平成536日目
1990/06/27
この日のできごと(何の日)
【日米構造協議】決着
難航していた日米構造協議は27日深夜、海部首相がブッシュ米大統領との電話会談を行い、公共投資総額を上積みし米側要求に大きく譲歩する首相の政治決断で、ようやく事実上決着した。
首相がインフレという危険をかけて上積みを決断したのは、今回の東京会合で決着がつかなければ「日米両国政府にとって黒星になる」(政府筋)との判断があったからだ。つまり、今回、決着せす再協議となり来月上旬の日米首脳会談、先進国首脳会議(ヒューストン・サミット)まで「重い宿題」(同)を引きずるのは日米関係の弱さを内外に示す結果となり、首相は何としても避けたかったからにほかならない。
4月の日米構造協議中間報告、5月の盧泰愚韓国大統領来日などの外交課題をこなし、ブッシュ米大統領と世論の高い内閣支持に支えられて自信を深めている首相だけに、今後の政権維持・安定にとっても、まず日米対立の早期解消が得策との判断が働いたようだ。
特に大統領の「増税」決意が、最終段階で首相決断引出しに大きく作用したとみられる。
この決断を許した背景には、中間報告取りまとめでは大規模小売店舗法(大店法)の改廃をめぐり、自民党の強い反対圧力があったのに比べ、今回は米側の公共投資拡大要求に便乗する動きこそあれ「投資拡大に反対する自民党員はいない」(政府首脳)という大きな違いがあった。坂本官房長官が金丸氏をはじめ各派の実力者を回り、協力要請した際にも、各氏から出たのは積極論ばかりで、初めから総額の上積みを図る環境は整っていた。
結局、最後は積極拡大論と、国家財政の財布のヒモを握る大蔵省との「詰めの問題」(政府筋)の形で決着が図られた。首相は「こうなれば応援団が多い方が強い」と分析しており、その意味で首相が“決断”しやすかったことは間違いなさそうだ。《共同通信》
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【沢田知可子さん】シングル「会いたい」発売
【東京地検】詐欺容疑で法大元理事ら4人逮捕
法政大学(東京都千代田区)のグラウンド売却に絡み、同大の役員が大手建設会社から「学内工作資金」の名目で計7億円をだまし取っていた事件で、東京地検特捜部は27日、同大の元理事ら4人を詐欺容疑で逮捕、4人の自宅などを家宅捜索した。また、元理事らは詐取した金のうち1000万円を現職の理事に渡していたことも大学関係者の証言で分かった。《共同通信》
【社会党】山口書記長談話「遺憾」
社会党の「安保・自衛隊・軍縮政策委員会」(上原康助委員長)は27日午後、衆院議員会館で三役会議を開き、日米安保条約容認への路線転換に踏み出す意向をのぞかせた山口書記長談話が22日に発表されたことをめぐり、対応を協議した。
その結果、同委が党機関として自衛隊に対する見解など安全保障政策の見直し作業をゆだねられているとの立場を確認、同委に何の説明もなく書記長談話の形で「安保廃棄」という社会党の基本路線を踏み出そうとする見解が示されたことは遺憾、との認識で一致した。
28日に開かれる同党中執委の前に、上原委員長が渋沢副書記長にこの点を申し入れるとともに、書記長談話の扱いを今後どうするかなどについて見解を明確にするよう中執委に求めることになった。
山口書記長談話は、23日の日米安保条約改定30周年に当たって発表されたもので、安保条約の政治的、経済的側面を拡大する一方、軍事労などの側面を徐々に縮小しながら質的な転換を目指す方針が打ち出されている。党内左派や中間派などからは「なしくずし的に安保容認へ路線転換を図るもの」との反発の声が上がっていた。
この日の安保政策委三役会議では、書記長談話に対し①従来の党路線を大きく転換する内容で、問題は重大②これでは安保政策委で、党の安保政策の見直し作業をする意味がない―などの強い意見も出された。
社会党の安保政策をめぐっては1983年(昭和58年)当時の石橋委員長が自衛隊の存在を「違憲・合法」と規定する意向を提唱したのに対し、党内左派が強く反発。翌年の党大会で激論の末、自衛隊を「違憲・法的存在」と規定した経緯もあり、党内には今回の山口書記長談話問題について「党内論争に発展しかねない」と懸念する声も出始めた。《共同通信》
【海部俊樹首相】順調な政局運営に自信?
海部首相は27日昼、国会閉幕を受け与野党の国会議員を首相官邸に招き立食パーティーを催した。笑顔を振りまきながら人の輪を回る首相だったが、あちこちで最近の内閣高支持率が話題にされ相好を崩して「ありがたいことです」を連発。
たまたま顔を合わせた社会党の上田哲氏が「何でこんなに支持率がいいの。90年代の七不思議だな。そのうち海部まんじゅうでも売り出すんじゃないの」と冷やかしても首相は「上田商店から売り出せばおおいに売れる。大繁盛したりして」と一向に動じず。これも順調な政局運営への自信の現れ?《共同通信》