平成1280日目

1992/07/10

この日のできごと(何の日)

【米連邦地裁】ノリエガ将軍に禁錮40年

米マイアミ連邦地裁は10日夕(日本時間11日朝)、パナマの元最高指者マヌエル・アントニオ・ノリエガ将軍(53)に対し、麻薬不正取引などで40年の禁固刑を言い渡した。

今年4月9日、米マイアミ州大陪審は、起訴容疑10件のうち8件について有罪の評決を下し、検察側は、最高120年の禁固刑を求めていた。

マイアミからの報道によると、ノリエガ将軍は、判決前に軍服姿でスペイン語の最終陳述に立ち、通訳を入れて3時間にわたり、パナマが米国に利用されることを指否したための政治裁判だとして、レーガン、ブッシュ両米政権を批判したという。

弁護側は控訴する方針だが、ノリエガ将軍は今後、マリフアナ取引の容疑でフロリダ州タンパの連邦大陪審から起訴される可能性が強まっているほか、パナマでも殺人、贈収賄のほか公金横領容疑での裁判に直面している。

ノリエガ将軍はパナマ国軍司令官当時の1988年2月、米マイアミ連邦大陪審によって麻薬不正取引などの容疑で起訴されていたが、パナマの指源者として君臨。その後、89年12月の米国のパナマ軍事侵攻で失脚、投降後、身柄を米国に送られ、90年1月に米麻薬取締局に逮捕されていた。

これに対し、将軍の主任弁護士は、米国にとって邪魔者になった将軍を排除するため米政府が軍事侵攻し逮捕、裁判にかけたものだとして、米政権を批判、戦争捕虜としての扱いを要求していた。

米当局は、ノリエガ将軍が、コロンビアの麻薬密輸組織と共謀して米国に麻薬をパナマ経由で送り込んでいたとして、60人以上の証人を立てて、犯罪の立証にあたった。

米国が軍事侵攻の末にノリエガ将軍を拘束して米国に移送したことは、主権の侵害行為として国際的に反響をよんだが、米最高裁は6月15日、米麻薬捜査官の殺害事件で容疑者をメキシコから誘拐、米国内で刑事訴追した行為について、国際法、米・メキシコ間の犯罪人引き渡し条約に抵触しないとの合法評決を下している。《読売新聞》

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【ジャパンエキスポ富山】開幕

「人間–その内と外 富山から世界へ・未来へ」をテーマに「第1回ジャパンエキスポ富山’92(JET’92)」が10日、富山県射水郡小杉町の県民公園太閤山ランドで開幕した。期間は9月27日までの80日間で、150万人の入場を見込んでいる。《共同通信》

【大相撲名古屋場所】6日目

大相撲名古屋場所6日目(10日・愛知県体育館)武蔵丸は一度当たってから右に変わったのが悪く、小錦の押しに初黒星を喫した。平幕の水戸泉は珍しくもろ差しとなって隆三杉を寄り切り、ただ1人の無敗を守った。1敗は小錦ら5人。若花田は元気な三杉里を押し出したが、貴花田は栃乃和歌に立ち合い負けして4敗となった。十両の大岳は左太ももを痛めてこの日から休場した。《読売新聞》

【岡山県山陽町】男が短銃乱射、4人死傷

10日朝、岡山県赤磐郡山陽町の建築会社など同町の新興住宅街4ヶ所で、男が短銃を乱射、従業員のAさん(39)とBさん(45)、運転手Cさん(48)の3人が死亡、1人が重傷。

