平成3231日目
1997/11/12
この日のできごと(何の日)
【北朝鮮】拉致疑惑を否定
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問中の自民、社民、さきがけの与党代表団(団長・森喜朗自民党総務会長)は12日午前と午後の2回にわたり、朝鮮労働党との全体会議を宿泊先の平壌市内の百花園招待所(迎賓館)で開いた。
会議では、国交正常化交渉の早期再開のため環境整備に双方が努めることで一致した。しかし、訪朝団が日本人拉致疑惑の解明の必要性を指摘したのに対し、金養建・党国際部長は「虚偽のでっち上げで、われわれには関係のない問題だ」と強く否定、戦前の従軍慰安婦や歴史認識問題を持ち出して反論した。
金部長は日本人妻里帰り事業の継続・拡大に努力することを表明した。《共同通信》
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拉致疑惑 警察庁によると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に日本人が拉致された疑いがあるケースは7件10人ある。1977(昭和52)年9月に東京都のガードマン久米裕さん=当時(52)=が石川県能都町の海岸から連れ去られたのをはじめとして、同年11月には新潟市の海岸近くで中学1年生横田めぐみさん=当時(13)=が行方不明になった。78−79年ごろには大韓航空機爆破事件(87年)で逮捕された金賢姫・元北朝鮮工作員の教育係「李恩恵」とされる女性が不明になり、78年7月から8月にかけては福井、新潟、鹿児島各県の海岸からアベック3組が相次いで失跡。
85年6月に韓国で摘発された「辛光洙事件」では、日本に潜入した北朝鮮工作員が80年6月、コックの原敕晁さん=当時(43)=を宮崎県の海岸で拉致、原さんに成り代わり日本でスパイ活動をしていたことが発覚した。《共同通信》
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【大相撲九州場所】4日目
大相撲九州場所4日目(12日・福岡国際センター)横綱、大関陣は初日からそろって4連勝。これは平成6年夏場所以来のこと。関脇栃東も連勝を守った。横綱貴乃花は玉春日を一方的に押し出した。大関陣は武蔵丸が土佐ノ海を落ち着いて押し出し、貴ノ浪は新小結の栃乃洋を立ち合いの変化ではたき込み、若乃花は浜ノ島を鮮やか内無双で下した。栃東は、旭豊の指がまげにかかる反則で白星をつかんだが、右足首を負傷した。新関脇の出島は魁皇を押し出して3勝目。元大関の小錦は舞の海を寄り切って、星を五分にした。《共同通信》
【WBCフライ級統一王座戦】勇利アルバチャコフ選手、10度目の防衛ならず
世界ボクシング評議会(WBC)フライ級統一タイトルマッチ12回戦は12日、札幌月寒グリーンドームで行われ、チャンピオンの勇利アルバチャコフ(協栄)は暫定王者のチャチャイ・ダッチボーイジム(タイ)に0−3の判定で敗れ、10度目の防衛に失敗した。これで日本のジム所属の世界チャンピオンはいなくなった。
両者は1995年9月以来の再戦。勇利は昨年8月の防衛戦で右こぶしを骨折して長期休養。WBCが今年5月に暫定王座に就いたチャチャイとの統一戦を義務付けていた。勇利の戦績は24戦23勝(16KO)1敗。チャチャイは2度目の防衛に成功した。《共同通信》
【細川内閣】同窓会
細川護煕元首相、太陽党の羽田孜党首、新党さきがけの武村正義元代表、民主党の鳩山由紀夫幹事長をほじめ細川内閣当時の閣僚ら11人が12日夜、都内の中華料理店で“同窓会”を開いた。
呼び掛けた細川氏は「旧交を温めるということで、今の時局を踏まえ、ざっくばらんに話し合いたい」とあいさつ。出席者は今後も会合を重ねることを確認した。また「自民党は衆院で過半数を確保したが不安定な状況。野党にとってチャンスだ」との認識が大勢だったという。
細川、鳩山両氏らは自民党に代わる「政権の受け皿」づくりのための懇談会を7日に発足させ、社民、さきがけ両党の政権離脱も視野に入れた非自民勢力結集に動き出した直後であり、存在感をアピールする狙いがあるようだ。
