平成1917日目

1994/04/08

この日のできごと(何の日)

【細川護熙首相】退陣表明

細川首相は8日午後、辞意を表明した。首相官邸で開かれた与党党首・代表者会議の席上で正式表明した。後継首相には羽田副総理兼外相が有力視されている。

首相は佐川急便からの1億円借金やNTT株購入をめぐって、新たな問題が出てきていることを認め、国会での平成6年度予算案審議が立ち往生している状態を打開することが困難と判断、政局運営に行き詰まって辞職を決意した。首相は会議の席上、これらの問題について「私の政治資金の運用に当たって法的問題が出てきている。調査はまだだが、政治的にも責任があり、襟を正さねばならぬ。職を辞することを了承願いたい」と述べた。政府は同日午後2時から閣議を開き、内閣総辞職のための閣僚の辞表取りまとめを行う。首相退陣によって政局は激動必至となった。

佐川急便からの1億円金問題とNTT株購入問題をめぐり、自民党は今国会冒頭から攻勢に入り、最近では細川内閣の倒閣姿勢を鮮明にしていた。こうした中で政府、与党は法的には問題ないとして、来週からは衆院予算委員会で与党による単独審議も辞さずとの方針を固めていた。しかし、首相は側近などとこれらの問題を慎重に検討した結果、政治資金運用などで法的問題が免れないとの判断に達したとみられる。

連立与党は首相の閣議での正式な辞意表明を受けて、直ちに後継首相選考の作業に入る。辞意表明が突然だっただけに、後継首相候補としては羽田副総理兼外相が有力視されている。

細川内閣は昨年夏の総選挙で自民党の過半数割れを受け、7党会派による日本では初の本格的な連立政権として発足。その後、コメの部分開放や5年越しに政治改革法を成立させるなど、短期間で功績を残した。

発足直後は70%を上回る空前の内閣支持率を記録。その後、国民福祉税構想などで与党内に亀裂を生んだが、なお自民党内閣に比べると最後まで高い支持率を誇った。しかし政治改革を最大の政治課題にしただけに、自らの疑惑が原因で辞任せざるを得ない皮肉な結果となった。《共同通信》

細川首相は8日午後、首相官邸で記者会見し、7日夜遅くに佳代子夫人と相談のうえ辞任を決意したことを明らかにした。首相はその理由として①昭和56年から数年間、個人資金を事務所が古い友人に任せて運用し利益を得て、それに法的問題の疑いがあることが7日夜分かった②佐川急便グループからの1億円借入と義父名義のNTT株取引の問題が、国民生活に深くかかわる予算審議の障害となっているーことを挙げ「襟を正すべき最高指導者が道義的責任を負うべきものだ」と表明。「国民にただ申し訳ない」と陳謝した。

首相は、資金運用の問題の具体的な中身は「事務所で事実を解明中」として明らかにしなかった。内閣総辞職の時期については「できるだけ早く」と述べ、後継の首相が決まれば予算成立も待たずに総辞職したい意向を示唆した。後継選びに関しては「この政権が目指したものを承継するのが望ましい」としながらも「いろいろ言うのは適当でない」と、影響力行使などの考えのないことを強調した。

首相は1億円について「間違いなく完済した」と強調したが、「利息は政治献金として政治資金規正法にのっとり処理した」とし、利息は支払っていない新事実を明らかにした。NTT株取引については「売却代金が事務所の口座を通り義父の手に入ったが基本的に問題ない」と強調、辞意表明は国民の政治不信解消に役立つとの考えを示した。《共同通信》

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【米・クリントン大統領】改革推進の新政権期待

クリントン米大統領は8日、遊説先のミネソタ州ミネアポリスで記者団の質問に答え、細川首相が退陣した背景には、個人的な借入金問題とともに「変革に向けて現在よりも効率的な連立政権をつくることが重要との認識があった」と指摘、新内閣の性格については、「見守る以外にない」としながらも、改革をきらに進める政権の誕生を望む姿勢を示した。

大統領は「(対日)経済・通商政策を変更する考えはない」と述べ、これまで日米包括経済協議で主張してきた米国の立場を新内閣にも主張していく姿勢を強調した。大統領は、細川首相の退陣が日本の政治・経済面での変革にとって「取り返しのつかない」後退だとは思わないと述べ、後継首相選出と新内閣発足まで「しばらく時間がかかる」との感触を持っていることを明らかにした。

また日米関係は安全保障、政治体制、経済の三つの側面で支えられており、「ある意味で複雑」だが「両国にとっても全世界にとっても大変重要だ」とし、「著しい関係悪化はないだろう」と述べた。

さらに米政府は多くの日本の政治家と良好な関係を保っているとし、「だれが(細川首相の)後継者になろうとも、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)や中国の問題で緊密に協力していけると信じている。そうなると思うし、そうならないとしたら驚きだ」と述べた。《共同通信》

【ポルテ金沢】全面オープン

金沢駅前第一地区市街地再開発ビル「ポルテ金沢」のキーテナントとなるホテル日航金沢のテープカットセレモニーと同再開発事業完成式は8日、金沢市本町2丁目の同ビルで行い、関係者が地上30階建て、高さ130メートルの日本海側最高層ビルの完成を祝った。同ホテルは10日から営業を開始する予定であり、既に開業している商業施設、フィットネスクラブと合わせ、ポルテ金沢は平成3年2月の着工から約3年ぶりにJR金沢駅前の顔として全面オープンする。

同再開発事業は7653平方メートルの敷地に地下2階、地上30階、延べ6万1028平方メートルの規模であり、核となるホテル日航金沢は2万5200平方メートルを占める。ホテル日航金沢は同ビルの地上17階から30階までに入り、客室数260、収容人員412人の同市内最大の都市ホテルとなる。《北國新聞》



4月8日 その日のできごと(何の日)