平成874日目

平成3年5月31日(金)

1991/05/31

【GM、フォード、クライスラー】日本製ミニバン提訴

アメリカ自動車業界でビッグスリーといわれるゼネラル・モーターズ(GM)、フォード、クライスラーの3社は31日、日本製のミニバン(ワンボックス型ワゴン車)がアメリカ市場で公正価格を下回って販売されているとして、トヨタ自動車、マツダなど日本車メーカー4社をダンピング(不当廉売)で米商務省、国際貿易委員会(ITC)に提訴した。日本車がアメリカでダンピング提訴されたのは75年の全米自動車労組(UAW)による提訴以来2回目。

今回の提訴は販売不振で収益・悪化に陥ったビッグスリーが日本車のシェア拡大に何とかクサビを打ち込もうという狙いがあり、今後、日本車のシェア規制論の高まりなど日米自動車摩擦が再燃する恐れが強まっている。

ビッグスリーは、ダンピングの調査対象としてトヨタ、マツダのほかに日産目動車、三菱自動車工業の2社も含めるよう求めているが、販売台数の多いトヨタ、マツダの2社を中心に調査を進めるよう要求している。

提訴状によると、ビッグスリーは独自の調査で日本製ミニバンが日本国内に比ベアメリカ市場でどれだけ低い価格で売られているかを見るダンピング・マージン率をはじき出した。それによると、トヨタは30.5-5.4%、マツダは27.0-14.8%に上ったとしている。

ビッグスリーは、こうした日本のダンピング販売によってアメリカ車の販売が落ち込み、被害を受けたとしている。日本製ミニバンのシェアは88年の4.6%から91年4月に12%まで拡大したとしている。

ミニバンは6-8人乗りが一般的で、アメリカでは多用途車として人気を集めている。特にこの分野ではクライスラーがシェア46%と圧倒的に強く、今回の提訴もクライスラーが他の2社に同調を働きかけたとみられている。《読売新聞》

【アイスランド】IWC脱退を宣言

アイスランドは31日、レイキャビクで開かれていた国際捕鯨委員会(IWC)総会で、IWCからの脱退を宣言した。科学的な根拠をもとに商業捕鯨の再開を要求しても、合理的な理由もなく否決されたとしてIWCに見切りをつけたもので、反捕鯨国に完全に主導権を握られているIWCの現状に対する抗議ともいえる。盟友アイスランドの脱退で、IWCの枠内で捕鯨再開を目指す日本の立場は、一段と苦しいものとなった。

総会は31日、閉幕した。アイスランドは、今総会で日本、ノルウェーとともに、来年後半以降の商業捕鯨再開を目指す決議を提出したが、反対多数で否決された。また独自に提出した特別捕鯨枠の要求も、採決もされずに却下されたことで、脱退を決断した。

同政府代表団のエリクソン代表(外務省条約局長)は総会で演説、「IWCは(反捕鯨国に)根本的にゆがめられている。もはや同席することは出来ない」と反捕鯨国を非難した。

この脱退宣言に対し、日本代表団の島一雄代表(水産庁次長)は、「アイスランドの立場はよく理解出来る」と発言した。また、ノルウェー代表はやはりIWCからの脱退を示唆した。アイスランドの正式脱退は、規約上、来年6月30日となるが、エリクソン代表は「それまで義務は果たす」と語り、捕鯨は当面自粛する考えを明らかにした。しかしそれ以降は、独自に捕鯨再開に踏み切る用意のあることを示唆した。《読売新聞》

【海上自衛隊・掃海隊】除去作業に出港

海上自衛隊のペルシャ湾派遣部隊が31日、アラブ首長国連邦ドバイからクウェート沖の掃海作業海域に向け出発した。当面クウェート市東沖100キロの「第7機雷危険区域」を担当する予定だが、これまで米海軍がヘリコプターで空から1回簡単な「前駆掃海」をしているだけで、事実上手付かずの状態だ。《共同通信》

【海部俊樹首相】選挙審に区割り要請へ

自民党は31日、総務会を開き約4時間の激しい議論の結果、衆院小選挙区比例代表並列制の導入を軸とする公職選挙法改正など政治改革関連3法案の要綱骨子を党議決定、小渕幹事長ら四役が海部首相に報告した。

これを受け、首相は吹田自治相に対し、骨子に基づく早急な法案作成を指示。首相自身が6月6日に予定されている選挙制度審議会総会に出席して小選挙区の区割り案作成を要請する。《共同通信》

【国際捕鯨委員会】商業捕鯨の再開否決

レイキャビクで開かれていた国際捕鯨委員会(IWC)総会は、最終日の31日、92年後半以降の商業捕鯨再開を求めた日本、アイスランド、ノルウェーの3捕鯨国の共同決議案を賛成7、反対19、棄権3の圧倒的多数で否決した。

