平成1696日目
1993/08/30
この日のできごと(何の日)
【政府、連立与党5会派】首脳会議
政府と連立与党5会派は30日昼、首相官邸で首脳会議を開き、衆院小選挙区比例代表並立制を軸とする政治改革関連法案を政府提案で臨時国会に提出することを確認した。連立与党間で合意した政治改革法案骨格のうち、政治家個人への企業・団体献金禁止や総額600億円の政党助成について国民への説明が不十分との認識で一致。政府与党の統一見解を早急にまとめ、国民の理解を求めていくことで合意した。 連立与党側は、国会論戦を活性化するため、各省庁幹部が閣僚に代わって答弁する政府委員制度の廃止を含む見直しを提案。議員立法を目指して法改正作業に着手することを了承した。与党側が人事院勧告の早期完全実施を要請したのに対して、細川首相は「できるだけ努力する」と述べた。首相は政府の規制緩和、円高差益還元の具体策取りまとめについて説明し、党側に協力を要請した。 会議では、政党助成額の算定根拠が不明確と批判が出ていることについて、小沢新生党代表幹事が「個人への企業・団体献金を即刻禁止するのは大変意義がある。政党助成の額だけが宣伝され過ぎている」と指摘。個人への企業・団体献金禁止で政治献金が大幅に規制され、政治活動に必要な政治資金を賄うために公的助成が必要になることを政府与党の統一見解で強調し、国民に理解を求めることになった。 政治改革の法案化作業に関して、山花政治改革担当相は「精力的に取り組んでいかなければならない」と作業を急ぐことを表明。個人献金を促進するための制度税額控除にするか、所得控除にするかについて早急に結論を出すよう藤井蔵相に要請した。
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武村官房長官は30日午後の記者会見で、細川内閣が公約した政治改革関連法案の「年内成立」の意味について「法案が衆参両院で通ることが目標だ」と述べ、衆院通過だけでは公約を果たしたことにはならないと明言した。 武村長官は「(連立与党内で政治改革関連法案の)骨子がまとまり、ほっとしている。法案作成作業に大車輪で取り組み、提案の運びになる」と、年内成立に自信を示した。《共同通信》
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【国土庁】島原市の集団移転事業を承認
国土庁は30日、長崎県雲仙・普賢岳の噴火災害の被災世帯96戸を集団移転させるため島原市が申請していた防災集団移転促進事業計画を承認した。事業費は約10億8000万円、本年度から3年間で実施する。3年目を迎えた普賢岳噴火災害では初の集団移転で、噴火災害による集団移転事業は有珠山噴火に伴う北海道・虻田町(21戸)と三宅島噴火災害での東京都・三宅村(301戸)に次いで全国3例目。
集団移転する96戸は、警戒区域に指定されている普賢岳ふもとの水無川流域の世帯で、このうち87世帯は長崎県が同市内に造成中の団地に移転、残りの9世帯は独自に移転先を見つける予定。事業が実施されると、住宅購入資金を借り入れる際、一世帯当たり518万円の利子補助に加え移転費補助66万円、農家に対しては離農補償金213万円が支払われる。
水無川流域の大規模砂防堤建設などで移転促進対象となっているのは208戸だが、今回集団移転する96戸を除く112戸は建設省の砂防事業などが実施される際に移転する。《共同通信》
【大相撲秋場所】番付発表
日本相撲協会は30日朝、大相撲秋場所(9月12日初日・東京、両国国技館)の番付を発表した。若ノ花が大関に昇進し、弟の貴ノ花と並んで史上初の兄弟同時大関が実現。小結以上では若貴兄弟らの二子山勢とハワイ勢、佐渡ヶ嶽部屋の力士で占められ、この3つの勢力が対抗する図式が一層明確になった。
1横綱、3大関の陣容は昭和47年秋場所(横綱北の富士=現陣幕親方、大関清国=現伊勢ケ浜親方、琴桜=現佐渡ケ嶽親方、大麒麟=現押尾川親方)以来。
二子山勢は、貴ノ花に3場所遅れて大関に上がった若ノ花が西正位に。名古屋場所で横綱曙、若ノ花とともに最後まで優勝を争った東大関の貴ノ花は、北の湖(現親方)の持つ21歳2カ月の史上最年少横綱記録更新のラストチャンスに臨む。また貴ノ浪が西関脇、貴闘力が東小結にいる。
ハワイ勢は横綱曙のほか、先場所かど番を脱出した小錦が東張出大関、武蔵丸が連続7場所目の関脇で東。佐渡ヶ嶽部屋は実力者の琴錦が西張出で4場所ぶりに関脇へ復帰し、ホープの琴の若が初の小結に昇進した。山形県出身の琴の若は、昭和34年九州場所の柏戸(現鏡山親方)以来、34年ぶりの同県からの新小結となった。
