平成819日目
1991/04/06
この日のできごと(何の日)
【イラク】国連決議を受諾
バグダッドからの報道によると、イラク国民議会は6日、国連安保理が採択した湾岸戦争の正式な停戦決議を受諾する提案を投票にかけ、賛成160、反対31で可決した。
安保理の停戦決議は、イラクが化学兵器や生物兵器、中距離ミサイルを廃棄し、核兵器の開発も中止することなど厳しい条件を突きつける内容だが、まだ米軍だけでも10万人ほど残っているイラク南部駐留多国籍軍の撤退を最優先にするために、前面無条件受諾の道を最終的に選んだとみられる。
この結果、国連平和維持軍が間もなくイラク・クウェート国境に配置され、米国、英国、フランス軍のイラク領内からの撤退が本格的に始まる見通しで、フセイン政権の存続を許したまま、湾岸戦争が名実ともに終結する。《共同通信》
◇
国連外交筋によると、イラクのアルアンパリ国連大使は6日、同日のイラク国民議会決定を受けてデクエヤル国連事務総長とノートルダム安全保障理事会議長に書簡を送り、安保理が3日に採択した湾岸戦争の恒久停戦決議687を受諾すると通告した。
書簡にはホダイル新外相が署名しており、安保理がイラク側の公式受諾表明と認めれば、恒久停戦決議が発効することになる。
書簡は法律上の諸問題として数項目に上るイラクの主張を挙げているものの、決議687を受け入れる以外に選択はないと結論付け、事実上の無条件受諾になっている。
外交筋によると、イラクが法律上問題としたのは①国境問題②賠償③制裁の防衛的兵器④外国軍撤退―などの多くの面にわたっている。アラビア語による書簡はかなりの長文で、国連事務局の翻訳を待って公表は週明けになる見通し。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【中山太郎外相】中国首脳と会談
中山外相は6日午前9時(日本時間同10時)すぎから、北京市内の迎賓館で中国の銭其琛外相と会談した。銭外相は日本の北方領土返還について「中国の立場は何ら変わっておらず、日本に理解と同情を示している。日ソ間の話し合い解決を期待する」と理解を示した。
両外相は日中関係の維持、発展が重要との認識で一致。中山外相は海部首相の年内訪中を打診、銭外相は歓迎の意向を表明した。銭外相は夏の早い時期の訪日の方針を伝えた。
銭外相が日本の国連憲章旧敵国条項削除要求に対しては「十分理解している」と協力を約束した。
外相会談は①日中関係②武器輸出規制問題③北方領土問題④国連憲章旧敵国条項削除ーなど約2時間半にわたり意見交換。外相訪中は1989年6月の天安門事件以来初めてで、銭外相の訪日、海部首相訪中の実現で日中関係強化に弾みがつくとみられる。
中東への武器輸出規制問題について、中山外相が中国側の責任ある自制を促したのに対し、銭外相は「兵器の移転の公開性、透明性を高めることに反対するものではない。国連の制度をつくるうえで、さらに突っ込んだ検討をしたい」と述べ、中国ばかりではなく、米ソ両国などを含めた武器輸出国全体の取り組みが必要との見解を示した。銭外相は「日本は敵国ではない」と、旧敵国条項削除に「国連憲章改正にかかわるので多くの国の意見を踏まえながら協議していく必要がある」と述べ、憲章改正には時間を要するとの見方を示した。
中山外相は同日午後、呉学謙副首相、李鵬首相と会談する。《共同通信》
【クルーズ客船・飛鳥】進水
日本郵船の豪華クルーズ客船「飛鳥(あすか)」(27,000トン)が6日午前、長崎市飽ノ浦町の三菱重工業長崎造船所立神第一ドックで進水、白い優美な姿を長崎港に浮かべた。日本国船籍では最大の客船としてことし10月末から日本と香港、上海、ハワイなどの航路に就航する。《共同通信》
【皇太子殿下】ペルー・フジモリ大統領と懇談
米州開発銀行・米州投資公社年次総会開会式出席などのため名古屋市を訪問中の皇太子さまは6日夜、名古屋市内のホテルで来日中のフジモリ・ペルー大統領夫妻の表敬を受け、約20分間懇談された。フジモリ大統領は大統領就任直前の昨年7月に来日した際、天皇陛下と会っているが、皇太子さまと会うのは初めて。
