平成4296日目

2000/10/12

この日のできごと(何の日)

【オリックス・イチロー外野手】大リーグ挑戦を表明

プロ野球史上初の7年連続首位打者を決めているオリックスのイチロー外野手(26)が来シーズンから米大リーグを目指すことが決まり12日、オリックス球団の岡添裕球団社長、イチロー選手が神戸市内のホテルで会見して明らかにした。

米大リーグでのプレーを希望していたイチロー選手は「(球団との)合意の下にアメリカの野球に挑戦できる可能性ができてうれしい。日本のファンには複雑な思いがあるが、精いっぱいやりたい」と語った。

イチロー選手は昨年の契約更改で球団から「5年、30億円」(金額は推定)の複数年契約を提示されたが拒否。このため、球団側は平成10年に日米間選手契約に関する協約に盛り込まれた所属球団の承認を得て米球界入りを希望する日本人選手の交渉権を、大リーグの30球団が入札した上で、最高額を提示した球団が得るシステムを適用して大リーグ行きを認めた。

日本のプロ野球で実績を残した打者が挑戦するのは初めて。《共同通信》

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【中国・朱鎔基首相】来日

中国の朱鎔基首相は12日夜、羽田空港着の特別機で公賓として来日した。朱首相は羽田到着に当たって声明を発表そ「政治的には相互理解と信頼を増進し、経済的には互恵協力を深めることにある」と強調。森喜朗首相との13日の会談などを通じ、未来志向の日中関係を目指す考えを強調した。

朱首相は1998年3月の就任後初めての訪日で、中国首脳の日本訪問は同年11月の江沢民国家主席以来。《共同通信》

【森喜朗首相】「家父長制」を評価?

森喜朗首相は12日午前、都内で開かれた「第22回農協全国大会」でのあいさつで、「祖父母や家族と一緒に座って食事をした。すばらしい家庭が置き忘れられている。そこで長はどこに座りお父さんお母さんがどこに座るが既に決まっていて、そこで子どもは礼儀をわきまえていったのではないか」と述べ、戦前の家父長制を評価したとも受け取られかねない考えを示した。

先に首相は夫婦別姓問題で「従来の(夫婦同姓の)方が日本になじむ」と発言し女性議員から抗議を受けたばかりで、今回の発言も波紋を呼びそうだ。《共同通信》

【シドニー・パラリンピック】日本選手団結団式

18日に開幕するシドニー・パラリンピックの日本選手団結団式が12日、東京都内のホテルで選手、役員約150人が出席して行われた。

森喜朗首相も駆けつけ「最高の舞台で世界の強豪と堂々と競い合ってほしい」と激励。三村一郎選手団総監督が出席選手を一人ずつ紹介した後、選手団旗が津島雄二厚相から藤原進一郎選手団長へ、そして旗手でアーチェリー代表の米沢昌子選手(41)=北海道=に手渡された。

選手、役員を代表し、主将で水泳代表の河合純一選手(25)=静岡県=が選手宣誓。「多くの声援を胸に競技をしてきたい。シドニーからベストパフォーマンスと、感動を届けることを約束します」などと述べた。《共同通信》

【イスラエル軍】本格攻撃

イスラエル軍は12日、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸ラマサとガザにある自治政府施設や警察本部などを武装ヘリコプターのミサイルなどで本格的に攻撃した。さらにイスラエルは同日、ガザを全面封鎖。西岸各都市を戦車で包囲した。自治政府は対抗措置としてヨルダン川西岸とガザに非常事態宣言を出した。

9月28日のイスラエル治安当局とパレスチナ人との戦闘は、ついにイスラエル側の全面的な軍事行動に発展。アナン国連事務総長をはじめとする国際的な調停活動は失敗の様相が色濃く、パレスチナ和平は崩壊寸前となった。《共同通信》

