平成688日目

平成2年11月26日(月)

1990/11/26

【熊本地検】オウム真理教・麻原彰晃教祖を聴取

新興宗教団体オウム真理教の土地取得をめぐる国土利用計画法違反事件で、熊本地検は26日、麻原彰晃(本名松本智津夫)教祖(35)=東京都杉並区=に任意出頭を求め、事情聴取した。同地検は問題の土地取引に教祖自身がかかわっていたとっみて、2時間余りにわたって事情を聴いた。

地検の事情聴取を終えた後、記者会見した麻原教祖は「これまでに警察が調べた内容についての事実確認だった。(自分の関与については)私自身、関与していないので(検察の)質問を受けることも意味をなさない。再度の出頭要請は今のところない」と語った。《共同通信》




【梶山静六法相】“指紋押なつ”1、2世も義務免除

ソウルで始まった第15回日韓定期閣僚会議は26日午後、各閣僚による個別会談に移り、改めて在日韓国人の法的地位問題、貿易不均衡問題などについて協議した。

最大の焦点である指紋押なつ問題では、日本側が具体的な代替手段の検討策を例示し、代替手段の開発段階で1、2世も3世と同様に押なつ義務の免除を検討すると表明した。韓国側は日本側の方針を高く評価、決着へ向けて前進を見せた。

一方、中山外相ら日本側7閣僚の表敬訪問を受けた盧泰愚大統領は来年1月に計画されている海部首相の訪韓時までに在日韓国人問題、貿易不均衡問題について解決するよう日本側に強く要請するとともに日朝交渉についても南北会談への影響を考慮した慎重な対応を強く求めた。

梶山法相は26日午後、ソウル市内のホテルで韓国の李種南法相と個別会談し、日韓間で最大の懸案となっている在日韓国人の法的地位問題について協議した。

焦点の指紋押なつ問題で梶山法相が①写真と署名②外国人登録の戸籍的事項の加味—など具体的検討策を例示し、身元確認のための代替手段が開発された段階で、1、2世についても3世同様、指紋押なつ義務の適用除外を検討すると表明したのに対し、李法相は「高く評価し、感謝する」と述べた。

しかし韓国側が代替手段開発までの間、暫定的な指紋押なつの猶予措置を求めたのに対し、日本側は慎重姿勢を示しており、指紋押なつ問題は決着に向け、前進が見られたもののさらに曲折も予想される。《共同通信》

【松下電器】MCA買収を発表

松下電器産業は26日、「ジョーズ」などのヒット作で有名なユニバーサル映画を傘下に持つ米国娯楽産業大手MCA(本社カリフォルニア州ユニバーサル市)を買収することでMCA側と合意に達したと発表した。買収総額は約61億ドル(約7900億円)、MCA株1株当たり66ドル。

これは、昨年のソニーによる米映画会社コロンビア・ピクチャーズ・エンターテインメントの買収額34億ドル(約四1800億円)を上回り、日本企業の海外企業買収としては史上最高額になる。

合意発表の記者会見に臨んだ谷井昭雄社長は、買収の狙いについて「ハードとソフトは車の両輪。映像・音響のソフト分野でも新事業を展開したい」と述べ、今後の高品位テレビ(ハイビジョン)の普及にも不可欠といわれ、ソニーが先行しているソフト部門に本格参入する意義を強調した。

音響・映像(AV)機器の分野では世界の双へきである松下、ソニーの2社が、欧米中心だったソフトの世界でも経営権を握ったことで、ハード、ソフト一体の新しい次元での競争の幕開けとなりそうだ。

ソニーがCBSレコーズ、コロンビアと二度に分けてAVソフトの米企業を買収した一のに対し、松下は一挙に両部門を手に入れたことになる。

松下は合意を受けて、31日からMCA株の公開買い付け(TOB)を1株66ドルで始め、年末に終了する見通しである。巨額の買収資金については、米国金融子会社を使ってのつなぎ融資やエクイティファイナンス(新株発行を伴う資金調達)で賄う。松下電器単体の決算への影響を少なくするためで、“松下銀行”の手元資金1兆3000億円余りは極力手を付けず温存するという。

MCAは、ライバルの米国映画メジャーが外国の巨大資本の傘下に入る中で、独立路線を歩んできた。だが、資本力がますますものを言う映画産業の先行きをにらみ、業績が良く株価の高い今が身売りの好機と判断、創業者のワッサーマン会長が高齢なこともあり、松下に売却を打診していた。今回放送部門など一部は外国資本の出資制限法規などに配慮し、買収対象から外されることになる。

米国世論の反応は、9月末に交渉の事実が明らかになっていたこともあり、ソニーの買収時に比べると冷静だ。しかし、米国映画産業の七大メジャーのうち二つまでが日本企業の支配下になったわけで、対日感情にどのような形響を与えるか注目される。《共同通信》

