平成2578日目

平成8年1月29日(月)

1996/01/29

【仏・シラク大統領】核実験終結を宣言

フランスのシラク大統領は29日午後8時(日本時間30日午前4時)からテレビ演説し、昨年9月初め以来南大平洋・フランス領ポリネシアのムルロア環礁とファンガタウファ環礁で続けてきた地下核実験を終了すると発表した。

核実験の結果、国防のかなめである核抑止力を将来にわたり維持していく見通しを得たための決定で、当初「7−8回」とされていた一連の実験は1月27日(日本時間28日)の6回目を最後に、予定より少ない回数で終結した。

国際世論を考慮し実験を必要最小限に抑えたとみられるが、昨年6月の核実験再開の決定発表以来、国際世論の非難、反発を無視しての度重なる実験強行でフランスが受けた外交上の打撃は大きく、国際社会での信頼回復には長い時間を要しそうだ。

フランスの核実験終結により今後の焦点は、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期実現と、核実験を続ける中国の対応に移ることになる。

フランス大統領府は29日、声明を発表し、フランスはすべての核実験の中止を目的としたCTBTの年内早期締結のため努力すると述べた。また数週間内に、フランスは南太平洋非核地帯条約に調印すると述べるともに、シラク大統領が今後数カ月内に軍縮促進に向けてさらに新たな提案をすると明らかにしている。

シラク大統領の核実験終結宣言は、CTBTなど核問題が主要議題になるとみられている大統領の訪米を目前にした段階で発表された。大統領は「実験の結果、フランスは信頼できる最新の防衛力を今後も持続して確保することになった」と説明。「フランスは今後、世界の軍縮や欧州のより良い防衛のため積極的かつ断固たる役割を果たす」と言明した。

核実験の再開が、フランス国内や国際社会の懸念を招いたことについては「世論の動きに全く無関心だったわけではない」と弁明し、「核兵器こそが抑止力、つまり平和に奉仕する戦力と確信している」と述べた。

シラク大統領は昨年6月の先進国首脳会議出席に先立って、ミッテラン前フランス大統領が1992年4月に中止を決定していた核実験の再開を発表。実験は9月5日の第1回以降、模擬実験(シミュレーション)装置の開発データを得るためとして3回、既存核兵器の信頼性確保のためとして2回、新型核弾頭TN75の爆発試験として1回の計6回が実施された。《共同通信》



【NBA】マジック・ジョンソン選手が現役復帰

1991年に自らエイズウイルスへの感染を公表して引退した米プロ・バスケットボール界のスーパースター、マジック・ジョンソン選手が29日、古巣のロサンゼルス・レーカーズと契約を結んだと発表した。

当面の契約はプレーオフを含む今シーズンいっぱいまでで、契約金額は推定250万ドル(約2億6000万円)。来シーズンについてはあらためて話し合う予定としている。《共同通信》

【中曽根康弘元首相】「サミット後に解散を」

自民党の中曽根康弘元首相は29日、都内のホテルで講演し「橋本政権は早く国民の洗礼を受け、政権の正当性を回復すべきだ。来年の予算が通り、あるいは(6月27日−29日の)先進国首脳会議(リヨンサミット)が終われば解散できる」と述べ、早期に衆院解散・総選挙を行うべきだとの考えを示した。

政界再編に関して「連立は協議離婚して選挙に臨むべきだ。政治の目標、軸をはっきりさせることが大事で対立相手と手を結ぶ土性骨が必要だ」と新進党との保・保連合を主張した。

橋本政権の課題として憲法改正問題を挙げ「日本民族もアイデンティティーを求める時代になった。内閣に憲法調査会のようなものをつくり国民の意見を聴き、収れんさせることをしてもいい」と広範な論議の必要性を指摘。日米安保条約に関しては「二国間の軍事同盟」から「アジア太平洋地域の平和と安定を目的とした政治同盟」への再定義を提唱した。

