平成5210日目

2003/04/14

この日のできごと(何の日)

【イラク戦争】米英軍、イラク全土を掌握

イラク戦争で米英軍は14日、フセイン大統領の出身地で最後の拠点、北部ティクリットを制圧した。米英軍は全土を掌握、開戦から26日目でフセイン政権は名実ともに消滅した。米中央軍のブルックス准将は同日の記者会見で「重要な軍事作戦は終わりに近づいている」と語り、戦争が終結に向かっているとの認識を示した。

首都バグダッドなどでは依然、市民らによる略奪行為が続いており、治安維持が米英軍の早急な課題となる。ブッシュ米政権は引き続きフセイン大統領らイラク指導部の行方を追うとともに、早期の暫定政権樹立を目指す。

米第1海兵師団は13日にティクリット入りし、攻撃ヘリコプターなどの支援を受け約350両の戦闘車両で軍事作戦を展開。14日には市中心部に到達し、フセイン大統領の巨大な宮殿を支配下に置いた。

ブルックス准将は「この24時間で唯一の戦闘だったが、抵抗は予想していたより少なかった」と語った。米軍は一方で、ティクリットの主要15部族の部族長らと停戦交渉を進めていた。

ティクリットの住民はフセイン大統領の恩恵を受け、忠誠心が他の都市より強いといわれており、今後、米軍への自爆攻撃などが激化する恐れもある。カタールの衛星テレビ、アルジャジーラなどによると、米軍は外出禁止令を出し、市内の人通りはほとんどない。

米英軍は3月20日、フセイン大統領に対する限定空爆で軍事作戦「イラクの自由」を開始。同日夜には地上軍がクウェートから進攻し、4月9日には首都を制圧、フセイン政権は崩壊した。11日には北部の第三の都市モスルも制圧した。《共同通信》

米統合参謀本部のマクリスタル副作戦部長は14日、イラク戦争で米軍が制圧した北部ティクリットに残存していた兵力が「最後のイラク軍部隊だった。大規模な戦闘は終わった」と述べ、イラク軍組織の壊滅を確認した。

一方、ラムズフェルド米国防長官は、シリアについて「過去12カ月か15カ月の間に化学兵器の実験を行った」と非難。フセイン政権の指導層の逃亡先となっており、イラクでの米軍との戦闘に参加するよう兵士に報奨金を支払っているとの情報があるとあらためて強調した。

イラクでの大規模戦闘の段階を終えたことで、ブッシュ米政権はフセイン大統領や政権指導部の捜索、首都バグダッドなどでの治安回復、暫定政権の早期樹立などに全力を挙げる方針だ。15日には南部のナシリヤ近郊で反フセイン勢力を集めた初会合が開催される。

シリアについてフライシャー米大統領報道官は、「まさにならず者国家だ」と非難。イラクと同様に武力行使する可能性については「地域、国家はそれぞれ個別の対応がある」と述べ、留保の姿勢を示しながらも「あらゆる選択肢はテーブルの上にある」と強調した。

副作戦部長は、イラク情勢について「今後はより小さな戦闘の段階に移る」と指摘。イラク空爆のため周辺海域に展開していた空母機動部隊が任務を終了し、帰還することを明らかにした。ペルシャ湾に展開する空母はニミッツ1隻となる。《共同通信》

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【北朝鮮による日本人拉致事件】

帰国した5人が会見

北朝鮮拉致被害者の曽我ひとみさん(43)=新潟県真野町=と、蓮池薫さん(45)=同県柏崎市、地村保志さん(47)=小浜市=の両夫妻が14日、それぞれ地元で帰国半年の記者会見をし、平壌に残してきた家族らへの思いを語った。

曽我さんは、夫と2人の娘や一緒に拉致されたとみられる母ミヨシさん=当時(46)=への思いを切々と訴えた手記を読み上げた。

この中で、1月に娘から届いた手紙に「こんなに長く離れたのは初めてだよね。冬休みになったらお父さんにおいしいものを作ってあげます」と書かれていとを明かし「(日本と北朝鮮にいる)私の2つの家族をばらばらにしたのは誰ですか」と一言一言をかみしめるように話した。

この半年間を「一生のうちで一番頭の中が混乱し、複雑なことが起きた」と振り返った。

蓮池さんは「家族を利用するのをやめて早く子供を帰し問題解決のため前向きに出てほしい」。妻の一祐木子さん(46)によると、2人の子供があす帰ってきても生活できるように部屋も準備してあるという。

蓮池さんは「日本政府を信じるしかない。子供を待つと決心したのも政府が必ず子供を帰すという話をはっきりと言ったからだ。今も信じているので頑張ってほしい」と話した。

地村さんは「子供を外交カードに使おうとしている」と、北朝鮮を批判した。「帰国した年度中に再会が実現できると思った」と振り返った。妻富貴恵さん(47)は「あらかじめ分かっていれば(子供に)心の準備をさせるため、何もかも言っておくべきだった」と漏らした。《共同通信》

