平成3904日目

1999/09/16

この日のできごと(何の日)

【野球・五輪アジア予選】日本、五輪出場決定

日本が野球で5大会連続の五輪出場を決めた。4カ国・地域によるシドニー五輪アジア予選決勝リーグは16日、ソウルの蚕室球場で行われ、日本が中国、韓国が台湾を下した。この結果、それぞれ2勝目を挙げた日本と韓国が上位2チームとなることが確定、17日の最終日を待たずに来年のシドニー五輪出場を決めた。

日本は松坂大輔投手(西武)らプロ8選手を加え初のプロ、アマ合同チームを編成。15日の決勝リーグ第1戦の台湾戦は苦戦しながらも、松坂の13奪三振の力投もあって2−1でサヨナラ勝ちし、この日の中国戦も苦しみながらも3−0で勝った。《共同通信》

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【大相撲秋場所】5日目

大相撲秋場所5日目(16日・両国国技館)横綱、大関陣でただ一人勝ちっ放しの千代大海が、旭鷲山を一方的に押し出し、全勝を守った。関脇魁皇は安芸乃島のすくい投げに屈し初黒星。平幕の雅山は海鵬を突き出して、土つかずの5連勝とした。3場所連続休場からの再起をかける横綱若乃花は、小結武双山に一方的に押し出され、3敗で再び黒星続行となった。横綱武蔵丸は玉春日を破り1敗を守った。大関貴ノ浪は小結琴錦に敗れ2敗目、新大関出島は栃東に寄り切られて3敗目を喫した。全勝は千代大海、雅山の2人。1敗で武蔵丸、魁皇、安芸乃島、和歌乃山の4人が追う展開となった。十両は追風海が全勝でトップ。《共同通信》

【MLB】

米大リーグ、ヤンキースの伊良部秀輝投手は16日、オハイオ州クリーブランドで行われたインディアンス戦に先発、7回を投げて5安打2失点と好投し、今季11勝目(6敗)を挙げた。伊良部は連敗を2で止め、8月20日のツインズ戦以来5試合ぶりに勝利投手となった。

伊良部は一回一死一、三塁のピンチを連続三振で切り抜けると、緩いカーブでカウントを稼ぎ、力のある直球を内外角に決める配球でリズムをつかんだ。四回、甘い直球を五番トーミに2点本塁打されて同点に追いつかれたが、五回の無死二塁で踏ん張るなど追加点を許さず、相手強力打線から4連続を含む8三振を奪った。《共同通信》

【宮澤喜一蔵相、日銀・速水優総裁】緊急会談

宮澤喜一蔵相と速水優日銀総裁は16日夕、円高阻止のため都内で緊急会談し、急激な円高進行が日本経済と市場に悪影響を与えるとの認識を米国など主要国に伝え、市場介入をはじめとする政策協調を求める方針で一致した。これは、日本政府単独での市場介入の効果が限定的となる中、回復の兆しの見え始めた日本経済を円高によるダメージから守るため、今月末にワシントンで開かれる先進7カ国蔵相・中央銀行総裁会議(G7)など一連の国際金融会議の場で、日米協調介入を含む円高阻止策の実施を強く呼び掛けていく決意を示したといえる。

しかし、円高阻止の具体策が打ち出されなかったとして会談後、円が1ドル=103円台に再度突入するなど、市場は厳しい反応をみせている。

会談後、蔵相は記者団に対し、単独介入の効果が薄れていることについて「気付いている。日本の現状を関係国にもう少し分かってもらう必要があることは痛感している」と言明、訪米中の黒田東彦財務官に各国の説得に当たらせることを明らかにした。《共同通信》

【政府】多国籍軍を財政支援

政府は16日、住民投票後に騒乱状態に陥った東ティモールの安定回復のため、①東ティモールに派遣される多国籍軍を財政支援②西ティモールなどへの避難民に計200万ドルの緊急人道支援実施−を柱とする当面の貢献策を決定した。高村正彦外相が同日午後に緊急記者会見し、発表した。

