平成556日目

平成2年7月17日(火)

1990/07/17

【フィリピン・ルソン島】大地震の救助難航

フィリピンのルソン島を襲った大地震は17日朝、発生から一夜明け、被害の大きい北部の保養都市バギオ、中部ヌエバエシハ州などで救助活動が開始された。

地方を結ぶ通信回線が依然として不通となっているため、フィリピン政府は被害状況を完全に把握できていないが、国防省の発表などを総合すると、17日午前11時(日本時間同)現在、死者総数194人、負傷者571人に達したもようだ。ラジオ放送などによると約1000人が倒壊した建物のがれきの下に閉じ込められているという。救助作業の進展、通信事情の回復とともに今後犠牲者数が大きく膨れ上がる恐れがある。

アキノ大統領は事態を深刻に受け止め、被害者の救出を最優先にするよう改めて各方面に指示したが、政情不安の中で起きた大災害に苦悩を深めている。

国防省によると、17日午前の段階でハイアット・テラス・ホテル、ホテル・ネバダなどが相次いで崩壊したバギオ市内だけで合計80人が死亡、386人の負傷者が確認された。《共同通信》

フィリピンのルソン島大地震は17日午後、発生から丸一日が経過したが、最大の被害が出た北部の保養地バギオなどでは道路・通信網が寸断されていることなどから救助活動は思うように進んでいない。同日現地を視察したラモス国防相は、バギオだけで1000人が依然として不明だと述べた。

アキノ大統領は同日、被害の大きいルソン島北部および中部のヌエバエシハ州、バコロド市など三州、六市を災害特定地域に指定、救助活動に全力を挙げるよう命じた。米国などの救援チームも現地入りしたが、救難装備の不足などから建物が倒壊して生き埋めになった被災者の捜索・救出は手作業に近い状態だ。

国防省の発表などによると、17日午後11時(日本時間同)現在、死者は195人、負傷者は590人に達している。フィリピン赤十字社は死者数を221人としている。

バギオでは、完全に崩壊したハイアット・テラス・ホテル、ホテル・ネバダのがれきの下から滞在客らの遺体が次々に運び出された。バギオだけでも80人の死亡が確認されているが、高級ホテル、ハイアットは一部の棟が横倒しになって崩れ落ちているため、救助の手のつけようがない状態になっている。

ラモス国防相は現地視察後、バギオで行方不明になっている約1000人は建物の下敷きになっている可能性があると述べた。《共同通信》

政府は17日、フィリピンのルソン島大地震について、医師、看護婦、消防隊員など計35人の派遣と医薬品の緊急援助を行うことを決めた。35人のうち医師など8人は同日、フィリピンへ出発した。《共同通信》




【中森明菜さん】シングル「Dear Friend」発売

【皇太子さま】南アルプスへ

皇太子さまは17日午後、南アルプス北部の甲斐駒ケ岳(標高2966メートル)と仙丈ヶ岳(同3033メートル)登山のためJR新宿駅発の特急電車で山梨県に向かわれた。

登山家の深田久弥氏が選んだ「日本百名山」のうち、皇太子さまは既に33山を踏破されており、今回両方の山を登頂すれば35山となる。《共同通信》

【小和田恆外務審議官】対中円借款実施を表明

小和田外務審議官は17日、北京の釣魚台迎賓館で銭其琛外相と会談し、先進国首脳会議(ヒューストン・サミレット)の経過を説明するとともに、昨年6月の天安門事件以来凍結が続き、日中最大の懸案となっている8100億円の第三次対中円借款を実施する方針を正式に伝えた。

会談の中で、銭外相はサミット政治宣言が対中経済制裁について「修正を受けた形で維持する」としていることに対し不満を示したものの、海部首相が制裁緩和を主張したことに謝意を表明した。さらに、第三次円借款について「約束したことだから早く実施してほしい」と、強い期待感を明らかにしたという。

小和田審議官は、サミット参加国には中国に対し厳しい態度を主張する声があったことを説明し、日本が対応の緩和に努めたことを強調。事態改善のため、民主化や改革開放路線をめぐり「中国側の自主的努力を期待したい」と、日本の立場を明らかにした。《共同通信》

【政界メモ】サミットでますます自信

○…海部首相は17日午後、首相官邸で記者団から対中円借款再開をめぐる首相特使派遣問題で質問攻め。竹下元首相に特使役を要請するとの一部報道があったためで、記者団がこれに対する確認を求めると、首相は「何も聞いていないし、私も何も言っていない」「何も考えていないし、何も聞いていない」の一点張り。

記者団が再三にわたって角度を変えながら迫ったものの答えは同じ。むしろ記者団の質問を楽しんでいる様子も。先進国首脳会議(ヒューストン・サミット)出席で自信を深め、ますます余裕たっぷりといった風情だった。

○…民社党の米沢書記長は、超党派訪欧団の選挙制度事情視察から一足先に帰国。直ちに羽田空港を経由して地元宮崎市へ向かった。

宮崎市長選で現職の壁に挑んでいる米沢氏直系候補の応援のためで、米沢氏は羽田空港で視察結果について「選挙制度は政治を映す鏡だ」「英国、フランスなど各国はそれぞれの国の事情に応じて選挙制度を選んでいる」―などと一気にまくしたてた。揚げ句は、民社党がかねてから主張している「初めに選挙制度ありきではおかしい」が改めて裏付けられたことを自賛。さらには「選挙は勝たねばならない」と、市長選の必勝を期し宮崎へ。《共同通信》

【大相撲名古屋場所10日目】小錦、痛い●

大相撲名古屋場所10日目(17日・愛知県体育館)連続優勝と横綱昇進を目指す大関旭富士が1敗を守って優勝争いの単独トップに立った。

旭富士は右四つ、十分の体勢から寄りの速攻で新関脇琴富士を下した。琴富士は2勝8敗と負け越しが決定。1敗で旭富士と並んでいた大関小錦は土俵際の詰めを誤って平幕の栃乃和歌の右上手投げに屈して手痛い2敗目。今場所後の横綱昇進は絶望的となった。

両横綱はともに2敗を守った。千代の富士は2敗同士の対戦で苦手の関脇安芸ノ島を右上手けで仕留め、北勝海もベテラン巨砲に危なげなく勝った。旭富士を追う2敗は両横綱と小錦の3人。《共同通信》

【米・ブッシュ大統領】コメ自由化へ努力を

超党派国会議員訪米団(宮沢喜一団長)は17日午後(日本時間18日未明)、ホワイトハウスにブッシュ米大統領を訪ね、会談した。

大統領は関税貿易一般協定(ガット)の新多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)は重要だと指摘した上で「農業問題の解決がないとウルグアイ・ラウンドの成功は不可能になる」と述べ、日本に対しコメの輸入自由化に踏み切るよう暗に求めた。

大統領は宮沢団長との一対一の会談の中で、日本の対中円借款再開に関連し「自分も(米中関係改善に)努力しているが、中国から米国の誠意に対し、反体制派の活動家の釈放など、もう少し(民主化に向けた)対応をしてくれることがあるのではないかと思う」と述べ、24日から訪中する宮沢氏に中国に対し民主化努力を求めるメッセージを託した。

会談は最初の10分間、宮沢団長と一対一で行われ、その後、議員団全体との会談となった。一連の会談を通じ、大統領は北方領土問題について日本の立場をサミット参加国が共通して支援することを表明した。《共同通信》




7月17日のできごと