平成346日目

1989/12/19

この日のできごと(何の日)

【ルーマニア】反政府デモ続く

ルーマニアのティミショアラなどで起こった大規模な反政府デモについてハンガリーのネーメト首相は19日、ルーマニア軍の全部隊が現在厳戒態勢に入っていると語った。ハンガリー国営放送は、ルーマニアの首都ブカレストの空港は戦車で埋まっていると伝えている。

また目撃者の証言によると、デモはティミショアラのほか、ブラショフ、クルージュ、アラド、オラディアの少なくとも5都市で同時発生した模様で、現在もまだ続行している様子であり、チャウシェスク政権は発足以来最大の危機を迎えた。《読売新聞》

ルーマニア西部チミショアラで発生した反政府デモに対して政府が軍や治安部隊を投入して武力弾圧した同国では19日も、首都プカレストを含めて全土が厳戒態勢下にあり、依然として緊迫した情勢が続いている。

死者は数百人に上ると伝えられているが、ユーゴスラビアのタンスグ通信は同日夜、二千人に近いとの未確認情報を伝えた。鉄の支配の足元を揺さぶられたチャウシェスク政権は同日付の共産党機関紙が極めて異例といえる国民への警告を掲載、法の順守を訴えた。《共同通信》

ルーマニア西部チミショアラで発生した反政府デモをきっかけに、ワルシャワ条約機構内で唯一、民主改革を拒否する同国は、首都ブカレストを含めて厳戒態勢下に置かれている。

鉄の支配と称されたチャウシェスク大統領の独裁体制の下で、十九日付の共産党機関紙スクンテアが極めて異例といえる国民への重大な警告を掲載、法の順守を訴えた。プカレスト市内では重武装一の兵士が不測の事態に備えて各所でパトロールを開始しており、約24年に及ぶチャウシェスク体制は最大の危機一に直面しているとの見方がにわかに強まっている。《共同通信》

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12月19日のできごと(何の日)
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【プロ野球・近鉄】新入団選手7人を発表

近鉄は19日、大阪市天王寺区のホテルでドラフト1位で獲得した野茂英雄投手(21)=新日鉄堺=ら新人7選手(ドラフト外1)の入団を発表した。ドラフト史上最多の8球団による競合を経て、史上最高の契約金1億1000万円(推定)で近鉄入りとなった野茂投手はあまり表情を変えずに小さな声での受け答え。

近鉄のイメージを尋ねられると「強いという感じはある。阿波野さんが投手の柱のようだ」などと最初はありきたりな返事だったが、投球の話になると「僕は真っ直ぐとフォークボールしかない。力でぐいぐい押していきたい」と力強く抱負を語った。《共同通信》

【両独首脳会談】「条約共同体」構築で合意

西ドイツのコール首相は19日、東ドイツを公式に実務訪問してドレスデンでモドロウ東ドイツ首相と会談、東西ドイツの多面的な協力を広範な条約体系の上に築く「条約共同体」をつくり上げていくことで合意した。また来年1月末に西ドイツで再び首脳会談を行うことで合意した。

会談の後、コール首相との共同記者会見に臨んだモドロウ首相は、ベルリンの中心部で東西ベルリンを分断していたブランデンブルク門をクリスマス前に開放することと、来年一月一日からに予定されていた西ドイツと西ベルリン「市民の東ドイツへの入国自由化を12月24日に実施することを明らかにした。

条約共同体については1972年の両ドイツ基本条約の一枠を拡大する新しい協力・善隣条約を締結するための話し合いを早急に開始することで合意した、と発表、コール直相はこの新条約について来春の終わりごろには交渉が終結し、締結できる見通しだ、と。述べた。《共同通信》

【西独・コール首相】東独で演説

東ドイツを訪問中のヘルムート・コール西ドイツ首相は19日夕(日本時間20日早朝)、第二次大戦末期のドレスデン空襲で破壊されたままになっているフラウエン教会の廃虚に献花したが、コール首相をひと目見ようと集まった数千人の群衆は「ヘルムート、ヘルムート」と叫び、西ドイツ国旗を打ち振ってドイツの再統一を叫び続けた。

コール首相は献花した後、東ドイツ市民の前で演説し、ドイツ再統一にはなお時間と「忍耐が必要と訴え、理性と冷静な判断を訴えた。コール首相が「われわれは東ドイツにいる同胞を見捨てない」「私の目標はドイツの統一を実現することだ」「と語りかける度に黒、赤、金のドイツ統一を象徴する三色旗と白と緑の旧ザクセン王国の旗が激しく振られ、現場はさしずめドイツ再統一への決起集会の様相を呈した。

しかし、コール首相は性急なドイツ再統一への動きが欧州の周辺諸国の懸念と不安をかきたてていることを考慮に入れて「ドイツの自決権は欧州の近隣諸国の安全が保障されなければ実際には意味を持たない。ドイツ人が一つの家に住むのは、欧州全体が一つの屋根の下に入ってからだ」とドイツ再統一要求が歯止めを失ってしまわないようにするのに懸命だった。《共同通信》

【政界メモ】

○…海部首相は19日、首相官邸で開かれた月例経済報告関係閣僚会議で、司会役の高原経企庁長官と森山官房長官に挟まれて着席。自民党の三塚政調会長から「女性二人に囲まれて、幸せですなあ」と冷やかされるや、首相は「ハウ・ハッピー・アイ・アム」(幸せだなあ)と、応答。この後、すぐに「ムウィニ・タンザニア大統領との会談があるから、少し舌の回転を滑らかにしておこうと思って」と、照れ笑い。

そのかいがあってか、大統領との会談では、スワヒリ語で「ようこそいらっしゃいました」「こちらへどうぞ」などとあいさつ。傍らの秘書官に「どうだい通じるだろう」と得意満面だった。

○…この日、自民党本部で来年度予算編成大綱を決めるための総務会-が開かれ、一言居士で鳴る鯨岡兵輔氏がやおら挙手。「予算の重点施策10項目に環境問題が入っていないのはどういうことか。地球的規模でも国内的にも今、環境問題は最重要テーマではないか」と環境庁長官経験者らしいキツイ発言。他の発言を適当にかわしていた三塚政調会長も正論で突っ込まれてたじたじ。

結局、鯨岡提案は直ちに採用され、11番目に「長期的視野に立った多角的な環境政策の推進」が盛り込まれた。日ごろ、うるさ型として敬遠されるばかりで、あまり発言が採用されることがない鯨岡氏、この日ばかりは渋面も消えていた。《共同通信》



12月19日 その日のできごと(何の日)