平成433日目

平成2年3月16日(金)

1990/03/16

【プロ野球・巨人】桑田真澄投手「協約違反はなし」

巨人の桑田真澄投手(21)が常習とばくの逮捕歴を持つ知人との交際で自分の登板日を教えていたとされる問題で、巨人の湯浅武代表は16日、野球協約上の違反はなかった、とする調査結果を発表した。また“黒い交際”について著書で触れたスポーツ用品メーカーの元社員、中牧昭二氏(34)を名誉棄損で訴えることも併せて表明した。セ・リーグはこの日の巨人の対応を了承、同球団に対しては選手の管理に問題があるとして厳重戒告を言い渡した。

東京・銀座の日本野球機構会議室で午後4時から行われた記者発表で、湯浅代表はまず、野球協約180条(とばく行為)に抵触したかどうかに触れ「徹底的に調査したが、違反した事実は全くないと判明した。(交際相手が)野球とばく常習者でなかったことがはっきりした」と語った。その上で、今回の疑惑騒動のきっかけをつくった中牧氏を告訴する理由に触れ、「交際の相手から金品の授受や登板日を教えていた事実はなく、例の本が桑田投手と巨人軍の名誉を著しく傷付けたため」と説明した。

しかし、同代表は桑田投手か誤解を招きやすい交際をしていたことに関しては、その事実を認め「(桑田投手の)甘い体質に対しては考えたい。後日、処分を決めたい」との意向を明らかにした。著書の中で、金品を要求したことなどが指摘された水野投手ら巨人のほかの関係者については、さらに事実を確認したいと述べるにとどまった。

巨人の発表を受け、セ・リーグの川島会長は「人事管理、教育指導に適切さを欠いたので、巨人を厳重戒告にする。桑田投手には自覚と反省を求めるため誓約文を提出させる」とのリーグ見解を発表した。一方、中牧氏と、疑惑を記載した著書「さらば桑田真澄、さらばプロ野球」を発行したリム出版も、直ちに談話を発表。「巨人軍と桑田投手に対する法的対応の準備を進めている」と真っ向から対決する姿勢を示していることから、この問題の決着は長期化し、法廷での争いに持ち込まれることが確実になった。《共同通信》




【自民党・小沢一郎幹事長】社会党・山口書記長と会談

平成元年度補正予算案と関連六法案の処理方法をめぐって審議空転が長期化している国会の正常化に向け、小沢自民党幹事長と山口社会党書記長が16日午後2時すぎから国会内で会談した。

この中で小沢氏は、社会党が要求している補正予算案の修正に柔軟な姿勢を示した。しかし、焦点の補正と関連法案の処理方法については双方が基本姿勢を譲らず、物別れに終わり、決着は来週以降に持ち越された。週明けの19日午後1時から再度会談する。

9日の審議空転以来初めての首脳レベルによる会談でも打開の糸口がつかめなかったことで、国会の審議が再開されるのは20日以降となる。

自民、社会両党の幹事長・書記長会談は年度内の処理が必要な「日切れ法案」や来年度予算暫定予算への対応が迫られていることを背景に、自民党が呼び掛けた。

約二時間にわたる会談の中で小沢氏は、衆院で与党優位、参院で野党優位のねじれ国会の実態から「関連法案が野党の反対で否決されれば、予算も執行できない」と強調、野党の要求にも配慮しながら補正予算案の修正には柔軟に対応する考えを示した。しかし、補正と関連法案の処理方法についてはこれまでの慣例を盾に「一括処理」の方針を示し、協力を求めた。

これに対し山口氏は、補正予算案の中に政策経費が盛り込まれている点を取り上げ「義務的経費の計上を原則とする財政法29条に違反している」と指摘「この点を明確にするためにも補正と関連法案を分離して処理する必要がある」として、あくまでも補正予算案の先行処理を求め、全く歩み寄りはないまま平行線に終わった。

補正予算の修正問題で山口氏は約3000億円に上る社会党の修正要求に応じる考えがあるかどうかをただしたが、小沢氏は社会党要求通りの修正には否定的な考えを示した。《共同通信》

【海部内閣】大店法めぐり不協和音

日米構造協議の焦点である大規模小売店舗法(大店法)の改廃問題をめぐり、政府内部の不協和音が16日の閣議で表面化した。海部首相は「自分が責任をもって調整する」と議論を打ち切ったが、4月の中間報告を控えて政府内部の調整は難航しそうだ。

閣議で奥田自治相は「大店法について(通産省は)運用改善で乗り切ろうとしているようだが疑問だ。撤廃を含む法改正をきちんとした方がよい」と主張、事務レベルで連められている政府素案づくりに強い疑問を提起。同時に、通産省が運用改善の根拠として「大店法を撤廃すれば地方自治体が条例で独自にスーパーマーケットの出店を規制する」と米側に説明していることを取り上げ「地方自治体を悪者にして責任転嫁すべきでない」と反発した。

