平成1697日目
1993/08/31
この日のできごと(何の日)
【名古屋地検】新間正次参院議員を起訴
昨年7月の参院愛知選挙区から民社党公認で立候補し当選したが、選挙公報で学歴を詐称したなどとして公職選挙法違反(虚偽事項の公表)容疑で書類送検された新間正次議員(58)=名古屋市昭和区、現在は無所属=について名古屋地検は31日、同法違反の罪で新間議員を在宅のまま起訴した。
「虚偽事項の公表」の条項での起訴は極めて異例で、国会議員としては初めて。有罪が確定すれば、公選法の規定で当選は無効となる。新間議員の秘書は同日午前、「進退はまだ決めていない」としている。一方、民社党愛知県連は同議員に近く辞職を勧告する。
起訴状によると、新聞議員は当選を得る目的で、事情を知らない民社党愛知県連の職員に「明治大入学、中退」という虚偽の事実を伝え、虚偽の学歴を選挙公報や新聞などに載せさせた。また選挙運動中の昨年7月16日ごろ、名古屋市内での演説会で約700人の聴衆に「中学生時代にスイスに福祉留学した」などと偽った。
新間議員の経歴詐称が明らかになると、支持団体などを含めて厳しい批判が噴出。市民団体の告発を受けて愛知県警が昨年10月に書類送検した。名古屋地検は新間議員を今夏まで数回にわたって聴取、当選目的で学歴詐称に議員自らが関与していたとの確信を得た。新間議員は明治大入学などの事実がないことを認め、民社党離党に追い込まれたが、その後も議員辞職の意思はないことを強調し続けていた。
この問題では、同参院選で落選した候補が愛知県選管を相手に新間議員の当選無効を求めて提訴。名古屋高裁は昨年12月、訴えを棄却(今年7月最高裁で確定)、刑事上の訴追にゆだねる判断を示し、捜査結果が注目されていた。《共同通信》
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【政府】住宅建設の規制緩和
政府は31日夕、首相官邸で緊急経済対策閣僚会議の初会合を開き、景気・円高対策の柱となる規制緩和と円高差益還元について、各省庁の事務当局が提出した60の検討項目を基に各閣僚が意見交換した。
この中で先に各省庁が示した項目に加え①住宅供給促進のための容積率緩和制度の積極活用②酒類の販売免許を一定規模以上の百貨店や大型スーパーに与える③自動車の6カ月点検を廃止するなど車検制度の見直し、などが対策に盛り込まれることになった。
会議では細川首相が「内容を充実することで相当程度の効果が期待できる。今後さらに検討項目の充実や新たな措置の上積みに努力してほしい」と要請。今後の調整作業では住宅や土地規制の緩和を中心に、さらに追加策を検討していくことで合意した。
また会議後の会見で石田総務庁長官は「規制緩和や差益還元だけでなく、大筋の景気対策が必要と発言した閣僚もおり、(それは)改めてやることになる」と語り、政府が打ち出す景気対策には財政金融策も盛り込まれるとの考えを示唆した。
政府は今後具体的な対策づくりを急ぎ、9月20日前後をめどに景気対策を正式決定する。この日の会議には、住宅建設規制の緩和のほかスーパー、百貨店などの営業時間規制の緩和、ガソリンスタンド設置の制限区域緩和、ビールの小口醸造の解禁などが示された。輸入促進策では、食品の日付表示変更や建築資材の輸入検査簡素化、割高な時間外通関手数料の引き下げも盛り込まれた。《共同通信》
【自民党】改革本部が初総会
自民党は31日午後、党本部で河野総裁も出席して党改革本部(野田毅本部長)の初総会を開き、党再生に向けた課題や方策を協議した。特にテーマを設けない自由討論形式で行われ、出席した衆参両院の116人の議員からは、冷戦終結後の時代に対応した新しい党の基本理念を打ち出すよう求める意見や党名変更の必要性を指摘する意見が続出した。
党改革本部は、当選回数ごとの代表者らで構成する党改革検討委員会を設置。①候補者の選定方法、地方組織の整備など選挙制度改革に伴う課題②党の新理念構築、派閥解消問題、議員の定年制など党運営の課題ーを二本柱に党改革に取り組むことになった。
冒頭のあいさつで河野氏は「新しい、明るい、たくましい党風を樹立するために力添えをいただきたい」と党改革に全力で取り組む決意を強調。「党改革は、議員一人ひとりの改革でもある。議員の改革なくして党改革はできるとは思わない」と指摘し、議員の意識改革を促した。
自由討論では、新しい党の理念づくりに関し「党是を見直し、社会党まで視野に入れたリベラルな国民政党を国民に訴えるべきだ」「党の理念、基盤をどこに求めるのか、社会党風の路線論争をすべきだ」「新しい政策軸が必要」などの意見が相次いだ。これに関連し「自民党いう名前の持つ歴史的意義は終了した」などとして登名の変更を求める発言が目立った。
