平成3094日目

平成9年6月28日(土)

1997/06/28

【酒鬼薔薇聖斗事件】14歳少年逮捕

神戸市須魔区友が丘のA君(11)=市立多井畑小6年=殺害事件で、兵庫県警須磨署捜査本部は28日、殺人、死体遺棄容疑で、現場近くに住む市立友が丘中3年の少年(14)を逮捕した。少年は容疑を認めた上で「A君とは顔見知りだった。(対象は)A君でなくてもよかった」などと供述。捜査本部は少年の自宅から、犯行に使われたとみられるナイフや犯行声明の封筒に張られたのと同じ赤いテープを押収した。

殺害後、切断した遺体に挑戦状を添えて自分の通う中学校正門前に放置、報道機関に犯行声明を送り付けるという犯罪史上まれにみる残虐な事件は、事件発生から36日目に解決へ向かった。少年の逮捕に地元住民や教育関係者は大きな衝撃を受けている。

捜査本部は、動機などを追及するとともに、3月16日の白昼、現場近くで小学生の女児2人が襲われ、死傷した通り魔事件との関連も追及する。

調べによると、少年は5月24日午後2時から3時ごろまでの間に、A君の自宅近くの通称「タンク山」頂上にある有線テレビ施設付近で手で首を絞めて殺害した後、同施設内でのこぎりなどを使って遺体を切断。遺体を施設に隠し、頭部を友が丘中正門前に遺棄した疑い。近所の人の話によると、少年はおとなしく、目立たない生徒で、最近は学校を休んでいた。また、A君とは兄弟を通じて知り合いだ一ったという。

同級生によると、少年は5月中旬、自分が猫を殺したことを言いふらした友達を殴り、学校を休んでいた。殺して埋めた猫を同級生に見せたこともあったという。また小学6年生の時に見た映画の中に「(人間が)野菜に見えるから人殺しではない」という内容のせりふがあることを周囲の友人に話していた。

現場近くでは犬や猫が殺される動物虐待が相次いでおり、捜査本部が虐待癖のある人物を集中的に捜査した結果、少年が浮かんだ。28日朝から任意同行を求め調べたところ容疑を認めたため午後7時5分、逮捕した。少年は「ナイフとのこぎりで遺体を切断した」「施設に付いていた南京錠は捨てた」などと供述している。《共同通信》

「神戸市須磨区の小学生殺害事件の犯人を逮捕しました」。捜査本部が置かれた須磨署では午後9時35分、詰め掛けた100人近い報道陣を前に、小林敏恭署長と山下征士県警捜査一課長が会見した。

静まり返る会見場で、山下課長が「小学生殺人事件の被疑者の検挙について」と、用意した発表文を読み上げた。重々しい低い声。時々顔を上げ、報道陣を見る。ゆっくりした調子だが、特異な事件がようやく決着に向かう興奮を隠せないのか、短い発表文を何度か読み違えた。「動機については重大な関心を持って調べている」。記者からの質問を避けるかのように記者会見はわずか5分ほどで終了、二人とも最後まで表情は硬いままだった。《共同通信》

「酒鬼薔薇聖斗」は14歳の中学3年生。神戸の小6男児殺害事件で28日逮捕された容疑者は、A君と顔見知りだった。頭部を切断して自分の通う中学の校門に置く残忍で大胆な手口。報道機関に送りつけた難解な「犯行声明」。学校では「おとなしくて目立たない生徒」だった少年を「A君でなくてもよかった」と犯行に駆り立てたものは何だったのか。動機や手口のなぞを追った。

「捕まれば恐らく吊されるであろう」。神戸新聞に4日、送られた犯行声明には逮捕されたときは極刑を覚悟するような記述があった。なぜそこまで思い詰めて顔見知りのA君を残虐な手口で殺害したのか。同じ犯行声明で、容疑者は「透明な存在であるボクを造り出した義務教育と、義務教育を生み出した社会への復響も忘れてはいない」と動機をほのめかしていた。

少年に学校で何があったのかははっきりしない。だが自分の通学する中学の校門に頭部を置くという異常な犯行の裏には犯行声明から読み取れる学校への恨み以上のものがあったのではないかとみられる。

犯行声明の文面も「目立たない生徒」というイメージからは遠い。魚住和晃神戸大教授は頭部に「挑戦状」を添え、神戸新聞に「犯行声明」を送ったことについて「自分の『美』に陶酔しているかのような徹底した美意識が感じられる。人間としてのバランスを欠く閉鎖性の強い子供ではないか」と分析。