住宅金融専門会社(住専)処理問題では財政資金投入の予算からの削除や予算の凍結論を否定。関係者の責任明確化の必要性を強調した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は29日朝、衆院予算委員会開幕を待つ心境を記者団に聞かれ「心臓に悪いよ。(予算委が)始まったら始まったで大変だけど」と、不透明な先行きに率直な心境を吐露。午後には、国会近くで1時間ほどはり治療。「(公邸への)引っ越しの筋肉痛」に加え、剣道で痛めた部分が再び痛み出したらしく「学生時代からの古傷。手首とか足とかいろいろ(痛みが)出てきている」とか。就任直後に「ものすごく肩が重い」と語り、その後も「肩が凝るよ」「背中が重いよ」と繰り返してきた首相、「住専国会」の重圧で凝りと痛みは全身に広がる気配?

○・・・中曽根康弘元首相はこの日、都内で講演し、先の衆院本会議代表質問に触れ「小沢『謙信』(一郎新進党首)が単騎独行で霧の中から躍り出て橋本『信玄』の陣営に切り込むかと期待したが、切り込めなかった」と川中島の合戦になぞらえてひとしきり。小沢氏の迫力不足の原因について「創価(学会)軍団も途中までついてきただけで、後に続く者がいない」と新進党内の小沢批判にあると解説。逆に橋本首相に関しては「本人も守りに強い手堅い性格だが、何より二重三重の陣営が周囲に築かれている」と強調、自らを筆頭に周りが堅固なおかげだと言わんばかり。《共同通信》

【みどり銀行】営業開始

経営破たんした兵庫銀行の業務を引き継いだみどり銀行(神戸市、米田准三頭取)が29日、正式に営業を始めた。

本店営業部で午前8時45分から行われた開店式典で、米田頭取は「地元に密着し、根を張って復興と繁栄に貢献しながら、豊かな花を咲かせていきたい」と述べ、再出発への誓いを新たにした。

みどり銀は「阪神大震災からの復興を金融面で支援する地域金融機関」との地元の強い期待を担い、神戸製鋼所、ダイエー、関西電力などの地元有力企業や金融機関など計約450社が出資し、資本金709億円でのスタートとなった。

兵庫銀から引き継いだ預金は約1兆8700億円(昨年12月末)。昨年8月末の兵庫銀破たん時には2兆円以上あったが、その後減少した。損失1785億円も受け継ぎ、今後10年間かけて収益などで償却する計画だが、地元企業との取引継続が大前提になっている。

従業員数は約2400人。現在143カ所ある店舗のうち県外分は約半数に減らすほか、県内店舗の統廃合などによる経営合理化を急ぐ。《共同通信》

【上越市いじめ自殺事件】同級生3人を補導

昨年11月、新潟県上越市立春日中学1年A君(13)がいじめを苦にした遺書を残し自殺した事件で、新潟県警少年課と上越南署は29日、いずれも同級生の13歳の少年2人と12歳の少年1人の計3人を保護者の立ち会いの下で注意、補導した。

調べによると、3人は昨年11月中旬ごろ、数回にわたり、放課後の掃除時間中にトイレで準君の服を無理やり脱がせた疑い。同県警は「服を脱がせる際にはA君の体を2人で押さえ、1人が下着を下げるという相当な侮辱行為で、14歳以上であれば暴行に当たる」としている。保護者に観護能力があることから児童福祉法に基づく児童相談所への通告はしない方針。

また同県警は今回のいじめを調べる中で、A君と同じクラスの生徒(13)をたたくなどした1年生のいずれも13歳の少年2人も同様に注意、補導した。

補導された5人のうち4人はA君が遺書の中で「いじめられた」と名指ししており、A君を無視していたことを認めている。同県警は「服を脱がせたことなどが自殺の要因の一つ」としているが、「無視」も自殺の大きな原因になったとみている。

A君の遺書には「5000円近くを取られた」と記されていたが、同県警の調べでは金を取られた事実は確認できなかったという。《共同通信》



1月29日のできごと