平成557日目

1990/07/18

この日のできごと(何の日)

【米政府】ベトナムと対話開始へ

パリを訪れているベーカー米国務長官は18日、難航しているカンボジア和平問題を打開するため、シアヌーク大統領のカンボジア国民政府(旧三派連合政府)支援を軸に展開してきたこれまでの政策を変更し、ベトナム政府との対話開始を米政府が正式に決定した、と発表した。

ベーカー長官は、決定の理由として、三派連合政府の一翼を担うポル・ポト派(クメール・ルージュ)が武力を行使して「政権に復帰することを阻止するためだ」と説明し、ポル・ポト派を排除した形でカンボジア和平を進める姿勢を示した。

長官はさらに、米政府がポル・ポト派の後ろ盾となってきた中国政府と協議した上で、カンボジア和平戦略の変更を決定したことを明らかにし、米国は現在、国民政府(旧三派連合政府)が持つ国連での議席問題について再検討する用意があるとしている。

米政府の政策変更は、これまで続けてきた国連安保理常任理事国五カ国による国連主導下の包括的政治解決の枠組みを建前として維持しながら、カンボジア国内情勢に現実的に対応していくことを明確にしたもの。

日本政府の主催で5月開かれたカンボジア和平東京会議で打ち出された「積み上げ方式」の考えとも密接に関連している。

また、カンボジア和平という外交分野で米、ベトナム両国が対話を始めるのは1975年のベトナム戦争終結以来、初めて。ベーカー長官は「対ベトナム政策の変更ではない」と述べたが、今後の対話の進展次第では、両国関係改善に歩み出すことも考えられる。

ベーカー長官は、この日午前、パリの米大使公邸で行ったシェワルナゼ・ソ連外相との会談後の共同記者会見で、米政府の新政策を発表した。発表後、ソ連政府の立場表明を記者団に求められたシェワルナゼ外相は「カンボジア和平に関する米ソの立場は大きく近付いた」と語り、米政府の決定を強く支持する姿勢を示した。《共同通信》

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【奈良公園】鹿の頭数が過去最高の1189頭に

国の天然記念物である奈良公園(奈良市)のシカの頭数が、過去最高の1189頭に達していることが18日、奈良の鹿愛護会の調査で分かった。今春、誕生したバンビは223頭で、3年連続200頭を達成する”ベビーブーム”。

同会は「高出産率と、山間部にいたシカが平野部に下りてきていることなどが、頭数上昇の要因では」と分析している。《共同通信》

【静岡県浜松市】小学校の焼却炉に女性の遺体

18日午前8時半ごろ、静岡県浜松市中郡町、市立中郡小学校の焼却炉内で女性が死んでいるのを用務員が見つけ、教頭が110番した。静岡県警浜北署は、現場の状況から殺人事件の疑いで捜査を始めた。

調べによると女性は20歳ぐらいとみられワンピースのような黒っぽい洋服を着ており、はだしだった。《共同通信》

【海部俊樹首相】財界首脳と朝食会

海部首相を囲む財界首脳の親ぼく団体「無私の会」(代表世話人・鈴木永二日経連会長)と首相との朝食会が18日、都内のホテルで開かれた。

この中で財界側からは、コメの市場開放問題について「そろそろ解決してもいい時期ではないか」(鈴木会長)と、開放へ向けて政治決断を求める注文が出た。首相からは特に発言はなかったという。

朝食会には鈴木会長のほか、石川六郎日商会頭、中内功ダイエー会長ら約30人が出席した。《共同通信》

【中国民航機乗っ取り事件】張被告に懲役8年

昨年12月の中国国際航空(旧中国民航)機乗っ取り事件で日本で逮捕、中国へ強制送還されたあと交通手段破壊罪(量刑3-10年)に問われた張振海被告(36)=河北省邯鄲市=の第一回公判が18日午後、北京市中級人民法院で開かれ、時学琛裁判長は犯行を政治的背景のない刑事事件と断定、張被告に懲役8年、公民権はく奪2年の実刑判決を言い渡した。

