平成4234日目
2000/08/11
この日のできごと(何の日)
【森喜朗首相】「日本新生プラン」前倒し
森喜朗首相は11日午後、静養先の神奈川県箱根町のホテルで記者団と懇談し、今秋に平成12年度補正予算案を編成するとともに、この補正予算案には13年度予算案に盛り込む「日本新生ブラン」の一部を前倒しして取り入れる考えを明らかにした。首相は10日夕、堺屋太一経企庁長官に電話でこの意向を伝え、調整を急ぐよう指示した。
これは日銀のゼロ金利政策解除の経済への影響を考慮し、財政面での景気下支えを図ったもの。
首相は補正予算案の性格について「日本経済全体の下支えと同時に日本新生の骨格となるものを中心にしたい」と説明。日本新生プランは「情報技術(IT)の推進」や「環境問題への対応」など重要4分野を掲げており、首相が特に力を入れているIT分野への予算配分が行われる見通し。
首相は「(同プランを)先行させていくことが大事だ。民間企業が新しい芽を吹いていくようバックアップすることが政府の役割だ」と述べた。
◇
夏休み中の森喜朗首相は11日夕、静養先の神奈川県箱根町の芦ノ湖湖畔を秘書官らと散策し、休日を楽しんだ。
ぎくしゃくした関係が続いていた首相番記者にも「みんなご苦労さん」と声をかけ、湖畔で約40分にわたり和やかに懇談した。
森相はピンクのシャツにグレーのジャケット姿。「4月3日以降初めて8時間寝たな」と、リラックスした表情を見せた。
首相はこの日、先の主要国首脳会議(沖縄サミット)やオーストラリアのラグビーチームの試合を収録したビデオを観賞したほか、ロシアのプーチン大統領の自叙伝、今月下旬からの南西アジア訪問に向けた資料などに目を通した。温泉にも二度入ったという。
夏休み前、記者団に対し「皆さんがいないでくれればね」とも話していた首相だったが、この日は官房副長官時代の思い出話を披露するなど終始上機嫌。「こんなに話をするのは初めてじゃないか。いい関係を築きたいんだけどね」と関係修復に意欲を見せた。《共同通信》
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【岡山金属バット母親殺人事件】校長らを処分
岡山県立邑久高校の金属バット殴打事件で、岡山県教育委員会は11日、事件を未然に防止できなかったとして同校の校長(60)を減給10分の1、教頭(54)を戒告の懲戒処分にした。
また、少年が野球部内で後輩部員からいじめを受けていたのが犯行動機とされたことから、県教委は顧問として指導が不十分だったとして、野球部の部長(48)と監督(36)の両教諭を文書訓告とした。《共同通信》
【第82回全国高校野球選手権大会】第4日
第82回全国高校野球選手権大会第4日は11日、甲子園球場で1回戦4試合を行い、浜松商(静岡)樟南(鹿児島)浦和学院(埼玉)柳川(福岡)が2回戦に進んだ。浜松商は七回に逆転し、坂本−鈴木岳の投手リレーで福井商(福井)に2−1で競り勝った。昨夏ベスト4の樟南はエース青野が投打に活躍。山梨学院大付(山梨)を4−1で下した。浦和学院は先発の坂元が毎回全員の、大会最多タイとなる。19三振を奪い、1安打で完投。八幡商(滋賀)を2−1で退けた。柳川は右腕香月が15三振を奪う好投で、旭川大高(北海道)に9−2で勝った。《共同通信》
【日本銀行】ゼロ金利解除を決定
日銀は11日の政策委員会・金融政策決定会合で、景気下支えのために昨年2月から続けてきたゼロ金利政策の解除を賛成多数で決めた。解除条件としてきた「デフレ懸念払しょくが展望できる情勢」になったのが大きな理由。政府は「時期尚早」と強く反対を表明し、改正日銀法に定められた「議決延期請求権」を初めて行使したが否決された。
政策金利の引き上げは平成2年8月以来、10年ぶり。具体的には短期金利の基準物である「無担保コール翌日物」金利の誘導目標を、現行の実質0%から「平均的にみて0.25%前後」とする。新金融調節方針は14日から実施。公定歩合(現行年0.5%)は据え置く。
解除に伴い、一部都銀は15日から普通預金金利を引き上げるなど、預金金利はわずかに上がる。
会合後に会見した速水優総裁は「金融が大幅に緩和された状態は維持される」と述べ、今回の決定が「異常事態」からの脱却であることを強調。どのタイミングで何をやるかと言う事は、私どもの判断で責任を持って決める」とし日銀の自主性と独立性を重視したことを明らかにした。
総裁は政府と日銀間で基本的な景気認識に差はないとしたが、政府が請求権行使で最後まで反対姿勢を示したことで、今後の円滑な経済運営に課題を残した。《共同通信》
【この日の民主党】
日銀のゼロ金利解除で談話=岡田克也財政金融NC大臣
民主党は11日、日本銀行が政策委員会・金融政策決定会合で昨年2月から続いている「ゼロ金利政策」の解除を決めたことについて、「妥当と考える」と評価する岡田克也財政・金融担当ネクスト大臣の談話を発表した。
一方で、ゼロ金利解除に反対した政府・与党の姿勢を「政治からの独立性を高めた改正日銀法の趣旨に反し、わが国金融行政の信頼性を大きく損なうもの」と批判。
日銀に対しては「ゼロ金利政策解除が金融引き締めを意味するものではなく、また弾力的な金融政策が維持されていることを、明確にアナウンスする必要がある」と求めている。
ゼロ金利政策の解除について(談話)
2000年8月11日
民主党ネクスト・キャビネット
財政金融担当大臣岡田克也1.本日、日本銀行政策委員会は、金融政策決定会合において、いわゆるゼロ金利政策の解除を決定した。本来、金融政策は、日銀がその責任において決定すべきものであり、民主党としては、日銀の決定を尊重する。
2.ゼロ金利政策は、世界史上も例のない異常な政策であり、金融政策における自由度を奪うものであることから、いつまでも継続すべきものではなく、今回の決定は妥当と考える。しかしながら、景気の現状はなおも厳しく、デフレ懸念は完全には払拭できない情勢にあることも事実である。ゼロ金利政策解除が金融引き締めを意味するものではなく、また弾力的な金融政策が維持されていることを、日銀は明確にアナウンスする必要がある。
3.森総理をはじめとする政府・与党は、ゼロ金利政策の解除を阻止するため、日銀に対し強い政治的圧力をかけ続けた。これは、政治からの独立性を高めた改正日銀法の趣旨に反し、わが国の中央銀行たる日銀、ひいては、わが国金融行政の信頼性を大きく損なうものである。民主党は、政府・与党のこうした姿勢を厳しく批判し、森政権にはわが国金融・経済の構造改革は決して断行できないことを、強く申し上げる。《民主党ニュース》