平成882日目
1991/06/08
この日のできごと(何の日)
【雲仙・普賢岳】新たな避難所も検討
長崎県雲仙・普賢岳の火砕流現場で、依然として不明の4人の捜索が火砕流を警戒しながら8日午前7時から再開された。陸上自衛隊、長崎県警は、火砕流が発生した当時、北上木場町の被災地区にいて逃げて助かった人の証言をもとに4人がいたと思われる水無川の眼鏡橋周辺や北上木場農業研修所付近など4地区を重点にヘリコプターで綿密な目視観察と空中撮影を行って捜索を進めている。
また、この日、陸上自衛隊はヘリコプター2機を使い、電波による地獄跡火口のテレビ中継を開始、監視体制を強化した。
雲仙岳測候所によると、火砕流とみられる震動は同午前0時から午後1時までに計5回観測、数は少なくなっているが、地獄跡火口にせり上がった溶岩塊は前日よりさらに大きく成長、同測候所では「大規模な火砕流発生につながる危険性がある」として、同日午後1時前、臨時火山情報を出した。
一方、新たな火砕流の発生に備えて、ふもとの深江町では、これまでの避難勧告区域の中から大野木場地区(289世帯、1274人)を同日午後6時から「警戒区域」に指定。島原市でも同7時から、市街地に近い1町の全域と3町の一部(計356世帯、1251人)を避難勧告区域に拡大、受け入れ準備に追われた。
市災害対策本部のまとめによると、現在、市内4か所の避難所に身を寄せているのは517世帯1661人。火砕流への不安から、今後も避難者の増加が見込まれることから、新たな避難所設置の検討も始めた。《読売新聞》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【長崎・雲仙岳】火砕流が続発
活発な活動が続く長崎県雲仙・普賢岳(1359メートル)は8日午後7時51分、これまでで最大規模の火砕流が発生、火砕流は地獄跡火口から約5.5キロ先の国道57号線を越えて有明海の海岸1.6キロ近くまで迫り、先端が幅約200メートルに広がった。
この火砕流で、水無川流域の民家や山林が炎上。島原市内や隣接の深江町では一時、石大の火山礫が雨のようにたたきつけた。島原署などの調べでは、けが人はいない模様。
市災害対策本部は午後8時35分、避難対象の17町全域を「警戒区域」とし、立ち入り禁止にした。気象庁雲仙岳測候所はこの日、回の火山活動情報を出し、厳重警戒を呼びかけた。
九州大学島原地震火山観測所によると、今回の大規模火砕流の波形振動は、午後7時51分から25分間続いた。これは多数の死傷者を出した3日の震動より9分間長い。火砕流はこの間に3回続けて発生、これに伴う火山雷も起きた。
火砕流は、国道57号線を越え前日まで「避難勧告対象地域」だった所にまで及んだことから、急ぎ、「警戒区域」への切り替えとなったが、これまでの指定拡大のためか、住民のけが人などは報告されていない。午後11時現在、同市内の10か所に避難している市民は617世帯、1939人に達した。
風に乗った火山灰は普賢岳から12、3キロ離れた島原市北隣の有明町で降ったほか、有明海を隔て北東約30キロの熊本県荒尾、玉名市などでも車の上などに積もった。
島原市内の火災は、水無川沿いの南上木場、白谷両町などを中心に民家多数が炎上。島原消防署によると、午後9時30分現在、国道57号線南側の水無川河口から約1キロ上流の同市南安徳町の大南橋付近の民家にも及んだ。火砕流の熱風によって次々と燃え上がったという。《読売新聞》
【広島・大野豊投手】11試合連続セーブ
ヤクルト1−2広島◇8日◇盛岡
広島が佐々岡-大野の好リレーでヤクルトを振り切った。大野は11試合連続セーブのプロ野球新記録を達成した。
佐々岡は八回まで13奪三振(自己最多)の好投を見せていたが、九回、先頭の広沢克に右前安打、これを山崎隆が逸脱し、無死三塁のピンチを招いた。しかし続く池山を遊ゴロに抑えて大野に交代。大野も力のある投球で八重樫、古田をともに遊ゴロに退けた。《共同通信》
【海部俊樹首相】政治改革法案を6月中にとりまとめ
海部首相は8日午前、参院埼玉選挙区補欠選挙応援のため訪れた浦和市内で会見し、政治改革関連法案はあくまで今月中にとりまとめる考えを強調した。
衆院小選挙区の区割り案については「法案と一緒に国会に提出したい(区割り案は)法案の一部として国会に提出する」と述べ、早ければ7月下旬ごろ招集予定の臨時国会に法案と区割り案をセットで提出する考えを示した。《共同通信》
【全仏テニス】
テニスの全仏オープン第13日は8日、ローランギャロスで行われ、女子シングルス決勝は、第1シードのモニカ・セレシュ(17)(ユーゴ)が第5シードのアランチャ・サンチェス(スペイン)を6-3、6-4で破り、史上最年少で制した昨年についで2連勝、賞金223万7000フラン(約5370万円)を手にした。
セレシュは、今季全豪オープンに続く四大大会制覇で、この日も全豪同様の快勝だった。これで今季ツアー4勝で通算14勝。
セレシュは第1セットの第1ゲームを失ったが、第4ゲームをブレーク。第8ゲームも相手のストローク・ミスに乗じて破り34分でセットを先取。第2セットも1-4の劣勢から5ゲーム連取した。《読売新聞》
【南アフリカ・デクラーク大統領】アフリカ10か国歴訪開始
南アフリカのデクラーク大統領は8日、旧アフリカーナー(オランダ系移民)居住地であるケニア、マダガスカル、ザイール、ザンビアなど10か国歴訪の最初の訪問地、ケニアの首都ナイロビに到着、モイ大統領と会談した。ケニア、カボベルデなどは初訪問で、アパルトヘイト(人種隔離)完全撤廃を前に、デクラーク政権のブラックアフリカ諸国との国交回復に向けた積極外交が本格化したもので、アフリカの潜在的リーダーとも言える南アの動きは今後、ブラックアフリカ諸国の注目を集めそうだ。
ブラックアフリカ諸国は、一昨年まで中部アフリカ、マラウイを除いて、南アとは国交がなかった。しかし、これまでもサハラ以南アフリカ唯一の工業国である南アに対する経済的依存度は大きかった。
アパルトヘイト改革の進展に対する評価という「大義名分」ができたのに伴い各国の対南ア姿勢は変化。昨年8月、対南ア最強硬派と言われたマダガスカルとの間で経済・貿易協定が調印され、西アフリカ、コートジボワールは10月、マラウイに続き正式に国交樹立を決定、ケニアも国民の南アへの渡航制限を緩和した。《読売新聞》