平成3093日目

1997/06/27

この日のできごと(何の日)

【東京都議選】告示

昨年の衆院選以来、最大の選挙となる東京都議選が27日、示された。今回から1減の127議席をめぐり、午前中に予想の顔ぶれがほぼ届け出を済ませ、9日間の選挙戦がスタートした。立候補者数は前回6人上回る264人で、定数の約2倍を超える激戦。投票日は7月6日で即日開票され、同日夜、大勢が判明する。

前々回は「消費税」、前回は「政治改革」が争点になり国政を先取りした政党が躍進した。今回は来年夏の参院選の前哨戦として自民党をはじめ各党とも第一声に党首らを投入。中央政界の流動化を反映し、都議選に初挑戦する民主、新進など各党からは複数政党の「相乗り候補」が目立ち、選挙結果は新たな政界再編にも影響を及ぼしそうだ。《共同通信》

7月6日投開票の東京都議選は、「来年の参院選の前哨戦」(自民党・加藤幹事長)、「日本の政治の将来のリトマス試験紙」(民主党・菅代表)などと位置付けられている。それだけに告示日の27日、各政党クラスの間で、都政の課題だけでなく、現在の政権の枠組みや「保・保連合」の動きをめぐっても激しい舌戦が展開された。

新進党の小沢党首は「今日の政権が今の日本の閉塞状況を作り出している。理念や政策によって構成されていないからだ」と述べ、自社さ3党の現政権の枠組みを厳しく批判した。これに対して、社民党の土井党首は「憂慮すべき心配な動きが国政の中で起きている。保・保連合とか憲法を作り直そうという動きだ」と、小沢氏らが進めようとしている保・保連合の動きに懸念を示した。

民主党も鳩山、菅両代表が「新進党は今、崩壊寸前だ」「都議選では、新進党はいわば試合放棄という状況だ」と新進党を批判したうえ、保・保連合に対抗するリベラル勢力の核として支持を訴えた。ただ、リベラル勢力といっても具体策は不明。

太陽党の羽田党首もこの日、「保・保連合は危険な道だ」とし、民主党や新進党の反「保・保」グループ、新進党を離党した細川元首相らとの連携を訴えたが、今のところかけ声だけに終わっている。

一方、自民党の加藤幹事長は、橋本首相がノルウェーでの同行記者団との懇談で、参院選まで一貫した体制をとる必要があるとの認識を示し、加藤氏らの続投を示唆したことを受け、「来年の参院選にはずみをつけて臨み、日本の政治を真に安定させていきたい」と強調した。《読売新聞》

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【日本小型自動車振興会】森且行さんを選手登録

人気アイドルグループSMAPの元メンバーでオートレーサーへの転向をはかっていた森且行さん(23)が27日、東京の日本小型自動車振興会で同振興会の小津修二会長から選手登録証を授与された。7月6日に埼玉県川口市のオートレース場でデビューする。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・社民党の土井たか子党首は27日、東京都議選の第一声を各党首脳と競った。「国会議員も少ない。もっと候補者を出せと言われるが、14人で闘う」と小政党の悲哀をにじませ「数が少なくても、正直にやるべきことをやる」と力説した。ところが、一方で「数は力。悪いこともあるが、「多数決原理は議会制民主主義のルール。数があるかないかは避けて通れない」と「数の論理」を展開。社会党委員長時代は数を頼む自民党に牛歩戦術などで抗戦してきた土井氏だが、都議選で第二党に躍進した栄光の記憶もあるだけに、やっぱり「数は力」が本音?

○・・・新進党の小沢一郎党首はこの日、東京都議選の公明候補応援に駆け付け「公明24人の候補者を全員当選させていただ-きたい」と訴えた。新進、公明の候補者は一部の選挙区でぶつかっているが、小沢氏は「国政は一緒にやっている。公明と新進党は本当のパートナーだ。今後とも手を携えて国民、都民のために頑張りたい」と友党に最大限のエールを送った。新進党を支援する友愛会幹部との会食の直前キャンセルや「保保連合」の動きに対し、支持団体から批判が出ているのを気にしてか、ひたすら低姿勢。《共同通信》

【地附山地滑り訴訟】長野県に5億円賠償命令

昭和60年7月、老人ホームの26人が死亡した長野市の地附山地滑り災害をめぐり、有料道路建設が原因などとして、住宅被害を受けたふもとの団地住民35人と3法人が道路管理者の長野県に総額約10億7000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で長野地裁は27日、地滑りは予見できたとした上で、道路管理の落ち度を認め、国家賠償法に基づき県に総額約5億円の支払いを命じた。

判決理由で斎藤隆裁判長は「県が委託した地質調査会社の指摘通りに対策をとっていれば、地滑りを回避できる可能性があった」と行政側の怠慢を厳しく指摘した。提訴から10年ぶりの今回の判決は、行政に開発の在り方に見直しを迫るとともに、今後の同種災害訴訟にも影響を与えそうだ。

判決は「道路建設時に特別な対策をとらなかったことはやむを得ないが、道路の排水設備の不備による地下水の貯留と、建設時の切り土と盛り土で斜面が不安定化したことが地滑りの誘因となった」と判断した。その上で「道路を中心に変状が発生していた上、会社側が危険性を指摘した56年には、地滑りが団地にまで及ぶことが十分予測できた」と述べた。さらに①道路は施設周辺の住民らに危害を加えないだけの安全性を備えていなければならない②水抜きをしていれば、大崩落は起きなかったと推測できる−などと県の責任に言及した。

現在も宅地を所有する原告の被害算定に当たっては「いまだに地滑りに対する不安感が消えないため地価は災害当時より3割ほど下落している」とし、下落分の賠償を認めた。《共同通信》

【第九管区海上保安本部】寺越武志さんの死亡認定を取り消し

昭和38年5月、日本海に出漁したまま行方不明となり、24年後の62年に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)での生存が確認された石川県志賀町出身の寺越武志さん(47)の死亡認定について、第九管区海上保安本部(新潟)は27日、認定の取り消しを決め、武志さんの母親友枝さん(66)=金沢市在住=に通知した。

九管本部によると、本人と面会できない状態にある人の死亡認定を取り消したのは国内では初のケースで、志賀町は近く、友枝さんからの申請に基づき戸籍の死亡記載の訂正を行う予定。抹消された武志さんの戸籍は約32年ぶりに復活する見通しとなり、友枝さんらが切望する武志さんの一時帰国受け入れの進備の一つが整ったとはいえ、帰国実現のめどはまだ立っていない。

九管本部の今回の決定は武志さんが平壌で友枝さんと面会した際、志賀町の当時の自宅の間取りなどを正確に覚えていた点などが有カな根拠になったとみられ、同本部の「死亡認定審議委員会」の久保良雄委員長は「生存を確認したわけではないが、生存している可能性が極めて大きいと判断した」としている。

武志さんは昭和38年5月11日、叔父ら二人とともに漁船「清丸」に乗って福浦港から出掛けたまま「方不明となり、翌12日に無人で漂流している「清丸」が発見されたが、武志さんらの姿はなく、肉親からの申請を受けた九管本部は40年5月25日に死亡を認定した。

しかし、62年になって突然、武志さんとともに出漁した叔父から北朝鮮で生存している手紙が届き、友枝さんは計4回訪朝し、武志さんと再会している。友枝さんらは今年5月、戸籍の回復を目指して金沢海上保安本部に死亡認定取り消し願を提出。九管本部は審議委員会で再会した際のビデオテープや武志さんからの手紙などの証拠書類を基に検討を進めていた。《北國新聞》



6月27日 その日のできごと(何の日)