【東海道新幹線】側壁で爆発

26日午前5時45分ごろ、横浜市港北区、東海道新幹線新横浜駅から小田原駅方向に約1キロ離れた線路わきで、爆発音とともに土留め用のコンクリート側壁が崩れ落ち、コンクリート片が線路上約150メートルにわたって散乱、架線や通信ケーブルの一部も損傷した。

神奈川県警は現場から乾電池や鉄板片、リード線などが見つかったことから、過激派が天皇、皇后両陛下の伊勢神宮参拝の妨害を狙って、時限装置を使った爆弾を仕掛けたと断定、同日午後、港北署に捜査本部を設置してセクトの割り出しや目撃者探しなど本格的な捜査を始めた。

この事件で同新幹線は、上下線28本が運休、79本が5分から約2時間遅れ、約14万人の足が乱れたがけが人はなかった。《共同通信》

【天皇皇后両陛下】伊勢入り

天皇、皇后両陛下は26日午後、即位の礼、大嘗祭の終了を伊勢神宮に報告する「親謁の儀」のため、三重県伊勢市入りされた。

親謁の儀は27、28の両日、それぞれ同神宮外宮、内宮で行われ、両陛下には、秋篠宮、高円宮ご夫妻が従う。両陛下は26日午後3時20分すぎ、厳戒態勢の中、近鉄宇治山田駅にご到着、田川亮三三重県知事らの出迎えを受けた後、宿泊先の内宮斎館内の行在所に入られた。

三重県警は県警本部に警備実施本部を設置、兵庫、沖縄県警など他府県警からの応援を得て、県警始まって以来の4500人の警察官を動員、警備に当たった。

両陛下ご出発前には、東海道新幹線新横浜駅付近で爆発ゲリラが発生、18日には、近鉄沿線4カ所でゲリラ事件が起きており、神宮周辺は物々しい雰囲気に包まれた。《共同通信》

【自民党・浜田幸一氏】久しぶりのハマコー節

自民党の浜田幸一広報委員長が26日、日本外国特派員協会の招きで都内で講演、記者団との質疑に応じ湾岸危機への日本の貢献策、100周年を迎える日本の議会制度などについて久しぶりに“ハマコー節”の怪気炎を上げた。

浜田氏は冒頭からいきなり「政治の責任を背負っている海部首相は二つの過ちを犯した」と首相に矛先を向けた。「一つは、戦争が起こると、それまで約束していた中東五力国訪問を取りやめ、現地の状況を肌で感じ目で見て、日本が責任をいかに果たし得るか考えるチャンスをみすみす逃したこと。二番目は米国への経済協力が不十分なこと。もう一つ付け加えれば、国連平和協力法案を衆院特別委で十分審議しながら採決を避けたことだ」とバッサリ。

もっとも「ここには意地悪い日本人記者もいるので念を押すが、それ以外に首相に間違いはなかった。最近、私を“ごますりハマコー”と言う人がいるが、決してそういうことではない」とその一方でバランス感覚も披露した。

外人記者から日本の議会政治の在り方を問われると「(人材は)まず官僚や経済界を目指し、その残りが政界に入って来ている。浜田幸一のような者を国会に当選させないようにすることが肝心」と、最後までけむにまいていた。《共同通信》

【政界メモ】党議の遅れは報道のせい?

◯…自民党の羽田選挙制度調査会長は26日、政治改革要綱の党議決定がずれ込み必至と報道されたためか、記者会見も「もう時間がない」とボイコットしそうになるなど大荒れ。

会見でも「29日の党議決定断念などいろいろ報道されたが、政治改革をストップさせようという考え方と受け止めざるを得ない」「政治改革ということで、(議論の経過も)オープンに進めてきたが、大変残念だ」と出るのは操り言ばかり。最後は「これではまっとうに対応できない」と、党内調整がスムーズにいかないのは報道が悪いと言わんばかりに不満をぶちまけていた。

◯…日韓定期閣僚会議のため訪韓中の中山外相は、この日、ソウル市内で開かれた崔浩中外相との昼食会で大韓航空機事件の金賢姫の近況を尋ねた。

外相が「身柄は自由だし、結婚もできる」と答え、いつの間にか話は結婚論に。中山外相が「日本の女性は最近結婚しなくなったんだ」とこぼすと、崔外相は「韓国の女性は結婚すべきと思っている。妻にするなら日本の女性という話もありましたね」と応対。日朝国交正常化交渉や在日三世問題をめぐり厳しいやり取りを続けた外相同士だが、この時ばかりは和やかに女性談議に花を咲かせた。《共同通信》

【亜大・小池秀郎投手】プロ入りへ軟化

ドラフト会議でロッテから1位指名を受け、強い拒絶反応を示して姿を隠していた亜大・小池秀郎投手(21)は26日夜、神奈川県川崎市の下宿先に戻り「今はロッテとの交渉に応じるつもりはない」とした上で「プロに行くにしろアマにとどまるにしろ、1週間から10日間ほどかけて結論を出したい」と語り、プロ入りに向けてやや軟化の意向を示した。

