平成696日目

1990/12/04

この日のできごと(何の日)

【TBS・秋山豊寛記者】ミールに到着

東京放送(TBS)の秋山豊寛さん(48)が乗ったソ連のソユーズTM宇宙船はモスクワ時間4日午後0時57分、アラル海北方のソ連上空で宇宙科学ステーション「ミール」とドッキングした。ドッキング装置と双方の気密を確認後、ソユーズ宇宙船の乗組員は秋山さんを先頭にアファナシエフ船長(41)、マナロフ機関士(39)の順でミールに乗り移り、8月から滞在中のゲンナジー・マナコフ船長(40)とゲンナジー・ストレカロフ機関士(50)の歓迎を受けた。

マナコフ船長とストレカロフ機関士と抱き合った秋山さんは「ミールに到着しました」と第一声。モスクワ郊外の宇宙飛行管制センターからは「ソ日協力の新段階を示すものです。ミールの国際クルーの皆さん、心から祝福します」とのゴルバチョフ大統領のメッセージが読み上げられた。また海部首相も日ソ共同飛行を祝うメッセージを寄せた。

モスクワ時間2日午前(日本時間2日夕)、中央アジアのバイコヌール宇宙基地からソユーズロケットで約200キロの高度に打ち上げられたソユーズ宇宙船は、2日間に5回の軌道修正を重ね、高度四百400キロのミールに接近した。

秋山さんは、ミールに10日まで滞在、宇宙から地球の様子を連日リポートするほか、日本から持ち込んだアマガエルなどを使って実験する。打ち上げ後、宇宙酔いにかかり、一時的に虚脱感がひどかったが、十分な睡眠で徐々に回復している。《共同通信》

宇宙ステーション「ミール」に飛び込むように入って来た秋山TBS記者を抱きかかえて、はしゃぐミールのソ連人乗組員たち。日本人として初めて宇宙に飛び出した秋山記者が地上400キロの“出張先”に到着した4日、船上のテレビは数年前には想像もつかなかった宇宙の日ソ友好ショーを地上に送ってきた。30メートル。10メートル。地球をバックに浮かぶミールの重さ百130トンの巨体が迫る。

秋山記者の乗ったソユーズ宇宙船のテレビカメラから、ミールの丸くへこんだドッキングポートが隠れた。その直後、画面全体が軽く揺れた。ドッキングだ。宇宙飛行管制センターの管制室で、大型スクリーンに映し出された完ぺきなドッキニングに、約100人の関係者から「大きな拍手がわいた。

1時間半後。ソユーズ宇宙船につながるミールのハッチが開き、秋山記者が勢いよく入ってきた。水色の乗組員服の肩に日の丸。無重量状態で思うように動かせない秋山記者の体をソ連人飛行士が支える。「初荷到着みたいな感じですね」。秋山記者がテレビカメラに向けて懸命に見せる2枚の垂れ幕に「日本人初!宇宙へ」「日ソ共同宇宙飛行」の文字が躍った。《共同通信》

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【ヤクルト・栗山英樹外野手】退団決定

ヤクルトの栗山英樹外野手(29)の退団が4日、正式に決まった。同選手は公式戦終了後、持病の内耳疾患が完治しないことから、球団側に退団の意向を伝えていた。この日、球団側が本人を東京・東新橋の球団事務所に呼んで意思を最終的に確認し、任意引退選手とした。

栗山は東京学芸大からドラフト外で入団し、ヤクルトに7年間在籍。俊足を生かした守備に定評があり、昨年初めて規定打席に達して打率2割5分5厘の成績を残した。《共同通信》

【イラク】ソ連人全員を解放へ

国営イラク通信によると、イラク革命評議会スポークスマンは4日、イラクに足止めされていたソ連人全員を5日から解放すると発表した。

ソ連政府は11月下旬、石油関連施設などで働くソ連人技師ら約3300人が自由に出国できずにいることに対し強い遺憾の意を表明し、アジズ・イラク外相をモスクワに呼び抗議の意思を伝えていた。

イラクの主張は、多くのソ連人がプロジェクトの契約期間が済んでいないケースが多いということだったが、この日の革命評議会の発表は「契約破棄の結果生じるあらゆる損害はすべてソ連政府の責任とする」と述べ、ソ連に対し将来損害賠償を請求する可能性を示唆した。《共同通信》