【ノーベル文学賞】高行健氏

スウェーデン・アカデミーは12日、2000年のノーベル文学賞をパリ在住の中国の亡命作家、高行健氏(60)に授与すると発表した。中国系作家の文学賞受賞は初めて。

授賞理由は「鋭い洞察力とち密な文体による作品群は普遍性を持ち、中国文学と戯曲に新しい道を開いた」としている。

高氏は1940年1月、江西省生まれ。北京外語学院でフランス語を学んだ。66年から始まった文化大革命では「下放」させられ労働に従事、「100万字に及ぶ作品を焼き捨てた」(自伝)という。77年に北京に戻り創作活動を再開し、80年には小説でもデビュー。同アカデミーは長編小説「霊山」などについて「圧倒的な大衆の歴史に打ち勝つ個人の闘争を描き、文学を再生した」と評価した。

81年から北京人民芸術劇院の座付き作者として劇作「バス停」(83年)、「野人」(85年)などを発表。ベケットやブレヒトの影響を受け、写実性を重視した中国の伝統劇の克服を目指す作品は実験演劇として高い評価を得た。

しかし、87年に中国を離れ、88年にフランスに政治亡命。89年の天安門事件を機に中国共産党を離党した。同事件をモチーフにした「逃亡」は日本でも上演されている。高氏の劇作は86年以来、中国で上演禁止になっている。《共同通信》

【ミヤコ蝶々さん】死去

絶妙な話術で庶民の泣き笑いを披露し、長寿番組「夫婦善哉」などで知られた上方芸能界の大スター、ミヤコ蝶々(本名・日向鈴子)さんが12日午後1時7分、腎不全のため入院先の大阪市天王寺区の病院で死去した。80歳だった。東京都出身。

戦後の民放ラジオ番組で夢路いとし・喜味こいしさんら漫才コンビのリーダー役を努め、上方の笑いを全国的にし、漫才師から女優に転身後も映画、テレビ、舞台で活躍、上方喜劇人のシンボル的な地位を保った。《共同通信》

弟らに見守られ、最期は眠るように安らかな顔−。急逝したミヤコ蝶々さんの病状は快方に向かっていただけに、関係者は悲報に言葉を失った。「長い間お疲れさま、と言ってあげたい」。漫才師時代の仲間は死を悼んだ。

主治医らによると、蝶々さんはこん睡状態に陥った後は苦しむ様子はなく、静かに息を引き取った。ベッドには弟の岩佐輝国さん(55)と個人事務所のスタッフが寄り添っていたという。

遺体は夕方、大阪市の病院から大阪府箕面市の自宅に移された。遺体を覆う白いシーツの上に、色とりどりの千羽づると白い花の束。弟子らの手で遺体は玄関へ入った。

日が暮れるころから、蝶々さんがかつて所属し独立後も関係が深かった松竹芸能(大阪市)の勝忠男社長らが、次々と弔問に駆け付けた。同社の佐久間博総務担当取締役は「民衆の心をつかんで放さない強烈な個性が魅力だった蝶々さんの代わりはいない。惜しいの一言です」と肩を落とした。《共同通信》

【この日の民主党】

資源循環・廃棄物管理法案~パブリックコメント結果まとまる

民主党の「循環社会プロジェクトチーム」(小林守座長)は12日、資源循環・廃棄物管理法案に関する会議を国会内で開いた。

この日は、まず消費者の視点で循環型社会の確立をめざし24年前から活動を展開している東京・生活者ネットワークの都甲公子さんを招き、話を聞いた。都甲さんは、「廃棄物の処理といった風下だけでなく、ものがつくられる風上からの循環の理念の構築が必要。生産のあり方を問い直す拡大生産者責任の確立を」と訴えた。さらに、具体的な措置の内容や規制的な制度を盛り込むなど、法の不備を早急に改めていくべきとして、民主党への期待を示した。

