1990 平成2年12月3日(月)

平成695日目

平成2年12月3日(月)

1990/12/03

【亜大・小池秀郎投手】ロッテ入団を拒否

ロッテからドラフト1位指名を受けた亜大・小池秀郎投手(21)は3日、岐阜県羽島市の実家でロッテの醍醐スカウト部長の指名あいさつを受け、席上同投手は、ロッテに入団の意思がないことを直接伝えるとともに、交渉後に実家近くの上中町公民館でも同じ趣旨の声明文を発表した。

小池はドラフト会議後初めて、ロッテの醍醐スカウト部長の指名あいさつに応じ、ロッテが同投手の希望に反して強行指名したいきさつや、期待大きさなどを聞いた。だが、同投手の入団拒否の考えは変わらず「もうロッテ(の方)には会わない」と交渉打ち切りを通告した。

7枚にも及ぶ声明文の中で小池投手は「僕が入団を希望していたところは西武、ヤクルト、巨人の3球団。僕自身の考えは全く変わっておりません」と、ドラフト会議前に明らかにした“逆指名”に変化がないことを言明。「自分の頭の中でことしはプロ(入り)を断念した。今後ロッテの方とお会いするのはご遠慮させていただきます」と強い調子で以後の入団交渉を拒否する姿勢を示した。

同投手は今後の進路について「社会人入りするか否かはもう少しじっくり考えたい」と“浪人”する可能性も示唆。「ことしのように(プロから)評価されたい」と、改めて希望球団からのドラフト指名を待つ意向を明らかにした。

これに対しロッテ・醍醐スカウト部長は「まだ敗北宣言は出さない。今後も、少しでもロッテに目を向けてもらうよう努力する」と交渉継続の決意を表明した。《共同通信》




【自民党・安倍晋太郎元幹事長】政界復活宣言

9月中旬以降、都内の病院などで療養生活を続けていた自民党の安倍元幹事長は3日夕、東京・富ケ谷の私邸で記者団と懇談し、「今後は通常の政治生活に戻る」と政界復帰を“宣言”した。

公式には6日の安倍派総会への出席が、スタートとなるが、11月半ばからは様子を見て自宅に帰るようになった安倍氏は、竹下元首相と政局について意見交換するなど既に政局経みで活発な動きを見せ始めている。

安倍氏が記者団の前に姿を見せたのは10月上旬の派閥研修会以来2カ月ぶり。「研修会の時よりも体重が増えた」(側近)と言われる安倍氏は、顔色は白いものの、肌つやもよく元気そうな表情。政局については「改造がいつあるかは自然の流れだ。他派の動きも見ながら意見交換していく」と自然体を強調した。また「徐々に勘を取り戻すよ」と語る。

安倍氏は「海部内閣を支えていく姿勢に基本的には変わらない」とも強調。じっくりと政局に臨む構え。しかし、11月末には正式に病院を退院し、今後は「時折通院する程度」(周辺)とされており、一時は「安倍抜き」と呼ばれた政局に波乱起こさせようとの意欲は十分にあるようだ。《共同通信》

【北陸新幹線】在来線問題で協議

北陸新幹線建設に伴う並行在来線の取り扱いで富山県が在来線廃止反対の姿勢を強く示していることを受け、中西石川県知事は3日、運輸、大蔵、自治の各省を訪ね、金沢―高岡間など北陸ルートの優先着工に向けて協議した。

来年度の国予算編成を間近に控え、整備新幹線の東北、九州ルート沿線自治体が相次いで並行在来線のJRからの経営分離などの方針を打ち出して着工条件を整えている。しかし、北陸側では石川県は杉山前副知事が運輸省と協議した際、フル規格による新幹線建設を条件にJRからの経営分離に柔軟な姿勢を示しているのに対し、富山県が在来線の存続を強く主張しており、運輸省は早急に地元の意思統一を求めている。

中西知事によると、運輸省では林事務次官、大塚国鉄改革推進総括審議官に会い、現状の打開策を話し合ったとしている。石川県としては「富山県の対応次第では、金沢ー高岡、魚津ー糸魚川間の着工が大幅に遅れる可能性もある」(県企画開発部)との危機感を募らせており、富山県側との協議を進める方針である。《北國新聞》

富山県市長会(会長・正橋富山市長)と県町村会(会長・烏帽子田大門町長)は3日、富山市の市町村会館で北陸新幹線の在来線沿線12市町による「北陸新幹線沿線市・町長緊急懇談会」を開き、在来線(北陸線)の廃止反対を確認、今後、北陸新幹線の全体の整備スケジュールをはっきりさせるよう強力に運動を進めていくことを決めた。

また、中沖富山県知事は3日、東京都内のホテルで開かれた県イメージディレクター懇談会の席上、「高岡ー金沢間は、一日の利用客が1万3000人あり、JRが経営しても十分やっていける。在来線のJR経営参加の方向で運輸省が調整すべきだ」と改めて強調した。中沖知事は同日、自民党県連会長の綿貫民輔建設相を訪ね、県の見解を伝え協力を求めたほか、関係国会議員らと今後の対応策を話し合った。《北國新聞》

