平成2049日目
1994/08/18
この日のできごと(何の日)
【H2ロケット】発射直前に打ち上げ停止
宇宙開発事業団が、種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げを予定していた純国産大型ロケットH2の2号機は、18日午後4時40分の発射直前、固体ロケットブースターが点火せず、打ち上げを緊急停止した。ロケット本体と搭載した技術試験衛星「ETS6」には異常はないという。
同事業団はロケットから液体燃料を排出、原因の究明を急いでいるが、原因は打ち上げ手順制御監視装置(CDS)の回路部分で部品に故障があった可能性が高いとみている。同事業団のロケットの打ち上げが緊急停止したのは、平成元年のH1ロケットに続いて2回目。故障部品の交換と全体の点検のため、打ち上げは少なくとも今月23日以降になるとしているが、これまで順調に進んでいたH2の信頼性に微妙な影を落としそうだ。
緊急会見した打ち上げ実施責任者の五代富文事業団理事らによると、射場周辺は天候も良好で、準備作業は順調に進行。3分10秒(190秒)前からは、コンピューターにより自動的に秒読みが進み、発射6秒前には主エンジンのLE7エンジンに点火した。
しかしロケット本体の両わきに2基付いている固体ロケットブースターは点火せず。ロケットが打ち上がらなかったため、LE7の燃焼も発射予定時刻の4秒後に自動的に停止した。また点火の直前に火薬で切断されるはずだったブースターと地上を結ぶ8本のボルトも切られず、点火直後に脱落するはずの燃料供給用の管も抜けていなかった。
これらはいずれも、ロケット打ち上げを地上で監視、制御する装置のコンピューターから指令が出される仕組みになっているため、事業団の担当者はこの指令の回路のどこかで部品に故障があったのではないかとみて調べている。《共同通信》
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【鈴木誠也さん】誕生日
【東京都渋谷区】テレクラ嬢が強盗
18日午前1時20分ごろ「ラブホテルで女性2人組に特殊警棒で殴られ財布を奪われた」と千葉県市川市に住む会社員(38)が警視庁渋谷署に届け出た。女性2人は圧力電流銃も用意し、会社員を裸で縛り上げて写真を撮り、警察に届けないように脅すなど悪質で、同署は強盗傷害容疑の疑いで捜査するとともに、2人の似顔絵を公開した。
調べによると、会社員は17日午後10時ごろ、東京都渋谷区内のテレホンクラブの電話で知り合った女性と食事した後、女性に誘われて同区桜丘町のラブホテルに向かった。チェックイン時に、ホテル前には別の女性がおり、会社員は誘われるままに3人で部屋に入り、直後に背後から襲われたという。《共同通信》
【村山富市首相】早期訪中の意向
政府筋は18日朝、村山首相の中国訪問について「できるだけ近いうちにということだ」と述べ、早期実現の方向となっていることを明らかにした。同筋は訪中の日程について、9月30日召集とみられる臨時国会前は難しいとの見通しを示した。
また、戦後処理問題に関して「中国は(この問題で)そんなに言ってくる国ではない」と指摘、問題が未決着でも訪中には支障ないとの見方を強調した。《共同通信》
【新生党・小沢一郎代表幹事】留任
新生党は18日午前の常任幹事会で、小沢代表幹事が羽田内閣総辞職の責任を取って辞表を提出している問題を協議した結果、今後の党運営に小沢氏の存在は不可欠だとして代表幹事留任を正式に決めた。同時に、党内に閣僚経験者らによる「顧問会議」(6人)を新設するとともに、現在の常任幹事会(幹部6人で構成)の枠を13人に拡大することを決定、党内民主化の徹底を図ることになった。
これに先立ち羽田党首(前首相)や渡部代表幹事代行らが17日夜、小沢氏を交えて都内で会談し、小沢氏の代表幹事復帰で一致した。この際、奥田前衆院議運委員長は党内に根強い小沢批判を解消するため、党内民主化の確立を強く求めた。
