2000 平成12年10月3日(火)　台湾・唐飛行政院長が辞任

平成4287日目

2000/10/03

この日のできごと(何の日)

【台湾】唐飛・行政院長が辞任

台湾の唐飛・行政院長(首相)は3日夜記者会見し、「体調が悪く陳水扁総統に辞職を願い出、受理された」と発表した。健康を理由にしているが、建設中の第4原子力発電所の存廃をめぐり、政権内の対立が先鋭化、廃止を主張する陳総統との意見対立が解けないことが理由とみられる。

民主進歩党の陳総統が唐院長ら国民党員を個人の資格で閣内に取り込み5月20日に発足した超党派の「全民政権」は4カ月余りで崩壊の危機に直面した。

同原発の存廃をめぐっては、経済部(通産省)が9月30日、天然ガス発電など代替電力による建設の中止を提案する報告書を行政院長に提出。これを受けて唐院長が今月末までに最終結論を出す予定だった。

しかし、国民党や産業界などが経済部の報告に一斉に反発する中、存続派の唐院長は2日からの立法院 (国会)審議で建設の続行を明言し、野党の国民党だけでなく与党の民主進歩党からも、政権内の矛盾を突かれていた。《共同通信》

【北陸自動車道】全線四車線化

北陸自動車道の新潟県糸魚川−親不知インターチェンジ(IC)間9キロの四車線化工事が終わり、3日、糸魚川ICで式典やパレードが行われた。起点の新潟空港ICと米原ジャンクション(JCT)を結ぶ同自動車道487キロは全線四車線化され、東北と関西を結ぶ日本海回りの本州縦貫路として一層の物流活性化や交通の円滑化が見込まれる。

北陸自動車道は平成9年11月に全線開通したが、新潟県上越IC−富山県朝日IC間の73.7キロが暫定二車線の対面交通区間だった。このため、日本道路公団は10年以降、新潟、富山両側から四車線化工事を進め、最終的に残った糸魚川IC−親不知IC間を完成させた。《北國新聞》

【シドニー五輪】日本選手団解団式

シドニー五輪の日本選手団の解団式が3日午前、選手、役員計237人が出席して、東京都内のホテルで行われた。

団長を務めた八木祐四郎日本オリンピック委員会(JOC)会長は「各競技でみんなが精いっぱいやってくれた。21世紀の子どもたちに、いい手本を見せられたと思う」と大会について報告した。

2日の帰国後の会見を、疲労のために欠席した陸上女子マラソン金メダリストの高橋尚子選手(積水化学)はこの日、メダルを胸に笑顔で出席した。

団体競技を含めて総勢41人のメダリストに、オリンピック特別賞が八木会長から授与され、旗手の柔道男子100キロ超級優勝の井上康生選手(東海大)が団旗を返還して、八木団長が解団を宣言した。《共同通信》

【プロ野球・阪神】3年連続最下位決定

阪神0−1横浜◇3日◇横浜

横浜が9月20日以来の貯金1とした。四回二死二塁から多村の中前打で1点を先制。この1点を継投で守り切った。三浦は余力を残して交代し、7回無失点で11勝目。木塚が八回一死三塁のピンチを切り抜けて、17セーブ目を挙げた。

阪神は井川が7回を投げて11奪三振で1失点と好投したが、打線が沈黙し、3年連続の単独最下位が決まった。《共同通信》

◇

野村監督の開幕前の決意はこうだった。「2000年は進退をかけてやらなしゃあない」。3年契約の2年目にあたったが「それはあってないようなもの」とまで言い切った。

勝負をかけたシーズンのはずだった。しかし、阪神はこの夜、76敗目を喫し、球団史上初の3年連続最下位が決まった。皮肉にも、猛虎再建の切り札として迎えられた野村監督のもとで球団史に不名誉な記録が加わった。

就任1年目の昨季は種をまくどころか、「耕しただけ」に終わった。そして、来季へ向けて明るい材料がまったくないまま今季はあと2試合になってしまった。

「鍛えてますけど、鍛えてうまくなるならみんなうまくなりますよ」これが、低迷するチームを2年率いた率直な感想だ。《共同通信》

【中曽根康弘元首相】外交最高顧問に就任

森喜朗首相は3日午後、自民党の中曽根康弘元首相を都内の事務所に訪ね、外交問題で助言や協力を仰ぐ「首相外交最高顧問」への就任を要請し、中曽根氏も受諾した。外交最高顧問は小渕前首相時代に設置されたポスト。1998年8月以来、橋本龍太郎元首相が就任しており、2人体制となる。《共同通信》

