平成810日目

平成3年3月28日(木)

1991/03/28

【第63回選抜高校野球大会第2日】大阪桐蔭・和田投手がノーヒットノーラン

大阪桐蔭(大阪)の和田投手が13年ぶりの快挙ー。第63回選抜高校野球大会第2日は、冬に逆戻りした感のある甲子園球場で1回戦4試合が行われ、和田が仙台育英(宮城)を相手に大会史上10人目のノーヒットノーランを達成した。優勝候補の天理(奈良)は三重(三重)に苦戦しながらも初験を突破。箕島(和歌山)と瀬戸内(広島)も勝ちち進んだ。

和田は快調なテンボで投げ、許した走者は四球の1人。春夏合わせて初出場の大阪桐蔭が10ー0で劇的な勝利を手にした。

天理はエース谷口が12安打を浴びるなど苦しんだが、終盤で三重を突き放し7−2で勝った。9年ぶり出場の箕島は試合巧者ぶりを発揮、5ー1で旭川竜谷(北海道)に快勝。14年ぶりの出場となった瀬戸内は3ー2の逆転勝ちで甲子園大会初勝利を飾った。《共同通信》



【海部俊樹首相】「要員派遣で国際協力を」

海部俊樹
https://www.kantei.go.jp/

日本の今後の国際貢献の在り方を検討するため新設された海部首相の私的諮問機関「国際協力に関する懇談会」の初会合が28日午前、首相官邸で開かれた。初会合には財界人、学者ら21人のメンバーのうち19人が出席、座長に松沢卓二富士銀行相談役、同代理に石川六郎日商会頭を互選した。

海部首相は、あいさつで「資金に加え、人の面でも貢献を行えないならば、国際社会の責任を果たしているとは言えない」と述べ、「要員派遣などの国際協力の必要性を強調。その上で①国連の諸活動に対する協力の在り方②軍備管理・軍縮問題③日本の経済力、科学・技術力の活用の3点を挙げ、外交政策の目指すべき方向性について、短期的な達成目標、中長期的課題に関する幅広い論議を促した。

初会合では、外務省の栗山事務次官が国際情勢の基本認識、湾岸戦争の教訓、新たな国際秩序など日本外交の基調を報告。自由討議ではメンバーから「外交理念を具体化するため既存の制度、慣行に新たな視点が必要」などの意見が出された。

会合の後、記者会見した松沢座長は「検討対象は、首相が指摘した三点のほかに日本の国際化も含め、幅広く議論したい」と述べた。次回会合は4月24日の予定。《共同通信》

【海部俊樹首相】高校生から逆に励まし

○…海部首相は28日昼、官邸ホールでシニアスカウトの高校生ら118人の表敬訪問を受けた。代表が「海部首相を目標に、良い指導者として世界に通用する国際人になるよう努力します」と緊張した表情であいさつすると、プレゼントされたメダルを首に直立不動で耳を傾けていた首相は「ウン、ウン」とご満悦の様子。

「世界も日本も変わり、どの国も悩みを持っている。社会のため奉仕の精神を持つことが大切」と激励の言葉を贈ったが、来週の日米首脳会談を前に「世界に通用する政治家」を演じなければならない首相としては、逆に大いに励まされたのかも。

○…社会党の伊藤政審会長はこの日の記者会見で、同党がまとめた「国連平和維持活動への協力法案」骨子を説明したが、「平和維持「軍の後方支援はするのか」などと質問攻めに遭うと、「その辺はケース・バイ・ケースで…」と歯切れの悪い答弁。

これに先立つ在京幹部会でこの骨子を了承した際も疑問や注文が相次いだこともあってか、伊藤氏は「外務省だったら条約局長に(法案作りは)任せるはず。大体うちの三役らは細かいことをゴチャゴチャ言いすぎる。不快ですよ」と、記者団を前にうっぷん晴らし。湾岸国会、都知事選と不協和音の絶えない党内事情を露呈していた。《共同通信》

【自民党・小沢一郎幹事長】米・ブッシュ大統領と会談

ワシントン滞在中の自民党の小沢幹事長は28日(日本時間29日未明)、米国のブッシュ大統領、ベーカー国務長官と個別に会談した。ブッシュ大統領との会談で双方は「日米関係は大事な関係で、これを維持発展させていかないといけない」(大統領)との認識で一致した。

日ソ関係の改善について小沢氏が「日米同盟の枠内でしか存在しないということで、対処している」と説明したのに対し大統領も「同感だ」と述べ、こうした考えに同意した。

大統領は来月4日カリフォルニア州で行われる日米首脳会談について「(海部首相と)いろいろ話したい。楽しみにしている」と述べ、訪日については「ぜひ妻と共に訪れ、日本の国民の皆さんと話をしたい」と改めて訪日の意向を表明したが、時期については言及しなかった。

大統領との会談は同日午後、ホワイトハウスで約40分間行われた。大統領は湾岸戦争に関する日本の財政支援に対し「感謝する」と評価。米国内に湾岸戦争への日本の対応をめぐって批判が強まっていることについても「反日的意見があるのは事実だが、私の力の限り日米友好の発展に尽くす決意だ」と、対日世論の鎮静化に努める考えを示した。