二日ぶりで姿を見せた同投手は、指名球団が希望外のロッテだったことについて、依然として「何も言えない」とかたくなな態度を取り続けたが、一方で「ドラフトでとりわけ西武に評価(指名の意味)されたことが大きな自信になった。ロッテの評価も素直に喜ばないといけないかもしれない」と、心境の変化を示す言葉も口にした。

ロッテの指名後、父親の良夫さんや亜大・矢野総監督とは電話で連絡を取り合ったそうで、二人からも「じっくり考えて決めるように」との助言を受けた。「まだ気持ちはあやふや」と動揺が交じる中で「時間を下さい。自分にとっていい方向に考えたい」と真剣な表情で話した。

8球団の抽選で小池を引き当てたロッテはこの日、東京都新宿区のロッテ本社で松井球団社長が全スカウトを招集して異例の対策会議を開き、醍醐スカウト部長は「社を挙げ誠心誠意を尽くすだけです」と改めて決意を表明。

この後、亜大の矢野総監督と電話で連絡を取った同部長は小池投手の発言について「これが突破口になれば、と受け止めたい。いくらか軟化してくれたかなという気持ちでいる」と語った。《共同通信》

【ソ連・ゴルバチョフ大統領】イラク・アジス外相と会談

ゴルバチョフ・ソ連大統領は26日、訪ソしたイラクのアジズ外相と会談し、イラクがこのままクウェートから撤退せず、外国人人質を解放しなければ、国連安保理が「厳しい決議を採択しよう」と強く警告した。

これは、イラクへの武力行使容認の新決議を討議する見通しになっている29日の安保理を控え、ソ連が同決議採択を求める米国に原則的に同調する構えをイラク側に示し、ぎりぎりの段階でイラクに再考を求めたものとみられる。

しかしタス通信は、会談でイラク側から新味のある発言はなかったと伝え、会談で進展がなくイラクの反応にソ連が失望したことを認めた。

タスによると、大統領とアジズ外相との会談は、ソ連側の要望にイラクが応じたもので、席上、大統領は、イラクが紛争の解決を望み「最悪の」事態を避けたければ、クウェートから撤退し、外国人の出国を妨害してはならない、と強い調子で要求した。

大統領は外相に対し、フセイン大統領にすべての情勢を再度よく考えるべきだとの緊急の呼び掛けを伝えるよう要請し、「時間がなくなろうとしている」と警告した。

イラクによるクウェート侵攻以来、2度目の訪ソをした外相に対し、ゴルバチョフ大統領は、欧州諸国もイラクへの態度を硬化させていると指摘。また一部の人質を解放して政治的取引をしようとするイラクの態度は「道徳の基準に外れるものである」と厳しく批判した。

ソ連は27日、サウジアラビアのサウド外相を迎える。一方、同日、イランに外務次官を派遣するなど安保理を前に、活発な和平工作を続ける構えだ。《共同通信》

【ポーランド・マゾビエツキ内閣】総辞職へ

ポーランドのマゾビエツキ首相は26日夜、国営テレビを通じて声明を発表、25日の大統領選での敗北を政府に対する不信任と受け止め、内閣総辞職することを明らかにした。大統領選はワレサ「連帯」議長とカナダ系実業家ティミンスキ氏との決選投票に持ち込まれることが確定したが、首相は3位転落が判明したあと、緊急閣議を招集、対応策を協議していた。

今回の決定で、昨年の政変で東欧初の非共産党主導政権を樹立したマゾビエツキ政権は正式発足から1年2カ月余りでその歴史的な役割を終えることになった。

首相は27日にヤルゼルスキ大統領に辞表を提出、29日招集の国会で総辞職の承認を求める見通しだが、新大統領の選出とその後の新内閣成立までは「暫定内閣」としてとどまることになりそうだ。

総辞職で、経済改革の立役者バルツェロビッチ蔵相、欧州復帰外交を推進したスクビシェフスキ外相ら内政、外交に大きな成果を収めた主要閣僚も去る。新大統領にとっては、マゾビエツキ政権の敷いた改革路線をどう調整し、継続性を保つかが大きな課題となろう。

マゾビエツキ首相は声明の中で、大衆扇動的な政府攻撃が改革路線に打撃を与えたとし、対立したワレサ議長の選挙キャンペーンを批判した。

ワレサ議長は26日、マゾビエツキ首相派を含め他勢力との連携姿勢を示唆したが、総辞職の報道については、首相のスローガンだった「平静」を皮肉り「首相は平静さを欠いている」と述べるなど双方になお大きなしこりがあることをうかがわせた。《共同通信》




11月26日のできごと