それを受け、小林座長は、民主党が検討している資源循環・廃棄物管理法案にそれらの指摘を盛り込みたいと述べた。また、法案策定に向けて今年3月から募集したパブリックコメントの集計結果を説明。日本で広く言われている3R(リデュース、リユース、リサイクル)ではなく、リフューズ(やめる)を加えたヨーロッパ型のごみ減量の原則である4Rを採用すべきとの指摘などがあったことを報告。PTではこのパブリックコメントを2次案の作成に役立て、できあがったものを再度提示してパブリックコメントを集め、資源循環・廃棄物管理法案を完成させていく方針を確認した。

代表直属の諮問機関「公共事業を国民の手に取り戻す委員会」が初会合

民主党は、鳩山代表直属の諮問委員会として「公共事業を国民の手に取り戻す委員会」を設置することになり、12日朝、第1回の会合が国会内で行われた。

鳩山代表は会議の冒頭で、「公共事業についてのわれわれの提起が正しかったことは、選挙後の自民党の路線変更でも明らかになった。見直しも質の議論がこれから最も重要。ただ削減すればいいという話ではなく、それがどのように日本の未来を変えていくかという議論が真剣になされなければならない」とあいさつ。引き続いて、出席した各委員からのそれぞれの専門分野についての現状報告と、今後の運営についての議論が行われた。

委員会のメンバーは次の通り。(五十音順)

○座長=五十嵐敬喜(法政大教授・公共事業論)

○委員=天野礼子(アウトドアライター)、宇井純(沖縄大教授・環境科学)、荏原明則(神戸学院大教授・行政法)、大熊孝(新潟大教授・河川工学)、河野昭一(京都大名誉教授・植物生態学)、嶋津暉之(東京都環境科学研究所研究員)、藤原信(宇都宮大名誉教授・森林計画学)、高田直俊(大阪市立大教授・土木工学)、保母武彦(島根大教授・財政学)、松永勝彦(北海道大教授・水産環境科学)、水口憲哉(東京水産大助教授・増殖学)、山口二郎(北海道大教授・政治学)○事務局長=仙谷由人(党企画委員長)

山内功議員が鳥取県西部地震で質疑

国会では参議院選挙制度をめぐって、野党側が一切審議に応じていないが、三宅島噴火、東海地方水害、鳥取県西部地震など災害が頻発しているため、災害対策に関係した委員会だけは例外的に審議を行っている。

12日に開かれた衆議院の災害対策特別委員会で、鳥取県西部地震による被害と対策状況について政府側からの説明が行われ、これに対して地元鳥取県の山内功衆院議員が質問にたった。

山内議員は境港市の港湾の復旧状況をただし、漁業者への緊急融資の必要性や、大山など周辺観光地への風評被害への振興策などを訴えた。

さらに、被災者生活再建支援法の所得制限や限度額の見直しや、用途制限についてもただしたが、扇国土庁長官は「政府としてはできるだけのことはしたい」などと抽象的に答えるにとどまった。

有害情報から子どもを守るプロジェクトが始動

民主党の「有害情報から子どもを守るための基本法制定プロジェクトチーム」(肥田美代子座長、水島広子事務局長)は、12日、国会内で第1回会合を開いた。

同PTは、メディアやゲームに暴力や性暴力が氾濫し、町中の電話ボックスに売春情報が貼られているなど、有害情報に子どもたちが無防備にさらされ、子どもたちの精神面での発育に有害な影響を及ぼしている状況にあって、「有害情報から守られる」ことが子どもの権利であることを明確にする基本法の制定が早急に必要であることから設置されたもの。

12日の会合では、総務庁から有害環境に対する青少年保護対策の現状についてヒアリングを受けると同時に、PTの今後の取り組みについて協議。集中的に関係団体、学者、専門家等からのヒアリングを受けつつ、論点整理を行い、できるだけ早く法案骨子を作成する方向を確認した。《民主党ニュース》



10月12日 その日のできごと(何の日)