小沢氏は「湾岸戦争に対する大統領、米国民の断固たる姿勢と行動に心から感謝し敬意を表する」と述べるとともに「これを契機に日本国民は日米同盟関係のパートナーとして、国際社会の一員として、責任を分かち合う意識が芽生えてきている。そういう国民意識を背景に政策決定がしやすくなる」と指摘、国際的責任分担にさらに積極的に取り組む考えを表明した。《共同通信》

【自民党・小沢一郎幹事長】米・ベーカー国務長官と会談

小沢幹事長は28日午前10時半(日本時間29日午前0時半)すぎから、ワシントンの米国務省でベーカー国務長官と会談した。

この中でベーカー長官は日米間の経済摩擦について、具体的項目については言及しなかったものの「資易不均衡の背景に経済諸問題が存在することは事実だ。そうした問題の解決のため努力を続けることが重要だ」と指摘、小沢氏の尽力を要請した。ベーカー長官は小沢氏の訪ソに関連し「北方領土に関する日本の立場を強固に支持している」と強調した。

小沢氏は湾岸支援をめぐる「日本に対するいらだち、失望」が引き金となって経済摩擦が厳しさを増していること、また逆にそれが日本国内の反米感情に火を付けていることに憂慮を表明。「日本国内の間違った動きと全力で戦うが、ベーカー長官も日米同盟関係の維持発展のため理解していただきたい」と述べ、米側の対日批判鎮静化への努力を暗に求めた。《共同通信》

【ソ連・モスクワ】緊迫

ゴルバチョフ・ソ連大統領との対決を宣言しているエリツィン・ロシア共和国最高会議議長支持のため非共産・急進改革派が28日夕(日本時間同日深夜)、モスクワのクレムリン近くで50万人規模で開催を予定していた大集会に向け、同日午後5時(同11時)ごろから市内2カ所に計20万人近い市民が雪の中を集まった。

しかし、当初予定されていた集会会場マネージ広場への道が治安部隊により封鎖されたため、会場をマヤコフスキー広場に変え、同広場への合流を始めた。

モスクワに集会禁止令を出しているゴルバチョフ政権は警官や内務省軍部隊など約5万人と軍用トラックなどを動員し、首都で初めて厳戒態勢を敷いた。

内務省軍などと市民の衝突などの混乱は同日午後6時(日本時間29日午前0時)現在、発生していない。

集会は、この日クレムリンで開会したロシア共和国臨時人民代議員大会で、工リツィン議長に対し、保守派などが不信任動議を提出することに反対して計画されたもので、集会禁止令と厳戒態勢にもかかわらず、クレムリンから約1.5キロ離れたマヤコフスキー広場には、ポポフ・モスクワ市長や「ゴルバチョフ打倒」などのプラカードを掲げた市民が続々と集まった。

また、もう一つの集合地のアルバート広場付近にも10万人近い市民が集まり、道路を埋めた。

これに対し、治安当局側は、二つの広場から中心部に向かう大通りを軍用トラックなどで封鎖、警官らが人垣をつくった。

マヤコフスキー広場からのデモ隊は途中の封鎖ラインで警官、内務省軍部隊などとにらみ合い、ポポフ市長らが間に入り、市民らに後退するよう呼び掛けた。

アルバート広場に集まった約10万人は封鎖線を避はながら、マヤコフスキー広場に向かった。

【ソ連・モスクワ】急進派、衝突を回避

ソ連政府による集会禁止令を押し切って28日夜(日本時間29日未明)、モスクワ市のマヤコフスキー広場で開かれたエリツィン・ロシア共和国最高会議議長を支持する20万人集会は、懸念された治安部隊との衝突もなく、約1時間で終了した。

集会では、ロシア共和国の急進改革派「民主ロシア」幹部らが、ゴルバチョフ大統領の退陣を要求、新設の共和国大統領へのエリツィン議長選出を訴えた。

集会は当初、赤の広場に隣接するマネージ広場で予定されていたが、ソ連内務省軍や警察が同広場への道路を遮断し、一時は広場へのデモを強行しようとした参加者とにらみ合いとなった。しかし、主催者側が混乱回避に動き、集会は赤の広場から約1.5キロ離れた場所で行われた。

ソ連政府が期限付きとはいえ初の全面的集会禁止に踏み切ったのは、28日からのロシア人民代議員大会でエリツィン議長の地位が脅かされかねないことで急進改革派、一般市民が危機感を強める中、不測の事態が起きる可能性があったためだが、禁止決定の一方で一定の街頭行動を認めたのも、必要以上の反感を呼び起こすまいとする大統領流の計算があったためとみられる。

同時に急進改革派側にも、保守派から「社会混乱を招いている」との攻撃がさらに強まることへの配慮があり、双方が抑制の効いた行動をとる結果となった。《共同通信》



3月28日のできごと