出席者はほかに新進党の石田幸四郎、坂口力、広中和歌子、民主党の山花貞夫、社民党の上原康助、太陽党の畑英次郎、熊谷弘の各氏。新進党では、小沢一郎党首に近い中西啓介元防衛庁長官や藤井裕久元蔵相は招かれず「小沢側近外し」の印象を与えた。《共同通信》
【行政改革会議】独立行政法人化対象確定を見送り
行政改革会議(会長・橋本龍太郎首相)は12日夜、首相官邸で全体会合を開き、独立行政法人(日本型エージェンシー)化する国と対象機関について協議したが、12月3日に公表する最終報告では確定を見送る方向となった。首相が打ち出した新省庁の局や課の削減に関しても「努力目標」にとどめざるを得ないとの考えで一致した。
独立行政法人は、職員身分の扱いさえ最終合意していないのが現状で、移管する機関・業務の確定は、新省庁の部課局編成とともに、各省庁の検討にゆだねられることになった。《共同通信》
【天皇、皇后両陛下】中国・李鵬首相と会見
天皇、皇后両陛下は12日、公賓として来日中の中国の李鵬首相夫妻と皇居・宮殿「竹の間」で約20分間会談された。1989(平成元)年4月の夫妻の来日時と、92年10月に両陛下が中国を訪問した際に続き3回目の会見。
宮内庁によると、李鵬首相は皇太子ご夫妻の中国訪問を招請。陛下は「政府が検討します」と答えた。李鵬首相は、11日の橋本龍太郎首相との会見でも招請の意思を表明している。
陛下が「国交正常化25周年の年にお迎えできて、うれしく思います」と述べたのに対し、李鵬首相は「アジア太平洋地域の国同士として、世界の平和と安定に努力しなくてはなりません」などと応じたという。《共同通信》
【中国・李鵬首相】歴代首相と会談
中国の李鵬首相は12日午前、迎賓館で中曽根康弘元首相ら首相経験者と朝食を取りながら会談、新たな日米防衛協力のための指針(ガイドライン)をめぐり「日米安保条約には台湾を含まないと言えば解決するが、相互信頼で片付けていくべきだ」と述べ、台湾問題への配慮を求めながらも、日中双方の努力で理解し合う必要性を強調した。
李首相が「米国は依然として冷戦志向が少し残っている」と懸念を表明したのに対し、中曽根氏は「北東アジアの重要問題について日米中ロ4カ国で話し合うことが大事だ」と指摘。さらに「日本は専守防衛が確立しており、条約を誠実に順守する」とし、日米安保体制が中国に不安を与えることはないと強調した。
竹下登元首相がアジアの金融不安解消を、海部俊樹元首相が環境問題を取り上げ、それぞれ中国側の協力を求めたのに対し、李首相は京都での温暖化防止国際会議成功へ協力する考えを示した。会談には中曽根、竹下、海部各氏のほか細川護熙、羽田孜両元首相が出席した。《共同通信》
【JR西日本・南谷昌二郎社長】北陸新幹線「フル規格建設は長期課題」
整備新幹線建設を協議する政府・与党の検討委員会は12日、首相官邸で6回目の会合を開き、JR西日本、北海道、九州の3社長から意見聴取した。JR西日本の南谷昌二郎社長は、スーパー特急方式で建設中の北陸新幹線金沢−石動、魚津−糸魚川間を優先して整備するよう要請し、長野−上越間などのフル規格整備には「長期的な課題であり、次のステップである」との考えを示した。
JR西日本の管轄区域は、北陸新幹線の上越以西となる。南谷社長は、昨年末の政府・与党合意で、金沢−石動間などが優先整備対象と明記されたことを指摘し、「(JR西日本管内の)金沢−石動間、魚津−糸魚川間が早期に整備され、一日も早く実用に供されることが優先的な課題である」と述べた。
線路幅が異なるフル規格路線、在来線を乗り換えなしで走行できるフリーゲージトレイン(軌間自由可変電車)には「この技術を活用すれば、長野−上越間と北陸地域との円滑な接続が可能になり、関心は高い」とし、北陸新幹線の整備に当たっても検討対象に取り入れるよう求めた。
フリーゲージトレインは、運輸省が9年度から4年計画で開発している。南谷社長は、小松、富山、福井の各駅整備事業については「小松、福井の連続立体交差事業、富山の区画整理事業との整合性を図る必要がある」と語った。委員からは、「北陸新幹線にフリーゲージトレインを導入した場合の収支採算性などを示してほしい」との要請があった。《共同通信》