平成2886日目
1996/12/02
この日のできごと(何の日)
【山梨リニア実験線】調整試験始まる
JR東海とJR総研などは2日、超電導磁気浮上式リニアモーターカー山梨実験線で総合調整試験を開始、リニア実験車両を初めてガイドウェー(車両走行路)上に移し、ディーゼル車でけん引走行した。
午前11時半、3両編成の実験車両は山梨県都留市の車両基地を出発。先頭に取り付けられたディーゼル車に引っ張られ、低速走行用の車輪を使って時速20キロ前後で東京方面から甲府方面に走行。正午すぎには、トンネル部分を抜けて都留市内の実験センター近く、に姿を見せた。
この日は工事が完成している先行区間18.4キロ(都留市−大月市)のうち約8キロを往復。復路はディーゼル車に押される形で運行、午後4時すぎに車両基地に戻った。
乗車した関秋生・実験センター所長は「乗り心地もよく、満足できた」と話した。4月には実験車両を超電導状態で浮上させ、本格的な走行試験に臨む予定。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【O-157問題】かいわれ協会、国を提訴
病原性大腸菌O-157の集団感染に関し、厚生省がかいわれ大根を「原因食材の可能性が高い」と発表したため損害を被ったとして、日本かいわれ協会(高橋克巳会長、52社加盟)と北海道から沖縄までの加盟業者19社が国に計約4億4000万円の賠償を求める訴訟を2日、起こした。《共同通信》
【大蔵省】焼酎の税率を2.5倍に
大蔵省は2日、焼酎とウイスキーの酒税問題で、焼酎税率を最大で現在の2.5倍強にする一方、ウイスキー税率も大幅に下げて両者の税率格差を是正する方針を固め、自民党などとの調整に入った。
焼酎は大幅な引き上げになるため、焼酎業者に対する財政支援策も合わせて検討する。同省は、二段階に分けて実施することを検討しているが、実施時期については、EU(欧州連合)側が来年4月の完全実施を主張しており、今後EU側などと詰めていく考えだ。
今回の酒税見直しは、今年11月に世界貿易機関(WTO)の紛争処理上級委員会が、日本の焼酎とウイスキーが「直接競合する代替品」と見なし、税率格差はウイスキーに差別的とクロ裁定を出したのがきっかけ。
焼酎業界はウイスキーの税率引き下げで対応するよう大蔵省に求めており反発は必至。今週から本格化する自民党税制調査会(林義郎会長)でも論議を呼びそうだ。
現在のウイスキー税率は、1リットル、アルコール度数1度当たりで24.5円。一方、お湯割りなどに使う焼酎乙類は同4.08円などとなっており、ウイスキーと甲類を含めた焼酎との格差は3.9−6倍になっている。
WTO裁定を受けて大蔵省は、ウイスキーと焼酎の税率をアルコール度数でほぼ同一にすることを検討。この結果、焼酎乙類を10.5円前後に引き上げ、ウイスキーは大幅に引き下げる方針を固めた。
焼酎税率が2.5倍に引き上げられ、そのまま小売価格に反映されれば、アルコール度数25度の焼酎乙類(1.8リットル)は、現在の1350円から1700円弱になる。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・社民党の伊藤茂幹事長は2日の代議士会で、月内に党大会を開く意向を示した上で「民主党に行く人は(大会)代議員から遠慮願う」との“選別方針”を明らかにした。というのも、先月30日の全国幹事長会議では、民主党への移行を決めた地方組織も出席し、執行部方針に反発。中には「中央は一切指導しないでほしい」という捨てぜりふまで飛び出したほど。伊藤氏は代議士会で「いろんな立場のいる人の会議は(30日の)土曜日を最後にしてもらいたい」と発言するなど、こりごりの様子。
○・・・新進党の西岡武夫幹事長はこの日の衆院本会議で、各党の先陣を切って代表質問に立った。本会議での質問は「二年生の時以来」という久々の登壇。決まった時は「予算委はすきを探して攻めていくことができるが、代表質問は一方通行だから」とやりにくさを吐露していた同氏だが、終了後は「役人が書いただけ(の原稿)を答弁してもらっても困る。自分の言葉で答弁してもらわないと」と余裕も見せた。しかし橋本龍太郎首相にはうまく逃げられた形で「真正面から答えてもらいたかった」と不満も。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】報復予算を否定
国会は2日午後の衆院本会議で、橋本龍太郎首相の所信表明演説に対する代表質問を行い、厚生省官僚による汚職事件や「報復予算」をめぐり、本格論戦を開始した。
西岡武夫新進党幹事長は、厚生省の一連の不祥事に関連「公務員への国民の不信は頂点に達している」と、橋本内閣の疑惑解明に向けた姿勢を批判した。首相は「本当に実行される綱紀粛正策を検討して結論を出したい」と述べ、新たな綱紀粛正策を早急に取りまとめる考えを表明した。岡光序治前厚生事務次官の辞表受理が早過ぎたとの指摘には「緊急にとられた措置としてやむを得なかった」と、小泉純一郎厚相の対応を是認した。
西岡氏は、総選挙で新進党が勝った地域への予算配分を減らす自民党内の「報復予算」論を厳しく非難したが、首相は「予算配分は政策目的に照らして厳正に行われるべきだ」と強調、報復的措置はとらないことを言明した。
自民、新進両党が「公務員倫理法」制定を要求したのに対し、首相は「まず現在の倫理規定の順守から始めるべきで、それを踏まえて考えたい」として消極的な見解を示した。
厚生省の不祥事に関連して民主党の鳩山由紀夫代表が介護保険法案審議に与える影響をただしたのに対し、首相は「不祥事を理由に先送りされるべきではない」と述べ、成立に全力を挙げる考えをあらためて示した。また、鳩山氏は国会が行政を監視する「行政監視院」の新設を求めたが、首相は「国会自らが判断する課題」と述べるにとどまり、同党が主張する総務庁行政監察局の廃止は「政府の中の行政監察機能をなくすのは不適切」と反論した。
西岡氏が取り上げた首相自身の医療関係の政治団体からの献金については「政治資金規正法上、適正な措置を取ってきた」と述べ、問題はないとの認識を重ねて示した。
橋本内閣が最重要課題とする行政改革について森喜朗自民党総務会長が取り組みの姿勢をただしたのに対し、首相は「規制緩和や地方分権を進め、改革を着実に実施、中央省庁再編に反映させたい」と述べ、多方面からの行革推進を強調した。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】米・ペリー国防長官と会談
橋本龍太郎首相は2日夜、首相官邸でペリー米国防長官と会談し、沖縄米軍基地に関する日米特別行動委員会(SACO)最終報告などについて「日米の協力で満足できる結果が得られ喜んでいる」と述べた。
長官は「日米は今後、防衛協力指針見直しをはじめ、安保協力を進めるが、SACOのような努力があればいい結果が出る」と述べ、新たな指針策定などで引き続き日米協力が必要との考えを強調した。
ペリー長官は、5日からの遅浩田・中国国防相訪米に関連し「中国は日米安保強化に懸念を表明しているが、中国を含めアジアは日米同盟による平和と安定から経済成長の利益を得ていると(遅浩田氏に)説明する」と述べた。
これに対し首相は、先日マニラで江沢民国家主席と会談したことを紹介、「指針見直しは決して中国を敵視して作業してはいないと強調した」と説明した。《共同通信》