【政界メモ】内閣工事はノーコメント

◯…首相公邸は先月29日から水道の大改修工事中。そこで4日、海部首相と総理番記者が工事をめぐって問答。「そんなにひどいのか」「いやあ、長年の“荒れ”がたまっておったりしたものだから」「サビ?」「サビとか機器の方とかいろいろ」「昔はゴキブリが出たそうだが」「いや今はゴキブリは出んけどさ。殺虫剤をまいてもらって防衛手段をとっているから。しかし水道だけはどうにもならんな。ありゃ」ー。

ところで工事といえば“内閣改造”工事の方も気になるところだが、この点については「ノーコメント」。

◯…自民党の小沢幹事長はこの日、同党議員OBでつくる自由民主同志会で講演し「何か今月は人事があるということで、私もそこでクビになるかもしれません」と、内閣改造・党人事があれば幹事長交代もあり得るとの思わせぶりな発言。

2日に婦人部を相手に話をした際も同趣旨の発言をしており、二番煎(せんじ)だが、この日はもう一言加え「国民から選ばれバッジをつけている以上、日本のかじ取りを誤りなきよう精いっぱい努力したい」と決意表明も。むしろ本心は再任アピールか。《共同通信》

【公明党・石田委員長】韓国外相と会談

韓国を訪問中の公明党の石田委員長は4日午後、ソウル市内の外務省に崔浩中外相を訪ね、日韓両国間の懸案となっている在日韓国人の法的地位問題などをめぐって意見交換した。

この中で崔外相は在日韓国人一、二世の指紋押なつ問題について「来年1月の海部首相の訪韓の際に、明確な結論を持ってこられることを期待している」と述べ、三世以下への法的地位改善の措置が一、二世にも拡大適用され、首相訪韓時にすべて決着を図れるよう強く要望、公明党にも側面からの努力を要請した。

会談で石田氏は、海部首相に対し1月の訪韓前に指紋押なつ問題に決着をつけるよう事前に要請したことを説明。これを受けて外相は、11月下旬の日韓定期閣僚会議で、日本側が在日韓国人の身元確認のため早期に代替手段を開発することにより、一、二世にも指紋押なつを行わないとの方針を表明したことに関連して「代替手段がどういうもので、いつできるか、日韓双方で合意に至っていない」と不満を表明した。《共同通信》

【日経平均終値】2万2000円割る

4日の東京株式市場は、円安や債券安、それに需給関係の崩れに対する不安感からほぼ全面安の展開となり、終値の平均株価(225種)は前日比863円38円安の2万1682円61銭と、11月1日以来ほぼ2カ月ぶりに2万2000円を割り込んだ。

市場は信用取引の決済期日到来と、13日の12月きり先物・オプション取引最終売資日を前に多気一色となっており、先行きについても慎重な見方が多い。

この日は朝方、円安や債券安を受けて軟調に始まり、その後も個人投資家の見切り売りが相次いだ。午後に入ると「外国証券が仕手筋から買い注文不履行の被害を一受けた」「大手証券が業務を再び下方修正した」などのうわさが流れ、さらに値を下げた。

建設、鉄鋼、機械、電機など大型株の下げがきつく、飛島建設、三井造船、井関農機など東証第一部だけで131銘柄が年初来の安値を付けた。《共同通信》

【巨人・斎藤雅樹投手】2年連続20勝、億の評価を

2年連続で最多勝と最優秀防御率を獲得したセ・リーグ最優秀選手の巨人・斎藤雅樹投手(25)は4日、東京・内神田の球団事務所で契約更改交渉に臨み、球団が提示した約69%増の7500万円を拒否した。斎藤は希望額を明らかにしなかったが、湯浅球団代表によると、1億円の大台を希望しているもよう。

約20分間の交渉を終えた斉藤は提示額について「評価はしてもらってるけど、それが金額に表れていない」と感想を語り、「越年しても全然構わない」と要求実現に強気な姿勢をみせた。

斎藤は今季、20勝5敗、防御率2.17の好成績をマーク、巨人のセ・リーグ2連覇の原動力となった。2年連続の二冠獲得は1958年の金田(国鉄)稲尾(西鉄)以来、32年ぶり3人目。2年連続勝は78年の鈴木(近鉄)以来12年ぶりの快挙だった。

斎藤は2年連続の好成績をバックに「こんなときにもらわないと、もらうときがない。打者で言えば2年連続三冠王を取ったようなもの。(希望額は)妥当な線だと思う」と、大台(1億円)達成に強い意欲を見せた。

湯浅球団代表は「2年連続のタイトルはそれなりに評価したが、考え方に違いがあった」と渋い顔。同代表によると、斎藤は1億の単位の評価をしてくれてもいいんじゃないか」と希望額を表現したという。次回の交渉は未定。《共同通信》



12月4日 その日のできごと(何の日)