平成811日目

平成3年3月29日(金)

1991/03/29

【自民党・小沢一郎幹事長】「コメの自給体制は堅持する」

訪米中の自民党の小沢幹事長は29日タ(日本時間30日朝)、ボストンのホテルで同行記者団と懇談した。この中で小沢氏は米国から市場開放要求が強まるコメ問題について「コメの自給体制は堅持する」と改めて強調、同時に「日本だけの論理で国際協調を破ってはいけない。日本の原理原則と国際的協調をどう折衷するかだ」と述べた。

これは新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)での多国間交渉でコメ問題の決着を図るとの方針を確認するとともに「自給体制」の原則を崩さない範囲内で将来、限定的なコメの市場開放に踏み切らざるを得ないとの見通しを示したものとみられる。

小沢氏は、コメ問題を「解決しなければならないし、できると思う」とした上で、決着は外圧によるのではなく「できるだけ自らやらなくてはならない」と指摘した。さらに「方針の転換とネゴシエーション(交渉)は違う」と述べ、コメの自給方針を逸脱しない範囲内で国際協調との接点を見いだすべきだとの考えを明らかにした。

また選挙制度改革法案取りまとめの見通しについて「4月中(提出)という、時期的なことだけ急いでも中身が混乱する」と述べ、党の合意形成をまず重視すべきだとの考えを示した。選挙制度改革法案について海部首相は四月中の提出を党側に指示している。

これについて小沢氏は「何月中に出さなかったからどうごうだということより、改革を成し遂げることが目的だ」と述べ、党内合意を一得るために提出が遅れてもやむを得ないとの認識を示した。

この法案の審議に関しては「質疑の時間が現在の会期では、ほとんどない。出すとして(今国会の会期)延長か臨時国会しかない」と述べた。ただ、どちらにするかについては「その時の状況だ」と明言を避けた。《共同通信》



【西淀川公害訴訟】10社に責任

大阪市西淀川区の公害病認定患者と遺族計117人が「工場排煙と自動車排ガスで気管支ぜんそくなどの健康被害を受けた」として、道路を管理する国・阪神道路公団と、関西電力など阪神工業地帯の主要企業10社に、総額約38億円の損害賠償などを求めた「西淀川公害訴訟」の判決が29日午前、大阪地裁で言い渡された。

寺崎次郎裁判長は「原告の大半は被告企業が寄与した大気汚染により発病した」として、企業10社に対し原告76人に約3億5700万円を支払うように命じた。排ガス被害と大気汚染物質の排出差し止めは、請求を退けた。被告企業側は控訴する方針。原告側も控訴を検討している。

広域に点在する工場の大気汚染を認め、賠償を命じた判決は初めて。企業責任追及の道を開く画期的判断といえる。しかし認容額が極めて低く、排ガス被害を認めなかったことは、患者側などから反発を招きそうだ。《共同通信》

【東京都知事選】自民党本部、都連名で磯村氏支援

東京都知事選で、磯村尚徳候補(61)を推す自民党本部が、鈴木俊一候補(80)を支持する同党都連名で、磯村氏支援を訴える党機関紙「自由新報」を、都内の自民党員ら約20万人に送っていたことが29日明らかになった。

都連には、機関紙を受け取った人たちから「いつ磯村候補支持に切り替えたのか」などと問い合わせが殺到、都連側は「明らかに鈴木陣営のかく乱を狙った悪質な行為」とカンカン。党本部に抗議したが、選挙戦も終盤近くになり“骨肉の争い”は激化するばかりだ。

問題の機関紙は「自由新一報党員版」。タブロイド判で12ページ建て。一面には、18日の東京・新宿駅東口での磯村候補第一声の記事と写真、12面には磯村候補のプロフィルや公約などが掲載されている。発行所は自民党本部となっているものの、郵送用の帯封には差出人として「自由民主党東京都支部連合会」と印刷されており、都連が発送した形となっている。同党本部によると、新聞局で作成、26、27の両日、都内の党員、党友約20万人に送った、という。

都連には鈴木氏支持の党員らから「いつ鈴木候補から磯村候補に支持を切り替えたのか」「どうしてこんなものを送ったのか」など、一日に20−30本の電話が殺到、応対に追われた。

党本部側は「これまでも機関紙は都連を差出人にして送っている。別に意図はない」と弁明。これに対し都連側は「機関紙の発送はこれまで党本部の名前で行っており、本部の弁解は単なる言い逃れだ」と怒る。

都連側は党本部に口頭で抗議する一方、党員、党友に注意を呼び掛ける文書を送るなど対策に大わらわ。八木洋治都連総務部長は「都連が磯村支持に変わったと勘違いする人がいるのでは」と頭を抱えている。《共同通信》

【政界メモ】スギ花粉並みの紙爆弾

○…29日の参院予算委員会で、社会党の瀬谷英行氏は過熱気味の東京都知事選を取り上げ、「海部総裁(首相)名で自民党が推す新人候補への支持要請文書がスギ花粉のようにばらまかれている。わが党の同僚国会議員にまで二度も届いた」と、紙爆弾作戦をこきおろした。

ところが首相は「同一人物に二度も届くのは随分効率が悪い。注意しておきます」と珍答弁。さらに、同候補が発表した「一兆円減税構想」の非現実性を追及されると、「それは知事になってからの話。まず当選が大前提」と切り返し、ちゃっかり“当選祈願”を訴えながら質問をはぐらかしていた。

○…公明党の石田委員長はこの日、京都駅前で道府県議選遊説の第一声。同党の主張の柱である「生活者の政治」を訴え「民社党も、そして社会党の土井委員長も同じことを言っているが、言い出したのはわが党」と、社会党を強く意識しながら先見性をPR。

続けて昨年の消費税是正をめぐる与野党折衝に触れ「社会党が食料品非課税でないと駄目というので全部ぶっ壊れた」と社会党をチクリ。自公民三党による決着が何かと目立つ昨今の政治状況を反映してか、批判の矛先は専ら社会党に。《共同通信》

【第63回選抜高校野球大会第3日】帝京、逆転で20勝目

第63回選抜高校野球大会第3日は29日、青空が戻った甲子園球場で1回戦4試合が行われ、松商学園(長野)桐生一(群馬)帝京(東京)宇都宮学園(栃木)が2回戦に勝ち進んだ。

松商学園―愛工大名電(愛知)は、同点の八回、松商学園が花岡の二塁打で勝ち越し、3―2で接戦を握った。甲子園初陣同士の奈良(奈良)桐生一は桐生一が奈良の守備のミスを突いて0ー6で粘る奈良を退けた。群馬県勢の選抜大会勝利は1979年以来。

熊本工(熊本)ー帝京は、帝京が五回、豊田の2点適時打で逆転。一回途中から急きょ救援した豊田が、投げても追加点を許さず、3―2で勝った。

福岡大大濠(福岡)ー宇都宮学園は竹田の大会第6号本塁打などで追い上げる福岡大大濠を4点に抑え、7ー4で振り切った。《共同通信》



3月29日のできごと