同席した山下和夫東宮侍従長によると、皇太子さまは「大統領によろしく」との天皇陛下の言葉を伝えた後、4日夜ペルー北部を襲った地震のお見舞いを述べられた。《共同通信》
【橋本龍太郎蔵相】ペルー・フジモリ大統領と会談
米州開発銀行(IDB)名古屋総会に出席のため来日したペルーのフジモリ大統領は6日、名古屋市内のホテルで橋本蔵相と会談し、経済不振に陥っているペルーに対する日本の資金援助を要請した。
大統領はコレラ禍などにもかかわらず、ペルーがこれまで改革努力を続けていることを強調し、日本の支援を訴えた。
これに対し橋本蔵相は「ペルーのコレラ禍の状況はよく知っている。日本政府として緊急援助を検討したい」と述べ支援に積極的な意向を示した。
また債務問題について蔵相はこの日の会談で、日本、米国などペルーに対する債権国代表が7日名古屋市で「ペルー政府側と非公式会合をし、ペルーの改革状況について説明を受けたいと提案した。
IDB総会には、中南米各国の蔵相、中央銀行総裁らが参加するが、ペルーは大統領が自ら出席する。《共同通信》
【海部俊樹首相】帰国
米カリフォルニア州ニューポートビーチでのブッシュ大統領との会談を終えた海部首相は6日午前7時前、日航特別機で羽田空港に帰国した。今回の首脳会談でコメ開放など日米通商問題で重荷を背負った首相だが、政府は「湾岸戦争後の日米のきしみは再調整された」と成果を強調している。《共同通信》
【東京都知事選】雨の中、終幕
「悔いはない」「大変な戦いだった」ー。東京都知事の選挙戦最終日の6日、雨の中、最後の訴えを続けた有力4候補は夜、それぞれの手ごたえをかみしめた。
海部首相と石田公明、大内民社両党委員長が終日付き添った自公民推薦の磯村尚徳候補(61)は、午後6時半から新宿駅で約3000人の聴衆に最後のお願い。長女の典子さん(23)も涙声で訴えた。選挙事務所に戻り、全力を尽くした充実感からか、磯村候補はさっぱりした表情。「後半の手ごたえは十分。厳しい差だが何とか勝てるのでは」と自信をのぞかせた。
自民、民社両党都連が推す鈴木俊一候補(80)は錦糸町駅前で打ち上げ大集会。約5000人が詰め掛け、一部は駅ビルにも入り込むほど。
選挙事務所に帰って記者会見した鈴木候補は「大変厳しい選挙だったが、日増しに私への支援が盛り上がってくるのを感じた。明日の投票、あさっての開票に期待している」と話した。
社会党推薦の大原光憲候補(64)は午後6時前、有楽町で約1000人の聴衆を前に最後の演説。「都民のために都民が選んだ大原さんを当選させて」と応援の土井社会党委員長のボルテージも上がる。
夜、選挙事務所に戻った大原候補は「こんな経験は、生涯に一度のことと思う。後半、手ごたえが良かったので、あと一週間欲しかった」と出遅れを最後まで悔やんだ。
共産党推薦の畑田重夫候補(67)は都内7カ所を回り午後7時半すぎ、西新橋の選挙事務所へ。「なすべきことは全部やった。悔いはない」と満足そう。立候補は前回に続き2回目だが「終盤の手ごたえからみて前回の69万票に上積みができるのでは」と期待をかけた。《共同通信》
【プロ野球】開幕
1991年のプロ野球公式戦が6日、セ、パ両リーグ同時に開幕し、昨年を制した西武は大勝したが、巨人は逆転で敗れた。
パは日本一の西武が西武球場でロッテと対戦、清原がプロ野球初の2年連続の開幕戦2本塁打するなど打撃陣が爆発し、エース渡辺久も完投、14―2で大勝した。近鉄ー日本ハム(藤井寺)は阿波野、西崎のプロ同期生の先発対決となり、日本ハムが七回に2本塁打で決勝点を奪い、そのリードを西崎が守り切って4ー2で勝った。オリックスは新本拠地グリーンスタジアム神戸にダイエーを迎えたが、先発メンバーを発表しながら降雨中止。土井新監督の初さい配は7日に持ち越された。
セは巨人ー中日(東京ドーム)が唯一のナイターで開幕。巨人は八回に3点を失って同点にされ、九回に勝ち越し点を許し、5ー6の逆転負けを喫した。広島ーヤクルト(広島)は五回終了、3―3で降雨コールドゲーム引き分け。昨年の中日大洋に続き、今年も開幕戦から引き分け再試合制が適用された。大洋—阪神(横浜)は大洋が延長十一回無死満塁から昨年の首位打者パチョレックの左前安打で4ー3のサヨナラ勝ちした。《共同通信》