平成689日目
1990/11/27
この日のできごと(何の日)
【親謁の儀】
天皇、皇后両陛下が伊勢神宮に即位の礼と大嘗祭の終了を報告される「親謁の儀」が公的な皇室行事として27日午前、三重県伊勢市の伊勢神宮外宮で行われた。
両陛下の神宮参拝は即位後初めてで、皇位の印とされる「三種の神器」のうち剣と璽が昭和49年の昭和天皇の伊勢神宮参拝以来16年ぶりに両陛下とともに移された。
即位に伴う初の地方での儀式で、三重県警は4500人を超す厳戒態勢で臨んだ。
午前9時、両陛下は宿泊先の内宮斎館を出発、約4キロ離れた外宮に向かわれた。斎館で身を清め、即位の礼と同じ黄櫨染袍と十二単に着替えた後、まず天皇陛下が昭和34年の結婚パレードに使われた馬車でご出発。
約300メートル離れた板垣南御門前で馬車を降りた陛下は、待ち受けていた衣冠姿の秋篠宮さま、高円宮さまの二人の男子皇族らを伴い、板ぶきの屋根が付いた雨儀廊下(長さ46.2メートル)を通って正殿へ。
お手水などの後、稲など食べ物の神を祭った正殿で拝礼された。
陛下の参拝後、皇后さまが馬車でご出発。秋篠宮妃紀子さま、高円宮妃久子さまの女子皇族らとともに拝礼、1時間余りで外宮での儀式を終了した。28日は内宮親謁の儀が行われる。《共同通信》
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【元木大介内野手】ハワイから帰国
巨人の伊藤菊スカウト部長、中村、山下両スカウトは27日夜、同日ハワイから帰国したばかりのドラフト1位指名、元木大介内野手(大阪・上宮高出)を、大阪府豊中市の実家に訪ねて指名のあいさつをした。次回交渉は30日に予定されており、この席で入団決定となる見通しだ。
あいさつは20分程度で終わり、伊藤菊部長が“浪人生活”の労をねぎらい、元木は「ありがとうございます」と、あこがれの巨人からの念願の指名を感謝した。
元木はトレーニング先のハワイから27日夕、大阪空港着の日航機で父親とともに帰国。巨人の指名あいさつを受けた後、自宅近くで記者会見し「日本に帰ってきて実感がわいてきた。ドラフト会議で巨人から僕の名前が出た瞬間の感激を思い出しました。あれがなければ今日はないんですからね」と、子どもの頃から抱き続けた夢の実現に近付いた喜びをかみしめていた。《共同通信》
【プロ野球・ロッテ】東大・小林至投手を採用へ
ロッテは27日、入団テストを受けた東大・小林至投手に採用の意向を伝え、今週中にもプロ野球史上3人目の東大出身選手が誕生することになった。
小林には、醍醐スカウト部長が電話で「テスト合格、採用」の球団決定を連絡。同部長は、小林のプロ入りに反対していた家族が軟化の兆しを見せているため、入団に向けて「直接、ご家族に会って説得したい」と話している。
小林は東大の左腕エース。「プロ野球は小さいころからの夢」として今月14、15日の二日間、ロッテの入団テストを受験。金田監督から多彩な変化球と精神力を評価された。これまでの東大出身選手は新治(元大洋)と井手(元中日)の2人。《共同通信》
【公明党大会】開幕
公明党の第29回全国大会が27日午前10時から、東京・九段会館で二日間の日程で開かれた。石田委員長は冒頭のあいさつで、日本の新たな国際的貢献策についての自民、公明、民社三党の合意を踏まえ「国連平和維持活動(PKO)に日本が積極的な協力をしていくことは当然だ」と述べ、三党合意の正当性を強調、党として国際貢献づくりに積極的に対応していく考えを表明した。
大会には、今後の連合政権への展望として保守・中道路線に道を開く政治路線への転換を盛り込んだ活動方針案が提案されるが、石田氏はこの問題に直接言及することは避けた。
ゴルバチョフ・ソ連大統領の来日を控え、北方領土問題などでの与野党協議の場の設置も提案した。
石田氏は先の臨時国会で論議を呼んだ国際貢献の在り方について「平和は座して待っているだけでは達成できない」として、国連を中心とする平和維持システムの強化に日本として貢献すべきとの考えを示し、PKOへの協力体制の早急な構築の必要性を強調。さらに難民救済や貧困解消に即応できるような基金の創設を提案した。《共同通信》
【公明党・市川書記長】政策合致なら自公民路線も
東京・九段会館で開幕した公明党の第29回全国大会は27日午後、連合政権への展望として保守・中道路線に道を開く政治路線への転換や、日本の国際的貢献への積極的な対応を盛り込んだ1991年活動方針案をめぐって、二つの分科会に分かれて討議に入った。
