平成4927日目

2002/07/05

この日のできごと(何の日)

【長野県・田中康夫知事】不信任決議案「可決」

「脱ダム宣言」に代表される田中康夫知事の政策や政治手法に反発した長野県議会は6月議会最終日の5日、本会議で「稚拙ともいえる政治手法により県政の停滞、混乱を招いた」とする知事の不信任決議案を可決した。賛成44、反対5だった。

知事は引き続き、県政運営に意欲を持ち、辞職や失職による出直し知事選に前向きとされる。県民やマスコミの反応を見定め、15日に方針を発表する予定だが、本会議後の記者会見では「(方針は)未定」と述べるにとどまった。

知事不信任案の可決は、記録がある1957年以降、汚職事件に絡む76年の岐阜県知事1件だけ。政治手法をめぐる知事不信任は初めて。

決議は不信任の理由として(1)「長野モデル」の発信と称して自己の理念の実現を優先させた(2)市町村長や県議会との合意形成を軽んじた−ことも挙げた。

県議会は定数62、現在の議員数は2人欠員の60人。不信任案は民主系と自民系でつくる最大会派の県政会31人、県政会から飛びだした政信会9人、民主・公明系の県民クラブ8人が共同提出した。

社民党系の社会県民連合7人も知事の政治手法には批判的だが「時期尚早」として採決に参加しなかった。県政会の1人は当初から体調不良を理由に議場に姿を見せず、3人は投票前に退席した。共産党5人は反対票を投じた。

地方自治法の規定では不信任案は出席議員の4分の3以上で可決される。出席議員が49人だったことで、可決ラインは37人だった。

知事は今後(1)10日以内に議会を解散(2)10日経過後に自動的に失職(3)10日以内に辞職(4)10日以内に議会を解散し自らも辞職−のいずれかを選ぶ。

記者会見で知事は「厳粛に受け止めております。県民の多くの考え、思いに耳を澄ませ(対応を)判断したい」と述べた。

退席した県政会の議員の一人は「(田中知事を以選んだ)県民の意向と気持ちを重んじなければならない」と話した。《共同通信》

与党3党は5日、長野県議会が田中康夫知事への不信任決議案を可決したことを「長野県の事情」(青木幹雄自民党参院幹事長)と平静に受け止める一方、辞職や失職による「出直し知事選」に田中氏が出馬する可能性は高いとみて対立候補擁立を模索する動きも始まった。

出直し知事選について与党は、保守系県議団などによる「候補を立てるのが筋」(自民党首脳)としている。ただ田中氏再出馬の場合「一時の勢いはなくなったとはいえ(選挙には)強い」(保守党幹部)と、厳しい選挙戦になるとの見方が強い。「相当な知名度を持った候補が必要」(橋本派幹部)との声も上がっており、不信任への県民世論の動向を注視している。

小泉純一郎首相は5日夜、田中康夫知事への不信任決議案が可決されたことについて「私が口出しすべき問題ではない」と述べ、コメントを避けた。首相と田中知事は改革姿勢で共通点があるとの質問には「長野県と国政は違う。私は国政の場で多数の議員の協力が得られるよう努力している」と、田中知事との違いを強調した。

民主党の菅直人幹事長は5日午後の記者会見で、長野県議会で田中康夫知事の不信任決議案が可決されたことに関連し「田中知事のダム構想はかなり、わが党の考え方と共通する部分がある。少なくとも私自身は、ある種の共感を持っている」と述べ、個人的な田中知事支持の姿勢をにじませた。

社民党の福島瑞穂幹事長は会見で「(脱ダム構想の)議論を尽くす前に、軽々に不信任すべきでない」として、県議会による不信任案可決を批判した。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【衆院総務委員会】郵政法案を可決

衆院総務委員会は5日午後、郵政関連法案を与党3党の提案により一部修正した上で、与党などの賛成多数で可決した。9日の衆院本会議で可決される見通しで、参院では10日の本会議で趣旨説明と質疑が行われ審議入りする。

5日の総務委では採決に先立って小泉純一郎首相が出席して質疑。首相は信書便法案について「郵便事業の国家独占に風穴をあけた」と意義を強調するとともに、郵政3事業の民営化については「必要だと思っている。(公社化の)後のことは自由に議論してほしい。私も自由に議論する」と意欲を示した。《共同通信》