この結果、捕鯨国の商業捕鯨は来年はもちろん、その後も少なくとも当分の間、再開の道を断たれたことになり、捕鯨国は極めて苦しい立場に追い込まれた。

同決議案には、提案国以外にデンマーク、ソ連などが賛成。アメリカ、イギリス、フランスなどが反対した。

商業捕鯨は82年のIWC総会で全面禁止が決定され、その後日本は87年から南氷洋での、88年から日本沿岸での商業捕鯨を中止した。しかし、商業捕鯨再開への道を開く新しい監理方式が作成されたことなどから、今回、商業捕鯨再開の道が開かれるものと捕鯨国は期待をかけていた。《読売新聞》

【テニス・沢松奈生子選手】全仏ベスト16入り

テニスの全仏オープン第5日は31日、パリのローランギャロスで行われ、女子シングルス3回戦で沢松奈生子(松蔭女大)は、デービー・グラハム(米)に5-7、6-2、6-4で逆転勝ちし、日本選手としては1975年大会の叔母の沢松和子(現姓吉田)以来のベスト16進出を果たした。日本選手の四大大会でのベスト16は昨年の全豪の伊達公子(ヨネックス)以来。

沢松は昨年の全米女子学生チャンピオンのグラハムに第1セットを失ったが、第2セットを奪い返し、最終セットは終盤の相手の食い下がりを突き放した。沢松は4回戦で第13シードのナタリー・トージア(仏)と対戦する。

女子3回戦ではこのほか、第2シードのシュテフィ・グラフ(独)がショーン・スタフォード(米)に圧勝。第5シードのアランチャ・サンチェス(スペイン)もベッチナ・フルコ(アルゼンチン)を下した。

男子シングルス3回戦では、第4シードのアンドレ・アガシ(米)が6-2、6-2、6-0でパトリック・マッケンロー(米)に快勝した。

前日の男子シングルス2回戦では、昨年の全米で史上最年少チャンピオンとなった第6シードのピート・サンプラス(米)が、国際的には無名のチェリ・シャンピオン(仏)に3-6、1-6、1-6で完敗する波乱があった。《読売新聞》

【エチオピア】旧政府高官ら263人投降

エチオピアの首都アディスアベバを制圧したゲリラ組織連合体、エチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)の降伏命令に応じて、31日までに、旧政府、軍高官ら263人が出頭、EPRDFに対する帰順を誓った。 EPRDFの放送によると、出頭したのはシメリス・アデュニャ元副首相、モンダヤン・ミヘレ元司法相、ウォンダン・ミヒレツ国家評議会議員、旧支配政党エチオピア労働党中央委員のエムビレル・アエレ少将ら。 EPRDFは30日、旧政権関係者に対し、48時間以内の出頭を命令した。「従わない場合は必要な措置をとる」と警告していた。

イタリア外務省は31日、在エチオピア・イタリア大使館が同国のテスファイエ大統領代行を保護していた事実を明らかにした。同大統領代行がその後、第三国に亡命したかどうかは不明。《読売新聞》

【アンゴラ】和平協定に調印

ソ連、米国それぞれの支援を受けて16年におよぶ内戦を繰り広げてきたアンゴラ社会主義政府のドス・サントス大統領と右派反政府ゲリラ組織「アニンゴラ全面独立民族同盟」(UNITA)のジョナス・サビンビ議長は31日夜、仲介国ポルトガルの首都リスボンで和平協定に正式調印した。

調印には、シルバ・ポルトガル首相、ベーカー米国務長官、ベススメルトヌイフ・ソ連外相が立ち会い、デクエヤル国連事務総長、ムセベニ・アフリカ統一機構議長も出席した。米ソ協調が東西冷戦を反映していた地域紛争に解決をもたらしたという意味で、ポスト冷戦を象徴するものである。

調印された和平協定文書は、即時停戦に伴い、①和平協定実行を監視するための政府、UNITAによる一「政治軍事合同委員会」の設置と米、ソ、ポルトガルのオブザーバー参加②来年9月から11月の間をメドにした複数政党制による大統領、国民議会の自由選挙の実施③双方協議に基づく5万人規模の国軍の創設—などをうたっており、独立闘争を含め30年もの間戦火にあえいできたアンゴラは、民主国家建設への第一歩を踏み出す。

米ソ両国は、すでにUNITA、政府に対す武器援助の停止を決めているほか、キューバ軍撤退を監視するための「アンゴラ検証団」を現地に派遣している国連は、30日の安保理事会で、停戦と選挙監視のための平和維持部隊の派遣を決定。さらに、英、仏が国軍創設の援助を決めるなど、国際支援態勢は着々と整っている。

アンゴラ政府とUNITAによる直接交渉は、旧宗主国ポルトガルの仲介で、昨年4月開始。6回の協議を経て、5月1日、和平協定に仮調印していた。《読売新聞》



5月31日のできごと