男は間もなく駆け付けた瀬戸署員に銃刀法違反などの現行犯で逮捕され、同署は短銃、実弾のほか持っていた日本刀2本を押収した。

逮捕されたのは元暴力団関係者のタイル会社社長D容疑者(48)。岡山県警は同署に捜査本部を設置、同日夕、殺人などの疑いでD容疑者を逮捕した。

調べに対し「仕事を取られたからやった」と供述しており、捜査本部は仕事をめぐる恨みの犯行とみて、動機や短銃の入手経路を調べている。《共同通信》

【日本新党・細川護熙代表】トーンダウン

日本新党の細川護熙代表は10日、東京・有楽町の外国特派員協会で講演し、その後の質疑で、「(参院比例選では)3議席取れば私たちにとって成功」と述べ、結党当初に「最低でも10議席」とした目標を大幅に下方修正した。さらに、選挙後について、「政策によって自民党と一緒になれば、野党と一緒になることもある」と状況に応じ協調も必要との認識を示した。

日本新党は、今回の参院比例選に、細川氏を筆頭に16人の候補者を立てているが、外国特派員から、(規模や国会での取り組みが)新自由クラブと同じではないか」と突っ込まれ、「いや、自民党にとって代わる政党をつくることが狙いだ。しかし一気にはできない」と、たじたじとなる場面もあった。《読売新聞》

【宮澤喜一首相】帰国

先進国首脳会議(ミュンヘン・サミット)出席などのため先月30日から外遊していた宮澤首相は10日午前9時前、羽田空港着の日航特別機で帰国した。

加藤紘一官房長官は10日の閣議で、外相臨時代理として、宮澤首相らの米、英両国訪問と先進国首脳会議(ミュンヘン・サミット)出席について報告した。 加藤長官はサミットについて、「内需拡大などわが国の政策努力について各国の理解と評価が得られ、また、北方領土問題についても、わが国の立場に参加国の一致した理解が得られたことは、大きな成果だった」と述べた。

閣議の席で宮澤首相は、サミットに同行した羽田孜蔵相、渡部恒三通産相、各省庁の随行員らに対し「協力に感謝する」とねぎらった。 塩川正十郎自治相は「今回は大変な成功を収めた。(参院)選挙に追い風となるよう、サミットの内容を首相から国民に向けてわかりやすく説明してほしい」と要望。首相はこれを了解した上で、各閣僚も選挙遊説でサミットの成果をPRできるよう、説明資料を作り、11日までに配布することを約束した。《読売新聞》

先進国首脳会議(ミュンヘン・サミット)から帰国した宮澤首相は10日午後、さっそく自民党総裁として東京・銀座で参院選の応援遊説第一弾を行い、北方領土問題が政治宣言に盛り込まれた今回のサミットの成果などをアピールした。

首相は炎天下のもと、30分間、国連平和維持活動(PKO)協力法の重要性、景気対策、生活大国、政治改革、ロシア支援問題などについて演説。特に北方領土問題については、「サミット参加国すべての問題として受け止められたということは、我々が戦後四十何年、訴え続けてきたことが正しかったということだ」と力説した。

PKO協力法に関連しては、議員辞職願を提出した社会党の対応に対して、「サミットでは各国から不思議がられた」と打ち明け、対決姿勢をあらわにした。《読売新聞》

【米・民主党】正副大統領候補が会見

米民主党の正副大統領候補に指名される予定のビル・クリントン・アーカンソー州知事とアル・ゴア上院議員は10日、初の共同記者会見を行い、ホワイトトハウスに変化をもたらす必要性を強調した。

来週の全国党大会で正式指名を受けれは、戦後最も若い正副大領候補となる。2人は、若さを強調しつつも「十分に(政界での)経験を積んでいる」(クリントン氏)と主張。また、共和党側が2人を「税金をばらまくリベラルだ」と批判していることについて、「彼らは敵を悪者にすれば、不況など自らの責任を負わないで済むと思っているのだ」(クリントン氏)と反論した。

一方、2人がそろって南部出身の白人男性であり、狙いを白人中産階級の票に校り、黒人など少数民族を無視するのではないか、との問いについては、即座に否定。クリントン氏が全米黒人地位向上委員会(NAACP)総会に出席して黒人の問題に耳を傾けることを約束すれは、ゴア氏は南部出身議員で初めて公民権法案の提案者になった」と弁明した。《読売新聞》



7月10日 その日のできごと(何の日)