平成743日目

1991/01/20

この日のできごと(何の日)

【湾岸戦争】4日目

湾岸戦争は20日、米軍機を主体とする多国籍軍が空爆の重点を当初のイラク軍の指揮・管制系統の破壊から、イラク軍地上部隊の主力である大統領警護隊や武器、弾薬集積地などに移して地上戦の準備態勢固めを進めている。

多国籍軍はまた、制空権を当面ほぼ確保しながら、イラク北部の空軍基地への空爆も開始した。

一方、米軍発表によると、イラクは地対地ミサイル計10発をサウジアラビアに発射したが、9発は迎撃ミサイル、パトリオットで撃墜され、1発は海中に落下した。

多国籍軍は同日までにイラク西部でイラク軍の移動式ミサイル発射台計16基を破壊した。チェイニー米国防長官によると、残る移動式発射台は30−40基とみられるが、正確な数字は不明。

米中東軍司令部は20日、多国籍軍機の延べ出撃回数が開戦以来約7000回に上ったと発表。シュワルツコフ中東軍司令官は同日午前放映の米ABCテレビとの会見で、多国籍軍機がイラク、クウェート国内のイラク軍拠点、施設を250カ所以上空爆したことを明らかにした。

司令官はさらに「フセイン(イラク)大統領はこれほど大規模な攻撃を受けるとは予想していなかっただろう。恐らく現在、半ばショック状態で次の対応を懸命に考えているはずだ」と語った。《共同通信》

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【イラク・フセイン大統領】徹底抗戦を表明

イラクのフセイン大統領は20日午後8時(日本時間21日午前2時)、国営放送を通じてイラク国民、イスラム教徒に向け演説、「今後イラクは、あらゆる手段と潜在力を駆使して大規模な反撃を決行する」と宣言し、多国籍軍への本格的な反撃を予告するとともに、米国をはじめ多国籍軍へ参加している諸国の権益に対する攻撃を全世界で強化するよう訴えた。

大統領の演説は湾岸戦争が始まった17日朝以来2回目で、開戦以来4日間、米軍主軸の多国籍軍の激しい爆撃が続く中、徹底抗戦の決意を宣言することで、イラク軍の士気を鼓舞することを狙ったものとみられる。

大統領は多国籍軍が2、3日でイラク軍を撃滅し、戦争を終わらせるとの見通しを持っていたことは完全に誤算だったことが明らかになったと断言し「(多国籍軍は)戦争開始から4日目で計算のやり直しを余儀なくされている」とイラク軍の精強ぶりを誇示。さらに「われわれはまだ地上軍を戦場に投入していないし、空軍もほんの一部しか使っていない」と述べ、イラクの戦争継続能力がまだ十分にあることを強調した。

フセイン大統領はまた、米国と北大西洋条約機構(NATO)およびアラブ諸国など反イラク網を形成する多国籍軍参加の主要国の権益を攻撃するよう訴え「(攻撃対象の)権益が何であろうと、それを狙うのはイスラム教徒とアラブ人の義務である」と述べた。

特にフセイン大統領はブッシュ米大統領を「神を信じない専制君主」と指摘し「専制君主のミサイルと航空機が、われわれの勇敢な兵士の手によって撃ち落とされている」と豪語する一方、イラク軍は「歴史上、前例のない英雄的精神と勇気を持って戦っている」と軍最高司令官として配下の軍人を称賛した。

大統領はこの戦争の目的がアラブの大義の実現にあることを改めて強調。パレスチナとシリアのゴラン高原の奪回を訴えるとともにイスラム教の三大聖地であるメッカ、メディナ、エルサレムの解放を呼び掛けた。《共同通信》

【イスラエル】報復自制を継続

イスラエル政府は20日、定例閣議を開き、イラクのミサイル攻撃への対応策を協議、シャミル首相は閣議後に声明を発表し「政府は国民への脅威を最小限にするために外交的、軍事的にあらゆる手段を講じている」と述べ、報復攻撃を自制している現在の政策が最善のものであると指摘、当面イラクに対する反撃自制を継続する考えを示唆した。

イスラエルが報復に踏み切れば、湾岸戦争の構図を複雑にし、フセイン・イラク大統領の思惑通り、アラブ対イスラエルの第五次中東戦争に発展する恐れもある。このため2度のミサイル攻撃にもかかわらず、イスラエル政府は最大の同盟一国である米国と緊密な連絡を取りながら、慎重な姿勢を保っている。

米国はイスラエルがイラクへの反撃を断行して湾岸戦争に巻き込まれた場合、反イラク包囲網を形成するアラブ諸国と米国の同盟関係に亀裂が生じることを懸念、ブッシュ大統領が2度にわたってシャミル首相と電話で会談、強く自制を促した。《共同通信》

