平成378日目
1990/01/20
この日のできごと(何の日)
【ソ連軍】アゼルバイジャンの首都バクーを制圧
非常事態宣言下のソ連アゼルバイジャン共和国で、人民戦線側のバリケード封鎖のため立ち往生していたソ連正規軍は20日未明、ヤゾフ国防相の直接指揮で戦車部隊を先頭に発砲しながら首都バクーに進攻、人民戦線と衝突した。
人民戦線当局者は、戦乱状態の中で、同戦線側の死者は約200人、負傷者は1000人以上に達したと述べた。
ソ連国内で公然と軍事力が行使されたのは第二次大戦後初めてのことである。ソ連最高会議幹部会は同日早朝、バクーに非常事態を宣言、国営タス通信も同日早朝、ソ連軍がバクーに進攻、死者が出たと報じた。
人民戦線によると、ソ連軍は戦車1000台以上を動員してバグーを制圧した。同戦線は20日を「服喪の日」と宣言し、ソ連軍全軍撤退までゼネストを続行するよう市民に呼び掛けた。また、ソ連軍に対する抵抗をやめるよう指令した。《共同通信》
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ゴルバチョフ・ソ連共産党書記長兼最高会議議長は20日夜、ソ連国営テレビを通じて演説し、アゼルバイジャン共和国の首都バクーに軍隊を投入したことについて「過激派は公然と反政府、反法、反人民的な活動を展開しており、この活動をこれ以上続けさせることはできなかった」と述べ、やむを得ない措置として正当化するとともに、国民の理解と支持を求めた。
さらに書記長は、民族抗争を続けるアゼルバイジャン、アルメニアの両共和国国民に「分別と良識を示し、挑発的なスローガンや行動に屈服しないように」と自制を呼び掛けた。
書記長はまず「両共和国の党、政府、国家機関は正当な責任と深い思慮を示さず、民族主義集団の圧力で原則的立場を譲歩することが度々あった」と民族紛争をめぐる両共和国指導部を非難した。
バクーに非常事態を宣言し軍隊を投入したことについて、書記長は「犯罪的行為や残忍な暴力、破壊行為、法律違反への怒りと慣りが国内で高まり、ソ連国民は法と秩序を回復するためソ連指導部に断固とした措置を取るよう要求した」と指摘した。
軍との衝突で犠牲者が出たことに対しては「非常に遺憾なこと」とし、遺族に弔意を述べる一方で「軍隊はテロリストからの砲火を受け、応戦して武器を使用しなければならなかった」と軍の発砲を正当化。「ソ連軍と内務省部隊の兵士、将校はソ連憲法と法を守るためその義務を果たしている」と述べた。
最後に書記長は、国民に対して「市民の平和を回復し、国土に降りかかった試練を克服するため、あらゆる援助をお願いする」と要請。「今までになく、すべてのソ連国民のよりよい生活の名において、調和と密接な協力、相互援助を必要としている」と訴えた。《共同通信》
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【ボリス・エリツィン氏】野党党首と会談
ソ連の改革急進派指導者であるエリツィン人民代選員は20日午前、都内のホテルで土井社会、石田公明、永末民社の三野党党首と相次いで会一談した。
土井氏との会談で、土井氏がアジア・太平洋地域での緊張緩和を実現するために同地域を非核地帯にすべきだとの持論を述べたのに対し、エリツィン氏は、「海軍力の撤収を図り、非核地帯化推進への積極的対応が必要であり、(ソ連が)米国など関係国と協定を結ぶべきだ」との考えを表明、アジア・非核地帯化構想の推進で一致した。
エリツィン氏はペレストロイカ(改革)について、「私はゴルバチョフ書記長の政策を支持しているが、もっとラジカルにペレストロイカを進めなければならない」と強調。特に経済面での改革が進んでいない点を指摘、「日ソ関係は経済面ではまだ石器時代だ」と述べ、両国の経済関係を進展させる必要性を強調した。
