平成783日目

平成3年3月1日(金)

1991/03/01

【米・ブッシュ大統領】中東和平に全力

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ブッシュ米大統領は1日、ホワイトハウスで演説し、湾岸戦争終結で米国が新たな信頼を勝ち得たとし、今後は「戦争と同様、懸命に中東和平に取り組む」との決意を表明した。その課題として①パレスチナ問題②イラクの平和国家への復帰ーを挙げ「時は今だ」と強調した。

大統領は、多国籍軍とイラク軍双方の代表による停戦協議をクウェート戦域(クウェートとイラク南部)で現地時間2日午後、開催すると発表したが、イラク側の要請で3日以降に延期された。

停戦協議では、多国籍軍はシュワルツコフ米中東軍司令官、アラブ軍を指揮したハリド・サウジアラビア皇太子らが代表となり、捕虜解放など停戦の軍事的側面を協議する。開催場所は安全上の理由から明らかにしていない。

ブッシュ大統領はフセイン・イラク大統領の亡命説について「アルジェリアは否定している」と述べた。また「イラク国民が彼を排除すれば事態解決が容易になる」と語り、イラク国民によるフセイン政権打倒に改めて期待を表明した。同時に「だれも戦争犯罪に関する国際法の責務から免れることはできない」と述べ、フセイン大統領に対する戦争責任は法に照らして判断される、との考えを示した。また、人道的援助を除き、米国はイラク復興には一切資金を出さないと明した。

亀裂が入ったソ連との関係については「バルト問題で大きな見解の違いはあるが、ソ連は中東情勢に通じており、共通の目標に向け進んでいきたい」と語り、米ソ協調を重視する立場を改めて示した。湾岸戦争での日本とドイツの貢献に関しては「両国とも憲法上の制約で参戦はできないが、相当の資金協力をして責任は果たした」と評価した。《共同通信》



【中山太郎外相】湾岸戦争終結で緊急援助隊を検討

中山外相は1日の衆院外務委員会で、クウェート復興支援に関連し「イラク軍撤退後のクウェートでは水道などの公共施設が破壊され、伝染病発生の危険が高まっている。二次災害の伝染病対策などで国際緊急援助隊が活用できないか検討している」と述べ、国際緊急援助隊派遣を検討する方針を表明した。

政府は緊急援助隊について戦争、内乱など戦闘地域の被害復旧を目的として派遣できないとしてきたが、外相は二次災害を防止するための派遣が可能との判断を示し、事実上紛争終結後の地域への派遣を容認する見解を明らかにした。《共同通信》

【長崎市】裁判所と新聞社に銃弾

28日深夜から1日朝にかけ長崎市万才町、長崎地方裁判所(佐藤安弘所長)正面玄関と、同市茂里町、長崎新聞社(篠原修三社長)正面玄関の2カ所に短銃弾が撃ち込まれているのが1日午前、見つかった。けが人はなかった。

長崎地裁からは同日午前8時すぎ、長崎新聞からは同8時40分ごろ、それぞれ銃撃の跡に気付いた職員から長崎署に届け出があった。同署は捜査本部を設置、捜査員150人を投入、建造物損壊、銃刀法違反容疑で捜査を始めた。

長崎地裁では先月25日、本島長崎市長狙撃事件の被告が所属する右翼団体「正気塾」が長崎新聞社に「昭和天皇に戦争責任はない」などとする意見広告の掲載を求めた訴訟で請求棄却の判決が言い渡されており、捜査本部はこの判決を不満とする右翼関係者の犯行の可能性が強いとみている。

調べによると、裁判所は玄関の自動ドアのガラスに一発、銃撃された跡があるほか、玄関の石段にも弾の跡があり、玄関前の路上から薬きょう2個が見つかった。

新聞社は玄関の自動ドアのガラスと玄関上の看板に銃撃の跡があり、敷地内から薬きょう2個が見つかった。いずれも小型短銃弾の薬きょうで、同じ種類の短銃から発射されたらしい。

裁判所には泊まりの当直員がいたが、1日朝まで銃撃に気付かなかったという。新聞社は守衛が終夜警備しており、1日午前1時40分、同2時10分、同6時半の計3回社内を巡回したが、異状はなかったという。《共同通信》

【政界メモ】記者団と「冷戦」進行中

○…海部首相は1日、記者団から湾岸戦争について質問を受けると「君らは片言隻句をとらえて新聞に書くから歩きながら話はできない」とつれない返事。「それでは記者会見を増やして」と切り返すと首相、「会見するとすぐ君らは自衛隊機の派遣とか、そればっかり聞いてくる」とピシャリ。

首相番記者とのやりとりの記事が国会で野党の攻撃の材料にしばしば使われることが、機嫌を損ねている原因のようだが、「それでは首相とのきずなが切れてしまいます」と記者団がたたみかけると「それも仕方がない」。湾岸の平和とは裏腹に首相と記者団との間で冷戦が進行中。

○…この日午後、外遊前のあいさつに自民党安倍派事務所を訪れた渡辺元政調会長は、入院中の安倍元幹事長に代わって応対に出た三塚同派事務総長に「本当は病院にお見舞いしたかった」と切り出した。「ご厚情を伝えます」とかわす三塚氏に、渡辺氏は「帰国したら報告に」。

押され気味の、三塚氏は、朝鮮労働党の代表団長やドイツ外相との面会も断った例を挙げて「ゴルバチョフ・ソ連大統領来日までには体調を完全に整えてスタンバイするので、それまでは」と防戦していたが、渡辺氏が食い下がった裏には「実は安倍氏の病状を探る狙いがあったのでは」との声も。《共同通信》

【マラソン・中山竹通選手】独立

マラソンの中山竹通がダイエー所属のままでチームから離れ、今月中にも新しい指導者とコンビを組んで再出発することになった。ダイエーの佐藤進監督とトレーニング法などで意見が合わなくなっていた中山は、既に1月からチームと離れて単独練習している。

1日、東京・渋谷の岸記念体育会館で、他の世界選手権代表とともに会見した中山は「自分は五輪にも出たし、2時間8分台でも走っている。自分のことは分かっているし、練習メニューも(一人で)大丈夫」と単独での練習に不安はないことを強調した。

だが「精神面だけ問題がある。ソウル五輪でも感じたが、精神面の相談に乗ってくれる人が必要」と経験豊富な指導者を求めていることを明らかにした。《共同通信》



3月1日のできごと