また「挑戦状」には「積年の大怨に流血の裁きを」とのくだりがあり、年齢の高い犯人像をうかがわせる。ような「積年」「大怨」などの難しい言葉を使っていた。しかし、その後の調べで、これらの言葉は少年向け劇画のタイトルの一部だったことが判明。読者層は主に10代半ばの少年で時代がかった表現も「劇画」の影響だった可能性が強まっている。

少年はA君の祖父宅近くに住み、祖父宅に遊びに通うA君と顔見知りになっており、A君に不安を抱かせずに殺害現場のタンク山まで誘い出したとみられる。しかし「A君でなくてもよかった」と供述しながら、凶器のナイフやのこぎりを用意するなど最初から遺体切断を計画していたこともうかがえる。

当初、車を使った犯行とみられ、不審な乗用車の目撃証言も数多く警察に寄せられたが、犯行時間が日中にもかかわらず、A君を運れた少年の姿の目撃はない。最後にA君が目撃された北須磨公園から直接、殺害現場のタンク山に行ったのかなど、動機、手口とも解明すべき点は多い。《共同通信》



【サッカーW杯予選】日本1-1オマーン

サッカーのワールドカップ(W杯)フランス大会アジア1次予選第4組は28日、東京・国立競技場で2回戦の最終戦2試合を行い、日本代表はオマーン代表と1−1で引き分け、
勝ち点16(5勝1分け)で同組1位となり、10月の最終予選(会場未定)を決めた。

日本はオマーンの粘り強い攻撃を意識し、最終ラインを3人で守り、中盤を厚くした布陣で臨んだ。前半4分、山口(横浜F)の弾んだシュートに中田(平塚)が頭で合わせて先制。この早い時間での得点で落ち着いた日本だが、後半18分、サミルのシュートで同点に追い付かれ、引き分けた。

第1試合はマカオ代表が2−1でネパール代表に逆転勝ち。第4組最終成績は2位が勝ち点13のオマーン、3位がマカオ、4位がネパールとなった。《共同通信》

【マイク・タイソン耳噛み事件】

世界ボクシング協会(WBA)ヘビー級タイトルマッチ12回戦は28日、ラスベガスのMGMグランドガーデンで行われ、チャンピオンのイベンダー・ホリフィールド(米国)が、前王者で同級1位のマイク・タイソン(米国)のかみつきによる反則行為で、3回終了相手失格で初防衛に成功した。昨年11月にタイソンからタイトルを奪って3度目のヘビー級王座獲得を果たしたホリフィールドは、通算4度目の防衛。

体を密着させるホリフィールドに対し、2回に耳たぶをバッティングで切ったタイソンは3回に入ってエキサイト。クリンチの際にホリフィールドの右耳にかみついたため、ミルズ・レーン主審が2点減点の裁定。試合再開後に2度目のかみつき行為に及び、主審がラウンド終了後に失格を言い渡した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】欧州から帰国

橋本龍太郎首相は28日午前9時27分、羽田空港着の政府専用機で帰国した。首相は20日からの主要国首脳会議(デンバー・サミット)出席に続き、国連環境開発特別総会で演説、その後欧州を訪れていた。《共同通信》

【英・チャールズ皇太子】香港入り

7月1日の香港返還により、一世紀半にわたった香港での英国の植民地統治は30日いっぱいで幕を閉じる。返還を3日後に控え、中央合同の公式返還式典に英国代表として出席するチャールズ皇太子が28日午後1時(日本時間同2時)すぎ、特別機で香港・啓徳空港に到着した。

皇太子は30日夜の英側お別れ式典で演説し、植民地統治を総括するほか、香港での最後の叙勲式やレセプションなど各種行事に出席。7月1日午前0時(日本時間午前1時)を挟んだ返還式典であいさつし、アヘン戦争以来の統治の幕を引く。

中国政府は「屈辱の歴史をすすぐ」として香港復帰を極めて重視しており、江沢民国家主席と李鵬首相が30日に香港入りする見通し。江主席は返還式典のあいさつで、香港について「一国二制度」を堅持する方針をあらためて強調するほか、同制度による中台統一を呼び掛けるとみられる。

オルブライト米国務長官も28日夕に香港入りするなど、香港市内は次第に慌ただしさを増してきた。《共同通信》



6月28日のできごと