【シンクロ・小谷実可子選手】長期休養を表明

シンクロナイズドスイミングの日本の女王、小谷実可子(24) =東京シンクロクラブ=は20日、今年予定されている主要大会には出場せず、長期間の休養を取る意向を表明した。

小谷は「休養期間中新しい事を学び、それをシンク口に生かしたいと思えばまた泳ぐ」としているが、「ほかの事に魅力を感じれば休養は無期になるかもしれない」と復帰時期は明言しなかった。さらに「(一年間休めば)私が太刀打ちできないほど若手が成長しているのが普通」とも語っており、次代を担う選手が育ってきた場合は、そのまま現役を退く可能性が強い。

水泳界ではソウル五輪金メダリストの鈴木大地(順大大学院)が長期休養を取り、今季からカムバックを表明した例がある。

先の世界選手権(パース=豪州)のソロで銅、デュエットで銀メダルを獲得した小谷は体力面、精神面でピークに達したこともあり、今後の進退が注目されていた。

しかし早急に進路を決めず、休養を取りながら考えをまとめる方針。休養期間中もスポーツの世界に身を置く考えで、一部でうわさされている芸能界とは接触を持たず、軽い練習を続けながら日本オリンピニック委員会(JOC)などの仕事を手伝う予定だ。《共同通信》

【大相撲初場所】8日目

大相撲初場所8日目(20日・両国国技館)関脇琴錦が横綱旭富士を寄り切って無傷の8連勝。幕内ただ一人土つかずで勝ち越しを決めた。旭富士は2敗目を数え優勝争いから後退。

横綱北勝海は琴富士を一気に押し出して1敗を守った。大乃国は土俵際の上手投げで栃乃和歌に辛くも勝ち、3連敗を免れ5勝目。大関霧島は三杉里を豪快につり出し、北勝海とともに1敗で琴錦を追っている。新小結隆三杉は8連敗で三役の座から転落となった。

十両は大翔鳳に土がつき、琴の若との2人が1敗でトップに並んだ。《共同通信》

【五輪調査団】長野は有望な候補地

1998年冬季五輪の招致を目指す長野の現地調査に訪れていた国際オリンピック委員会(IOC)国際競技連盟(IF)各国オリンピック委員会(NOC)の三者合同調査団の6人が20日、長野市内のホテルで記者会見し、団長のニールス・ソーレンセンIOC委員は「全体的に見て、長野は有望な候補地といえる」などと語った。

調査団は17日に来日。18日に長野から開催計画の説明を受け、19日には会場の一つ、八方尾根スキー場を実際に滑るなど現地を視察した。6立候補都市の調査は昨年12月に始まり、長野は4番目。2月に終了する予定となっている。《共同通信》

【ラトビア】銃撃戦

ソ連内務省軍の特殊部隊(ブラックベレー)投入で緊張が高まっていたバルト地方ラトビア共和国の首都リガで20日夜(日本時間21日早朝)、市中心部にある共和国内務省を同特殊部隊が機関銃などで攻撃、銃撃戦の末建物を一時占拠した。地元テレビによると共和国側に少なくとも死者4人、負傷者9人が出た。

同共和国ではロシア人を中心とする親ソ派の社会教済委員会が19日、全権を掌握したと発表、独立宣言をした共和国政権打倒の動きが強まっている。大規模な武力行使により13日のリトアニアに続いて流血の事を搭いたことで、バルト地方の独立運動をめぐるゴルバチョフ政権との対立は一層緊迫の度を増してきた。

バルト通信などによると、特殊部隊は約30人で20日午後9時10分(日本時間21日午前4時10分)ごろ、共和国内務省に3台の車で乗りつけ、機関銃を乱射するなどして建物に突入。これに対して共和国内務省所属の警察部隊が応戦し、銃撃は約2時間20分続いた。

ゴドマニス共和国首相は建物制圧後、特殊部隊司令官と電話で協議した結果、特殊部隊は建物から退去、基地に戻った。

国営タス通信によると、特殊部隊は隊員の妻が市内で中傷、脅迫されたため、攻撃したと主張、共和国内務省から武器を多数押収したとしている。

死者の中には共和国で著名なドキュメンタリー映画監督アンドレス・スラピンス氏など内務省職員以外の市民が含まれているほか、フィンランド人記者も負傷した。

ラトビア人民戦線指導部が銃撃戦後、ヤゾフ・ン連国防相に電話で連絡をとったところ、同国防相は「特殊部隊は管轄外」と回答。さらにゴドマニス共和国首相もプーゴ・ソ連内相、ソ連軍バルト軍管区司令官に説明を求めたが具体的回答は得られなかったという。

事件当時、バズニス共和国内務相は一連の事態を連邦当局と協議するためモスクワへ行っており、特殊部隊は同内相の不在に乗じ攻撃を仕掛けたともみられる。《共同通信》



1月20日 その日のできごと(何の日)