入幕は新が専大中退でプロ入りした大器、武双山、再が立洸と玉海力の2人。幕下最下位格(60枚目)で初土俵を踏んだ武双山は幕下、十両を計4場所で通過した。これは学生出身力士では朝潮(現若松親方)、吉井山と並ぶ1位の記録。学生出身の幕内力士は史上最多の8人となった。元高校教師の智ノ花は東前頭10枚目に浮上した。十両昇進は陸奥北海、清の富士、大日岳、金作改め将兜の4人で、いずれも新。《共同通信》
【関西空港】連絡橋の使用開始
来年9月の開港を控え、大阪湾に建設中の関西国際空港と対岸の大阪府泉佐野市を結ぶ空港連絡橋の使用が30日、始まった。運輸省関係者や関西国際空港会社の職員などに限った使用で、建設作業員や資材はこれまで通り海上輸送する。
同空港会社は「慣熟作業を円滑に行い1年後の開港に間に合わせるのが目的。準備作業のため一日に何度も往復する人員が利用し、コンピューターなどの精密機械も運ぶ」と話している。《共同通信》
【新生党・小沢一郎代表幹事】「二大政党を基本に」
新生党の小沢代表幹事は30日朝、静岡県・函南町で開かれている党研修会で講演し、今後の政界再編の展望について「政権担当能力のある二つ以上の勢力が存在し、競争し切磋琢磨して政権を担っていくのが議会政治の在り方だ」と述べた。これは細川首相が「穏健な多党制」が望ましいと発言していることに配慮しながらも、二大政党を基本とした本格的な政界再編を進めていく意向を示したものだ。
小沢氏は細川連立政権の成立について「これが最終の姿ではない。私たちが目指すのはなれ合いやもたれ合いにより、結果としてうそをつき責任を取らない政治の打破だ。こういう体制を崩すのがわれわれの第一歩だった」と強調、5会派による連立政権はあくまで第一段階との認識を示した。
政治改革関連法案については「お互い譲り合った結論を基に次の国会で成し遂げる」と述べ、九月召集予定の臨時国会で実現する強い決意を示した。
自民党の政治改革をめぐる動きに対しては「政権欲しさのため、それまで反対してきた小選挙区比例代表並立制に(7月下旬)賛成と言いながら、今となっては“本当は反対だ”などと言っており、果たして制度改革の法案を出せるのか疑問だ」と述べ、自民党の一部に法案の提出を見送る動きがあることを批判した。
また「国民はもっともっと進歩的でリベラルな改革を望んでいる」と指摘した上で「政治改革はその第一歩」と位置付け、政治改革を土台に行政・経済の改革に取り組む意向を示した。《共同通信》
【イスラエル・ラビン首相】パレスチナ暫定自治「合意、既に成立」
イスラエルのラビン首相は30日、連立与党の会合で演説し、パレスチナ解放機構(PLO)との間で占領地の暫定自治に関する合意が既に成立したと明らかにし「平和の地平が今、開かれようとしている。合意がワシントンで調印されることを確信している」と述べた。
ラビン首相は、PLO側との合意が最終的にペレス外相とPLO幹部とのオスロ会談で形成されたことを明かし、占領地パレスチナ住民による自治を「ガザから始め、エリコ自治機関設置の場所とすること」が合意の条件だ、と述べた。
ラビン首相はPLO側との合意の内容について、暫定自治期間中は占領地のユダヤ人入植者が現状のままとどまり、入植者や国境の治安をイスラエル側が受け持つと述べ、イスラエル軍は占領地の人口密集地から移動はするが、占領地から全面的に撤退するわけではないと説明した。首相はさらに、暫定自治の区域には東エルサレムは含まれず、暫定自治合意は占領地の最終的地位を左右しないと述べた。
またペレス外相は同日、国会で、「ユダヤ人とパレスチナ人の100年に及ぶ紛争の歴史に幕が降ろさ」れようとしている」と述べ、合意文書の調印と自治実現に強い期待を表明した。《共同通信》
【テニス・松岡修造選手】全米初戦快勝
テニスの四大大会今季最終戦、賞金総額902万2000ドル(約9億3800万円)を懸けた全米オープンは30日、ニューヨークのナショナル・テニスセンターで開幕。男女シングルス1回戦を行い、男子の松岡修造(富士ゼロックス)はアンドレイ・オルホフスキー(ロシア)に6−2、6−3、6−2でストレート勝ちした。しかし、女子の沢松奈生子(松蔭女大)はパトリシア・ヒー(カナク)に6−4、1−6,5−7で敗れた。
松岡は第1セット第2ゲームで相手のサービスをブレークして波に乗り、一度も相手にブレークを許さずに快勝した。沢松は第1セットを先取したものの、第2セットを簡単に失い、最終セットも競り負けて姿を消した。
女子第1シードのシュテフィ・グラフ(ドイツ)はロビン・ホワイト(米国)を6−3−、6−0で退け、4年ぶり3度目の優勝と全仏オープン、ウィンブルドンに続く四大大会3連勝へ向けて順調なスタートを切った。第3シードのマルチナ・ナブラチロワ(米国)もグロリア・ピッツィキーニ(イタリア)に6―0、6−1で圧勝した。《共同通信》