多国籍軍に対する人的支援は、国連平和維持活動(PKO)協力法の枠外であるため見送ることを正式決定。ただ、外相は情勢安定後に展開するPKOへの人的貢献に関しては「積極的に参加していきたい」と表明した。

多国籍軍への支援は国連に設置される信託基金に拠出。「同基金が、自ら(派遣)経費を負担できない国に渡す形になる」(高村外相)として、実質的には東南アジア諸国などの負担軽減を目的としている。具体的な拠出額は多国籍軍の最終的な構成を見て決めるが、「日本が最も多い拠出額」(外務省幹部)になるとしている。

避難民支援は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の初期活動費として、100万ドルを拠出するほか、世界食糧計画(WFP)に拠出済みの資金のうち、100万ドルの使途を避難民への食糧支援活動に指定した。

政府は現地の状況が改善され次第、調査団を派遣し、追加的な支援策を検討するほか、東ティモールの中長期的な復興に対しても積極的に支援していく方だ。

こうした支援策は16日昼、首相官邸で小渕恵三首相、野中広務官房長官、鈴木宗男、古川貞二郎両官房副長官らが協議して決めた。《共同通信》

【自民党・加藤紘一前幹事長】PKO5原則見直しを

自民党総裁選に立候補している加藤紘一前幹事長は16日午後、日本外国特派員協会で講演し、東ティモールに派遣される多国籍軍に日本の自衛隊が参加できないのは、国連平和維持活動(PKO)協力法に基づく5原則が障害となっているためとの認識を示した上で、5原則の見直しも含めて議論する必要があるとの考えを明らかにした。

同時に加藤氏は「わが国が単なる経済援助以外に何らかの存在を示すことを考えるべきだ」と述べ、東ティモールに対しては経済援助やPKO以外の支援策を講じるべきだとし、具体策として①避難民のための交通手段の提供②治安回復後の住民の生活再建支援−を挙げた。

加藤氏は、自衛隊派遣が困難な理由として、PKO五原則が「立的立場の厳守」などを条件としている点を指摘。「独立派が抑圧されているのを守ろうという側面があるので、中立に活動するのは難しい。(凍結されている)国連平和維持軍(PKF)本体業務を解除しても、現在のPKOでも自衛隊が貢献するのは無理だ」と述べた。

その上で「新たな国際環境の中で、5原則を議論しなければならない時にきている」と強調した。加藤氏は約20分間の講演を英語で行った。《共同通信》

【小渕恵三首相】野中氏に留任を要請

小渕恵三首相は16日夜、首相官邸の執務室で野中広務官房長官と夕食を共にしながら約50分間、2人だけで会談した。

野中氏については、自民党総裁選後の内閣改造で留任を求める言が政府、自民党内で高まっており、首相はこうした声を背景に留任を要した。しかし、この日は結論が出ず、今後も話し合いを継続することになった。野中氏の辞意は固いとされるが、首相は粘り強く翻意を促す意向だ。

会談後、野中氏は「そんな(慰留)話とは違う。いろんな話をした」と記者団に語った。ただ、自民党筋は「今日は結論は出なかったが、まだ総裁選のさなかであり、人事の時期も定まっていない」としており、総裁選で首相の再選が決まった後に留任工作が本格化する見通し。《共同通信》

【民主党代表選】

16日、大宮駅東口で午後4時30分から行われた街頭演説会には、小雨がぱらつく中約400人の聴衆が集まり、駅やバス停のひさしの下で雨を避けながら演説に聴き入った。

トップバッターの横路候補は、まず介護の問題について、大阪で訪れた「ケアハウス」を例にとり、「いろいろなサービスの選択肢を揃えるために、政府・民間・市民がネットワークを組んで協力しあうことが必要」と述べた。さらに、「環境循環型社会への転換」や「情報社会への転換」など、経済構造改革の視点を示した。

