平成2106日目
1994/10/14
この日のできごと(何の日)
【ノーベル平和賞】「中東和平」の3氏に
ノルウェーのノーベル賞委員会は14日、本年度のノーベル平和賞を中東和平の立役者となったイスラエルのラビン首相、ペレス外相とパレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長に授与すると発表した。平和賞を3個人が受賞するのはノーベル賞史上、初めて。
授賞理由としてノーベル賞委員会は3人が「平和と協力が戦争と憎悪に取って代わる歴史的な過程に、重要な貢献を果たした」して、イスラエル建国以来の敵対拠点に終止符を行ってパレスチナ暫定自治合意を達成、ガザ・エリコの先行自治を確実にした3人の役割を高く評価した。
始動したばかりのパレスチナ先行自治政府は行政治安維持で依然として不安で、シリアとイスラエルの中東和平の行方には難問が山積している。委員会は授賞理由で「地域の恒久的和平樹立に努力するイスラエルとパレスチナの人々の励みになることを希望する」との国際社会の願いを込めている。
しかし、先行自治区ガザのイスラム過激派組織ハマスが起こしたイスラエル兵士誘拐事件が未解決の同日、ラビン首相は対応策に追われてた日がず、アラファト議長はエジプトのアレクサンドリアでムバラク・エジプト大統領、クリストファー米国務長官と早急に解決策を協議した。
平和賞を受賞したアラファト議長には、誘拐事件解決へ向けて今後は道義的な圧力が強まろう。
南アフリカの民主化に貢献した功績で昨年受賞したマンデラ現大統領、デクラーク副大統領に続き、過去の紛争当事者に対する授賞は2年連続。授賞式は12月10日、オスロで行われ、700万スウェーデン・クローナ(約9500万円)が贈られる。《共同通信》
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【イスラエル軍兵士誘拐事件】救出失敗
イスラム原理主義組織ハマスの武装組織によるイスラエル軍兵士誘拐事件で、イスラエル軍特殊部隊は誘拐犯が人質殺害期限としていた14日午後9時(日本時間15日午前4時)前、占領地ヨルダン川西岸ビルナバラで誘拐犯が潜む建物を急襲した。銃撃戦で誘拐犯3人を射殺、1人を逮捕したが、人質の兵士(19)は遺体で見つかった。特殊部隊の兵士1人も死亡、9人が負傷した。
イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)の歴史的和解、占領地暫定自治合意の達成を理由に、イスラエルのラビン首相、ペレス外相、PLOのアラファト議長にノーベル平和賞が贈られた同じ夜の血生臭い結末となった。イスラエルは誘拐事件でPLOとの自治交渉を中断しており、今後の中東和平の行方に大きな影響を与えるとみられる。イスラエル側からテ口抑止を至上命題としてされているアラファト議長は、一層の苦境に立たされた。
ラビン首相はテルアビブで14日深夜、ユダヤ教の安息日を破る異例の緊急記者会見を開き、救出作戦の概要を発表、「殺された兵士の遺族に哀悼の意を表する。責任はすべて私にある」と述べ、「テロリストとは徹底的に闘う。軍事行動が可能な場合には、危険でも救出作戦を行う」などと理解を求めた。
誘拐されたワクスマンさんは、手を縛られた状態で首と胸を撃たれ、死亡していた。
誘拐犯は、ハマス創始者のヤシン師をはじめとするパレスチナ人服役囚約200人が14日午後9時までに釈放されなければ、ワクスマンさんを殺害すると脅していた。
イスラエルとPLOは、自治を西岸全域に拡大するための交渉を行っていたが、ラビン首相は誘拐事件が発覚した11日以来、交渉を中断、アラファト議長が誘拐された兵士を生還させなければ自治拡大は停止すると述べ、ガザ地区を完全封鎖していた。《共同通信》
【新生党・野末陳平氏】田中真紀子科技庁長官の会社を追及
