平成3170日目
1997/09/12
この日のできごと(何の日)
【北海道拓殖銀行、北海道銀行】合併が事実上白紙に
北海道拓殖銀行(札幌市)と北海道銀行(同)は12日午後、それぞれ臨時取締役会を開き、来年4月1日に予定していた合併を延期することを正式決定、河谷禎昌拓銀頭取と藤田恒郎道銀頭取が札幌市内で共同会見し発表した。
延期の期限について拓銀の河谷頭取は「来年10月1日の合併に向け最大限努力する」と説明したが、道銀の藤田頭取は「妥協は許されない」と、合併交渉で最大の障害になった拓銀の不良債権処理に厳しい姿勢を示しており、合併は事実上「白紙撤回」されたと言える。
不良債権に苦しむ銀行同士がリストラ効果を発揮できる「大型地域銀行の誕生」と期待された両行の合併は、合意発表から5カ月余りで挫折した。大蔵省・日銀の金融再生シナリオが大きく見直しを迫られることになった。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【大相撲秋場所】6日目
大相撲秋場所6日目(12日・両国国技館)大関若乃花が蒼樹山を送り出し、6戦全勝で単独トップを守った。横綱貴乃花は小結魁皇を、横綱曙は巌雄を、それぞれ危なげない相撲で寄り切り1敗をキープ。栃乃洋を寄り切った大関武蔵丸と、平幕の栃乃和歌を合わせた4人が1差で若乃花を追う展開。大関貴ノ浪は旭鷲山の下手投げに横転し3勝3敗。新鋭同士の一番は新関脇栃東が出島を寄り倒し4勝2敗とした。十両は大和と時津洋が5勝1敗で並んでいる。《共同通信》
【中国共産党・江沢民総書記】「独自路線」も継続重視
中国共産党の江沢民総書記は12日、新時代のスタートとなる第15回党大会の活動報告で、伝統的なマルクス主義から離れ、資本主義的手法を大胆に取り入れた経済発展戦略を掲げ、軍事面でも1980年代の100万人兵力削減に続く50万人削減を表明するなど「独自路線」を打ち出した。
しかし、いずれの政策も故鄧小平氏が敷いた路線の延長線上にあり、政治体制でも直接選挙制度の拡大など思い切った改革を打ち出せずじまい。新機軸とは言い難い、継続重視の「江沢民カラー」をにじませるにとどまった。
活動報告の中で唯一、新鮮味があるのは、国有企業への株式制の積極導入の部分。株式制も公有制の一部と初めて理論的に位置付け「社会主義でも株式制を使える」と提唱した。これまで本格着手できなかった企業改革に大きく踏み出し、資本主義社会とほぼ変わらない企業制度が出現する可能性がある。
しかし、株式制の試行は80年代に鄧氏の手で既に始められており、保守派の反撃で積極的に推進できなかっただけなのが実情だ。江総書記は保守派を説得するため社会主義の初級段階論を繰り返し、社会主義路線堅持を唱えるだけで、鄧氏の理念を一歩も踏み出していない。
軍事面でも、兵力削減は規定方針で、鄧氏の新時代軍事戦略を踏襲して「精兵化の道を歩む」と主張しているだけ。経済体制改革に比べ、大幅に遅れている政治体制改革については慎重な姿勢を崩さなかった。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・小渕恵三新外相は12日、外務省での外相交代式で「池田行彦前外相は昭和12(1937)年5月13日生まれ。私は同じ年の6月25日生まれ。橋本龍太郎首相も同年7月29日。生まれた順でいくと、この順番で首相になっても良かったかなと思う」とポスト橋本への意欲をにじませた。河野洋平、瓦力、愛知和男氏らも挙げ「みんな同じ年の生まれで、政界での当たり年だ」と言ったまではよかったが、最後は「オルブライト米国務長官、イラクのフセイン大統領も同じ年だ」。「国際通」をPRしたいばかりに「独裁者」まで引き合いに。
○・・・自民党の山崎拓政調会長はこの日の講演で所属する旧渡辺派の内情に触れ「閣僚ポストをめぐってドロドロする弊害が派閥に残っている」。「気の合った者が集まればいいが、うちはそうではない。顔を見ればけんかする状態だが、私は面罵されるのを甘受しているだけだ」と被害者ぶりを強調した。石油卸商から名指しされた多額献金問題には「明らかに政治的陰謀だ」と懸命に切り返したが、「一点集中で非難の放射能にさらされ、いま生きているのが不思議なくらい」と動揺ぶりもちらり。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】「(佐藤氏の起用は)批判覚悟」
橋本龍太郎首相は12日午後、首相官邸で記者会見し、ロッキード事件で有罪が確定した佐藤孝行総務庁長官の起用について「批判は承知で選んだ。自らの名誉を取り戻すため、死に物狂いでやることに期待をかけた」と行政改革での手腕を期待した人事であることを強調した。新内閣の最大の課題として「6大改革を軌道に乗せる」と表明。不退転の決意で臨む考えを示した。
首相は行革の焦点である郵政3事業見直しで、国民の意見を聴いて進める考えを明らかにするとともに、郵便貯金については「問題の根幹は財政投融資の使われ方だ。行政改革会議の中間報告で、資金運用部に預託しないことが掲げられた」と、民営化の方向は揺るがないとの判断を示した。
財政と金融の分離問題では「要はルールづくりで、(大蔵省の権限を)どう限定するかだ」と述べ、大蔵省の金融に関する権限を市場信用秩序維持に限定することが重要との認識を示し、分離には応じないとの考えを強調した。
日米防衛協力のための指針(ガイドライン)見直しでは「中国の納得を得ることは難しいかもしれないが、その努力をしていかなければならない」として、安保対話などを通じ懸念払しょくを図る考えを表明。
佐藤総務庁長官起用について、首相は「批判は重く、感じる」としながらも、①自民党行革推進本部長としての実績②選挙で何度も審判を受けている―を挙げ、「二度のチャンスが与えられていい。厳しい批判を吹き飛ばす活躍をしてほしい」と理解を求めた。《共同通信》