鳩山候補は、この日午前に訪問した埼玉県総合リハビリテーションで懸命にリハビリに努めている人たちの懸命な姿を紹介。これを経済政策に当てはめ、「日本の経済も苦しくともリハビリをする勇気を持たなければならない」として、自立を支えるセーフティネットの仕組みづくりを訴えた。

菅候補は、「自民党総裁選挙は、これまでのやり方をそのまま守るための派閥組織の連合選挙になっている。金でしばれた派閥政治がはびこっている限り、日本の政治は変わらない」と批判、「本当に改革ができるのは民主党だけ」と強調した。また、「諫早湾干拓、川辺川ダム、吉野川河口堰は、借金だけを残し、何の役にも立たない。3事業をやめたお金で2万箇所のグループホームができる」と、公共事業政策の転換を訴えた。

3候補は、このあとそろって新幹線に乗り、宇都宮市での立会演説会へ。会場は約500人の聴衆で満員となった。簗瀬進参議院議員の司会で、まず栃木県連代表の小林守衆議院議員があいさつ。

最初に登壇した菅代表は、「日本の政治で一番問題なのは、国民が『私の1票で総理を選んだ』と誰も思っておらず、総理も『自分は国民から選ばれた』と思っていないこと」と指摘して、「総理を国民が直接選ぶことから、日本の政治のシステムを変えたい」と訴えた。さらに、ベンチャービジネスがなかなか育たない日本の教育や投資環境に触れながら、「政治の世界でもベンチャー型の政治家を送り込むのが民主党の役目」と強調した。

鳩山候補は、この日逮捕された幸福銀行の前頭取が銀行を私物化していたことに触れ、「世の中に拝金主義が横行していることに政治家として責任を感じる」と述べた。その上で、「民主党の代表選挙がポストや権力を求める争いでないことをこの選挙で示したい」と語った。また、先週訪米した簗瀬参議院議員の体験談を紹介しながら、日米の情報通信コストの差を指摘し、「アメリカの電子商取引は爆発的に増大している。この差を埋めるためには通信コストの大幅引き下げが必要」だと述べた。

最後に横路候補は、「巨大与党勢力が国会の外で密室談合して、国会は形だけにしている。これは民主主義の基本、国民主権に反する政治だ。野党第1党としてこの方向とは違う選択肢をはっきり明示することが大事」だと冒頭に強調。年金、介護政策の他、中小企業政策にも触れ、「政府のベンチャー支援策は創業5年以内の制限があるが、事業拡張のホウハウ・能力をもっていて、新しいことにチャレンジしている中小企業にも支援すべき」と提言した。《民主党ニュース》

【ロシア】住宅爆発、200人以上死傷

インタファクス通信などによると、ロシア南部ロストフ州ボルゴドンスクで16日早朝、市中心部の9階建て集合住宅前に停車したトラックが爆発、建物正面が崩れ、住民ら17人が死亡、二百数十人が負傷した。死傷者数が300人を超えたとの報道もある。

内務省など捜査当局はテロ事件とみて捜査を開始。ショイグ非常事態相は首都モスクワなどロシアで相次ぐ連続爆破テロとの見方を表明した。

連続テロ事件について捜査当局は、ロシアからの独立を主張する南部チェチェン共和国のイスラム武装勢力が関与した犯行とみており、エリツィン大統領は16日、武装勢力関係者がロシア側に侵入しないようチェチェン境界で交通を遮断し、共和国を事実上封鎖する方針を示した。

大統領は13日に全国の主要都市の警戒を強化する方針を表明したばかり。その矢先に起きた爆破事件だけに政権に対する国民の不信感が高まる恐れがある。事件後にクレムリンでプーチン首相らと会談した大統領は「われわれにはテロを根絶するだけの力と可能性がある」と述べた。《共同通信》



9月16日 その日のできごと(何の日)