政治路線問題について市川書記長は質疑に答え「中道の主体性を発揮しながら政策判断を積み重ねていく。政策判断を曲げる方が(国民に)分かりにくくなる」と述べ、政党の組み合わせにこだわらない考えを示した。これは「社公民路線」を追求してきた同党が、政策判断を前提に保守・中道路線も十分視野に入れて政局に臨んでいく姿勢を示したもの。ただ市川書記長は「安易な自民党との連立は考えていない」として、現時点での「自公連立」に否定的な見解も明らかにした。
活動方針案をテーマとした第分科会では、各代議員から「自民党との連立もあり得ると明確に言い切った方がいい」(広島)と政権展望の明確化を執行部に迫る意見や、「(路線転換は)党の革新性を失うのではないか」(愛媛)として「社公民路線」の追求がまだ不十分であることを指摘する意見など、賛否両論が出された。
市川書記長は答弁の中で「これまで公明党は左に力点を置かざるを得なかったが、本来の中道主義に戻るということだ」と革新側に傾斜していた路線を中立なものに戻したと説明。
その上で国際貢献問題や選挙制度改革の重大課題での政策判断が重要と指摘、「“自公民”なら駄目で“社公民”ならいいというのは古い。国民のためなら自公民でもいいのではないか」と述べ、政策が合致するなら「自公民」選択もあることを明言した。《共同通信》
【第15回日韓定期閣僚会議】閉幕
第15回日韓定期閣僚会議は27日午前、韓国ソウル市内のホテルでの第2回全体会議で「望ましい日韓関係の未来像」をテーマに、約1時間半にわたって意見交換し、二日間の日程を終え閉幕した。
この日の会議で、韓国側は来年韓国で開かれるアジア太平洋経済協力関僚会議(APEC)について日本側の協力を求めた。これに対し日本側はアジア太平洋地域での日韓両国の協力が重要である、と表明した。
さらに韓国側は、将来の日韓の友好関係を一層進展させるため、日本からの技術移転が進むことが不可欠、と要請した。
李種南法相は「望ましい日韓関係のために残っている過去のしこりをきちんとする必要がある」と述べ、指紋押なつ問題など在日韓国人の法的地位の改善が前提、とくぎを刺した。これに対し、梶山法相は「今回の会議で解決に向け前進が得られたと認識している。さらに一層努力する」と述べた。
アジア太平洋協力について、崔浩中外相は「APECを通じ組織的に(この地域が)発展していくことが喜ばしい。そのためには中心となる日韓両国が模範的な関係をつくるのが重要」と指摘。中山外相が「APECが世界経済の発展に寄与することを重視すべきだ」と述べた。《共同通信》
【政界メモ】留守番組はのんびり
◯…日韓定期閣僚会議がソウルで開催中とあって27日の閣議は橋本蔵相、中山外相ら七閣僚が欠席した。閣議室の隣の閣僚応接室でも席はがらがら。海部首相が「空くから詰めて(座って)」と指示すると、閣僚たちは「席が空くと格好が悪い。みんな詰めて、詰めて」と言いながら首相の近くに移動、綿貫建設相、佐藤国土庁長官が首相の両隣に。二つ席を移動した塚原労相も「出世気分だな」とにこにこ。
首相も右手を挙げて「この角度から撮ってやってよ」とカメラマンに注文するなど、閣僚会議の厳しいやりとりをよそに留守番組、はのんびりムード。
◯…この日から始まった公明党大会に去就が注目されている鈴木東京都知事が顔を見せ、来賓あいさつで「冬雲の真心の青空広がりぬ」と俳人の句を紹介。「厳しく多事多難な中、寒々とした暗雲をかき分け一瞬広がる青空に、冬の厳しさに秘められた春の訪れを感じる」と説明、「この青空こそが公明党そのものではないか」との持ち上げよう。
来春の都知事選をにらんでか「都政は一瞬の停滞も許されない」と出馬への意欲をにじませることも忘れなかった。公明党が鈴木氏を支持するかどうか、未決定で、大会でのあいさつも「慎重な発言」を求められていただけに、苦心のあいさつ?《共同通信》
【イラク・アジス外相】国連は不公平
イラクのアジス外相は27日、国営ラジオを通じて声明を発表し、国連安保理が29日から審議を開始する予定の対イラク武力行使容認認新決議案も含めて一連の対イラク安保理決議は、パレスチナ占領を続けるイスラエルに対する態度と比べてあまりにも不公平な「二重基準」だと批判した。
アジズ外相は26日、モスクワでゴルバチョフ大統領らと湾岸危機を協議して同日夜帰国したばかりで、この発言はイラクが現状では譲歩の意思がないことを改めて示したものといえる。
外相はフセイン大統領が8月12日に提案した解決案が唯一の基準になるべきだと強調した。このイラク提案は、イスラエルのパレスチナ占領およびシリアのレバノン支配と、今回のイラクのクウェート占領を同列に扱い、いずれの問題も同時に解決するならクウェートから撤退することも考慮することを示唆する内容になっている。《共同通信》