平成318日目
1989/11/21
この日のできごと(何の日)
【日本労働組合総連合会】結成
民間と官公労組の大同団結による日本労働組合総連合会(新連合)の統一大会が21日午後、東京・新宿の厚生年金会館で開かれ、78組合、約800万人の労働者を結集した史上最大のナショナルセンター(中央労働組織)が発足した。
これに先立ち、総評は同日、正式に解散、反新連合路線の共産党系を中心にした全国労働組合総連合(全労連)も結成大会を開催。労働界は総評、同盟の対立を基軸とした労働四団体時代に完全に終止符を打ち、12月に旗揚げ予定の社会党左派系を中心とする全国労働組合連絡協議会(全労協)を加え、三極分化の新時代に入った。労働運動の大きな転機であり、野党共闘・再編など政治や、経済、社会の在り方にも影響を与えそうだ。
新連合は、56組合、約550万人の連合と官公労16組合、約230万人が統一し、さらに総評系民間労組などが合流。全組織労働者約1220万人の3人に2人を結集。西側諸国で米英に次ぐ3番目の規模を誇るナショナルセンターの誕生となった。
統一大会は山岸章会長、藁科会長代行、山田精吾事務局長ら執行部を選出するとともに、自由で民主的な労動運動の強化、総合生活の改善、官公労働者の労働基本権完全回復、政権を担い得る新しい政治勢力結成への分などを柱とする綱領、基本目標を盛り込んだ「連合の進路」を採択した。《共同通信》
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【総評】40年の歴史に幕
総評(黒川武議長)は21日午前、都内のホテルで開いた第82回臨時大会を最後に解散、戦後労働運動の中心的役割を果たしてきた40年にわたる歴史の幕を閉じる。同日午後には、東京・新宿の厚生年金会館で、や八百万人の官民労働者を結集する日本労働組合総連合会(新連合)の統一大会が開かれ、史上最大のナショナルセンター(中央労働組織)の誕生で労働界は新時代に入る。
旧統一労組懇(共産党系)を軸とする反連合路線のナショナルセンター、全国労働組合総連合(全労連)の結成大会も同日午前、東京・日比谷公会堂で開かれ、12月に発足する社会党左派系労組を中心にした共同組織、全国労働組合連絡協議会(全労協)と併せ、労働界再編が一応完結する形だ。
総評解散大会で、あいさつに立った黒川議長は「私たちの最後の仕事だった労働戦線の統一と解散という大事業も仕上げることができた。総評は幕を閉じ、新しい労働運動の時代が始まる」と、新連合の船出の意義を強調した。総評労働運動の歴史を振り返って「中立労連をはじめとする労組、未組織労働者、社会党など野党やさまざまの団体、知識人と協力し、力添えをいただいてきた。また、職場や地域での戦いを担ってきた書記やオルグの皆さん抜きに総評運動は語れない。心からお礼を申し上げる」と各方面への感謝の意を表明した。
解散方針は9月の定期大会で既に決定済みのため、この日は土井社会党委員長ら来賓への感謝状贈呈や、1960年の三井三池闘争で使われた総評旗の降納などセレモニーが主体となった。《共同通信》
【チェコスロバキア】書記長がデモに警告
民主化を求める大規模デモが連日続くチェコスロバキアで21日、アダメッツ首相が反体制知識人らが結成した新組織「市民フォーラム」のメンバー、労働者の代表ら10人と初めて会談、政府の対話姿勢を表明した。
しかし、首都プラハでは同日も前日に続き約20万人の市民が大集会とデモを行い、ヤケシュ共産党書記長らチェコ指導部の早期退陣を要求した。
これに対しヤケシュ書記長はテレビを通じての演説で「踏み越えるべきではない境界がある」と述べ、反政府運動の高まりに警告、デモの強硬規制を示唆した。チェコ指導部内で反政府運動をめぐり対話派と強硬派の対立が表面化し、予断を許さない情勢となった。《共同通信》
