平成875日目
1991/06/01
この日のできごと(何の日)
【雲仙・普賢岳】活発な活動続く
長崎県の雲仙・普賢岳(1359メートル)の活動は1日も依然活発。火砕流は雲仙岳測候所の地震計データによると、同日6回発生した。また、この日午後、同県を含む九州北部地方が梅雨入りしたため、島原市対策本部などは土石流に対する警戒を一段と強めている。
一方、本社ヘリコプターが火口を撮影したところ、火口の底はほとんど見えないほど溶岩塊に埋め尽くされていた。溶岩塊は東西に長さ約200メートル、幅7、80メートル。高さは火口の縁から3、40メートル、火口底からは、70メートルの高さにせり上がっていた。中央に東西方向に長さ約70メートル、幅2、3メートルの大きな割れ目が走り、そこから新たな溶岩が出ているらしい。
同乗した九州大理学部の中田節也助手(火山岩石学)は、溶岩の大きさや高さなどから、体積を推定約100万立方メートル以上と話している。《読売新聞》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【米・ベーカー国務長官】ソ連外相と会談
ベーカー米国務長官とベススメルトスイフ・ソ連外相による米ソ外相会談が1日、リスボンの米大使館で行われた。会談後記者会見した両外相は、米ソ首脳会談開催の最大の障害となっていた欧州通常戦力(CFE)条約にからむ対立が解消し、米ソ首脳会談を「早急に」開くことで合意したことを明らかにした。
ベーカー長官はCFE条約の条文をいっさい修正することなく妥結したことに満足の意を表明、ソ連外相も「完全な満足」と述べ、今後は、ジュネーブで行われている米ソ戦略兵器削減交渉(START)の詰めの協議を集中的に行うことを確認した。このため今夏モスクワで米ソ首脳会談が開催され、その場でSTART条約が調印されることが確実となった。
また、7月にロンドンで開かれる先進国首脳会議にゴルバチョフ・ソ連大統領を招待する問題について、ソ連外相が同大統領の意向を詳細に説明、これを受けてベーカー長官は、米ソ首脳がこの問題の検討を続けると指摘、招待に極めて前向きの姿勢を示した。
3時間半にわたって行われた外相会談では対ソ経済支援問題、中東和平問題なども話し合われた。ベーカー長官は具体的な対ソ経済支援策については言及しなかったものの、「必要な限り経済改革推進のための支援をする」と述べた。
米ソ首脳会談は今年2月にモスクワで開催される予定だったが、湾岸情勢やバルト情勢、特にCFEにからむソ連の条約違反問題などの浮上により、今年前半に延期された。しかし、米国はCFEでのソ連の強硬姿勢が是正されない限り首脳会談には応じられないとの立場を取っていた。
しかし、先月下旬、ゴルバチョフ大統領はモイセーエフ・ソ連軍参謀総長をワシントンに派遣し、米政府当局者と協議、ここでこれまで主張してきた地上戦力の「海軍戦力」編入を断念、1日の会談では残る装甲戦闘車両の取り扱いをめぐる対立が解消された。
CFE条約は昨年11月、全欧安保協力会議(CSCE)首脳会議で、米ソなど22か国が調印したもので、ベーカー長官は、1日の米ソの合意を受け、北大西洋条約機構(NAT0)加盟国などに対立解消に至る交渉のあらすじを報告し了解を取りつけることになる。《読売新聞》
【新幹線300系車両】「スーパーひかり」試験走行を開始
JR東海は1日から、次世代の新幹線車両として開発した「スーパーひかり」(300系、16両編成)の本格的なテスト走行を開始した。
スーパーひかりは、最高速度270キロと現行のひかりより50キロ早く、東京ー新大阪間を、現在より30分程度短縮して2時間半で走る性能を持つ。ことし2月に東海道新幹線の米原ー京都間で行われた試験走行で、当時、鉄道の国内最高記録となった325.7キロを達成した。《共同通信》
【自民党・河本敏夫氏】「(海部首相)今は続投考えず」
自民党河本派会長の河本元国務相は1日、北海道旭川市内で記者会見し、総裁選問題などについて見解を明らかにした。
総裁選をめぐる対応について「(他派の)何人かは立候補を表明しているが、海部首相はそれ(任期切れ)以降のことは一切考えていないと言っており、他の方が何と言おうと、私たちもそれに従って同調していきたい」として、河本派としては任期内の「完投」への協力に専念する考えを示した。《共同通信》
【海部俊樹首相】吹田自治相と会談
海部首相は1日午前、首相官邸で吹田自治相と会い、政治改革法案要綱骨子の自民党党議決定を受け、衆院小選挙区の区割り案について、6日午後に開かれる政府の選挙制度審議会総会で正式要請することを決めた。
自民党の党議決定を受けた政府の法案化作業については、31日の閣議で首相と自治相に一任されており、政府は自民党骨子に沿った形での区割り案を要請する。《共同通信》
【海部俊樹首相】映画「八月の狂詩曲」鑑賞
「映画の日」の1日、海部首相は、東京・有楽町で、黒沢明監督の新作映画「八月の狂詩曲」を幸世夫人とともに鑑賞した。首相が一般客に交じって映画を見るのは就任以来初めてで、「オーッ」と驚きの声を上げる一般客に首相は手を振りながら入場。
「八月の狂詩曲」は、長崎の原爆を体験した祖母と、その孫や日米混血の若者たちとの心の交流を描いた作品。上映後、映画に出演している大宝智子さんから花束を贈られた首相は、涙をいっぱいにためて、「言葉にならない。心から感動しました」。自民党内の反対を乗り越えて、ひたすら政治改革関連法案の国会提出を目指す首相、「人間は、いつかわかり合える」という黒沢監督のメッセージにときわ胸をうたれた?《読売新聞》