【海部俊樹首相】米・アマコスト駐日大使と会談

米国のアマコスト駐日大使は3日夕、首相官邸に海部首相を訪ね、中東湾岸情勢などについて会談した。

会談で、アマコスト大使はブッシュ米大統領からの親書を伝達した。その中で同大統領は、イラクに対する武力行使を容認した国連安保理決議に対する日本政府の支持に謝意を表明した上で①湾岸危機の部分解決に反対する②平和的解決が最後まで探求されるべきだ③人質問題はできるだけ早く全員が解放されるよう要求する。イラクの人質問題での分断作戦には注意を払って行かなければならないーと指摘。イラクのクウェート占領に強い懸念を表明するとともに、中東問題での日米協力関係を改めて要請した。

これに対し海部首相は、米国の中東問題での外交努力を評価し、「ブッシュ大統領が平和的解決を目指している努力とイラクへの対話の呼び掛けを高く評価する。(イラクと)取引するつもりは全くない」と理解を示した。

また、アマコスト大使は同日始まった関税貿易一般協定(ガット)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)に対する日本側の協力を要請。首相は「各国が難しい状況にあるが、成功へ向けた共通認識を持って各国が努力する必要がある」と述べた。

さらに来年2月に予定されているブッシュ大統領来日に関し、首相は「早い時期の訪日を歓迎する」と改めて強調した。《共同通信》

【海部俊樹首相】日ソ交渉も宇宙飛行なみに

◯…海部首相は3日、東京放送(TBS)の秋山豊寛記者がソ連宇宙船で日本人初の宇宙飛行をしていることについて記者団から感想を求められ、「日ソが協力して成し遂げたことで大変良いことです」と祝福のコメント。さらに「地球環境、温暖化などまだ解明されていないこともあるので、いろいろやってきてほしい。作業はこれからだけど成功をお祈りします」と具体的成果に期待を表明した。

来年4月のゴルバチョフ大統領来日、日ソ関係の抜本的改善という大仕事を控えている首相は、日ソ交渉も今回の宇宙飛行のようにスムーズにいくことを願ってにいるのかも。

◯…社会党はこの日、緊急三役会議を開いて土井委員長のイラク訪問問題を協議した。このあと記者会見した山口書記長は井上国際局長のイラク派遣など四項目の決定事項を読み上げると、「これから予定があるので」と腰を浮かし始めた。記者団が「四項目は土井さんの派遣を前提としたものか」と肝心の部分を詰めると、「文書には委員長の気。持ちがにじみ出ている」「委員長は(人質全員解放という)国民的課題にこたえたい気持ちだ」と抽象的な受け答えに終始。

委員長派遣で人質解放への期待にはこたえたいものの、派遣することで国際的な抜け駆け批判は浴びたくないというジレンマから、結論を先送りしただけのことのよう。《共同通信》

【ウルグアイ・ラウンド最終閣僚会議】開幕

新たな世界貿易ルールの確立を図る関税貿易一般協定(ガット)新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)最終閣僚会議が3日午前10時(日本時間同日午後6時)すぎから、ブリュッセル郊外の国際会議場で開幕した。

会議には日本の中山外相、武藤通産相、山本農相をはじめ107カ国・地域の閣僚約90人や5国際機関の代表ら総勢約1500人が出席。7日までの予定の会議では合意案がまだできていない農業、貿易関連投資措置(TRIM)、反ダンピングの3分野を含む15の交渉分野で包括合意を目指す。

最大の難関である農業交渉では、首脳、閣僚らによる一連の事前折衝でも米国と欧州共同体(EC)間に歩み寄りがなく、手探りの状態のまま会議の幕が開いたが、農業交渉の成否は他分野の交渉進展に与える影響が大きいため、初日から集中討議に入った。

4日夜(日本時間5日未明)には農業問題を協議するECが外相・農相理事会を開く予定で、大きなヤマ場になりそうだ。農業交渉では、輸出補助金など農業保護の大幅削減を求める米国やカナダ、オーストラリアなどのケアンズ・グループと、関税化の条件として一部関税を引き上げる保護措置の再均衡化(リバランシング)を主張して輸出補助金の大幅削減に難色を示すECとの溝は依然大きく、シナリオのない交渉となった。《共同通信》

【米・デトロイト空港】旅客機同士が衝突

米ミシガン州のデトロイト空港で3日午後1時45分(日本時間4日午前3時45分)ごろ、離陸直前のノースウエスト航空ポーイング727の翼端が同航空DC9の後尾部分に衝突、DC9が炎上した。同航空スポーーークスマンによると、DC9の乗客ら8人の遺体が確認され、二十数人が負傷した。当初、19人が死亡、約50人が負傷と発表されていたが、その後の確認作業で救助された乗客が多いことが分かった。ただ、死傷者の数が今後多少増える可能性はあるとみられる。在シカゴ総軍館はいずれの事故機にも日本人は乗って一いなかったことが確認されたと発表した。

空港当局者らによると、デトロイト地方は朝方から雪が降り、事故当時もみぞれと霧で視界が極めて悪かった。

DC9は乗員乗客44人でペンシルバニア州ピッツバーグへ向かう予定だった。ボーイング727には146人が乗っており、テネシー州メンフィス行き。当局者らの話によると、ボーイング727の翼端がDC9後尾のエンジン部分を直撃し、間もなく同機の胴体部分が火に包まれた。ドアから滑走路に飛び降りて助かった乗客もいたが、残りは逃げ遅れて死亡した。DC9の火災そのものは約20分間で鎮火したが、胴体部分は側面から上部にかけて燃え尽き、穴が開いたようになっており、火勢のすさまじさを見せつけた。ボーイング727は、翼端がちぎれた姿のまま、近くに駐機している。《共同通信》




12月3日のできごと