シーアイランドの他にも数カ所で数百バレルの原油流出が続いており、クウェート政府は、全く流出防止策を実施していないという。

一方、炎上する原油の噴煙に含まれている微粒子はハワイのマウナロア火山の近くでも検出された。しかし観測の結果、噴煙が立ち上っている高さはせいぜい3500メートルで、風に乗っても健康被害などの具体的影響が出る範囲は1000キロぐらいと部長はみている。《共同通信》

【海部俊樹首相】自民党・小渕幹事長と会談

海部俊樹
https://www.kantei.go.jp/

海部首相は11日夕、都内のホテルで自民党の小渕幹事長と約2時間にわたり会談、当面の内政・外交課題をめぐり意見交換した。

ペルシャ湾への自衛隊の掃海艇派遣問題について首相は最終決断を示さなかったものの、派遣する方向で原則一致した。政府、自民党の方針が事実上、掃海艇派遣の方向で固まったことにより、今後は派遣に難色を示している社会、公明両党など野党側の出方が焦点だ。

国連平和維持活動(PKO)への協力具体化についても首相は幹事長に対し自公民三党合意に沿って早期に幹事長・書記長会談を開き、まとめるよう指示した。

小渕自民党幹事長が就任後、海部首相と本格的に会談したのは初めてで、平成3年度予算が11日成立したのを受け、終盤国会への対応や湾岸戦争後の日本の国際貢献策を中心に突っ込んで話し合った。

党内から急速に強まってきたペルシャ湾への自衛隊掃海艇派遣について首相が、中山外相を中心に政府内の検討を急がせている、と述べたのに対し、小渕幹事長は、渡辺元政調会長など党内実力者らの積極派遣論を伝えた。首相は一時、派遣に慎重な姿勢を示していたが、最近、財界や海員組合など派遣を求める民間からの声が強まったことなどを併せ、派遣もやむを得ないとの判断に傾いたものとみられる。

このほかの湾岸戦争後の貢献策については①原油流出など環境問題②クルド人難民支援や食料・医療協力ーの面でも積極的に対応策を検討することで一致した。《共同通信》

【政界談話室】交代劇は「青天のへきれき」

○…平成3年度予算が成立した11日、海部首相は記者団に対し冗談交じりに「長らくお付き合いいただき、ありがとうございました」。参院本会議で否決されたことに触れられても「いやあ、つらいね。こういう現象は」との言葉とは裏腹に表情から笑みが消えず。

衆参両院のねじれ現象について感想を求められると「直近の選挙(統一地方選前半戦)ではねじれていない」と、自公民路線の定着や、道府県議選での自民党圧勝を踏まえ自信満々。首相自身の決断力が問われるコメや政治改革などの課題については、しばし忘れたかのよう。

○…自民党の小渕新幹事長はこの日、党内各派や最高顧問らを訪れ就任のあいさつ。安倍派事務所で、入院中の安倍元幹事長に代わって出迎えた同派の長谷川峻座長らを前に「天から降ってきました」と切り出し、今回の幹事長交代劇が「青天のへきれき」であることをしきりに強調。

長谷川氏が「しっかり(職務を)受け止めているじゃないか」とエールを送り、小渕氏から官房長官を引き継いだ塩川正十郎代表世話人も「本当にいい人がなった」と褒めっ放し。小渕氏は「それもみんな支えてくれるから」と応じ、“安竹”の盟友関係を確認。《共同通信》

【プロ野球・阪神】開幕4連敗

巨人7−2阪神◇11日◇甲子園

木田が力投した。完封こそ逃したが、七回までは威力十分の速球主体の投球で阪神打線を全く寄せ付けず、今季初勝利を見事な完投で飾った。

巨人は後半に入って打線も爆発した。六回に原の2号ソロ本塁打で先制し、七回の二死一、三塁ではブラッドリーが中前打して加点。さらに代わった久保を攻め原、岡崎の連続適時打で5−0。八回にも川相のスクイズバントなどで手堅く得点を重ねてダメを押した。

阪神は八回に八木の3試合連続ホーマーなどで2点を返すのが精いっぱいで、3年ぶりの開幕4連敗となった。《共同通信》



4月11日のできごと