【与野党】非拘束名簿で全面対決

国会は自民、公明、保守の3与党が前日の参院選挙制度独別委員会に続き、3日午後の衆院本会議も野党欠席のまま開会したため、参院比例代表選への非拘束名簿を導入する公職選挙法改正案をめぐる与野党の対立は一段と激化した。

与野党は同日、公選法改正案を予定通り参院に提出した。週内の審議入りを目指し、野党が欠席しても審議を進める方針であることから国会正常化のめどは立たない状態だ。

民主、自由、共産、社民の4野党は衆参両院の全審議の原則拒否を打ち出しており、衆院大蔵委員会などは流会となった。野党は3日夕、都内の街頭で抗議活動を展開、与党との対決姿勢を鮮明にした。《共同通信》

【政界談話室】

○･･･参院自民党の片山虎之助国対委員長は3日午後の記者会見で、前日午後の参院選挙制度特別委員会を野党の抗議の中で開いたことについて「どこかの新聞が『強行』と書いていたが強行ではない」と切り出した。さらに「委員会が成立したら委員長や理事を決めるのは運営として当たり前で、開かせない方がよほど強行だ」と矛先を野党に。最後には記者団に向かって「あれは『強行』ではありませんので」と“お願い”にも似たアピール。野党に対しては強気で鳴らす参院自民党だが、マスコミの論調だけには過敏？

【この日の民主党】

政権奪取運動委員会へ名称変更=党国民運動委員会

民主党は3日の常任幹事会で、国民運動委員会(田中甲委員長)の名称を、同委員会の発案により「政権奪取運動委員会」と変更することを決めた。政権交代を実現させるための諸活動を、国民各層と連携して、より活発に行うことが狙い。《民主党ニュース》

【ロシア・プーチン大統領】インド・バジパイ首相と会談

インド訪問中のプーチン・ロシア大統領は3日、ニューデリーの政府迎賓館でバジパイ・インド首相と会談し、二国間問題や南アジア情勢、国際問題などについて協議、21世紀へ向けた両国関係の基本となる「戦略的協調関係宣言」に調印した。

両国は経済、技術協力に関する計10の協定文書にも調印。プーチン大統領は会談後「ロシアとインドの国益、地政学的利害は一致している」と語った。

ロシアは中国とも「戦略的協調関係」の強化を図っており、今回のインド訪問でアジアの主要国である両国とユーラシア大陸にまたがる友好関係を構築。米本土ミサイル防衛(NMD)構想などで対立する米国による一極支配を、中国、インドと共同でけん制する態勢を整えたと言える。《共同通信》

【米大統領選】テレビ討論会

米大統領選の民主党ゴア、共和党ブッシュ両候補の初めての直接対決となるテレビ討論会が3日夜(日本時間4日午前)、ボストンのマサチューセッツ大学で開かれ、減税や社会保障改革などをめぐり、激しい議論を交わした。

討論会終了直後の世論調査による勝者判定では、米ABCがゴア氏42％、ブッシュ氏39％、CNNはゴア氏48％、ブッシュ氏41％、CBSもゴア氏56％、ブッシュ氏42％、ブッシュ氏の政策の矛盾を突いたゴア氏がやや優位に緒戦を終えた。ブッシュ氏も持論を譲らず、激しく反撃した。

史上まれにみる大接戦となっている大統領選の天王山となる討論会は全米に生中継され、数千万人に有権者が討論の行方を見守った。《共同通信》

【イスラエル軍】戦車で攻撃

イスラエル放送によると、イスラエル治安部隊とパレスチナ住民の衝突が続く自治区ガザで3日夜、激しい銃撃戦があり、イスラエル軍は衝突以来初めて戦車を投入して攻撃した。またヨルダン川西岸のヘブロンなどでも銃撃戦があった。

同日は、現場レベルの治安当局者がいったんは合意した停戦が事実上破られる形で戦闘が継続。発生から6日が経過した両者の衝突は、相互不信の増幅から当事者だけでは収拾不能な状態に陥っている。

ガザでは3日夜、イスラエル軍兵士の乗ったバスがビルの陰から突然銃撃を受け、兵士2人が負傷。同軍は戦車でこのビルなどを攻撃した。《共同通信》

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