平成876日目

平成3年6月2日(日)

1991/06/02

【雲仙・普賢岳】火山灰がダム状に

長崎県雲仙・普賢岳(1359メートル)の地獄跡火口から火砕流などで運ばれた溶岩の塊や火山灰が、東側斜面のふもとの水無川上流付近で谷を埋めて積もり、高さ約150メートルの巨大なダムのようになっていることが2日、わかった。

前日梅雨入りした雲仙、島原地方はこの日、断続的に強い雨が降り、長崎海洋気象台は午後5時、長崎地方に大雨、洪水、雷注意報を発令。この“ダム”が決壊すれば、大規模な土石流の発生は必至、と心配されている。

溶岩の塊や火山灰がダムのように積もった様子は、島原市北上木場町から確認された。火砕流の先端は同町の民家から約200メートルの距離まで迫っており、この“ダム”は先端よりさらに200メートルほど上った所にできていた。上部には、直径2-5メートルの溶岩塊がつらなり、今にも転げ落ちそうな状態。大雨で崩れると、土石流となって水無川を流れ、島原市と深江町を経て有明海に達する恐れが強い。

火砕流は、雲仙岳測候所の観測では同日午前0時からの24時間に、20回発生。特に午前2時台には約30分間に8回も集中して起きた。また、九州大島原地震火山観測所の松尾紃道助手(地球物理学)が1日午後、地上から地獄跡火口に近づき、せり上がった溶岩や、大きな断層などの写真の撮影に成功。地殻活動に詳しい専門家は「このまま断層が大きくなれば山の地質がもろくなり危険」と話している。《読売新聞》

【カンボジア】SNC議長にシアヌーク殿下

カンボジア・プノンペン政府のフン・セン首相と国民政府(三派連合)代表のノロドム・シアヌーク殿下が2日、ジャカルタ市内のホテルで会談した。会談後、フン・セン首相は、①シアヌーク殿下が「最高国民評議会」(SNC)の議長に、フン・セン首相が副議長に、それぞれ就任し、評議会のメンバーを両政府から7人ずつとする②暫定停戦の期間を延長する―の2点で合意したことを明らかにした。シアヌーク殿下も会談後、声明を発表し、「ポル・ポト派の同意を条件に」、合意したことを確認したが、同派は強く反発している。

会談は、ジャカルタでこの日から始まったカンボジア問題パリ会議(PICC)共同議長国(インドネシア、フランス)とSNCメンバーとの会合の“番外”として、シアヌーク殿下がフン・セン首相を昼食に招待する形で行われた。両者の会談は、昨年六月の東京会議以来1年ぶり。

SNCは、和平合意調印から総選挙実施までの期間中、カンボジアの主権を体現するもので、昨年9月のジャカルタ合意で発足した。だが、議長選出などで対立、以後2回のSNC会合が紛糾し、和平交渉の進展が阻まれてきた。今回の合意はプノンペン政府の主張に沿ったもので、SNCメンバーを現在の12人から14人にすることは、プノンペン政府とシアヌーク派が各1人ずつ増えることを意味している。

一方、同日始まったPICC共同議長とSNCメンバーとの会合は、公開討議に続き、非公開折衝が同夜まで行われた。《読売新聞》

【F1・カナダGP】ネルソン・ピケ選手が今季初勝利

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F1第5戦・カナダGPは2日、モントリオールのジル・ビルニューブ・サーキットで決勝が行われ、ドライバー総合優勝3回のベテラン、ネルソン・ピケ(ベネトン・フォード)が1時間38分51秒490で昨季の最終戦・豪州GP以来5戦ぶりに優勝、通算23勝を飾った。

2位は、ホンダV10エンジンのモデナ(ティレル)が自己最上位で入り、3位は予選1位のパトレーゼ(ウィリアムズ・ルノー)。

スタートから首位を独走していたマンセル(ウィリアムズ)は最終周に変速機が壊れ6位。中島悟(ティレル)は暑さによるタイヤ劣化に悩んだが、2周差の10位で開幕戦(アメリカGP)以来の完走。鈴木亜久里(ラルース・フォード)は燃料漏れで4周目に車が燃え、4戦連続リタイア。