このほか、非常事態下のアゼルバイジャン情勢に関連してエリツィン氏は、「ソ連国家と共和国の分権をはっきりさせ、民族問題は自主解決に任せるようにすべきだ」との考えを示した。《共同通信》
【海部俊樹首相】自由主義の優位を強調
自民党は20日午前10時すぎから、東京・日比谷公会堂で第52会党大会を開いた。
あいさつに立った海部首相は先のポーランド、ハンガリーを含む欧州歴訪に触れて「東欧各国は社会主義、共産主義の効率の悪い統制経済や恐慌政治を脱して、自由と民主主義、市場経済の価値を求めて大きなうねりになっている」と自由主義体制の社会主義に対する優位性を強調。
政治改革の断行、税制改革の推進などを通じて「結党以来の危機に力強く立ち向かっていこう」と述べ、目前に迫った総選挙での必勝を訴えた。
首相はまず国際情勢について「対話と協力によって世界の価値は自由と民主主義の政治体制に集まっている。それを支える市場経済体制を広めることが必要」として「世界に貢献する外交」を強調した。
また日本の繁栄が、自由貿易の恩恵に負っているとした上で、自由貿易体制の維持・強化のため「技術協力、経済協力による人づくり、国づくりを通じ、世界に貢献する外交を積極的に展開する」と表明した。
首相は参院選の敗北から立ち直って政局の安定を図るため、政治改革、税制改革、農業問題に努力する意向を示し、消費税見直しに関しては「すべての人が社会共通の費用を広く公平に分かち合うという新税の趣旨を理解して協力いただきたい」と国民の理解を求めた。《共同通信》
【国際陸連】ベン・ジョンソン選手の記録を抹消
国際陸連(IAAF)は20日、都内のホテルで評議員会を開き、昨年9月の総会で改正した新しい薬物規則に従いベン・ジョンソン(カナダ)が1987年世界選手権(ローマ)で樹立した100メートルの記録(9秒83)を抹消、代わってカール・ルイス(米国)の9秒92を公認した新しい世界記録表(1月1日付)を発表した。
抹消されたのは、昨年6月のカナダ薬物問題公聴会で長年の薬物使用を証言したジョンソン、アンジェラ・イサジェンコ(カナダ)両選手の記録。ジョンソンは、100メートルのほか室内50メートル(5秒55)、60メートル(6秒41)、イサジェンコは室内女子50メートル(6秒06)の記録を抹消された。
ルイスが屋外の個人種目の世界記録保持者になったのは初めて。新しい室内世界記録は、男子50メートルがマンフレト・ココト(東ドイツ)、ジェームス・サンフォード(米国)の5秒61、同60メートルはリー・マクレー(米国)の6秒50。女子50メートルはマリタ・コッホ(東ドイツ)の6秒11。
IAAFは昨年の総会で、いったん薬物検査をパスした後に樹立した記録でも、後に本人が薬物使用の事実を証言すれば、その時点から6年前にさかのぼって記録を抹消できるように薬物規則を改正。当初は、1月1日に発表する新年度の世界記録表から両選手の記録を抹消する方針だった。しかし、さかのぼって適用するのは法律的に無理な面があり、規則改正を疑問視する声が挙がっていたため、今回の評議員会で再考した後に新しい記録表を発表するとしていた。《共同通信》
【大相撲初場所】14日目
大相撲初場所14日目(20日・両国国技館)前日に30度目の優勝を決めた横綱千代の富士に初黒星。大関小錦の力強い突き、押しをまともに受けて押し出され、史上1位の双葉山、大鵬と並ぶ8度目の全勝優勝を阻まれた。小錦は千代の富士戦2連勝で9勝目。
北勝海ー大乃国の横横対決は、北勝海が気迫あふれる突進で簡単に押し出して11勝目、大乃国は6敗目を数えた。大関北天佑は霧島につり出された。小結霧島は10勝目を挙げ、二場所連続の二ケタ勝利。
ともに負け越しの懸かった関脇同士の一戦は、水戸泉が寺尾を寄り切り、寺尾は三場所維持した関脇から転落。関脇琴ケ梅は栃乃和歌に敗れ、水戸泉と同じく7勝7敗となった。十両は益荒雄が3敗を守って単独トップで、注目の貴花田は玉竜に敗れて8勝6敗。《共同通信》