平成1007日目

1991/10/11

この日のできごと(何の日)

【自民党総裁選】竹下派、宮澤喜一氏を支持

自民党の宮澤喜一・元副総理が今月30日で総裁任期が切れる海部首相の後継者として政権を担当することが事実上、決まった。総裁選のカギを握る最大派閥・竹下派が、盟友関係にある河本派とともに11日の総会で「宮澤支持」を決定、竹下、宮澤、河本3派連合に乗る宮澤氏が総裁選の投票資格を有する党所属国会議員、全国の党員・党友の圧倒的多数を制することが確実な情勢になったためだ。

立候補を表明している渡辺美智雄・元政調会長、三塚博・元政調会長はなお公選の姿勢を崩していないが、大勢決着により既に水面下では話し合い一本化の模索も始まっている。

自民党内では「宮澤政権」の人事構想が早くも焦点となっているが、竹下派を主軸に、渡辺氏ら実力者のほか森喜朗・衆院議院運営委員長(三塚派)、加藤紘一・元防衛庁長官(宮澤派)ら若手有力者を取り込んだ挙党体制・本格政権づくりの動きが活発化しそうだ。

竹下派の臨時総会は11日午後6時過ぎから都内の派閥事務所で開かれた。冒頭、会長の金丸信・元副総理は「宮澤喜一君をわが経世会(竹下派)で一致して総裁選で応援することに皆さんの絶大な支援をいただきたい。満場一致の了承をいただきたい」と発言した。

金丸氏は経過説明の中で①当初は海部首相の再選支持を考えていたが、状況の変化のため小沢一郎会長代行擁立を目指したものの不調に終わった②このため宮澤氏ら3候補から支持候補を決めざるを得なくなり、選挙区での競合関係、人間的な付き合いなどの事情に加え物には順序があり、キャリア(経歴)の多い先輩にお願いするのが至当だ」という小沢氏の助言もあり、宮澤氏の支持を決めた―と説明した。

出席議員の中に発言を求める動きもあったが、長老議員の原田憲・元経企庁長官が「対応については既に金丸会長に一任してある」と制し、結局、総会は満場一致で宮澤氏支持を決め、15分間で閉会した。

金丸氏は臨時総会前、同派事務所を訪ねた河本派会長の河本敏夫・元国務相と会談、両派の提携を再確認するとともに、海部政権が掲げる政治改革推進など政策面からの検討の結果、3候補のうち宮澤氏を支持する結論に至ったことを説明した。

河本氏は「全面的に賛成する。同一行動をとらせてもらう」と明言した。河本派は金丸河本会談後の総会で宮澤氏支持を決定した。

渡辺、三塚両氏は竹下、河本両派の宮澤氏支持について「一喜一憂しない。正々堂々と戦う」(渡辺氏)「不動心だ。公選に向け直に取り組んでいく」(三塚氏)などと発言、総裁選出馬の決意に変わりがないことを強調した。《読売新聞》

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【ソ連】KGBを解体

ソ連の政治弾圧と海外スパイ活動の一大組織である国家保安委員会(KGB)の解体が11日、決定した。タス通信によると、ソ連の最高政策決定機関である国家評議会が同日の会議で決めたもので、これによりロシア革命直後の1917年12月「反革命・サボタージュ取り締まり全ロシア非常委員会」として発足した政治警察KGBは74年の歴史を閉じる。

この決定は21日に開幕するソ連最高会議で正式採択され、実施に移される。《共同通信》

【台風21号】千葉のJR、マヒ状態に

列島は今週もまた“週末台風”に泣かされた。大型で強い台風21号は11日、ほぼ全国的に大雨を降らせ、関東では、東京・多摩市で小田急線電車が崩れた土砂に乗り上げて脱線するなど、交通網に影響が続出した。

JR線は、午前中からストップしていた千葉県内の千葉駅以遠の総武本線、外房、内房線など5線が、夜になっても復旧の見通しが立たず、終日マヒ状態となった。このため運休は計540本にのぼり、帰宅するサラリーマンら約24万6000人の足が乱れた。

武蔵野線も11日午後11時45分ごろ、東京・小平市の新小平駅構内の土手が一部崩れたため、上下線とも運転を見合わせた。

また、東海道新幹線小田原駅構内では、午後2時半ごろ、折からの雨の中で、上り線のレールにヒビが入っているのが発見された。JR東海では、応急処置を行い、午後5時前復旧したが、この影響で上り63本が最高1時間10分遅れ、約7万7000人が影響を受けた。

高速道路は東関道の佐倉―潮来間が12日午前0時から通行止めになったほか、東名高速の用賀―御殿場間や中央道、常磐道など各道路で時速50キロの速度規制が行われた。西湘バイパスも高波を受けて上下線とも通行止めとなった。

空の便は日本エアシステムが大阪―松本便など3路線5便、エアーニッポンは東京と伊豆諸島を結ぶ3路線12便が欠航となった。また、エアーニッポンは、きょう12日午前中の東京―八丈島、東京―大島、東京―三宅島の3路線10便の欠航を決めた。

台風来襲のたびに、JRがマヒ状態となる千葉市で一はサラリーマンらが、怒りをあらわにしていた。《読売新聞》



10月11日 その日のできごと(何の日)