【九州南西海域工作船事件】中国、漁業補償で5億円要求

東シナ海の中国の排他的経済水域(EEZ)内に沈没した朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)籍とみられる不審船の引き揚げをめぐり、中国政府が日本政府に対し漁業補償として約5億円を支払うよう要求していることが5日分かった。日中関係筋などが明らかにした。

日本側は「1億円程度」(同筋)に収めたい意向で、漁業補償をめぐる交渉は引き揚げ作業と並行して本格化する。

中国側はこれまでの協議で漁業補償は求めていたが、具体的な額は明らかではなかった。

北京の外交筋によると、中国側の要求は過去の漁業実績を基に不審船が沈没した昨年12月22日から、引き揚げ作業終了までを見込んだ補償額。事件直後から起算したのは、日本側の巡視船が事件後からずっと現場海域で警戒を続けているためとしている。《共同通信》

【テッド・ウィリアムズさん】死去

「最後の4割打者」と言われる米大リーグの往年の強打者、テッド・ウィリアムズ氏は5日、静養先だったフロリダ州シトラス郡の病院で死去した。83歳。長年、心臓を患っており、心臓の手術や入退院を繰り返していた。

20歳で大リーグに昇格し、いきなり145打点を挙げてタイトル獲得。41年には打率4割6厘で初の首位打者に輝いた。大リーグでは以降、60年以上も4割打者が誕生しておらず、このため「最後の4割打者」と呼ばれている。42年、47年の2度三冠王を獲得し、46年と49年の2度最優秀選手(MVP)。結局、首位打者には計6度、本塁打王と打点王のタイトルは各4度獲得。66年には野球殿堂入りした。《共同通信》

【この日の民主党】

菅幹事長、住基ネットの廃止を強く求める

菅直人幹事長は5日の定例会見で、住民基本台帳番号ネットワークの凍結、田中真紀子前外相の予算委員会招致を求めるとともに、在瀋陽総領事館事件関係者の処分問題、帝京大学問題について政府・与党の対応を批判した。

住民基本台帳番号ネットワークの8月5日からの稼動について、小渕政権期、個人情報の保護が適切に措置された後に同ネットワークを導入するというのが政府方針だったと指摘。「(政府が)いんちきな個人情報保護法案を出してくるものだから、この国会では(同法案)は通らない。8月5日の開始は断念し、凍結すべきだ」とし、「民主党は同制度の廃止を強く求める」と述べた。

また菅幹事長は、田中前外相の秘書給与流用疑惑問題に関して、自民党の調査結果が出されたが、国民の理解を到底得られるものではないと指摘。「(田中議員は)予算委員会で正々堂々と質問に答え、国民が納得できるようにすべきだ」と同議員および自民党の不誠実な対応を批判した。

在瀋陽総領事館事件に関する外務省関係者の処分については、いわゆる法律上の処分ではない便宜的な処分が大半である点を指摘。「極めて軽い処分である」と述べるとともに、「全体に格好だけをつけたが、本質的な反省がない」と自浄作用が全くない外務省を強く批判した。

帝京大学にまつわる問題に関して菅幹事長は、脱税は重大な事件であるが、大学入試から卒業までが金銭によって左右されてきたことは一層深刻な問題だ、と述べた。さらに、自民党議員への献金が3,000万円を上回っているとされる問題については、「なぜそれだけ多額の献金を受けることになったのか。関係者から説明を聞く必要がある」と徹底的に事件を追及していく考えを示した。

佐藤(観)議員、5増5減案への自民党内の異論を批判

衆議院議員選挙区画定審議会の新たな区割り勧告に基づく公職選挙法一部改正案(5増5減法案)の審議が、衆議院政治倫理の確立および公職選挙法改正に関する特別委員会で5日、実質的にスタートした。

民主党の佐藤観樹議員は、30分間の質疑の中で、この法案によって衆議院小選挙区間の「一票の格差」が最大で現行の2.573倍から2.064倍に縮小し、格差が2倍を超える選挙区が現行の95から9に減少することを評価する一方、まず各都道府県に1議席ずつ配分する基数配分制度があるために、2倍以上の選挙区がまだ残っていることについて「忸怩たる思い。本来は格差を限りなく1にすることこそわれわれの使命だ」と表明。

佐藤議員はまた、自民党内に「3増3減案」などの異論があり、修正の含みを残していることについて、「国会で決めた法律に基づき、審議会に区割り勧告を委ねている。この案を尊重しないのは、『天に唾するもの』だ。尊重義務が国会にはある」と批判した。