田中真紀子科学技術庁長官の家族が所有する資産管理会社「ハルシヨン」について14日、新生党の野末陳平氏が参院予算委員会で「ハルシヨンは(田中角栄元首相からの)相続税減らしと裏資金づくりの受け皿とすることを目的として設立した会社ではないか」などと追及した。田中長官は「税理士に任せているので調査して答える」と答弁した。
野末氏は8月に行われた村山閣僚の資産公開に関連して田中長官のファミリー企業「ハルシヨン」が電話もないペーパーカンパニーではないか」と指摘、田中長官も「実際には機能していないと思う」と述べた。《共同通信》
【村山富市首相】税制改革で逆進性緩和「十分でない」
村山首相は14日午前の参院予算委員会で、消費税率引き上げによる税負担の逆進性について「完全に達成されたとは思わない」と述べ、課税最低限の引き上げや臨時福祉給付金などの救済措置によっても逆進性が緩和されないとの認識を示した。
武村蔵相は、飲食料品への軽減税率の適用について「将来の課題として残した。非課税議論は一つ一つ考えても、そう安易な道ではない」と述べ、2年後の見直しの際、見送られる可能性が高いことを明らかにした。村山首相も「将来にわたっての一つの課題」と述べた。《共同通信》
【政界談話室】
○…村山首相は14日午後、大江健三郎氏のノーベル文学賞授与が決定したことに対する感想を記者団に求められ、「あれは大変なことで」とにこやかながらも反応はいまひとつ。「首相も平和賞か文学賞を狙っては」と誘い水をかけられても「私はただ与えられた任務をやり遂げるだけです」と、悪戦苦闘が続く予算委員会の答弁で頭がいっぱいの様子。それでも「大江氏と会う考えは」と聞かれて「機会があれば。ただ、私は彼の著作だけでなく、生き方に本当に感銘を受けているんです」と、しきりに大江ファンであることを強調していた。
○…この日の自民党役員会では、野党統一会派「改革」が税制改革法案に関する特別委員会設置を要求していることに批判が続出。中村正三郎衆院議委員長は、9月下旬に今国会では新しい特別委の設置をしないことで与野党が合意済みであることを報告した上「各党の話し合いでつくらないことになったのに、今ごろになって言っている。議運の理事が交代しているのに、報告がされていないようだ。例によって例のごとくだ。極めて遺憾だ」と温厚な中村氏には珍しく怒りをあらわにした。譲運ではじっと我慢で調整役に徹しているだけに、身内の会合では思わず本音。《共同通信》
【民社党・米沢隆委員長】韓国・金泳三大統領と会談
民社党の米沢隆委員長は14日、ソウルの大統領府(青瓦台)で金泳三大統領と約40分間会談、朝鮮半島情勢などについて意見交換した。大統領は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発問題をめぐる米朝協議について「決着がつくのは時間の問題だと思う。見通しは分かっており、落ち着くところは把握しているが、(内容については)控えたい。北は政治経済が厳しい状況にあるだけに米朝協議を成功させたいと思っているに違いない」と述べ、早期決着の見通しを示した。
大統領は「核開発を阻止することが目的で協議しており、(核保有は)半個たりとも許さないという原則は守りたい」と強調。「韓国と米国はいかなる場合も独自の決定を下すことなく、必ず韓国の意見を反映して(米国は)協議に臨む姿勢を崩したことがない」と米韓協調関係を指摘した。《共同通信》
【天皇、皇后両陛下】欧州から帰国
フランス、スペイン両国公式訪問していた天皇、皇后両陛下は14日午後、東京・羽田空港着の政府専用機で帰国された。広島市でのアジア大会開会式出席に引き続き、13日間に及ぶ長旅だったが、両陛下は笑顔を見せながら、元気にタラップを降りられた。空港には皇太子、秋篠宮両ご夫妻ら皇族、村山首相、土井衆院議長らが出迎えた。
帰国行事で村山首相が「このたびの訪問により、一層理解と友好の関係が深まると思います」とあいさつ。天皇陛下は「多くの人々の歓迎を受けましたが、両国の人々が親しい気持ちを抱いていることを示すものとうれしく感じました」と述べられた。《共同通信》