平成712日目

平成2年12月20日(木)

1990/12/20

【熊本県警】オウム真理教を書類送検

新興宗教団体オウム真理教(本部静岡県富士宮市、麻原彰晃教祖)の熊本県阿蘇郡波野村の土地取得に絡む国土計画法違反事件で、熊本県警の捜査本部は20日、同教団に国土利用計画法の「両罰規定」を適用、同法違反容疑で書類送検した。しかし、同捜査本部は、麻原教祖の土地取引の関与については「教祖個人を共犯として立件するのは現時点では証拠上困難と判断した」としている。《共同通信》




【北陸鉄道・西日本鉄道】高速バス・金沢ー福岡線運行開始

北陸鉄道が西日本鉄道と共同で運行する高速バス福岡線の発車式は20日、金沢市の金沢スカイホテルと金沢駅前バスターミナルで行い、北陸鉄道としては6番目ながら最も長距離となる高速バス路線の開設を祝った。

同ホテルで行われた式典では、織田廣北鉄社長が「これまでの高速バス同様、身近な足として一人でも多くの方に利用してほしい」とあいさつし、来賓の佐藤秀人石川陸運支局長、村隆夫石川県企画開発部次長、岸谷隆金沢市企画調整部長が祝辞を贈った。ミス福岡の吉田佐恵さんが福岡県知事のメッセージを披露した。

新車両に試乗後、会場を金沢駅前に移して行った出発式では吉田さんとミス百万石の木村裕子さんから、乗務する難場勇、大井孝司の両運転士に花束が贈られ、小倉祇園太鼓の勇壮なバチさばきで祝福ムードが盛り上がる中、テープカットとくす玉割りをして午後8時に乗客25人を乗せた第一便を送り出した。

同路線は、北陸自動車道、中国自動車道、九州自動車道を経由して金沢―福岡間約940キロを12時間45分で結ぶ。運賃は大人片道1万2000円、往復2万1000円と列車、航空機より割安となっている。北鉄は同線開設に合わせ、座席が3列分離型で前後席との間隔にゆとりを持たせた2車両を新たに購入した。《北國新聞》

【プロ野球】4球団が新人発表

プロ野球は20日、ヤクルト、阪神、近鉄、ロッテの4球団が計30人の新人選手の入団発表を行った。この日で8球団が入団発表を済ませ、21日に巨人、日本ハム、22日に中日、24日に広島が予定している。

ヤクルトは東京・東新橋のヤクルト本社でドラフト外の3人を含む9選手、阪神は大阪市内のホテルでドラフト指名6選手を発表した。阪神は13年連続でドラフト指名全選手を獲得している。

近鉄は大阪市内のホテルでドラフト外4人を含む10選手を披露し、1位指名の小池(亜大)の獲得を断念したロッテは東京・西新宿のロッテ本社で残るドラフト指名5選手を発表した。《共同通信》

【ソ連・シュワルナゼ外相】辞意表明

ソ連のシュワルナゼ外相は20日のソ連人民代議員大会で、ソ連で独裁が始まろうとしていると述べ、これに抗議して辞任する意向を表明した。突然の辞意表明にあたり外相は、ペレストロイカ(改革)と民主化を支持すると強調しながらも「反動主義者から私への攻撃が行われている。今、国内で起きていることを受け入れることはできない。辞任は独裁が始まろうとしていることへの抵抗である」と警告した。

イグナチェンコ大統領報道官によると、ゴルバチョフ大統領は、人民代議員大会が正式に辞任を承認するまで外相職にとどまるよう要請。しかし報道官は、外相の辞意は最終的なものであるとし、撤回はあり得ないと言明した。

外相の辞任発言は、ゴルバチョフ大統領が民族問題や経済情勢の深刻化に対処するため、保守派や軍を取り込んだ形で自らの権力強化を図っていることへの抗議として、あえて表明されたとみられる。

ゴルバチョフ政権史上、改革派の大物閣僚が改革の方向に異を唱えて辞意を表明したのは初めてで、新思考外交を支えてきた外相が政種を去るごとになれば大統領にとって極めて大きな痛手となろう。

シュワルナゼ外相は演説で「この声明は私の人生で最もつらいものである」と前置きし、2人の大佐(人民代議員)が、中道改革派のバカーチン内相の更迭の次に外相を倒す時が来たと話していると述べた。

その上で外相は「だれが背後にいるのか、なぜだれも反論しないのか」と述べ、軍部を中心とする保守派の台頭に危機感を表明した。《共同通信》

【米政府】米ソ協調に変化なし

米政府はシュワルナゼ・ソ連外相の辞意表明を極めて深刻に受け止め、ゴルバチョフ政機に与える影響とベレストロイカ(改革)路線の先行きに重大な関心を示している。ベーカー国務長官、フィッツウォーター大統領報道官は20日の記者会見で、対ソ経済支援や湾岸危機対応など、これまでの米ソ協調体制に当面変化はないと強調した。同時に保守派の台頭による民主化逆行に強い懸念と警戒感を表明した。

米政府は今後、「決定的に重要な」(フィッツウォーター報道官)外相後任人事とソ連政府部内の権力闘争を注視する構えであり、推移によってはプッシュ政権の対ソ政策と冷戦後の世界戦略の再検討が迫られることになろう。