武藤通産相がこれに反論しようとしたところ、海部首相が「国民生活を豊かにする立場から問題を処理したい。この場で論争はやめてもらいたい。最終的に私が調整する」と議論を制止した。首相は、両相に閣議後に残るよう求め、中山外相、坂本官房長官を交えて約十分間協議した。首相は改めて自治、通産両相の協力を要請し、奥田自治相も協力を約束したという。

武藤通産相はこの後の会見で、閣議後の協議では大店法の取り扱いに踏み込んで話し合ったことを認めた上で「自治相はよく理解したと思う」と述べた。「これまでの事務レベルの政府素案づくりでは、大店法についてはスーパーマーケットの出店まで十年近くかかっている現状を二年程度に短縮するよう運用を改善し、自治体の独自の条例による規制も是正を求める通達を出す方向が固まっている。《共同通信》

【大相撲・霧島関】千代の富士関の1000勝に「待った」

大相撲春場所6日目(16日・大阪府立体育会館)横綱千代の富士が関脇霧島につり出されて初黒星。あと1勝にせまっていた通算1000勝達成は7日目以降に持ち越された。千代の富士は相手十分の左四つを許したのが悪く、あっさり運び出された。大関を目指す霧島は12戦目にして初めて千代の富士を破り、5勝1敗とした。

横綱北勝海は陣岳を簡単に寄り切って初日から6連勝。大関小錦は安芸ノ島を無難に寄り切り全勝、北天佑も4勝目を挙げたが、旭富士は栃乃和歌に完敗して4連勝のあと2連敗。土つかずの北勝海、小錦を追う1敗は千代の富士、霧島と平幕の栃乃和歌、板井、久島海の5人となった。注目の兄弟関取は若花田が二日目から5連勝で優勝争いのトップに並び、弟の貴花田2連敗で3勝3敗。《共同通信》

タス通信によると、ゴルバチョフ・ソ連大統領は16日、連邦からの離脱を一方的に決める独立宣言をしたバルト地方リトアニア共和国のランズベルギス最高会議議長あてに電報を送り、独立宣言を無効とした臨時人民代議員大会の15日の決議を受け入れ、決議実現のための措置について三日以内に返答するよう求めた。

今回の電報は、ゴルバチョフ大統領がリトアニア問題をめぐり最初に行った「大統領命令」とも言えるもので、大統領が自らの権限を使い、同共和国に強い態度で臨むことを示している。しかし、ランズベルギス議長は大会決議について「外国の決定であり、われわれの決走を取り消すことはできない」と無視することを15日地元テレビを通じて言明しており、大領命令を契機にゴルバチョフ政権と同共和国との政治的対立関係は一層深まりそうだ。

15日の同大会最終日に正式に就任したゴルバチョフ大統領は、同決議によりリトアニア問題で政府などが具体的決定を行うまでの間、共和国内の連邦の利益を守るよう要請を受けた形になっており、今回の電報は、これに沿ったものである。

電報の文面は簡潔で「15日に採択された臨時人民代議員大会の決議を送ります。この決議の実現に関する措置について三日以内にお知らせ下さい」となっているだけで、特にリトアニア側を直接非難する表現はない。

同共和国の離脱阻止を図る大統領は、15日夜、内外記者との会見で、リトアニアが将来国民投票で独立を決めるにしても、それまでには双方にかかわる諸問題を解決する長い過程がなければならない、と発言。容易に離脱は認めないとの立場を示していた。

リトアニアでは、共和国から他のソ連共和国や外国への物資流出を制限するため、近く37カ所の監視施設を共和国境界地域に造ることを決めるなど、独立宣言の無効決議をよそに、宣言の既成事実化を進めている。《共同通信》

【南アフリカ・デクラーク大統領】4月にANC代表と交渉

南アフリカ大統領府は16日、声明を発表し、南アのアパルトヘイト(人種隔離)体制改革に向けたデクラーク政樹と黒人解放組織、アフリカ民族会議(ANC)代表との予備交渉を4月11日に開催すると述べた。

今回の南ア政府の決定は、ザンビアの首都ルサカで1、2の両日開かれたANCの執行委員会の早期開催呼び掛けにこたえたもので、予備交渉での最大の焦点は非常事態宣言の撤廃問題とみられているが、対話による政治解決に向けて弾みとなろう。ANC側は、17日にスウェーデンから帰国するネルソン・マンデラ副議長が代表団を率いるとみられている。

南ア政府側からは、デクラーク大統領、フィリューン憲法開発相、フロック法・秩序相が出席する。

ANC側は対政府本交渉の前提条件に①全政治犯の釈放②非常事態宣言の撤廃③黒人居住区からの軍隊の撤退④ANCなど非合法組織の合法化ーなどを挙げ、それらの実現を要求していた。デクラーク大統領は2月2日、マンデラ氏の釈放や、ANCなどの一連の改革措置を打ち出し、ANC側の要求の一部についてはこたえたが、非常事態宣言の撤廃や黒人居住区からの軍隊の引き揚げには、マンデラ氏釈放後のホームランド(部族別居住地域)や都市近郊の黒人居住区での暴動激化を理由に拒否している。《共同通信》




3月16日のできごと