一方、党運営に関しては、派閥解消や党議拘束緩和の要求や「総理経験者ら党の長老は、さわやかに第一線を退いてもらいたい」という「世代交代論」も出された。《共同通信》
【自民党・森喜朗幹事長】河野総裁再選に協力を
自民党の森幹事長は31日、渡辺派会長の渡辺美智雄元外相、三塚派会長の三塚博前政調会長、河本派会長の河本敏夫元国務相をそれぞれ訪れ、9月末の総裁選に関連して「党全体が一丸となって難局を乗り越えていかないといけない」と述べ、河野洋平総裁の無投票再選に協力を求めた。
これに対し渡辺氏は「党の結束を乱してはいけない」と、党内結束優先の必要性を認めたが、河野氏再選の協力要請には「7月の総裁選で任期は2年と決めておけば良かった」と述べるにとどまった。渡辺氏は7月の総裁選で河野氏と争い、208票対159票で敗退したが、派内の一部にはなお秋の総裁選に再挑戦すべきだとの意見が出ている。
河本氏は「総裁選では派を挙げて河野氏を応援した。総裁の健闘を祈っている」と述べ、河野氏再選を全面的に支持していく考えを示した。三塚氏も再選に理解を示した。森氏は9月1日には小渕派会長の小渕元幹事長とも会談する。
宮澤前総裁の辞任に伴い総裁に就任した河野氏の任期は宮澤氏の残り任期の9月30日まで。このため、9月17日告示、26日投票の日程で改めて総裁選が行われる。《共同通信》
【政界談話室】
○…羽田副総理兼外相は31日、閣議後の記者会見で、政府委員制度廃止について「何年も前から言ってきた。与野党が互いに質疑で新たな発想を持たなければならない」と賛成論を展開した。しかし「次の国会で自ら実践するのか」と問われると、「質問による。細かい条約や法律を覚えられっこない」とトーンダウン。「外交は継続性だ。国と国との関係は大事だ。それを小さな頭の中で得意げに自分の言葉でベラベラしゃべって“全然違っていました”では、信頼が失われてしまう。格好だけで済む問題じゃない」と弁明に努めていた。
○…この日、新生党の愛知和男・政策担当常任幹事は、前日、田中元首相の長女、真紀子衆院議員が細川政権批判に父親譲りの熱弁を振るったばかりの外国特派員協会で講演した。「昨日は面白かったようだが、私の方が堅苦しくても内容は上」「野党になると勝手なことを言えるんですかね」と皮肉った上で、英語でスピーチ。しかし「3カ月間は政治改革が最重要課題だから、国連へ行って演説するのは反対」と細川首相訪米反対論をぶって、外国特派員から「米大統領を避けるのか」と突っ込まれるなど、意気込みの割には会場はしらけ気味。《共同通信》
【韓国国会】元、前大統領に絡む「疑惑」調査開催
韓国国会の国防、建設両委員会は31日、韓国軍の兵器導入疑惑など盧泰愚前、全斗煥元両大統領に関する3件の疑惑について、国政調査権に基づく調査を始めた。
金泳三政権の改革旋風に乗って監査院が前、元両大統領を調査したのを引き継いだ形で、韓国政局は当面、両氏に対する疑惑解明をめぐって与野党が攻防を繰り広げそうだ。
国政調査の対象は①1979年に全元大統領らが実権を握った「粛軍クーデター(12・12)事件」②全元政権下で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の巨大ダム計画に対抗して建設した「平和のダム」疑惑③前政権下の次世代戦闘機の機種選定を中心とする兵器導入疑惑の3件。
国防委は同日、調査日程を協議し、兵器導入疑惑に関して9月6日に李鍾九前、李相薫元両国防相(速捕済み)ら当時の軍首脳9人を証人、参考人喚問する。また粛軍クーデター事件について同委は、9、10の両日、事件の現場調査や証人の証言を聴取する。《共同通信》
【テニス・伊達公子選手】復帰戦で逆転勝利
テニスの四大イベント今季最終戦、全米オープン第2日は31日、ニューヨークのナショナル・テニスセンターで男女シングルス1回戦などを行い、日本勢では左ひざ故障で休んでいた伊達公子(ヨネックス)がカトーリナ・アダムズ(米国)を1−6、6−1、6−1で下し、2カ月半ぶりの試合をものにした。こ
のほか、長塚京子(ルネサンスTA)も3−6、6−0、6−2でラドカ・ボブコバ(チェコ)に勝ったが、神尾米(ブリヂストンスポーツ)はナタリア・メドベデワ(ウクライナ)」に1-6、4-6で敗れた。
男子第1シードのジム・クーリア(米国)は6-1、6-3、6-3でマルコ・ゴレツ(スペイン)を破り、全豪に続くタイトル獲得へ好スタートを切ったが、同第6シードのミヒャエル・シュティヒ(ドイツ)、同第16シードのアンドレ・アガシ(米国)、女子第7シードのジェニファー・カプリアティ(米国)は姿を消した。《共同通信》