シュワルナゼ外相は米ソ外相会談を終えて帰国したばかりであり、大統領報道官によると辞意表明の事前通告は全くなかった。米国との関係進展に加え、ドイツ統一や欧州通常戦力交渉(CFE)合意など冷戦後の新秩序づくりに果たした役割に対する評価は米国内でも高い。

突然の辞意表明という事態を受けて、ブッシュ大統領とベーカー長官、スコウクロフト大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は20日朝、ホワイトハウスでソ連国内の動向分析と米国の当面の対応策を選した。その結果、ゴルバチョフ政権を支持し対日政策を変更しないことも確認した。

ブッシュ大統領の最大の課題は2月のモスクワでの米ソ首脳会談における戦略兵器削減交渉(START)の条約調印であり、大統領報道官は「今のところ訪ソ日程に変更はないと述べた。湾岸危機対応についても「影響が出るとは思わない」との楽観的な見通しを示した。

米政府は12日に決定した対ソ経済支援は変更しないが、ベーカー長官は政府信用供与の適用除外があくまで時限的なものであることを指摘、今後のソ連の動向によっては支援態勢の見直しがあることを示唆した。《共同通信》

【米・ソロモン国務次官補】自衛隊派遣求めず

ソロモン米国務次官補(東アジア太平洋担当)は20日、米政府の東アジア、太平洋地域政策について記者会見し、米政府として、ペルシャ湾岸危機への対応で自衛隊の派遣を日本政府に求めていない、と言明した。

国務次官補は、中東貢献策として40億ドル、ヨルダンにいる難民の援助として2億ドルの拠出を確約した海部政権の姿勢を高くした上で「米政府は湾岸危機における対イラク国際協調の中で、日本に対し非戦分野で支後するよう期待している」と述べた。

国務次官補の発言は、日本の「目に見える形」での貢献策が、自衛隊派遣を意味しない点を公式に認めたもので、平和憲法に沿った日本の専守防衛に理解を示すことによって日本と周辺アジア諸国の世論に配慮したとみられる。

国務次官補は、国連平和協力法案で自衛隊派遣が論議され、廃案になった経緯に触れて「(過去の)歴史を背景にした問題であり、論議が起こることは(日本社会が)健全だと思う」と指摘。さらに日本は今後、難民への支援拡大や医療団の派遣などを通じて支援できるとの考えを明らかにした。

米政府内で一時浮上した日本の掃海艇のペルシャ湾派遣についても国務次官補は「決して強い対日要求として掲げたわけではない」と断営した。《共同通信》

【英・ヒース元首相】双方の面目立つ妥協策を

フセイン・イラク大統領と英国人人解放交渉をした英保守党のヒース元首相は20日、米下院軍事委員会(アスピン委員長)で湾岸危機対応策について証言し、自らの経験から、フセイン大統頃は「狂人でもヒトラーでもない」と説明し、万一開戦となった場合は教底的に戦い抜く」大統領の決意はいとの見解を示した。

その上でキューバ危機の際、当時のケネディ米大統領とフルシチョフ・ソ連首相がとった対応を例に、米国とイラク双方の面目が立つ妥協策を探るよう提言した。

アスピン委員長らは、1960年代以来、英国外交に長期にわたりかかわってきた元首相の提言に大きな関心を示したが、一部議員は妥協が生む危険性に警戒を表明した。

元首相は、湾岸危機に関する最初の国連安保理決議がイラクとクウェート二国間の即時交渉開始による諸問題の解決を求めていることを挙げ、クウェート領のブビヤン島など2島と両国国境の油田地帯について、交渉の対象にすべきだとの考えを示した。《共同通信》

【政界メモ】改造の質問攻めにうんざり

◯…海部首相に対する記者団の質問は20日も内閣改造の話題に終始。次期防衛力整備計画(次期防)を決めた安全保障会議の直後、「山積する課題が一つ減ったのでは」と水を向けられると、正式決定する臨時閣議を控えていたためか「努力して解決しつつあるといったところだな」と軽く受け流したが、改造時期をめぐる質問には「今は懸案処理に全力を挙げると何度も言っとるじゃないの」。

さらに「人事も課題の一つでは」と突っ込まれると「僕はそういうつもりで言ってるんじゃない」と、うんざりした表情。だが、自ら人事は“専権事項”と言い切っているだけに、この問題での質問攻めは今後も避けられそうにない。

◯…この日、石川防衛庁長官は次期防が決着したことを受けての記者会見で「自画自賛するようだが、合格点」と、出来栄えにホッとした様子。そして、次期防の総額をめぐり前日の橋本蔵相との折衝を振り返りながら「(蔵相は)シャープな人で、内容も私より詳しい」と大いに持ち上げた後、期間中の防衛費が防衛庁要求を下回る額に抑えられたことについても「予算折衝はバナナのたたき売りみたいに行われるが、低く抑えようとする財政当局の気持ちも分かる」と、制服組が聞いたら驚くような発言も。

内閣改造も取りざたされている中、大役を終えて緊張も解けたのか“ハト派長官”の本音がボロリ。《共同通信》




12月20日のできごと