【福井県小浜市・村上利夫市長】中山恭子内閣官房参与と面会

小浜市の村上利夫市長は14日、内閣府を訪れ政府の拉致被害者・家族支援室の中山恭子内閣官房参与らと面会。「市民の会」などが地村さん夫妻の子供たちの早期帰国を願って県内外から集めた約31万人分の署名を手渡した。

中山参与は「一日も早い解決へ全力を挙げる。この署名の重みを小泉首相や福田官房長官、外務省に伝える」と述べた。《福井新聞》

【民主党】有事対案を提示

民主党緊急事態法制プロジェクトチームは14日、有事関連法案の対案として今国会に提出する「緊急事態対処基本法案」(仮称)をまとめ、関係部会の合同会議に提示した。

国民の生命、財産を保護する原則を前面に押し出したのが特色。緊急事態でも基本的人権の制約は必要最小限にとどめ、国会の関与を保障するなど、政府の「超法規的措置」を防ぐ規定を明記した。米国の連邦緊急事態管理局(FEMA)にならい、内閣に防災・救助の専門組織として「危機管理庁」創設も盛り込んだ。

会議は衆参両院の全議員の参加を求め、18日まで5日間連続で開催する予定。《共同通信》

【新型肺炎】患者3000人突破

世界保健機関(WHO)は14日、アジアを中心に流行している新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の患者(可能性例を含む)が同日午後4時現在のまとめで、世界で3000人の大台を突破、3169人に上ったと発表した。死者は144人だった。

死者、患者ともに、広東省を中心とする中国と香港が全体の8割前後を占めた。WHOは、北京などの中国の他の地域における実際の患者数が政府一の公式発表を大きく上回る恐れがあるとみて、中国当局の協力を得て集中調査を実施している。

WHOは、発熱などの症状に加えて肺炎を起こした人を新型肺炎の「可能性例」として報告するよう要請した。日本は、可能性例の4人が12日のまとめでは集計に入っていたが、後に新型肺炎ではないと判明、再び患者ゼロとなった。

発表によると、患者は23カ国・地域に上った。最も多いのは広東省をはじめとする中国の1418人で、次いで香港の1190人。中国では、内モンゴル自治区などでも新たな患者が確認されている。このためWHOは「中国が一部の地域で新型肺炎の試練に対処できるかどうか疑問が残る」と警告している。

死者も14日の時点で、中国が最多の64人で、香港の47人、シンガポールの12人が続いた。世界全体の死亡率は徐々に上昇、約4.5%となった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・上野公成官房副長官は14日の記者会見で、小泉純一郎首相が政府与党連絡会議で、「イラク問題は終結に向かっているが、後方支援その他、日本の対応を決めたい」と発言したと紹介。記者団が「後方支援ですか」と問いすと、イラクへの「復興支援」を言い間違えたことに気付き慌てて訂正、「終結という言葉に引きずられた」と釈明したが、現地の情勢が不安定なだけに記者団からは「後方で復興支援するという意味では」と皮肉な見方も。《共同通信》

【2002年度全国企業倒産件数】1万8928件

信用調査会社の帝国データバンクが14日発表した2002年度の全国企業倒産件数(負債1000万円以上)は1万8928件で、前年度比5.6%減少したが、銀行の不良債権処理の加速やデフレ不況を背景に戦後4番目の高水準となった。

上場企業の倒産は22件と戦後最悪。負債総額はゴルフ場など娯楽関連の大型破たんが相次ぎ、17.5%減の13兆3099億円で戦後5番目となった。帝国データは「件数で戦後2番目だった01年度の反動でやや落ち着いたようにみえるが、株価の下落や景気底割れ懸念で、水面下の破たん予備軍が増えており本年度も予断は許さない」としている。

件数が1万8000件を超えたのは3年連続。業種別では運輸・通信業が5.9%、サービス業が4.2%増加したのが目立った。販売不振、売掛金の焦げ付きなどの「不況型」が76.8%と過去最高を更新した。

負債総額は、02年度最大規模となったゴルフ場開発のエスティティ開発(東京都、負債4922億円)などゴルフ、リゾート関連の大型倒産が押し上げた。上場企業の倒産はスーパーのニコニコ堂(熊本市)、中堅ゼネコンの大日本土木(岐阜市)などで、このうち東京証券取引所部上場企業は11件を占めた。《共同通信》

【MLB】

松井秀喜外野手が所属する米大リーグ、ヤンキースは14日、ブルージェイズと対戦し、10−9で乱打戦を制して10勝2敗。マリナーズの佐々木投手はアスレチックス戦で、4−3の九回を無得点に抑え今季2セーブ目。日米両球界で通算350セーブ(日本で229)となった。イチロー外野手は「1番・右翼」で4打数1安打だった。マリナーズは3連勝。メッツの新庄外野手はエクスポズ戦に「8番・中堅」で今季2度目の先発だったが3打数無安打。チームも3−5で敗れ6連敗。《共同通信》



4月14日 その日のできごと(何の日)