新生党内では小沢氏主導の政局運営の結果、野党に転落したことに加え、新・新党結成を急ぐ小沢氏に野党各党が警戒心を募らせている実態を踏まえ、小沢氏批判が公然と出ていた。《共同通信》
【政府、与党】ザイールに自衛隊派遣
政府与党は18日、ルワンダ難民支援策として国連平和維持活動(PKO)協力法の「人道的国際救援活動」に基づく周辺国への自衛隊派遣方針を正式に確認。陸海空自衛隊を含む防衛庁と外務省、総理府の13人で構成する第2次調査団(団長・山崎外務省総合外交政策局審議官)を23日から10日間程度、ザイールのゴマ難民キャンプなどに派遣することを決めた。石原官房副長官が記者会見で発表した。
石原副長官は自衛隊部隊の派遣先について、フランス軍のルワンダ撤退を目前に新たな大量難民の流入がされるザイールに絞りたいとし、9月下旬に派遣できるよう予防接種などの準備を急ぐ考えを強調。現地での機材・補給物資空輸に自衛隊輸送機を使用することも「念頭に置いている」と言明した。
政府与党の方針決定を受けて村山首相は静養先の神奈川県箱根町で記者団の質問に答え、派遣自衛隊員の護身用武器携行を認める考えを示した。
調査団は22日に成田を出発。ナイロビ経由で救援物資の集積場所となっているウガンダのエンテベ空港を視察後、90万人近い難民がいるザイール東部のゴマ難民キャンプや、既に30万人が逃れ、さらに大量流入する可能性のあるプカブなどで実情を調べる。《共同通信》
【政界談話室】
○…村山首相は18日昼、神奈川県箱根町のホテルで静養中の福田元首相を訪ねて懇談した。エネルギーや環境問題などで話が弾んだが、それよりも「89歳じゃってな」と大先輩の若さに驚いた様子。その後、予定になかった散歩を宿舎近くで約10分間楽しんだ。「やっぱり歩かんとね。腹がすかんけん、腹ごなしじゃ」と記者団に説明し、健康法については「見たままじゃ。歩いたり、できるだけ体を動かすことかね」とあまり興味がないことを強調したが、元首相との懇談後に急に散歩を始めるところなど、明治38年生まれの若さに刺激された?
○…山口敏夫衆院議員はこの日、社会党の離党議員と国会内で記者会見、政策グループ「リベラルの会」の結成を発表。「新・新党結成について正式な会議で発言する必要があると考えた」と、野党党首会談への出席切符を手にすることが目的と言わんばかり。新・新党結成に逆行する印象についても釈明に追われ、「一歩後退、十歩前進で役立ちたい。今は(各党が)屋台を並べているが、トランク一つで(映画の)寅さんみたいに働く」と強調した。しかし山口氏は離党経験も「豊富」だけに、最後は寅さんのようにまた旅に出るとの声も。《共同通信》
【日経連・永野健会長】村山政権に懸念
日経連の永野健会長は18日午前、山梨県富士田市の研修所で始まった日経連の経営トップセミナーであいさつし、村山政権について「開かれた、海外から見て分かりやすい日本という(改革の)方向が、現政権になってブレーキをかけられた気がする」述べ、改革路線の後戻りに懸念を表明した。
永野会長は「村山政権は、公共料金の凍結を解除し、本年度産の生産者米価を事実上引き上げるなど、(日本の高い物価を引き下げる)方向に反しており、大変心配している」と述べた。さらに今の自社連立について、自民党と社会党は保守的な体質で共通しており、個別利益の保護という姿勢を今後も続ければ、日本にとって最悪のシナリオになる、と厳しく批判した。
日本経済の再活性化のためには賃金を下げ、物価も下げるというプロセスが必要として、来年の春闘での賃上げ問題で労組側をけん制した。
春闘の在り方については「多くの産業は、先行産業の賃金決定を見て、世間相場に追随して決めている」と見直しの必要を強調。価格破壊などで物価が下落している中では、賃金の凍結だけでなく引き下げも検討すべきとの姿勢を示した。《共同通信》