昨季総合優勝のセナ(マクラーレン・ホンダ)は25周で電気系トラブルでリタイア、開幕5連勝は成らなかった。僚友のベルガーも序盤で消え、フェラーリのプロスト、アレジのコンビもエンジン、変速機のトラブルでリタイア、今季初めてマクラーレン、フェラーリ勢が無得点に終わった。また、ヤマハエンジンのブランドル(ブラバム)は22周目にエンジントラブルでリタイアした。《読売新聞》

【東京六大学野球】慶大、8季ぶり25度目の優勝

慶大が8シーズンぶりの優勝ー。東京六大学野球リーグ最終日は2日、4万8000人を集めて神宮球場で早大ー慶大2回戦を行い、慶大が5−4で延長十回サヨナラ勝ちし、勝ち点4、9勝3敗として同勝ち点の明大(8勝4敗)を上回り、1987年春以来25度目のリーグ制覇を決めた。

3点を追う慶大は終盤に疲れのみえる早大の一年生エース織田を攻め、土壇場の九回に古葉の中前2点適時打で同点に追い付いた。そして延長に入った十回一死二塁から高橋が中前に決勝打を放って勝負を決めた。《共同通信》

試合を決めたのは、九回に代走で出て、そのまま守備についていた高橋。いわは伏兵だが、伏兵といっても、当初は先発で出場し、本来はクリーンアップを打つ力のある選手だ。打撃不振で後半は守備固め専門だっただけに、「今までの悩みがみんな吹っ飛びました」と、一気に憂さを晴らす殊勲打に声を弾ませた。

昨年の主力がほとんど残り、選手層の厚さで優勝候補筆頭といわれた慶大。7勝をあげた大黒柱小檜山の力投は別格として、打のぼうは毎試合ヒーローが入れ替わった今季の戦いぶりにふさわしい、高橋のサヨナラ打だった。

早大には、昨春は勝ち点を落として目の前で胴上げを許し、昨秋は勝ち点こそあげたが、1敗して優勝争いから脱落した。この試合も、途中、前田監督は「また明日(第3戦)か」と覚悟したという。

しかし、一度も優勝経験のない選手たちは、あきらめなかった。大久保主将は「みんな去年の悔しさは忘れられませんでした。それが最後に爆発して、こんな最高の試合になったんです」と、宿敵を破っての“初優勝”に二重の感激だ。

前田監督にとっても、早大・石井監督は、お互いに青年監督だった昭和35年秋、優勝をかけた“伝説的”な早慶六連戦で敗れた苦い思い出のある相手。選手とはまた別の感慨があったことだろう。《読売新聞》

【テニス・沢松奈生子選手】全仏8強ならず

テニスの全仏オープン第7日は2日、パリのローランギャロスで行われ、女子シングルス4回戦で沢松奈生子(松蔭女大)は第3シードのナタリー・トージア(フランス)に5-7、6-2、10-12で敗れ、初の四大大会ベスト8進出と、同オープンでは日本選手として叔母の沢松和子(現姓吉田)以来、16年ぶりの準々決勝進出はならなかった。これで今大会の日本勢は全員姿を消した。

世界35位の沢松は、同14位のトージアに正確なストロークで対抗。第1セットは相手の揺さぶりに競り負けたが、第2セットはよく拾ってパスで切り返す本領発揮のプレーで圧倒しタイに持ち込んだ。

最終セットは2-5とリードされたが、ここから粘り3ゲームを連取。その後は一進一退を繰り返し、10-10までいったが、2ゲーム目でトージアがサービスをキープし、22ゲーム目をブレークされ3時間5分の大接戦の末に敗れた。

3年ぶりの優勝を目指すシュテフィ・グラフ(独)、アランチャ・サンチェス(スペイン)などが順当に準々決勝に進出した。《読売新聞》

【自民党・小沢一郎前幹事長】竹下派から総裁選候補擁立も

自民党竹下派会長代行の小沢前幹事長は2日、岩手県水沢市で地元記者団と懇談し、秋の党総裁選での竹下派の対応について「まだ状況が分からないが他派が出すなら、うちも出すかもしれない」と述べ、竹下派から候補者を擁立する考えを強調した。

同派では既に金丸会長が、候補者擁立の考えを示しており、小沢氏のこの発言は改めて党内に竹下派が政局の主導権を握る意欲を印象付けようとしたものとみられる。《共同通信》



6月2日のできごと