【海部俊樹首相】孫平化氏と会談
海部首相は21日昼、都内のホテルで来日中の孫平化中日友好協会会長と昼食を挟んで約1時間会談した。この後、首相は記者団に「(孫氏とは)昔からのお付き合いで去年、中国を旅行した時などの思い出話だった」と述べた上で「あの人は政府の人じゃないし(中国)政府の意向なんていう話は一切なかった」と、会談の性格が個人的なものであったことを強調した。
孫氏も記者団に対し、首相の中国旅行の思い出話が中心とし「(海部首相は)中日友好組合の古くからの友人で、会談は和やかなものだった」と語った。この席には首相の幸世夫人も同席した。《共同通信》
【政界メモ】
○…社民連の江田代表はこの日行われたテレビ番組の録画撮りで、難航している連合政権協議についてプロ野球になぞらえ「私は野党近鉄論だ」と珍説を披露した。その理由を「リーグ優勝を果たし、日本シリーズで3連勝したが、今は3連敗中といったところ」と解説。基本政策の不一致で見通しの立たない協議にいらだちも募る様子。
さらに「総選挙が近づくと自分の党のことばかり考えるような態度は何だ、と各党に詰問したい」と、野党間の接着剤を自認する社民連代表だけに激しい言葉も飛び出した。近鉄バファローズは結局4連敗したが、連合協議の決着はどうなる?
○…自民党の村岡副幹事長は21日、記者団の前にフラリと現れ、目下の最大関心事の衆院解散・総選挙について「いつかはあるんだろう。でもボーナスももらいたいだろう」と切り出した。村岡流解説によると、衆院議員のボーナスは12月に一日でも入れば全額支給されるが、11月中に解散にでもなれば月割り支給になるとかで「野党だって議員の身分を失う解散はしたくない」というわけだ。
衆院議運委理事の経験のある村岡氏は「議員の年金も勤続10年で出るが、一日でも欠ければ一時金止まり」と説明。早期解散はないことを言いたかったようだが、野党にかこつけて一日でも長く務めたい議員心理をチラリ。《共同通信》
【社会人野球ベストナイン】野茂英雄投手が初受賞
日本野球連盟は21日、ことしの社会人ベストナインを発表した。投手では日本代表のエースとしてインタコンチネンタルカップなどで活躍した野茂英雄(新日鉄堺)、捕手ではプリンスホテルの都市対抗優勝に貢献した瀬戸山満年がそれぞれ初受賞。佐藤和弘外野手(熊谷組)は2年連続2度目の選出で、ことしから設けられたDH(指名打者)には新人の中本浩(松下電器)が選ばれた。
ベストナインは次の通り。投手 野茂英雄(新日鉄堺)▷捕手 瀬戸山満年(プリンスホテル)▷一塁手 佐藤雄樹(住友金属)▷二塁手 十河章浩(日本生命)▷三墨手 石井浩郎(プリンスホテル)▷遊撃手 久慈照嘉(日本石油)▷外野手 佐藤和弘(熊谷組)佐藤真一(拓銀)田辺晃(プリンスホテル)▷DH 中本浩(松下電器)《共同通信》
【王貞治氏】世界の子供にベースボールを
プロ野球巨人の前監督、王貞治氏(49)は21日、ニューヨークで記者会見し、広く世界の子供たちに野球を普及させ、必要に応じて資金援助などを行う運動の構想を発表した。
計画では「ワールド・チルドレンズ・ベースボール・フェア」と名付けた催しを来年以降、世界各地で開催。交流の場をつくるほか、有名人によるイベントやスポンサーの協力を得て財源をつくり、奨学金制度も発足させる。
運動に賛同した米大リーグの本塁打王、ハンク・アーロン氏らと会見した王氏は「バルセロナ五輪で野球が正式競技となるのを契機に、世界的に底辺を拡大させたい。こうした運動は個人的な夢だった。大きなことなので、簡単にはでないが、みんなの協力で輪を広げていたい」と語った。《共同通信》