片山総務相は、「政府としてもそのように思っている」と述べる一方、「基数配分を廃止して格差を完全に1に近づけるべきではないか」との問いに「廃止論と存続論の両論がある。現行制度は、各都道府県を大きくても小さくても一つの単位として見る考え方に立っている」と見直しに消極的な答弁。

これに対し佐藤議員は、過疎地への配慮などは別の政策で実現すべきであり、「一票の格差」是正はあくまでもそれとして取り組むべきだと反論した。

[衆院総務委]与党修正を含む郵政関連4法案が可決

衆議院総務委員会は5日、郵政関連法案をめぐる総理出席の質疑に続いて、同法案の採決を行った。その結果、政府提出の郵政公社法案および同施行法案は与党の修正案が通って修正議決され、信書便法案、同関係法整備法案はそのまま可決された。民主党は、信書便2法案と与党の2つの修正案に反対した。

採決に先立つ質疑で民主党から質問に立った安住淳議員は、郵政事業への民間参入の見通しをめぐって小泉首相を追及。「信書便法案が成立すると、どの民間会社が参入し、どういう競争になるのか」と質した。首相は、「特定の民間会社を念頭においていない。民間会社に郵政事業をめぐっての創意工夫を促す規制改革をやるということ」などとあいまいに答えた。

安住議員は、「民間企業はこの法案に対して、“民間官業化法案だ”“この法律では入れない”と言っている。参入して来なければ、競争にならない。その場合は、省令でハードルを下げるのか」と畳みかけた。しかし首相は、ガイドライン案(「信書の定義に関する政府の考え方」)でクレジットカードや地域振興券などを民間でも扱えるようにしたことを挙げて、「かなりはっきりしたものが入っている」などと述べ、参入がなかった場合の対応については何も答えられなかった。

さらに安住議員は、「今回の法案の成立が“改革の一里塚”だと言うなら、二里塚、三里塚はあるのか」「次にやるのは、簡保、郵貯の問題にメスを入れることではないか。はっきり言うべきだ」などと首相に迫った。だが首相は、「今回は公社化のための法案。その後は自由闊達にあるべき姿を議論してほしい」などとごまかした。

続いて質問に立った後藤斎議員は、与党の修正案では郵政公社による民間企業などへの出資が先行し国庫への納付が遅れることから、公社の肥大化の問題が出てくると指摘。また、公社化によって消費者の利益になるどんなサービスがでてくるかを質した。片山総務相は、ATMの自由な設置、郵便局ネットワークを利用した新事業などを予想しているとした。

後藤議員は、郵便局が福祉などの分野で自治体行政サービスを兼務し地域コミュニティに大きな役割を果たしている面があると指摘。民営化とともに、そうした役割を過疎地・地域対策として維持していくため、地域コミュニティネットワーク法などの整備が必要だと提起した。

採決の討論では、荒井聡議員が法案に対する民主党の態度を明快に表明。郵政公社法案については、郵貯や簡保の問題に手を着けないなど不十分な内容を指摘するとともに、「民間との競争の中から活力を見いだす意図も見受けられる」と評価した。与党の修正案については、国庫納付金を免除し、民間への出資を柔軟に認めるなど「官のいいとこ取り修正だ」と指摘。「族議員との妥協による焼け太り修正案には反対である」と表明した。また、信書便法案については、具体的な信書の定義がなく、許認可でがんじがらめに民間をしばるものだと批判。「民間を入れない民営化法案」だとして反対の態度を明らかにした。

採決で民主党は、政府提出の信書便法案、同関係法整備法案には反対、郵政公社法案および同施行法案に対しては、与党提出の修正案には反対し、その部分を除く政府案には賛成した。しかし、信書便関連2法案、与党修正の郵政公社関連2法案が、与党3党および社民党の賛成で可決された。

田中真紀子議員の予算委員会における参考人招致求める

民主党の高木義明国会対策副委員長は5日の代議士会で、田中真紀子議員の秘書給与疑惑について「われわれはかねてからこの問題に対して、国会の場で真相解明することを訴えていた。与党は参考人招致を政倫審で行うとのことであるが、民主党としては予算委員会などの公開の場で行うことを求めていく」と述べた。《民主党ニュース》



7月5日 その日のできごと(何の日)