平成2062日目
1994/08/31
この日のできごと(何の日)
【村山富市首相】元慰安婦へ民間基金も
五十嵐官房長官は31日、来年の戦後50年に向け、対外的な戦後処理問題への基本的方針を示した村山首相談話を発表した。首相は談話で、過去の侵略行為や植民地支配に「深い反省」を表明。「過去の過ちから目をそむけることなく、次の世代に戦争の悲惨さと尊い犠牲があったことを語り継ぎ、恒久平和に努力していかなければならない」と強調、「政治や行政が国民とともに自ら課すべき責務」と訴えた。
具体的には1995年度から10年間にわたり1000億円相当の「平和友好交流計画」事業を行う方針を説明。従軍慰安婦問題では「深い反省とおわびの気持ちを国民にも分かち合ってもらうため、幅広い国民参加の道をともに探求していきたい」として、民間からの寄付による基金構想を推進したい意向を示唆した。
今回の談話発表は、村山首相が戦後処理問題を最重要課題の一つと位置付けていることを鮮明にするとともに、村山内閣の特色を内外にアピールするのが狙いだ。
五十嵐官房長官は会見で、「平和友好交流計画」は、昨年8月の従軍慰安婦問題の調査結果公表以来、検討してきた「補償に代わる措置」と位置付け、同問題に関する日本政府として対応方針は一応の区切りをつけたとの認域を示した。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【ジュリアナ東京】閉店
人気のディスコ、東京・芝浦のジュリアナ東京が31日、閉店した。1991(平成3)年にオープンしたジュリアナ東京は、1200平方メートル、3000人を収容する広さで、「ワンレン ボディコン」の若い女性たちの圧倒的な人気を集め、社会現象にもなった。しかし、客足は次第に落ちてきたことから閉店となった。《NHK》
【JT株】売り出し価格は143万8000円と発表
大蔵省は31日、東京証券取引所などに上場される日本たばこ産業(JT)株式(額面5万円)の一般向け売り出し価格を143万8000円とすると発表した。人気を反映し、民営化株の売り出し価格としては、1986年のNTT株の第一次売り出しや昨年のJR東日本株を上回る高値となった。《共同通信》
【技術試衛星・きく6号】静止軌道入り断念
宇宙開発事業団は31日、軌道変更用エンジン(アボジエンジン)の異常で静止軌道への投入が遅れていた技術試衛星「きく6号」の軌道変更に再挑戦したが、同エンジンは正常に噴射しないまま復旧せず、軌道変更は不可能となった。山野正登同事業団理事長は同日午後7時すぎ、科学技術庁で記者会見し「静止軌道への投入を断念。衛星の静止化は失敗」と発表、陳謝した。
日本の自主開発の衛星が軌道投入に失敗したのは、昭和54年の実験用静止衛星「あやめ」、55年の同「あやめ2号」に次いで3回目。
H2ロケットと並んで、大型衛星でも自主技術による開発を目指していた日本の宇宙開発は、415億円を投じた初めての大型国産衛星の失敗で、信頼を大きく失うことになる。《共同通信》
【政界談話室】
○…東南アジア歴訪から帰国したばかりの村山首相は31日、特に大きな行事もなくゆったりとした日程だったが、それでも東南アジア各国に劣らない日本の残暑には「暑いのう」とうんざりした表情。記者団から、与党統一候権の苦戦を伝えられる参院愛知再選挙について尋ねられると「戦いはこれからじゃ」と闘志を見せたものの、「帰国早々、難問山積ですね」との質問に「そうそう。いろいろ大変じゃから」と一人何度もうなずき、残暑以上の厳しさが予想される政局に思いをはせていた。
○…台湾を訪れている新党さきがけの渡海紀三朗院内幹事らはこの日午前、銭復外交部長と会談後、テレビカメラに囲まれ「広島アジア大会への李登輝総統招待問題にはどう対応するのか」「さきがけの田中秀征代表代行は中国のクレームで台湾訪問をやめたのか」と矢継ぎ早の質問を浴びた。渡海氏らは「今回は議員個人の旅行だし、友好親善が目的。政府とは何の関係もない。田中代行の訪問中止も中国の問題ではなく、参院愛知再選挙のためだ」と説明に躍起。前夜の台北空港到着時にも大勢の報道陣の取材を受け「予想外の注目ぶり」に驚いた様子。《共同通信》
【日経連・永野健会長】「亀井運輸相こそあさっての世界」
「(亀井運輸相の発言こそ)あさっての世界の話の気がする」ー。日経連の永野健会長は31日の記者会見で、時給制スチュワーデスの採用問題で亀井運輸相が「永野会長はあさっての方向でも向いているのか、耳を疑いたくなる」などと批判したことに対し、改めて反論した。また、農業問題で「瑞穂の国に生まれたのを忘れたのか」と抗議した農水省の鶴岡俊彦事務次官に対しても、「瑞穂の国というのは天照大神のころの話だ」とはねつけ、気炎を上げた。
会見で、永野会長は亀井運輸相の批判に対し、「普通なら怒るところだが、あの人の人徳なのか怒る気にもならない」と皮肉たっぷりに心情を語った。さらに、「スチュワーデスの採用は、昨年も今年もなかった。時給制でも採用を歓迎するのは当然の話」と重ねて強調。また、「私に対して、新生党に近いというような見方もあるようで、(運輸相とは)話がかみ合わない」と言い切った。
時給制スチュワーデス問題で、永野会長は「女子の就職環境は厳しく、時給制でも就職できるのはよいこと」と発言。これに対し、運輸相は「安全や働く者の身分保障に注意を払わず、19世紀の悪い経営者の考え方だ」と非難していた。一方、農業問題について永野会長は「生活レベルが天照大神のころのままでいいなら分かるが、(農業の現状では)今の生活レベルは楽しめない」と農業改革の持論を展開した。《共同通信》
【ドイツ軍】ロシアから撤退
半世紀近くにわたり旧東ドイツ地域に駐留すてきたロシア軍(旧ソ連軍)の撤退完了を記念する送別式典が31日、ベルリン市内で行われた。ロシア軍はこの日式典参加を最後に冷戦の最前線だったドイツから完全撤退、欧州の東西対立の歴史が幕を閉じることになる。
式典にはロシアのエリツィン大統領やドイツのコール首相らが出席。両首脳は旧東ベルリン地区のジャンダルメン広場で、駐留ロシア軍のブルラコフ総司令官から完了の報告を受けた後、広場に面したシャウシュビールハウス内で演説した。
コール首相は、撤退が順調に行われたことを「欧州の将来にとって重要かつ希望にあふれた兆候である」と評価、ドイツとロシア両国の永続的な友好関係の構築を訴えた。エリツィン大統領は「戦後の時代は過ぎ去った・た。それは協力と友好の時代によって取って代わられるだろう」と強調した。《共同通信》
【サッカー・三浦知良選手】セリエA公式戦デビュー
ホームアンドアウエー方式のトーナメントで争うサッカーのイタリア・カップ2回戦、チェゼーナージェノアの第1戦は31日、チェゼーナ(イタリア)で行われ、一部リーグ(セリエA)のジェノアに移籍した三浦知良が公式戦デビューした。
三浦はJリーグの川崎、日本代表で慣れ親しんだ街番号「11」をつけて先発出場、FWのポジションで90分間フル出場したが、二部リーグでもトップクラスの実力を持つチェゼーナの厳しいマークで、得点を挙げることはできなかった。試合は後半24分にFKで得点したジェノアが1−0で勝った。
三浦知良 初の公式戦からといって、特別興奮することはなかった。ただ、自分の出来はよくなかったと思う。《共同通信》