中国は二審制を採用しており、張被告が判決に不服であれば19日から10日間以内に上級人民法院に上訴できるが、弁護側は「刑期が短くて済んだ」と判決を評価しており、このまま判決が確定する公算が大きい。

初公判で直ちに判決言い渡しとなったスピード審理や航空機乗っ取り事件としては異例の軽い判決となったことは、対中円借款の動きが本格化する中で日中間の懸案を早急かつ円満に解決したい中国側の姿勢の表れといえる。

日本の報道陣30人、大使館員3人を含む約400人が傍聴する中、時裁判長が午後2時5分、開廷を宣言。人定質問、起訴状朗読のあと検察側の証人として出廷した国際航空機機長やスチュワーデスら3人が起訴事実を裏付ける証言を行った。

検察側はさらに「犯行は経済的損害を与えただけでなく、中国の威信を失墜させた」と厳刑を要請。これに対し弁護側は事実関係では争わず、最終陳述で「被告は犯行時、ほとんどの乗客に恐怖感を与えていない。他の凶悪な乗っ取り事件とは違う」と情状酌量を訴え、3時40分に結審し、休廷となった。

公判は25分後に再開、時裁判長が合議の結果として、起訴状通りの罪状、事実認定で有罪判決を下した。《共同通信》

【三塚博前外相】中国・李鵬首相と会談

中国訪問中の三塚前外相は18日、北京の日本大使館で記者会見し、李鵬首相ら中国側との会談で、自民党の意向として①凍結解除を決めた第三次円借款(総額8100億円)の第一弾として、9月と来年2月に600億円ずつ計1200億円のプロジェクトに供与を実施する②今秋の北京アジア大会に竹下元首相、保利文相を派遣する―と伝えたことを明らかにした。

昨年の天安門事件で凍結と一なっていた円借款再開の政府方針は17日、訪中した小和田外務審議官が銭其琛外相に正式に伝達したばかり。三塚氏は17日に銭外相と昼食を共にした際、計1200億円の供与に言及するとともに「政府もその線で動いている」と述べた。さらに、その準備として8月中に、政府代表団が訪中する予定であると告げた。

三塚氏は18日には李鵬首相と会談し、金丸元副総理が8月下旬から9月初めに訪中するだろうと述べ、さらに自民党内の合意として、9月開催の北京アジア大会に、竹下元首相が「政府特使」の立場で保利文相とともに訪中するとの構想を明らかにした。

李鵬首相は「(竹下氏は)元首相としてでなく、一議員の資格でも大歓迎する。海部首相は来られなくても、テレビで見ていただくだけでも十一分だ」と応じ、対中関係打開の意欲を高く評価したという。

現職閣僚の訪中は、昨年の先進国首脳会議(アルシュ・サミット)で合意した中国との政府高官交流見合わせに抵触する恐れもあるが、三塚氏は「スポーツ担当の大臣(保利文相)が国際競技参観のため中国を訪れるのは差し支えない」との見解を示した。《共同通信》

【大相撲名古屋場所】11日目

大相撲名古屋場所11日目(18日・愛知県体育館)横綱昇進を目指す旭富士が苦手栃乃和歌に快勝して1敗を堅持。千代の富士、北勝海両横綱も2敗を守り、優勝争いは3力士に絞られてきた。

旭富士は右四つから、上手出し投げに続く寄りで速攻勝ちした。千代の富士は花ノ国を左上手投げで投げ捨て、北勝海も平幕板井をあっさり押し出した。

大関同士の一戦は、北天佑が右四つから小錦を寄り切って7勝目。小錦は連敗で3敗目を数え、優勝争いから大きく後退した。関脇安芸ノ島は給金相撲3連敗、小結寺尾は7勝目。《共同通信》



7月18日 その日のできごと(何の日)